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蛋白漏出性腸症

蛋白漏出性腸症のお話しです。

 

慢性的に下痢が続いている犬の中には、消化管から蛋白質が漏出し、低タンパク血症になっている犬がいます。血液検査で総蛋白(TP)もアルブミン(ALB)も低くなっています。もしくは、下痢はないのだけれど、少々の体重低下が有り、血液検査をしてみたらこのような結果に出たという犬もいるかもしれません。

身体の蛋白質が失われているのが腸管からではなくて腎臓からかもしれないという心配は尿検査を行なって確認をします。潜在的にアルブミンを作ることが不足しているかもしれないという懸念は胆汁酸(TBA)などの肝機能検査によって覆します。副腎皮質機能低下症(アジソン病)も血液検査(コルチゾール値)で否定ができます。それらのどれにも当てはまらず残った犬たちが「蛋白漏出性腸症」です。(確定診断には内視鏡検査と組織検査が必要です。)

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うんちはゆるくないこともあります。

<蛋白質が逃げて行ってしまう>

「蛋白漏出性腸症」では、どうして消化管から蛋白質が逃げて出て行ってしまうのでしょうか。その原因は二つ考えられています。一つは腸粘膜が傷ついているから、もう一つは腸のリンパ管がおかしくなっているからです。

微細構造については後述します。

このような病態を発生させる病気はいろいろあります。粘膜を傷つける結果になる病気として、炎症性腸疾患、感染症(パルボウィルスとかサルモネラやキャンピロバクターなど)、副腎皮質機能低下症(内分泌系の病気です)、膵外分泌不全症があげられます。腸リンパ管の異常を起こす病気は、腸の炎症や腫瘍、リンパ管炎、また原因不明のリンパ管拡張症のこともあります。最も頻度が高いのは、炎症や腫瘍に続発する「リンパ管拡張症」です。

 

<深刻な栄養障害です>

これは深刻な問題です。体内に蛋白質が供給されないと必要な蛋白質を作る手段はからだの蛋白質を壊して得るしかありません。優先順位の高い蛋白質は血液蛋白であるアルブミンで、それを得るためには筋肉が分解されます。

アルブミンは失うことができない蛋白質です。アルブミンは肝臓で産生され血流を循環する蛋白質で、血液中に溶けない物質をアルブミンに乗せて運ぶ役割をしています。血液循環が道路だとしたら、アルブミンはバスのようなものです。またアルブミンは一定の濃度により血管内の血液の水分量を維持する仕事も担っています。血中のアルブミン値が低下すると血流に水分を保持できなくなり、血管から水が漏れ出し、組織の中に水を留めるようになります。むくみ(浮腫)や、胸水、腹水です。

「蛋白漏出性腸症」ではアルブミン以外の蛋白質も失われます。それは免疫力に関わる蛋白質、血液凝固(止血システム)に関係する蛋白質、消化に関係する酵素蛋白質などです。これらのからだの運営に欠かすことができない蛋白質も失っており不足しています。

からだは筋肉などから蛋白質を分解し、肝臓でアルブミンなどに再構築させることで一時的にしのぐことはできますが、筋肉組織を常に犠牲にしています。

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体重減少はほぼどの犬にもみられます。

<リンパ管・リンパ液>

リンパは血液と同じように体内を循環する液体です。リンパ液はリンパ管の中をゆっくりと巡っています。血液循環は心臓というポンプ場がありますが、リンパ循環にはそれはありません。筋肉の収縮に伴って送り出されています。静脈圧にも流れは左右されます。リンパ液は血液の液体成分となる組織液と似た構成で、無色の液体で、蛋白質とリンパ球に富んでいます。所々にリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節はリンパ液の中に入り込んだ細菌や腫瘍細胞、異物を捉えるフィルターの役目をしています。リンパ節でつかんだ免疫情報を持ってリンパ球は全身に出て行きます。リンパ球は免疫担当細胞です。

 

<腸リンパ管>

「リンパ管拡張症」は腸のリンパ管が拡張していることを意味します。リンパ管は周囲の筋収縮によって受動的に縮まってリンパ液が送り出されるわけですが、リンパ管拡張症では、何らかの炎症によって流れがブロックされた可能性があります。腸リンパ管は太く、内圧は高くなっています。

 

<リンパ管拡張症の腸絨毛>

腸絨毛は小さな指のような構造をしています。腸リンパ管はこの中心を走っていますが、リンパ管が高圧になると、柔らかな乳頭部が破裂します。犬の回腸の腸絨毛は走査型電子顕微鏡で見ると「細い葉のよう」だと形容されるように細いのです。エノキタケの先端の傘部分が落ちてしまう感じです。こうなると脂肪分を吸収するというよりも、壊れた先から内部のリンパ液が漏れて出てしまうことになります。リンパ液の成分はタンパク質とリンパ球です。こうしてタンパク質とリンパ球は失われます。血液検査を行なうと低タンパク血症とリンパ球減少症が確認されます。また脂肪分も抜けていきますから、脂肪(脂質)が便中に出てきます。

