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ペットの肥満3


先々週からの続きです。
肥満予防と肥満治療がうまくいかない例をお伝えします。科学的な問題よりは、行動学的な問題が背景にあるように思います。背景に、ご家族の食事や運動に対する誤解が多分にあると考えています。減量作戦に参加していただくご家族皆さんの気持ちをほぐすことが、成功の鍵を握っています。

 

<肥満予防がうまくいかない例1>

「毎日朝夕2回の食事を喜んで食べなくてはいけない」という誤解

⇒これは知らず知らずのうちに過食になっていく典型例です。喜んで食べていないと感じるためにトッピングが増えたり、ハイカロリーな缶詰食を加えたりしてしまうのです。

必ずしも毎食喜んで食べる必要はありません。私たちでも、食事を進んで食べたくないことはあります。「今はお腹がすいていない」というようなときです。犬にもあります。犬が食事に興味を示さないときは無理に食べさせようとしなくてもよいのです。

例えば、血液中の糖分や脂質が高いと、食欲がないことがあります。ただし、このタイプの犬では肝臓に問題を起こしていないかの確認が必要です。血液検査と腹部エコー検査で、高脂血症がないかどうか、胆のう、肝臓系の病気はないかの検査を行います。

見た目に基準体型の犬でも高脂血症や高血糖になっている犬はいますので、血液検査までする必要はないだろうと高をくくっていると、数年もしないうちに肥満になってくる、「肥満予備軍」である可能性もあります。

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<肥満予防がうまくいかない例2>

「避妊または去勢したので肥満になった、この犬は太りやすい品種だからこれは仕方がない」という思い込み

⇒不妊手術を受けたかどうかに関係なく、必要なエネルギーに対して過剰な食事を与えられた場合に、体重が増加します。手術で体重が増えるのではなく、過食によって増えるのです。子犬の時は成犬に比べて栄養要求量が高いのですが、成長が止まったらエネルギー要求量も低下します。

フードはライフステージを基準に選んでください。不妊手術が済んだ犬用のフードもあります。肥満になりやすい品種であることや、手術によって運動性の低下や代謝性が低下するのがわかっているときは、早めにローカロリーの食事に変更します。おやつにも注意します。犬は自分で冷蔵庫を開けて食べることはしていません。「かわいい」=「食事面で甘やかす」が結果を招くことを意識しないといけません。

 

<減量治療がうまくいかない例1>

「うちの子はそんなにたくさん食べてはいない」という認識

⇒肥満の原因の多くは過食です。過去の過食が今の体を作っています。現在の給与量と含まれている総カロリー数が見た目とそぐわないのかもしれません。

よくある事例では、おそらく1日中なにか少しずつかじっています。食事の時においしいものだけを少し口にして、あとは残しているのであまり食べないように見えるのかもしれません。待っていれば何かおいしいものがもらえるのも知っています。飼い主さんは、「また食べ残している」「しっかり食べていない」のが心配で、中間でも与えています。しかし24時間で口にした総摂取エネルギーは、犬の体が証明しています。

決めた時間に決めた量を与え、しっかり体を動かして空腹を感じてもらうようにします。食べ残しを自由な時間に食べられないよう、片づけます。

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<減量治療がうまくいかない例2>

「おやつを食べないと狂暴化する。寝る前のクッキー5枚は静かに眠るための必需品」という悪習慣

⇒おねだり上手な犬の典型例です。「頂戴頂戴」の大きな騒音と行動に対して「おやつ」という報酬を与えてしまった例です。飼い主さんが犬の悪い行動に対して「屈服」し、この行動を強化してきた結果です。楽しいゲームになっているかもしれませんが、肥満という負の遺産を残してしまいました。

この場合は行動修正を行う必要があります。まずおやつの量を減らします。小さくちぎってください。回数は同じにします。もらう回数、そのものがかまってもらっている時間に相当します。無報酬で、与えないでください。新しいコマンドを覚えさせるような学習を始めてください。できたことをほめ、おやつはやめてしまいましょう。

