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レッツ・おうちシャンプー

 アトピー性皮膚炎の治療の失敗。バスタイムでシャンプー嫌いにさせてしまうことがあります。
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「うちではいやがってシャンプーをさせてくれない」といわれる飼い主さんもおられます。アトピー性皮膚炎の場合、悪化してきたときにはどれだけ頻回に洗うことができるかは治療の成績、つまり皮膚の治り具合に影響してきます。外注するにも、暑い時期には愛犬の美容院も混んでいて、希望する日に薬浴して貰えません。お風呂タイムのミステイクとその改善点についていくつかご紹介します。ぜひ、おうちで丁寧な薬浴に再挑戦してください。

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<1、  毛玉とコーミング>

洗おうと思ったら、即、シャンプー。愛犬を洗い場に連れて行く。実はこれ、間違いです。もし毛が絡んでいる状態でシャンプーすると、水に濡らし被毛をもみ洗いしている間に、皮膚の上でフェルト玉を作ることになってしまいます。

洗う前にブラシ(または櫛)をかけて、毛のほつれをときます。特に上毛と下毛の二重コートになっている犬種、柴犬やポメラニアンなどは念入りにグルーミングし、アンダーコート(ふわふわしている下毛)を抜いてください。

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<2、  湯温

湯温は熱すぎても冷たすぎてもいけません。

人肌よりやや低いくらいがちょうど良い温度です。腕の内側、肘から手首の間くらいの所で湯に触れて確認してください。ここで熱くもぬるくもないと感じる湯温であれば、犬も不快に思うことはありません。

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<3、  シャワーの水流>

シャワーから出るお湯の勢いが不足すると、濡らすにしてもすすぐにしてもまどろっこしい。そこで、水量を上げると急に勢いを増すことになります。が、水圧が激しすぎると音も大きくなるし、水しぶきも激しく散ることになり、シャワーを怖いと感じさせてしまいます。

大きな音を嫌う場合には、犬が入ることができるくらいの大きさのバケツなどを用意して貰い、あらかじめ半分くらい湯を張っておきます。そしてシャワーの先端はバケツの中に入れ、音が出ないようにしながら、犬を後ろ足から湯を張ったバケツ(バスタブ)にそっと浸していきます。このとき、犬を抱く手を犬から放さないようにしてください。人の手に包まれている方が、犬の安心感が高まります。

中型犬よりも大きい犬では浸すことができるくらいのバスタブを見つけることは難しいと思います。この場合は湯につけることはできませんので、大きな音を出さないようにだけ気を配ってください。バケツにシャワーヘッドを入れておくことは一緒ですが、身体にシャワーを当てるときに気をつけます。シャワーヘッドは皮膚に直接当てる方がしぶきは上がりません。また水の勢いを分散させるため、シャワーを持たない方の手の甲にシャワーヘッドを当て、両手で犬の身体を滑らせるようにして湯をかけます。このとき、両手をシャワーで使いますので、犬が動かないように保持したり、しゃがんだりこけたりしないように支えることができません。二人以上のペアで洗い、一人は犬が動かないようにしてあげてください。

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<4、  シャンプー選び>

皮膚炎があってもなくても、シャンプー剤を選びましょう。人用のシャンプーは不向きです。赤ちゃん用なら低刺激だろうと、乳幼児向けのものを選んでいらっしゃる飼い主さんもおられますが、間違いです。去年のものが残っているので、もったいないからそれを使う、ということもよくありません。

シャンプー剤は犬用のものを使います。もちろん古いものは使いません。洗い始める前に、シャンプー剤が十分あるかどうかを確認してください。またシャンプー選びに迷ったときにはご相談ください。今の愛犬の皮膚状態に合ったものをおすすめいたします。