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ヨークシャテリアは好発品種です。

<消化された栄養素と通り道>

食事中にある主な栄養素(エネルギーを生み出すもの)は炭水化物、タンパク質、脂質です。炭水化物はブドウ糖、タンパク質はアミノ酸という小さな分子に分解されて、腸の血管系に入り、門脈を通って肝臓に向います。脂肪はこれらに比べると分子が大きく、また「油性」という特徴もあることから、分子を小さくし(ミセル)、さらに水に溶けるかたち(カイロミクロン)に変え、腸絨毛の中心を走る乳び管(腸リンパ管)に吸収させます。腸リンパ管は腸の乳び管内に吸収した脂肪をからだに届ける最初の入り口になるところです。
脂肪の中でも、炭素の鎖が10個以下の短い脂肪酸(短鎖脂肪酸)はブドウ糖やアミノ酸と同じように門脈を経由して肝臓に向かい、腸リンパ管に負担をかけません。これが治療するときに低脂肪食を食べていただきたい理由です。


今日は「どうして?」「なんでなんだろう?」の疑問に関わるお話しばかりで具体的なところまでお話しできませんでした。次回は治療のお話しを中心にしていきたいです。

 

 

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猫免疫不全ウィルス感染症の検査

 今日は世界エイズデー。ネコのエイズとして知られるネコ免疫不全ウィルス(FIV)感染症について、特に検査の解釈のことを中心にお話しします。

 

<ネコエイズは怖い病気?>

ネコ免疫不全ウイルス(FIV)に感染すると、ウィルスが免疫系を攻撃し、他の多くの感染に対して防御が甘くなります。FIVに感染した猫は何年も健康そうに見えるかもしれませんが、最終的にはこの免疫不全に苦しみます。ですが、ネコ白血病ウイルスやコロナウィルスなどに感染していない限り、通常の寿命を生きていくことが示唆されています。

 

<感染経路>

感染リスクの高い猫は外出をするオス猫です。FIVの主な感染経路は咬傷によるものです。ほかの猫に好意的で攻撃性の少ない接触、つまりグルーミングや食器の共有などは、ウイルスを広めるルートではないようです。同居猫がけんかをしない安定した家庭にいる猫は、FIV感染のリスクはほとんどありません。まれに、胎児が産道を通過するとき、または新生児子猫が感染した母乳を飲むときに、感染した母猫から子猫に感染が伝染します。性的接触は、FIVを広める経路ではありません。

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<症状は?>

感染の初期段階で、ウイルスは近くのリンパ節に運ばれ白血球の中で増殖します。その後ウイルスは全身の他のリンパ節に広がり、一時的なリンパ節の腫脹を引き起こします。このときにたいていは発熱しますが、この段階では気付かれずに過ぎてしまう可能性があります。もしくは咬まれたことによる細菌感染からの発熱だと思われて終わることもあるでしょう。

感染した猫はほぼ健康な状態で、時折不都合な事象が繰り返されたりして、徐々に悪化していきます。悪い徴候は感染後何年も現れないのが普通です。病状が悪くなって来院され検査を受けてはじめて、陽性結果を知り驚かれる患者さんも多いです。

免疫不全兆候は全身のどこにでも現れ、そのため症状は様々です。毛並みが悪い、食欲不振、発熱を繰り返す、歯肉炎や口内炎がある、目がおかしい(ぶどう膜炎)、慢性の皮膚炎がある、上部気道感染が慢性や再発性におこる、持続性の下痢がある、膀胱炎を繰り返すなどです。そのほかあまり知られていませんが、発作や行動上の変化などの神経学的な症状も出る可能性があるし、血液学的な問題(貧血など)を起こすこともあります。自然妊娠ののち流産を起こすメス猫もいます。腫瘍になりやすい傾向もあります。 

<ウィルス検査>
FIVは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査などの手法を使用して検出できます。病院で行なわれるスクリーニング検査は抗体を用いたELISA法です。血液中にFIVウイルスに対する抗体が存在するかどうかを濾紙に発色させて陽性かどうかを見ていきます。

PCR検査は、ウイルス遺伝子を検出する検査です。PCR検査は猫が作り出したFIV抗体の検出ではなく、ウイルスのDNAを検出することによって、血中にFIVウイルスが存在することを確認する検査です。ELISA法は感染症の理想的なスクリーニング検査ですが、特定の状況がある場合(移行抗体があるかもしれない子猫の感染の確認や、FIVワクチンを接種したことがある猫の感染の判定など)には、PCRの検査が理論的に優れています。PCR検査はELISA法で判定が困難な場合に外注で依頼している検査です。日常的には行なっていません。