 

<減量治療がうまくいかない例3>

「いい子だからお腹を空かせるのはかわいそう」という甘やかし

⇒実はちゃっかりさんな犬です。家族のみんなが「私がやっているのはたったのこれだけ」と思っていて、全員が同じことをしている可能性があります。犬はもっとしたたかで、「あなたからしかもらってません」アピールをみんなにしている可能性があります(トータルで見るとかなりの量を食べている)。

こうした場合、おやつではなく、「いいこいいこ」の行動に変えるのが建設的です。新しいコマンドの学習に変えてください。おやつは行動に対する報酬です。そしておやつは1日分ずつ小分けしたボックスに入れて、みんながそこからだけ与えることにします。

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<減量治療がうまくいかない例4>

「ドッグフードはきらいなんです」という誤解

⇒グルメな犬です。実は、犬の方が飼い主さんを巧妙に訓練してしまった可能性があります。「アイスクリームを与えたくなるように」「お芋を差し出したくなるように」飼い主さんをコントロールしているのは犬です。飼い主さんもそれを「利口な犬なの」と喜んでいる節もあります。グルメになってしまった犬は「何を選択するか」の権限を持っています。人の食べる特定の食べ物を飼い主さんが食べさせてくれるように、上手に飼い主さんを誘導しています。グルメ犬は適切な栄養バランスが取れていないので食べ過ぎてしまいます。

この場合、「何を食べさせるか」の権限を飼い主さんが持つのが問題の解決策です。「これしか与えられない」ことを徹底します。行動療法に近い治療で、犬との駆け引きになります。心を鬼にしないと成功しないかもしれませんが、それは正しい愛情です。

 

<減量治療がうまくいかない例5>

「お散歩が嫌いなんです」という誤解

⇒お散歩嫌いだと思わせてしまったインドアドッグです。子犬期に社会化がうまくいかなかった可能性があります。慣れないものに対する恐怖から外では動けない犬がいます。インドアドッグは家族といる時間が多く、必然的におやつ過多の生活になりがちです。また、屋内で体を動かして遊ぶのには時間的また空間的な限界があるため、消費カロリーがどうしても少なくなってしまいます。

もう一度、外に連れ出す訓練を開始する必要があります。学びなおしです。まずは広くて人気のない公園に出かけてください。それから、知らない人や犬たちに慣らすよう、時間帯を変えて、交わらせてみます。外の環境に慣れてくると、少しずつ歩けるようになるはずです。暑い日寒い日どちらも頑張って出かけてください。

 

  うまく成功しない例をいくつかご紹介しました。肥満の治療は飼い主さんの心がカギを握っています。たいていは行動療法につながるからです。これまでの習慣が間違っていたとは認めたくないし、そもそも習慣になっているからこそ、それを変えることが難しいのです。それでも、家族みんなが同じ気持ちになって前を向いたとき、必ず成功するので、「その気になってほしい」と思ういます。 
肥満関連のお話はここで一旦終了です。

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ペットの肥満2

 先週からの続きです。

肥満についてお話しています。

<治療の目的>

治療の目的は、肥満から発生する可能性がある病気を予防することです。早期に肥満を解除することで二次的に発生する病気を防ぐことができます。既に病気が発生してしまっている場合は、肥満の治療によって症状の悪化を防ぎ、生活の質を良くすることができます。肥満治療によって、好ましくない症状が改善され、動物の生活の質は向上します。

 

<治療方法>

治療の二大柱は食事療法と運動療法です。

①栄養療法(何を食べさせるか、どのくらいの量を与えるか、どのように実行するか)

・理想体重を設定します。それに基づいて1日必要栄養量(総カロリー)を計算します。活動量や不妊手術を受けているかどうか、どのくらいのスピードで痩せさせていくかなどを考慮して与える食事量を決めます。