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<5、  シャンプータイム>

そそくさと洗って、ささっとすすぎはじめる、手際の良いシャンプーをされていらっしゃる方が多いです。泡タイムが短くてはキレイになりません。また、十分に泡が立たないけれど、このくらいでいいや、とやめてしまうのもいけません。シャンプー剤の分量が少なすぎても泡立ちは悪いでしょう。また、シャンプー剤の濃度の高い原液を皮膚に直接垂らして洗い始めるのはデリケートな皮膚に障害を起しやすいです。

皮脂汚れがあり、被毛がべたついているときは、洗浄力強めのシャンプーで予洗いする必要があります。予洗いでも被毛に付着した皮脂が落ちると、薬用シャンプーの泡立ちが増します。予洗いの場合も、本洗いの場合も、別の容器に必要な分量を小分けにして少しの湯を足し、泡立ちネットやスポンジなどでしっかり泡を作ってから、犬の皮膚に泡を乗せ、洗い始めます。予洗いが済んだら本洗いです。病変のある部位があればそこを中心として最初に薬用シャンプーを使います。薬用シャンプーは、掌にとって裏返したときに泡がポトンと落ちないくらいの固さまでしっかりと泡立ててから用います。皮膚の気になるところ(ボツボツがあるとか、はげているとか、カサカサしているなどの部分)から先に洗い始めます。それから別の所を洗い、また気にしているところを新しい泡で包み込むようにして洗います。耳や頬、顎下、口のまわりなど頭の部分もきれいにします。顔まわりが苦手な犬には、頭頂部でスポンジを使って小さな泡を作り、そのまま頬や顎下までスポンジで洗い、泡が目に入らないようにします。足の裏、指と指の間、脇の下、内股、首の下お尻まわりも気になるところと交互に、繰り返し洗っていきます。このくらい念入りに洗うと、最低10分以上はかかることになります。耳に泡や湯が入っても気にしなくて大丈夫です。耳の中の毛が処理されていて耳道に問題がなければ、後でプルプルっと頭を振ったときに耳に入った水は出ていきます。目にシャンプーが入ると、後で気にして盛んに目をこするようになります。目に入ったらすぐに湯ですすいでください。

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<6、  すすぎ>

背中の方から湯を流すだけではすすぎ不足になります。毛が密になっている腰から太ももの部分、飾り毛でふわっとしている胸前から首、お腹側はすすぎ不足になりやすい部分です。シャンプー残りがあると、あとで皮膚が痒くなることがあります。

はじめに身体を濡らすときと同様に、すすぎでも湯温とシャワーの水の勢いが肝心です。身体にシャワーヘッドを当て、身体に沿わせるようにして、場合によっては両手を使ってシャワーを当てます。犬のお腹側に回したシャワーヘッドを上に向けるのは、慣れないと水の跳ね返りでおうちの人がびしょ濡れになることが容易に想像できますから勇気がいるかもしれませんが、脇の下からお腹、内股へのラインは皮膚が薄くアトピー病変の出やすいところなので、念入りにすすいで貰いたい部分です。シャワー嫌いの犬で、シャワーを当てることが難しい場合には、すすぎのバケツ浴は数回、犬をつけた湯が濁らなくなり、湯の中で泡が立たなくなるまで繰り返してください。湯の中で、被毛がふわふわと波打つように、地肌から流すようにします。

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<7、急いで乾燥>

すすぎが終わると、濡れた身体を乾かす必要があります。乾燥させるときに多い問題点は「ドライヤーが嫌いで逃げていく」というものです。基本的に強い風や騒音がきらい、というのがあります。さらに乾かすことに夢中になると、速く乾かそうとして温風の「強」にセットし、温風を一点に集中的に当て、しっかり押えるために逃げ場がなくなると局所だけが熱くなるため、犬はさらに嫌うことになります。

はじめはしっかりとタオルドライします。犬が身体をぷるぷるっと回して被毛の水分を飛ばしてくれるとき、床に数枚バスタオルを敷いておく必要があります。タオルドライは皮膚や被毛が「湿ってはいるけれど濡れてはいない」状態になるまで行ないます。こうしておいてからドライヤーに当てます。ドライヤーの風はお腹を冷やさないように、お腹の方から先に当てて乾かします。常に小刻みに揺らし、一点だけに風が集中しないようにしてください。今の季節なら、扇風機の風を利用することもできます。特に屋外の犬を洗った後、扇風機の大きな風のうねりは乾燥の手助けになります。