検査の必要性ですが、ご自身の猫の健康を維持すること、ほかの猫への感染拡大を防ぐことが2大目的です。

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<こんな猫におすすめ>

  一度も検査を受けたことが無い猫。

  病気になっている猫。(過去に実施され感染が無いことを確認してあっても、その後の感染を除外することはできません。)

  新しい猫を養子として迎え入れるとき。(先住猫が居る場合一緒にできるかどうかをみるために。)

  感染しているかもしれない猫との接触が考えられるとき。(自由外出で目が届かない場合に。毎年の検査が理想です。)

  FIVワクチンの接種を検討しているとき。(どちら由来の陽性なのかをはっきりさせます。)

 

<陽性結果がでたとき>

猫は感染を完全になくすことはほとんどないため、検査結果が陽性に出る(抗体が存在する)ことは基本的にFIVに感染していることを示しています。

ただし、偽陽性の結果が生じる可能性はあります。猫の生い立ちや臨床症状などから鑑みて検査結果と合致しないような場合は、PCR検査を使用して結果を再確認することをお推めしています。

6か月未満の子猫では解釈が異なります。感染している母猫は、授乳中の子猫にFIV抗体を移します。そのため、感染した母親から生まれた子猫は、出生後数ヶ月間、陽性の検査結果を示すことがあります。でもこの子猫が実際に感染していることにはならないかもしれません。それで感染状態を明らかにするために、FIV陽性という結果が出た6か月未満の子猫は、少なくとも6か月になるまで60日間隔で再検査する必要があります。もしくは母猫からの移行抗体の影響を全く受けなくなる6か月齢まで待ってから検査をするということもできます。子猫の時に陽性だったのに数年経ってから検査したら陰性になったというのは、感染が免疫力によって陰転したのではなく、子猫の時に親からもらった移行抗体をキャッチした可能性があります。

検査結果を正確に解釈するために、猫のFIVワクチン接種履歴を知ることは不可欠です。FIVワクチンは、ワクチン接種された猫にFIVウイルスに対する抗体を産生させますが、FIVウイルスに対する抗体は、FIVの自然感染に反応して猫が産生した抗体と区別することが困難な場合があります。この場合は一般的なELISA法は有用ではありません。今は「差別的ELISA」と呼んでいる新しいテストができました。この検査ではFIV、ワクチン接種後に産生される抗体とFIV感染後に産生される抗体を区別できるとされています。それでも正確に知りたい場合はPCR検査を受けることをおすすめします。

大切なことを言っておきます。陽性結果は「死の宣告」を示すものではないことをご理解ください。最初にお話ししたように、FIVの感染があっても複数のウィルス感染が無ければ寿命を全うできることもできるくらいです。前向きに捉えてください。

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<陰性結果がでたとき>

陰性の検査結果は、猫の体がFIVに対する抗体を産生していないことを示しています。ほとんどの場合、これは猫が感染していないことを示唆しています。

ただし、通常検出可能なレベルの抗体が血流に現れるには、感染後812週間かかります。そのため、この期間に検査を実施すると、偽陰性の結果が生じる可能性があります。したがって、FIVに感染している猫または未知の猫の咬傷などによる未知のFIV状態の猫と接触した猫は、検査を受けたときに陰性であっても、最新の暴露(感染したかもしれない事件が起こった日)から最低60日後に再検査する必要があります。これにより、猫の体がウイルスに対する抗体を開発する時間ができます。

ごくまれに、FIV感染の後期にある猫は、免疫系が非常に損なわれているため検出可能なレベルの抗体を産生しなくなり、FIV抗体検査で陰性となる場合があります。

 

<治療と管理>
残念ながら、現在、FIVに対する決定的な治療法はありません。何らかの症状を出したときに、ひとつひとつ、その病態に対する処置を行ないます。例えば口内炎なら口内炎の治療です。猫の寿命を予測することは不可能ですが、FIVに感染した猫でも適切に管理すれば、表面上は通常の生活を送ることができます。もしFIVに感染した猫が感染の結果として1つまたは複数の病気を発症した場合や、持続性の発熱と体重減少が存在する場合、一般的な予後はあまり良好ではありません。

FIVに感染した猫には去勢手術(避妊手術)を行ない、屋内だけで飼育し、近隣の他の猫がFIV感染しないよう、FIVの拡大を防いでください。栄養的にバランスの取れた食事を与え、生の肉や卵、低温殺菌されていない乳製品などの調理食品は食品媒介細菌や寄生虫感染症のリスクがあるため避けてください。そしてストレスのない生活を提供するようお願いします。