・減量のために使うフードは、体重減少に貢献できる根拠がある処方食を選びます。処方食は、多くのビタミンとミネラル、タンパク質を含んでいて、栄養不足のリスクがありません。食物繊維の量も調整してあるので、カロリーは少ないけれどボリューミーで腹持ちがする健康的な食事です。さらに減量用処方食には関節炎の痛みに配慮した栄養組成になっているものや、アレルギー疾患に配慮したもの、体脂肪の燃焼を促進するものなど種類が豊富にあります。「痩せさせることができる」+「アルファ」要素もおすすめの理由です。

・今与えているフードを単純に減らすだけで、ダイエットを始めたくなるかもしれませんが、それでは栄養摂取量が減少し、栄養不足になる可能性があります。ショップに置かれているフードで、ラベルに「活動量が少ない犬用」や「体重管理」などの表示のものを選びたくなるかもしれませんが誤解を招く内容であることが考えられます。

・おやつを全面禁止にしてしまうと、生活は味気なくなってしまうし、家族の誰かが根負けして内緒で与えてしまう結果になることがあるので、量を決めるようにします。おやつから摂取するエネルギー量を求めます。その分フードの1日量を減らします。ですから、おやつが多すぎてしまうと栄養面の偏りが発生してしまいます。無条件、無制限に与え、せっかくの減量プランの足を引っ張ることがないように、家族全員、決めたことに従います。健康的なおやつは生のニンジンやブロッコリー、セロリなどの野菜です。犬に与えても良い野菜で、噛むことも楽しめます。くれぐれも食卓から家族の食事の一部を与えるのはいけないのだということ徹底してください。

・減量用処方食を与える時間は一定にします。食事回数は11回よりも2回、2回よりも3回の方が、愛犬が空腹感を感じることがなく、食事と食事の間でおねだりするのを防げます。

・新しいフードを導入する場合は、ゆっくりと移行する方法をとります。完全に移行するまで1週間から2週間使ってください。移行期間は犬によって異なる場合があります。時間がかかっても継続しましょう。これまでのフード75%に新しいフードを25%混ぜることから始めます。食器の中から好みの方を選んで食べ、ほかを食べ残すことがないようしっかりとかき混ぜます。慣れてきたら、さらに新しいフードの割合を増やしていきます。同じ割合を数日与えてから次のステップに進んでください。

・おねだりや、ごみあさりをするのは空腹を感じている可能性があります。空腹がまぎれるよう電動フィーダーで食事回数を増やすか、パズルフィーダーやスローフィーダーでゆっくり食べられるよう工夫してください。

・食事を変更すると、被毛の状態や活動性、便の状態などに変化が見られる場合があります。被毛がパサついている、フケが増える、便が硬くて出にくそうなど、不都合な変化があれば再診時に伝えてください。よくあるのは、繊維分の増加のために便がカサカサしてくることです。

注意1)「ドライフードは出しっぱなしにしておいても腐らない」からと、いつでも自由に食べられるようにしてあるご家庭がありますが、この方式は健康な犬にとっても好ましくない方法です。時間を決めて与えること、食べ残しは30分で片づけてしまうこと、合間におやつを与えないこと、十分に運動をさせてお腹を減らすようにすることが重要です。

注意2)おやつの代わりに、犬に注目すること、犬との遊びの時間を増やすこと、新しいコマンドに挑戦することは犬にとって、とてもうれしいことです。
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②運動療法(どんな方法で行うか)

・もう一つの課題が運動です。余分なカロリーを燃焼させるのに運動は役立ちます。すでに肥満になっている犬では過激に動くことができないことがほとんどです。また、併発している健康問題(呼吸器疾患や関節症がある、または高齢のために心疾患が発生しているなど)によっては、運動レベルは下げざるを得ません。