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<8、シャンプーの頻度>

「シャンプーしすぎるのは良くない」という話が出ると、一体どのあたりが「やり過ぎる」に相当するのかわからないようです。一般のシャンプー剤(被毛の汚れを落とすことを主目的としたもの)を使ってシャンプーしていると、皮脂を落としすぎてしまうので週に2回も洗ってしまうと被毛がパサついたり皮膚がカサついたりしてきます。皮脂は落としすぎると、皮膚バリアが壊れてしまうため、洗うことによって余計に痒くなってしまうということがおこります。それで「シャンプーしすぎるのは良くない」という結果になります。

アトピー性皮膚炎をもつ犬の症状発症の予防としての頻度ですが、シーズン中は2週間に1回のシャンプーを、そしてシーズンオフには1か月に1回の頻度でシャンプーするのをおすすめしています。(皮膚病のオンシーズンは春のお彼岸から秋のお彼岸ころで、秋から冬にかけてはオフシーズンととらえてください。)アトピー性皮膚炎ですでに症状を出している場合、1週間に2回くらいの頻度で洗うようお願いすることが多いです。そんなにもこまめに洗うのは難しいということもあるかと思いますが、症状が安定すれば、頻度もまた遠ざかりますので、ひどいときにはそれなりの頻度で洗っていただけると治りも良いです。

中には「ハイシーズンには3日も経つと脂漏の匂いが上がってくるし、皮膚のべたつきを感じるし、犬自身も痒がりはじめる」というお話を頂戴することがあります。しっかり観察していただくと、「うちのわんこのベストなシャンプー頻度」がわかってくるかもしれません。

 

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おうちシャンプーの出来具合でアトピー性皮膚炎の治療成績には大差がつきます。こまめな全身シャンプーの必要があっても病院で薬浴を行なうのには費用がかさんでしまいますから、せいぜい週に1回くらいの頻度にならざるを得ません。ぜひぜひわんこがいやがらないおうちシャンプーに挑戦して、痒くない皮膚をめざしていただきたいと思います。

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熱中症になった時の対応

 もし熱中症になってしまったらどのようにしたらよいでしょうか。

熱中症がどのようなものなのか知らなければ、すでに熱中症になっているけれど対応ができないだろうと思います。まずは、熱中症の症状について知ってください。

 

<熱中症の症状>

軽いものから順に、こんな感じです。①だけだから大丈夫、ということはありません。そのまま②③へ進行していくこともあるし、突然⑦⑧が始まることもあります。怖いです。

    パンティング呼吸:ハァハァ呼吸のことです。小刻みな呼吸。口を開けて舌が見えます。さらに進むと舌をだらりとたらします。舌が口の横から出てくることもあります。安静にしているときの呼吸数は1分間に30回以内です。たいていは20回くらいです。(1分間に30回は心臓病のわんこで「連絡してね」とお願いするときの回数です。パンティング呼吸は回数を測定することに意味がありません。60回以上になっているはずなので、測定不能扱いです。)

    体が熱い:触ると皮膚の温度が高くなっています。わきの下やお腹、耳の内側など、被毛がなくて直接地肌に触れることができる部分の皮膚が熱くなっていることに気づけると思います。直腸で体温を測る場合、38.5℃前後が平熱です。