FIVに感染した猫は、少なくとも半年に1回くらいの割合で診察にいらしてください。歯肉、目、リンパ節に特に注意を払いながら、身体検査を行います。身体検査のほか血球数、血清生化学検査、や尿検査を実施します。これは健康な猫が受ける検診項目と同じです。多くの場合、体重減少は悪化の最初の兆候になります。ご家庭では食欲と体重減少に注意を払ってください。FIVに感染した猫の健康と行動の観察は、感染していない猫よりも重要です。猫の健康上の変化を気にかけ、おかしいと感じるところがあれば、検診予定日が来ていなくても診察にいらしてください。

一部の抗ウイルス療法は、口内炎(口腔の炎症)を伴うFIV感染猫に有用で、環境に放出されるウイルスの量を減らすことが示されています。体内のウィルス量を測定することはできませんが、少なくとも口内炎の症状緩和になるように思います。FIVの効果的な治療の開発は、まだ研究の途上にあります。

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<予防、新しい猫の同居に際して>
FIVのワクチンが開発されていますが、ウイルスのすべての株に対する有効性はまだ決定されていません。ですから、FIVの感染を防御するのに大切なことは、感染している猫と接触しないようにすることです。うちのかわいい猫ちゃんを保護する唯一の確実な方法は、ウイルスへの暴露を防ぐことです。猫に噛まれることは、感染が伝染する主な手段であるため、猫を屋内に入れ、噛む可能性のある感染した猫から遠ざけてください。屋内飼育猫が感染する可能性を減らすには、感染していない猫だけを家に持ち込み、感染していない猫だけを飼うことが理想的です。場合によっては、家庭内で感染してしまった猫と感染していない猫を分けて飼育することになるかもしれません。子猫の新規導入の時は、検査しても正しい結果が反映されない期間のことを考慮して、しばらくは先住猫と別に飼育することをおすすめします。

残念ながら、FIVに感染した猫の多くは、他の猫と何年も一緒に生活してきてから診断されます。そのような場合、家庭内の他のすべての猫を検査する必要があります。FIVは主に咬傷によって伝染するため、安定した社会構造を持つ家庭(つまり屋内猫同士は仲良しさんであるとき)は、感染した猫から感染していない猫への伝染は、外に出てけんかをしてくる猫に比べ少ないです。

FIVに感染した猫が家庭内にいる場合は、新規の猫に感染の機会を与える可能性があります。また、新しい猫の導入がストレスとなり、日和見感染的に新たな病気を発症する可能性もあります。できれば新たな猫を家に持ち込むのは避けたほうがいいでしょう。

なおFIVはほとんどの環境で数時間以上は存続しません。しかし、前にFIV陽性猫が住んでいた環境(今は猫が居ない)に、改めて猫を導入する場合はFIVや他の感染症の伝播を最小限に抑えるために、消毒を行なってから迎え入れてください。食器や水食器、寝具、猫用トイレやおもちゃは洗浄し消毒をするか、または新しいものに交換してください。家庭用漂白剤の希釈溶液は、優れた消毒剤です。新しい猫や子猫は、家に入る前に他の感染因子に対する適切な予防接種(混合ワクチン)を受ける必要があることも念頭に置いてください。

FIV感染から保護するためのワクチンはありますが、猫のコアワクチンとは見なされていません。推奨される接種方法は、2回~3回のコアワクチン(3種混合ワクチン)が済んでから、初年に1か月間隔で3回、その後も1年に1回の追加接種をしていく方法です。勝手な思い込みで数年に1度接種をしてみたところで予防にはなり得ません。またワクチン接種された猫が確実にワクチンで保護されるわけではないため、ワクチン接種された猫であっても、曝露を防ぐ(感染猫との接触を避ける)ことが重要です。

 

<ヒトの健康への懸念>
FIVHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に似ていて、人間のAIDS(後天性免疫不全症候群)に似た病気を引き起こしますが、ネコだけに感染するウイルスです。FIVがヒトに感染したり、病気を引き起こしたりするという証拠はありません。

 

 猫のウィルスチェックは、子猫を飼い始めたときにすぐ実施したいと思うかもしれません。けれど偽陰性や偽陽性の出やすい時期があることを考え、早期に実施した場合は後日再検査の必要性が出ることもご承知置きください。

猫の世界からFIVを無くすことができるのは、陽性になった猫を外に出さない、感染の輪を広げないことにあります。陽性判定の出た猫では、「だって外に出たがるんだもの~外じゃないとトイレができないし~」の気持ちもわかりますが、去勢手術により出たい気持ちにブレーキがかかります。ぜひ出さない方向に重きを置いた対処法にご協力ください。

師走に入りました。ご多忙とは思いますが、ご自身のおからだも大切になさってください。

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猫の鼻のぐずぐずが続いているとき

 猫の鼻のぐずぐずが続いているときに

猫はウィルスや細菌感染に伴って鼻がぐずぐずします。目も涙や目やにで開けにくそうになることが多いのですが、これらの症状は別の理由でも発生します。鼻に問題があった猫の26%は慢性鼻炎ですが、リンパ腫などの鼻腔にできる腫瘍の割合はそれよりも高く56%にも上ります。今日は鼻腔内にできる腫瘍のお話をします。