・スタート時はハードな運動は取り入れないようにします。5分程度のゆっくりした散歩(アップダウンがない平らなところを歩くだけ)から始めてください。平日に運動をするのに、時間的なゆとりがない場合があるかもしれません。平日の運動量、休日の運動量の目安を決めてください。平日はゼロ、休日のみ運動をするという方法はお勧めではありません。毎日のコンスタントな積み上げが効果的です。

・運動中の犬の様子はしっかり観察してください。呼吸が荒い、しゃがみこむようであれば休憩し水を飲ませます。外気温や湿度にも気を配ってください。

・減量が進み、運動器疾患の好ましくない症状などが消失すると徐々に運動量を増やすことができます。これには、時間を延ばす方法と、散歩の距離を延ばす方法、途中で速歩を取り入れる方法などがあります。関節の問題がクリアであれば、砂浜などの「踏ん張らないとうまく歩けない場所」での散歩も運動レベルを上げることになります。こうした場所での散歩は筋肉を鍛えるトレーニングにもなります。ちょっと走り込みを入れるのも、健康問題を伴っていない犬にはお勧めです。30分から45分程度続けられるようになるまで伸ばしていきます。

・水中ウォークはさらに優れています。夏場で小型犬であれば、子供用の家庭プールを使えるかもしれません。

③肥満の原因となっている病気の治療(これはやらないと!)

・甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの補充療法で、副腎皮質機能亢進症の場合は副腎の働きを抑える薬で治療を始めると、体型に変化が出てきます。服用している薬が原因で肥満になっている場合、病気によっては投薬を中止させることが難しい場合がありますが、代替え薬があれば薬の変更も可能です。脂質代謝異常症が早期に認められた場合、肥満になるのを待つまでもなく、脂質改善薬の服用で肥満を予防していくのも一案です。

注意)食事の変更途中ではさほど減量の効果は表れません。最初のひと月くらいは「増加していなければ良い」くらいの心づもりが必要です。減量は自転車こぎに似ていて、走りだしは力が必要ですが、うまく車輪が回転し始めると軽い力でペダルをこいでいても進めるのと同じように、減量もうまく回りだします。走り出しに効果が表れないからと諦めないでください。

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<継続が大切>

定期的に体重測定をします。1か月に1回くらいの頻度で病院の再診を受けてください。食前、排泄後、首輪を外すなど、同一条件にしてスケールに乗せます。健康的な減量率は1週間に体重の1%~2%です。この速度で体重が減っていない、または全く減っていない場合は見直しが必要です。減量プログラムを進めているにもかかわらず、思うように体重を減らせないことはまれなことではありません。新陳代謝の低下によるものかもしれません。燃焼速度も低下している可能性があります。こうした場合は食事量や運動量の新しいプログラムに変更します。

もし当初の目標がうまく達成できたら、減量の維持プロトコールを始めます。減量プログラム中と同じ食事を続けるか、もう少し緩徐な減量食に切り替えます。

注意)肥満の治療は1日にして成功するものではありません。数か月から1年くらいかかります。忍耐が必要です。それでも、腎臓病や心臓病のように元に戻らない進行性の病気ではないのです。継続した努力で健康なからだを取り戻すことができる病気です。

うまくいかない例を次週お伝えします。厳しさ満載の具体例です。

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ペットの肥満1

肥満

肥満は美容上の問題と思われていることが多いですが、「体脂肪の過剰な蓄積」と定義されていて、健康に悪い影響を及ぼすために、臨床上は「病気」に相当します。体脂肪の蓄積と体重増加は相関がありますが、完全に一致ということではありません。腹水の貯留や大きな腫瘍、または気づかないうちの妊娠など、体重増加の原因は肥満だけではないので、「重たくなったから肥満」と単純に結びつけてしまうのは危険です。「間違いなく肥満」という診断をつけるため、また「減量」という治療を成功させるため、診察にいらしてください。