    よだれがいっぱい:そのままの呼吸が続くとよだれがいっぱい垂れてきます。糸を引いていることもあります。床面が水浸しになってくることさえあります。

    頻繁に休む:散歩中など、頻繁にしゃがみ込みます。少し動いてはすぐに立ち止まってへたり込んでしまいます。

    心拍数の増加:心臓のドキドキが速くなります。1分間に60回の心拍数くらいが普通です。

    白目が赤く充血:眼の白いところが赤くなって血管がやけに目立つのがわかります。乾いていると口の粘膜も赤く充血しています。

    おう吐や下痢:黒くてねばっこいうんちです。でれでれ~っと出る下痢です。息張るというよりも、そのまま出てきてしまう感じ。結構体調が悪くなってからの症状です。

    ぐったり・衰弱:起き上がれません。意識も薄らいできます。呼吸は努力呼吸に変わっているかもしれません。非常に危険な状態です。

    けいれん発作:無意識のまま、全身の筋肉がひきつった運動をします。けいれんです。このまま死んでしまうこともあります。

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パンティング呼吸を始めた段階で要注意。
すぐに冷えた部屋に移動させてください。

注意)熱中症は「体温調整機能がこわれてしまう病気」である一方、「水と電解質が不足してしまう病気」の側面を持っています。「激しい体温上昇」の陰で、「だるだるしている」という物静かな症状だけを出している場合があります。必ずしも屋外の炎天下に居た時に発症するだけではありません。屋内に居ても「隠れ熱中症」になっていることがあります。上記の症状だけで判断しないでください。 

<対処法>

    パンティング呼吸:このくらいなら冷えたところに移動させます。水を飲ませます。少し様子を見て呼吸が収まればそのまま静かにしておけば大丈夫かと思います。

    体が熱い:冷えた場所に移動させましょう。エアコンの温度設定が効く環境ならばは一番低く。冷やす部屋は締め切って、さらに冷房効率を上げるため、遮光カーテンなどあればカーテンで光を遮りましょう。扇風機も回転させます。冷たい水で濡らしたバスタオルを全身にかけます。首、わきの下、内またに、濡れたバスタオルの上から保冷剤や凍らせたペットボトルをあてがいます。もし、水を飲めるようであれば水を飲ませます。病院に行く支度をします。連絡を取ってください。この段階でしばらくしたら犬が安定するかもしれません。そこで冷やすのを中断したり、病院へ行くのを中止したりすると、しばらく経ってから熱のリバウンドが来ることがあります。熱中症は発熱性の疾患ですが、身体は水と電解質が欠乏した状態です。それを補うことができるのは動物病院での補液治療です。様子が戻ったからといえ、油断してはいけません。

    よだれがいっぱい:②に同じです。

    頻繁に休む:②に同じです。

    心拍数の増加:②に同じです。

    白目充血:②の状態で、(おそらく飲水ができないだろうと思います)、即病院に連絡を取り、急行してください。迷っていてはいけません。

    おう吐や下痢:そのほかの状態の積み重ねがないと、冷やそうと思わないかもしれません。⑥に同じです。危険信号点滅しています。ここでブレーキをかけないで病院へ急行してください。

    ぐったり:⑥に同じです。覚悟が必要です。離れた家族にも連絡を。

    けいれん発作:⑧に同じです。

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あかちゃんの絵ですが、わんこの冷やす位置も同じです。



注意)熱中症のときの応急手当として「冷水に浸す」方法がありますが、水から出すタイミングを図るのが難しいこと、濡れた身体で動物病院へ運搬するのも大変なことなどから、濡れたバスタオルで包み、身体の太い血管が体表面に近くを流れている部分である首、脇の下、内もものとこを保冷剤や氷などで冷やし、その状態のまま動物病院に運ぶ方法をおすすめしています。

それにしても「こうなってからどうしよう、こうしよう」と考えるより、やはり予防が大切です。犬だけではありません。ご家族のみな様もどうぞご自愛ください。

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お出かけのときの熱中症予防

 お出かけの時の熱中症対策についてお話しします。

 

<必ずしも一緒に遊びに行かなくてもいい>

最初に言っておきます。犬と一緒にバカンスを楽しまなくても、里帰りしなくても、こんな厳しい季節ですので、来月のお彼岸の時のお休みまで延長してもバチは当たりません。ペットホテルやペットシッターさんにお願いするという選択肢もあります。