 

<こんな風に症状が進みます>

くしゃみや鼻づまり、涙目、目やにが出ます。多くの飼い主さんは「猫の鼻風邪」だと思うでしょう。または「時期的にアレルギーなのかしら」と思うかもしれません。動物病院でも「カリシウイルスやヘルペスウィルス、クラミジアなどの感染症」とお知らせしているかもしれません。
が、このような症状が長引きます。これは腫瘍細胞によって鼻腔が閉鎖され気道が通らないことによる症状です。
やがて顔つきが変わって来ます。でも、まだ初期だと
「怪我をしたのかもしれない、怪我の治りが悪い」と思われていることがあります。
が、変形の度合いが進んできます。これは腫瘍が増大して周囲組織を圧迫するために出てきている症状です。
変化のスピードがとても速いのに飼い主さんは驚かれるかもしれません。ここまで来ると、「風邪じゃない」「けがでもない」と猫に起こっていることが悪いことかもしれないと思い始めるでしょう。

初期から徐々に大きくなってくるときの症状をまとめてみました。

l  くしゃみ、逆くしゃみ、分泌物が飛び散る

l  鼻づまり、呼吸音が聞こえる、鼻が苦しそう

l  長く続く鼻水、鼻汁、膿性分泌物、鼻血

l  たくさんの涙、どろっとした目やに

l  目と目の間の鼻すじが盛り上がる、目と目の間が広くなる

l  顔に痛みがある(触れられるのを嫌う)

l  食欲不振(体重減少につながる)

l  驚いたような目、目頭から膜が出る、目が閉じない

l  顔の左右が不対称、顔の変形がある

l  口臭、顔が臭う?

l  発作、混乱

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<鼻腔にできる腫瘍>

 呼吸器系には多くの部分がありますが、上部気道の重要な部分は鼻と副鼻腔です。副鼻腔は頭蓋骨の骨の空洞です。ここは鼻とつながっていて鼻から吸い込んだ空気に湿気を含ませる仕事をしています。鼻と副鼻腔の内側は上皮と呼ばれる同じタイプの組織で覆われています。この組織は鱗状に細胞が重なり合った構造をしていて扁平上皮(へんぺいじょうひ)と呼ばれています。

鼻にできる腫瘍で一番多いのはリンパ腫です。リンパ腫はリンパ球(白血球の一種)の腫瘍です。リンパ組織は体中あらゆるところにありますが、鼻腔にできるリンパ腫は主に鼻に限局して発生しています。(猫のリンパ腫で鼻にできる割合は少ないです。)鼻の扁平上皮から成長する腫瘍は、扁平上皮がんです。たいてい鼻の両側に発生します。骨とその近くの組織に広がるのが一般的ですが、場合によっては脳に広がって発作を引き起こす可能性があります。 線維肉腫が発生することもあります。かなりまれです。鼻道と周囲の結合組織から発生する悪性腫瘍です。ゆっくりと進行していきますが、発見されたときにはかなり進行している場合が多いです。軟骨肉腫が発生することもあります。こちらもまれです。侵襲性で急速に広がる腫瘍です。

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 診断>

症状が発症するまでの猫の健康に関するプロフィール、症状が出てから診察日に至るまでの変化の過程をお伺いします。もしくはカルテに記載されたことを再確認します。

その他の病気と同じように、身体検査に続いて血液検査(血球数と生化学的検査、電解質の検査など)を行ないます。感染症の検査(猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルス)の検査も行ないます。猫白血病ウイルスに感染しているとリンパ腫の発生リスクは60倍に、猫免疫不全ウイルスの感染があると7倍に、どちらにも感染があると77倍にもなります。これは診断の目安になりますし、治療や予後判断にも役立つ検査です。

猫の鼻汁の検査は、細菌や真菌の感染があるかどうかをみるのに有効です。クリプトコッカス症は鼻にできる腫瘍にそっくりの症状を出しますが治療が異なるので、鑑別します。(血液検査の併用もします)

猫の頭部と胸部のX線検査を行ないます。腫瘍が存在するかどうか、それが大きいかどうか、骨に浸潤しているかどうか、肺などほかの部分に広がっていないかを判断します。しかし画像診断としてX検査では不十分です。

鼻鏡は鼻の穴の中を覗く検査ツールですが、新生物のために鼻腔が狭くなり、出血のために視界が悪い場合は鼻の中を調べる道具として役に立ちません。(鼻腔内に寄生虫や異物が入り込んでいるのを発見することには威力を発揮します。)