<脂肪組織からホルモンが出ている>
現在、脂肪組織は単純な「エネルギー貯蔵庫」という考えではなくなってきています。脂肪組織は「ホルモンを分泌している内分泌器官」と呼ぶのにふさわしいくらい、脂肪由来の様々なサイトカインやホルモンを産生、分泌しています。
よく知られているアディポカイン(脂肪組織から分泌されているホルモンの総称)はアディポネクチンとレプチンです。アディポネクチンはインスリンの感受性(インスリンが効きやすくなり血糖値は下がりやすい)と抗炎症作用があり、体に有益に働きます。しかし肥満では産生が減少しています。レプチンは通常、食欲の抑制や、エネルギー消費の亢進で体重を減少させる作用を持つ(良い働きをしてくれる)サイトカインで、分泌も盛んになるのですが、体の方がレプチンに効きにくい状態になっています。つまり肥満傾向は改善されにくい状態になっています。
そのほかにも好ましくない作用を持つサイトカインの分泌もあります。多くは炎症性のサイトカインで、肥満は多くの組織に慢性的な炎症を促していると考えられます。肥満そのものが酸化ストレスを増大させることも知られています。長期的な酸化ストレスは、腫瘍、糖尿病、泌尿器疾患、心疾患、肝臓病に関連し、これらの疾患を引き起こしやすいだけでなく、肥満の継続によって病気の状態も悪化させていきます。
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<肥満により健康が侵されていく>
過剰な体重は、多くの病気の原因になりますし、すでに発症している場合も悪化因子になります。
①関節炎(物理的な重さの問題と炎症性サイトカイン)
②膵炎(脂質代謝異常から発生しやすい)
③心臓、循環器疾患のリスク増加
④腎臓病(脂肪組織からアンギオテンシノーゲンの分泌が亢進するため糸球体高血圧になりやすい、アディポカインも関連)
⑤インスリンに対する抵抗性の増加(糖尿病のリスク増大)
⑥猫の肝リピドーシス
⑦猫のシュウ酸カルシウム結石
⑧呼吸障害(腹圧の亢進と横隔膜の動きが悪くなることから)
⑨運動と暑さへの耐性の低下
⑩皮膚炎(皮下脂肪によるたるみによって発生する皺の湿性皮膚炎など)
⑪免疫機能の低下
⑫麻酔のリスク増大
⑬生活の質の低下
⑭寿命が短くなる
このようなわけで、美容上の問題よりも健康障害を考えないといけないのです。

<動物の肥満度を評価する方法>
肥満状態にあるかどうかの評価は、体重とボディコンディションスコア(BCS)で評価します。ボディコンディションスコアは9段階式と5段階式があります。肥満度を数値で表したものです。フードのメーカーのホームページに行くと掲載されています。ボディコンディションスコアを見るときに必要になるのは体型の確認です。家庭でもチェックができます。

<家庭でできる簡易チェック>
1、体型の確認から
① リブチェック:犬の胸部に両手を当て肋骨を触ります。力を入れなくても簡単に触れることができるかどうか。
② お腹のたるみチェック:犬の身体の位置までかがんで真横から身体の線を見ます。お腹のたるみがあるかどうか。
③ くびれチェック:犬の身体を真上から見ます。お腹辺りが砂時計のようにくびれて見えるかどうか。
④ ボディコンディションスコア:以上の結果を照らし合わせ、BCSの数値を求めます。
2、首輪や服のサイズから
①以前に比べて首輪や服がキツくなっていないかどうか。
②簡単に服のボタンが止められるかどうか。
3、運動に対する姿勢から
① 運動しているときのバイタリティ:いつもの運動量をこなせるかどうか。短時間で休憩したがるかどうか。1日の大半を寝て過ごしてはいないか。
② 歩き方:身体を左右に揺らしながら歩いていないか。
③ 呼吸様相:すぐにハァハァのあえぎ呼吸になっていないか。喉の辺りからガーガーの呼吸音がしていないか。運動時に乱れた呼吸が休憩するとすぐに元に戻るかどうか。
4、体重から
① 家庭で体重測定:以前に比べて増えていないか。
② 犬種別標準体重を知る:大きくかけ離れていないか。
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<肥満の診察>
病院では、身体検査で視診と触診からボディコンディションスコアを評価します。もちろん体重測定も行います。
肥満かどうかを見るため、または肥満のレベルを知るために画像検査を用いるのはあまり現実的とは思えませんが、ほかの検査目的で撮影したX線の画像で、偶然映り込んでくる皮下脂肪や腹腔内脂肪の厚みも客観的な評価に利用することはできます。
そのほかの病気を併発してはいないかどうかを調べるために、血液検査や尿検査は役に立ちます。脂質代謝異常や血糖値などスクリーニング検査を行うことが望ましいです。
お腹が膨らんで見える場合、腹部エコー検査は有用です。腹水や腫れた子宮、大きな腫瘍などを確認することがあります。

<肥満の原因を考える>
最も明白な原因は過食です。運動不足も原因になります。そのほかに病気のために肥満になっているという場合や、服用している薬のために肥満になっている場合があります。
代謝が関係している病気のひとつに、脂質代謝異常症があります。ミニチュアシュナウザーの高カイロミクロン血症(中性脂肪が高くなる)や、シェトランドシープドッグの高コレステロール血症は、犬種特異的な脂質代謝異常症で、ほかの代謝異常に関係する病気を併発した場合にはさらに悪化してしまいます。
高脂血症をもたらす代表的な疾患に甲状腺機能低下症があります。活動性の低下、代謝の低下が肥満を加速させます。甲状腺ホルモンの値は院内の血液検査で分かります。
副腎皮質機能亢進症では、過剰なグルココルチコイドが慢性的に肝臓を攻撃する結果、中性脂肪の合成が促進されて肥満になることがあります。副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の値は普段でもスクリーニングの血液検査で分かりますが、「特別な薬に対する反応を見る検査」(ACTH-刺激そのほか)をする方が精度は増します。
服用している薬によって肥満になるのは、免疫介在性疾患やアレルギー性疾患のために使われるステロイド薬です。常にグルココルチコイドを体内に取り入れているため、内因性にこのホルモンが過剰に出ているのと同じ状況が作られています。
抗けいれん薬であるゾニサミドやフェノバルビタール、鎮痛のためにも使われる抗不安薬のガバペンチンも使用が重なるにつれ肥満になります。
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<ハイリスクな犬たち>
ハイリスクな犬種があります。
・ゴールデンレトリバー
・ラブラドールレトリバー
・アメリカンコッカスパニエル
・パグ
・ビーグル
・ダックスフンド
・ミニチュアシュナウザー
・シェトランドシープドッグ
・トイプードル
・柴犬
です。これらの犬は太りやすい傾向にある病気の好発犬種です。
それからインドアドッグ。家族と一緒に過ごす時間帯が長いため、運動不足の割におやつを家族と一緒に食べてしまいがちです。
また不妊手術済みの犬は基礎代謝率が下がるため(うまく脂肪を燃焼させられない)、太りやすいです。
注意)「太りすぎの傾向にある犬だから肥満になっても仕方がない」のではなく、「肥満に注意しなければいけない」という考えでいてください。


来週に続きます。治療についてお話しします。



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三輪神社

 新年2回目は恒例になりました神社さんのご紹介。

今年は、名古屋大須にある、うさぎの神社、三輪神社さんです。

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いきなりアクセスですが、駐車できるところが限られますので、公共交通機関で行かれるのをおすすめします。

地下鉄で行く場合、地下鉄名城線の「上前津駅」が最寄り駅です。大津通の左側を若宮大大通り公園方向に向かって歩いてください。信号「赤門」を過ぎて、次の信号「赤門北」とのちょうど中間地点くらいにある路地を左折し、2つ目のブロック右側が三輪神社さんです。