生検(細胞の病理学的検査)は、腫瘤の正確なタイプを判断するための不可欠な検査です。細い針を使って腫瘍細胞を採材するよりもストロー状のものを使って腫瘍細胞の塊を採る方が多くの細胞を収集でき、検査を確定診断に導くことができます。鼻の奥にストローを入れられるのは、私たちがインフルエンザの検査を受けるときのように、猫にとっても不快なものです。この検査は鎮静処置下で行ないます。近くのリンパ節からもサンプルを採取します。腫瘍が転移してはいないかを確認するものです。

可能であれば猫の頭のコンピューター断層撮影(CT)または磁気共鳴(MRI)スキャンをお願いすることになります。腫瘍と猫の頭蓋骨の内部のより詳しい画像が得られます。腫瘍の成長の大きさ、広がり具合、身体のほかの部分に広がりがないかどうかを確認するにも役立ちます。腫瘍の進行度と最善の治療方法を判断するのに役立ちます。

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 治療>

一般に腫瘍の治療は手術、放射線療法と化学療法(抗がん剤)の組み合わせで治療されますが、猫の鼻腔を埋めた腫瘍が何であるかによって効果のある治療方法は異なります。例えばリンパ腫では手術が実用的ではなく、放射線または化学療法の組み合わせ、または化学療法だけで治療されます。他の腫瘍でも切除手術だけでは効果的ではなく、組み合わせた方が治療成績は良好です。放射線による治療は限られた動物病院でしか受けることはできませんし、手術も熟練した術者による手術が必要です。利用可能な治療法は相談して決定します。

そのほか、支持療法も加わります。感染が存在する場合は抗生物質が投与されます。食事が思うように摂取できない場合は栄養学的なサポートも必要です。目が閉じないような場合、角膜を保護するための点眼薬も必要になるでしょう。

場合によっては、終末期の痛みの管理が適応になる可能性があります。

 

 <生活と管理>

 鼻や副鼻腔に腫瘍ができた猫は、鼻粘膜が正常に機能しないため感染症が発生しやすくなっています。炎症を起こしやすく鼻水も出やすい状態です。治療の副作用にしても、腫瘍による結果であるにしても、好ましくない現象を軽減するために猫にできることは何でも行ないます。環境内の温度など、猫を快適にさせる工夫が必要です。

鼻腔の腫瘍を治療しない場合の生存期間は5か月未満とされています。(放射線療法を使用した場合のリンパ腫の平均生存期間は12年です。)腫瘍が脳やその他の場所に広がっていると予後はとても悪く、生存率もぐんと低くなります。
予後に関するデータをみると猫にとって最良の結果を確実にするためには積極的な治療が必要だということが読み取れます。

 今月はNational pet cancer awareness month 動物の腫瘍について知ってもらう月間です。「まさか猫の鼻に腫瘍ができるなんて。」驚かれたかもしれません。知らない方が普通です。でも、こんなこともあるのだと知っていたら、長引く鼻水に早く対処できるかもしれません。そんなわけで、そう多くはないけれど見ないこともない鼻腔腫瘍についてお話ししました。「涎が多いのも口腔内腫瘍かもしれない!」と思いついたあなた、賢いです。思い当たる節があれば動物病院へ、お願いします。

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体重低下がある慢性の下痢に・2

先週の続きです。

 
<内視鏡の検査>

エコーで怪しい所見もなくここまで来たのに、それでも治らない、っていうときに、再度エコー検査です。今度は怪しい所見があるかもしれない。エコー検査は何度も繰り返し確認させていただきます。腸管の5層の構造がおかしいとか、くねくねがある(専門的にはくねくねとは言いませんが)のが怪しい所見です。(ほかにもあります。)いよいよ内視鏡の検査を受けていただかないといけません。ここまでに既にひと月くらい経過しているはずです。つまり治療を試みてはみたものの下痢は続いているのです。外部委託した詳しい血液検査や糞便検査の結果も帰ってきている頃です。総合的に判断できるようになっています。

この段階でも「麻酔をかけての検査は受けたくないよ~」って言われることがあります。犬の年齢や、他の病気のこととかあることが多いです。原因に近づけなくて残念ですが、次のステップに進みます。

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<免疫抑制剤の治療>

で、次の段階です。

原因のところでお話ししましたが、①免疫の異常が起こっているかもしれない、というところに目を付けて行なう治療がここです。これまで、②腸内細菌の異常があるかもしれない、に対しては抗菌薬や腸内細菌のサプリメントで治療にトライしていますし、③食餌中の蛋白質にアレルギーを起こしているかもしれない、に対しては低アレルゲンの処方食で試してみたので、残っているのが、ここ、免疫系に対する治療なのです。

慢性腸症の中には犬の免疫状態が亢進していることがあります。腸管は身体の中にあるといっても、内腔は外の世界で、腸の粘膜では自分の体とは異なるタンパク質を身体の中に取り入れよう(吸収)としているので、そこでアレルギー反応が出ていることが十分考えられます。皮膚が外部のアレルゲンに反応して赤いぽつぽつができていたり、黒ずんで厚くなっていたりするのと同じように、腸管内部でも赤くただれているかもしれません。それで、ステロイドのお薬を使って腸粘膜の表面で起こっているだろう炎症を抑えてやるわけです。