名古屋の市バスで時間が合えば(さほど本数がないので)、歩く距離が少なくてウレシイ行き方になります。「金山駅」から「栄21系統」のバスに乗り、「上前津バス停」で下車。もしくは「名古屋駅」から「C-758系統」のバスに乗り、「矢場町バス停」(味仙の前)で下車。このバスに乗った場合はそのまま矢場町バス停を乗り過ごして、「大須赤門通バス停」で下車するのもokです。ぐるっと大須あたりを回っています。これが一番近いです(歩きたくない人向きです)。

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御祭神は「大物主神」(おおものぬしのみこと)。ご由緒からすると、奈良の「大神神社」(おおみわじんじゃ)の流れを汲んでいるような。大物主の神さまは、大国主の神さまの御魂(みたま)として顕現されたということです(同一神)から、それはもう、うさぎの皮膚炎を治してくださった大神さまなのです。獣医さんがあがめる大神さまなのです。ちなみに、岐阜の揖斐川町にも三輪神社さんがあります。由緒は同じ、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)ですね。
出雲大社
さて、出雲大社さんにも、大神神社さんにもおられるなでうさぎのお姿が、ここでも拝めます。撫でられます。ピッカピカに磨き上げられているうさぎさんです。
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ご利益の一番は「良縁」です。ご神木の「楠の木」に赤い糸を結ぶところができています。家族の縁、お友達の縁、お仕事の縁、いろいろありますが、家族として迎え入れる犬猫、動物もまた、目に見えないご縁のたまものです。そして、ご家族と動物病院との関係も、ご縁のもの。(今年もいい縁を結びましょうねぇ~)
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楠の木は、芳香があって虫よけに使われますが、別名「薬の木」でもあります。大国主の神さまは、農耕、漁業、医薬などの道に精通していらっしゃる神さまで、いつも小さな「少彦名の神さま」を肩に乗せておられます。少彦名の神さまは「お薬の神」で、元祖薬剤師さんですから、楠の木がご神木というのもうなずけます。

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木、といえば、大神神社の神話で出てくる糸巻き(おだまき)の赤い糸は「おだまき杉」の古株の下まで続いていたということですが、三輪神社さんにも大きな木の古株があります。(かわいらしい装飾にばかり目が行ってしまう。)こちらは杉の木ではないようですが、この木から作られたうさぎやお札などが授与品としていただけるもようです。ご縁のご利益が高まるかもしれません。
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そんな大神さまをお祭りされているにも関わらず、なんか近くにいてくれる感じがするのは、季節ごとの演出の細やかさのせいか、大須という地のせいか。なんでしょうねぇ~。

 御朱印帳もかわいいです。

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季節ごと、また二十四節季、特別の記念日、それぞれにかわいい御朱印がいただけるので、ついつい集めてしまいます。

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あとは御朱印の写真ばっかり載せちゃいます。

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ちなみに、おみくじは「うさぎみくじ」です。これもまた、かっわいいんですよねぇ~。

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さてさて。なにはともあれ、今年が
うさぎさんのように、ぴょんぴょん飛び、飛躍できる年になりますように。そして大国主大神さまのお力が、皆さんの犬猫の医療になって届けられますように。

合掌

テーマ : 神社・仏閣巡り
ジャンル : 旅行

新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます
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皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこと、お喜び申し上げます
また、旧年中は当院をご利用いただき、ありがとうございました

 

さて、本年は「癸卯」(みずのと・う)、「寒気が緩み芽の萌出を促す年」になるのだそうです。世の中はコロナ禍以降、停滞してきましたけど、そろそろ希望の芽吹く春がやってくるということになるのでしょうか。
ぜひそうであってほしいと祈ります。

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年も改まり、スタッフ一同これまで以上の努力を持ってご要望にお応えしてまいる所存です
本年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
みな様のご健康とご多幸をお祈りいたします
なお、新年は14日より診察を開始いたします


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ジャンル : ペット

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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