こうして、ステロイドの薬で治ってくれれば「免疫抑制剤反応性下痢」という病名が付きます。が、「良かった」というべきか、今後いつステロイドを減薬したり中止したりするのか、そもそもそれができるのか、とその先のことも考えると、獣医師としては簡単に喜べない病態です。

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<内視鏡検査と病理検査>

もし決心が付くのであれば、ステロイドのお薬を投薬し始める前に、内視鏡の検査を受けていただきたいと思います。特に柴犬では、これまでの試験的な治療を行なうよりももっと早い段階で「内視鏡検査と病理学的な検査」を受けていただきたいです。そのほかの犬種の場合も(猫でも)、ざわざわっとすることがあり、慢性の下痢に限らず、体重減少が続いているような場合はおすすめしています。内視鏡の検査は全身麻酔です。現在当院ではこの検査は外部の病院にお願いしています。お口の方から食道、胃、十二指腸と空腸の届くところまでの範囲を視て、それぞれの部分からサンプルを採取します。肛門の方から直腸、結腸を同じように検査しサンプル採取し、病理検査に回してもらいます。

どうして、柴犬やざわざわっと感じる犬や猫に「ぜひ、受けてもらいたい!」というのかお話しします。病理の検査では「〇〇細胞性腸炎」(〇〇の中には細胞の名前が入ります)であるとか、「腸リンパ管」がどういう状態であるのかなど、今の腸管(ついでに見えてきた食道や胃の様子なども)伝えてくれます。けれど、もっと欲しい情報はざっくりいってしまうと、「炎症」なのか、もしかして「腫瘍」じゃないのかというところなのです。もし腫瘍性だとすると、嫌がっていて検査を受けるのが遅くなった場合はそれだけ進行してしまうからです。ここからの治療を行なっても生存日数が~ということになるので、予後を考えるとできるだけ早く診断を付けて、早い段階で腫瘍のための治療を開始してあげたい、ということなのです。

 

<腫瘍性だとわかった場合>

腸管に関連した腫瘍があります。腫瘍というとお肉の塊ができることを想像するかもしれません。実際、大腸がんでは、腸の管腔(ウンチの通り道)に塊状の腫瘍ができて、排泄路を塞ぐほどになってしまいます。でも腫瘍細胞が塊を作らず、粘膜の下で広範囲に散在することもあります。これは塊になった腫瘍とは違って切除することはできません。化学療法が適応になります。プランはいくつかあります。どのプランを選択するのかは個別に異なります。

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<処方食はキライ・お薬もイヤ>

もし腫瘍でなかった場合は、ここまでの治療をわんこが受け入れてくれればいいことになります。そう。受け入れてくれればいいだけのことですが、なかなか頑固なお嬢ちゃんやお坊ちゃんがいるのが現実です。治療に手こずってしまうわんこたちです。

最初の血液検査の段階で、アルブミン(ALB)の値が低かったわんこたちは、腸管の粘膜が思いのほか障害を受けているのかもしれないし、腸リンパ管に何かトラブルがあるのかもしれません。この子たちは、食事療法を確実に守っていただき、できることならこれだけでまず治療したいです。むやみにステロイドのお薬を与えて腸管に負担をかけたくないです。

食欲が低下しているわんこや療法食に見向きもしないわんこもいるので、この子たちにはホームメイドの低脂肪食をお願いします。適当に手作り食をつくればいいのではなくて、アレルギーを起こしにくい素材を使って計算した通りの分量と調理法で低脂肪の食事を作っていただくのです。このほか、微量な栄養素が欠けないようにビタミン類とミネラル類はサプリメントで補う必要もあります。なかなか大変です。けれど治療に反応すると低かったアルブミンの値は面白いほどに上がっていきますので、頑張った甲斐も得られます。よろしくお願いします。


急性の下痢は臭いし、あちこち汚しちゃうし、または慌ててお外に連れ出さなくてはいけないし、などの理由で比較的早期に連れてきてもらえます。けれど、慢性化してくると、なんとなく、あーあ、今日もかぁ、と半分あきらめモードになったりして、来院の足も遠のき治療に意欲が湧かなくなってしまうようです。でも、こんな状態のときこそ真剣に取り組んでもらわなくてはいけないし、麻酔をかけて行なう検査も受けてもらわないといけません。どこかに隠れている慢性下痢さん、意を決して連れてきてもらってくださいね。

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体重低下がある慢性の下痢に

 慢性下痢について以前にもお話ししましたが、検査や治療にすこし進歩があります。前回てんかん発作にも食事療法ができたお話しをしました。今回も食事に繋がるお話しです。慢性の腸疾患があるときに使っていた処方食ですが、少し前から良いフードが登場しています。そしてこれを使えたわんこ(ちゃんと食べてくれたわんこ)たちの治療成績がなかなかよろしい。というわけで、もう一度、長く続く下痢の病気のことからお話しします。

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<慢性の下痢>

「うんちがゆるいときがある。良いときもあるし。時々悪く、繰り返してる。このごろ悪い時の方が多いかも。気がついたら1か月とか2か月、もしかするともう少し前からかもしれない。いいときもあったから、そんな悪いことだと思わなくて。なんとなく。そんなまま来ちゃった。」

こんな風なのが「慢性の下痢」です。下痢を主にお話ししていますが「痩せてくる」(体重減少)のも特徴です。診察室で体重を量ると、「えっ!そんなに痩せてた?細くなったかな、とは思っていたんだけど。」と驚かれることもあります。食欲は減退しているわんこ、変わらないわんこ、ともにいます。時々嘔吐することもあります。はじめはあんまり気にならないのだけど、だんだん不安になってくる感じです。これまでに診察を受けているわんこもいます。ウンチの検査で「寄生虫はないね」、血液検査で「肝臓や腎臓、膵臓に問題は無いね」、レントゲンやエコーの検査で「腸閉塞は無いようだね」、ってなったときに私たちが頭に思い浮かべるのは慢性腸症です。まじめに、じっくり取り組んでもらわないといけない病気です。

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<慢性腸症はどうして発生するのか>

原因ははっきりと解明されていません。

     免疫が乱れているのかもしれない、

     腸内細菌の異常があるのかもしれない、

     食餌中の蛋白質にアレルギーを起こしているのかもしれない、

など。いろいろな要素が複雑に絡み合っているとする説がいわれています。

 

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<特化した検査>

これまで検査をしていたとしても、いわゆる普通の検査です。健康診断のときの検査項目といったらわかりやすいかもしれません。でも慢性の腸疾患が疑われてからはそこに特化した特殊検査も行ないます。血液で内分泌の検査やビタミンの検査、膵臓の特別な検査を行います。糞便の検査も、これまでのような寄生虫やウィルスなどを遺伝子レベルで調べる検査です。どれもお値段が張る検査です。けれど、ここをクリアしておかないと、「内視鏡して病理組織を取ってこなくちゃならない」(もっと高額になってしまう)ので、「その前にできることはやっておきましょう」って気持ちでやっています。

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<食餌療法>

さて。検査の結果が出てくるまで、何もしないわけではありません。最初は療法食をお願いしています。「食事反応性下痢」を最初に疑っての治療です。これがなかなかうまくいかないことが多いです。「おじいちゃんがおやつをやっちゃう」とか「孫が食べてる袋菓子を犬にもやっちゃった」ってな具合です。激しい排便状況でもなくお片付けがそんなに面倒じゃ無いと、「欲しがったからつい」、なんてご本人さんも別のものをあげていたりします。まじめに取り組んで欲しいのですけどね。でも、そういう事実を隠してもらってももっと判断に困りますので、お伝えくださるのはありがたいです。

治療に用いる食事は特別療法食です。「可溶性線維と不溶性線維のバランスが良い食事」「消化の良い食事」「低脂肪の食事」です。皮膚や耳、目などにアレルギー症状が見えるわんこには「低アレルギー食」もおすすめです。近頃の慢性下痢をおこすわんこたちは炎症性腸症のことが多いので、おなかにもやさしいけれどアレルギーを起こしそうにない食事、つまり「低脂肪で低アレルゲンの食事」を選んでいます。ここまでの血液検査で「低アルブミン血症」があって、尿検査では異常がでなかったわんこたちにもこの食事です。このわんこたちにはこの時点で「タンパク漏出性腸症」(PLE)という病名が付けられています。(でも感染症や炎症や腫瘍に続発したものかもしれないので、これは最終的な診断名にはなりません。可能であれば続きの検査を受けていただきたいです。)

この段階で治っっちゃうと、以前お話ししました「食事反応性下痢ですね~」ってなります。

 

<エコー検査>

さて。食事だけでうまくいかないわんこたちにはエコー検査をもう一度行います。外来で次の患者さんが居てバタバタした状況だと気分的にいやなので、しっかりお時間をいただいて、じっくりみていきます。(ここで怪しいところが見つかると、「内視鏡プラス組織検査」のすすめがかなり高くなってきます。)

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<試験的治療>

怪しさが無ければ「抗菌薬」を処方します。いっしょに腸内細菌のバランスを整える「プレバイオティクス」のサプリメントと「消化酵素薬」もお願いすることが多いです。

ここで治れば「抗生物質反応性下痢でしたね~」、ってなります。


長くなりましたので、続きは次週に。

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