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<行く場所を選ぼう>

もし遊びに行くのだったら涼しいところを候補地に選んでください。天気予報も調べましょう。今なら何度くらい?近づいて来たら週間予報をチェックです。雨がちで涼しくなるでしょうか。酷暑続きでしょうか。作戦変更もありです。まだ、間に合います。

 

<アウトドアライフに不向き?>

熱中症とは直接関係がないかもしれませんが、いわゆるキャンプとか犬も泊まれるコテージとか、いつもの状況と違うところになじめない犬がいます。車酔いの犬をドライブに誘うのもいけませんが、たいていのおうち大好きわんこは旅行が苦手です。

アウトドアライフには大きな音や人混みは付きものなので、音恐怖症があったり、人なれしていないと苦痛になると思います。怖がりさんは初めてのもの、初めてのことが苦手です。テントなども、家の庭で一度広げて、家族が入って見せるなどの予行演習が必要です。

「来い」のコマンドで帰ってくるようにしつけがされていないと、万が一リードが離れたときに苦労します。あらかじめの服従訓練を見直しておきましょう。

「慌てる」、「ストレスが重なる」、「体調不良になる」は、熱中症を引き起こしやすい誘因です。

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<健康状態の把握>

春の健康診断で気になっていたところは解決しているでしょうか。まさか1年以上チェックをしていないまま、ということはないでしょうか。いつも以上に細やかな観察をしておきましょう。

いつも服用しているお薬やサプリメントの残り分を数えて、不足分は早めに用意するようにします。アウトドアライフを楽しもうと思っている場合、ノミ・マダニ駆除薬も必要です。

行くまでに2週間以上あって、忘れてた!というようであれば、ワクチン接種を済ませてください。

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<事前準備>

準備は大切です。車中で必要なもの、行ってから必要なものをリストアップしてそろえてください。

愛犬の健康手帳的なもの(これまでの診察記録をつけてあれば、もしなくても検査結果表など)や保険証もその一つです。

保冷剤水を入れたペットボトルは今のうちに冷凍庫で場所を確保、凍らせておきましょう。

クレートのチェックとお掃除、クレート内から水分補給できる給水器のチェックもしておいてください。壊れてはいませんか。

ペットシーツマナーウェアは多めに支度します。汚れものを入れるゴミ袋も必要です。

・いざというときに愛犬をくるむバスタオルなども余分に支度しておきます。応急処置では、タオルを水に濡らすことがあります。濡れたものを入れる袋も必要になります。

・(熱中症予防に関係ないですし、忘れるはずはないと思いますが、食餌と食器首輪とリード、呼び戻しに使うおやつや時間つぶしに必要なお気に入りのおもちゃも選んでおいてください。)

・車で出かけるとき、愛犬は後部座席にシートまたはクレートで陣取ることになると思います。内エアコンの冷気はクレート内部まで届くかどうかを事前に調べておいてください。微妙な風向きを変更する必要があるかもしれません。

・意外なところですが、うちわも準備品に入れておいてください。たぶん、重宝すると思います。

・夜間ライトアップするのに都合の良いライトを支度しておいてください。暗闇で犬のことがわからなかった、ということがないようにするためです。

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<いざ出発です>

クーラーボックスは積み込んでくれたでしょうか。犬のクレート内にはタオルで巻いた保冷剤凍らせたペットボトルを入れてください。給水器にもを満たしてください。コンビニが近くにないというところでは、途中補充できそうなところで支度しておきます。冷やしタオルを入れておくのもいいです。

・犬のために支度しておいたもの(食器やリード、ペットシーツの類です)を忘れずに乗せてください。

・出発後は安全運転をお願いします。急ブレーキ、急ハンドルは犬にもストレスです。時々、クレート内の温度を確認し、意外と暑そうならうちわであおぎましょう。

こまめに休憩をとってください。犬も出して排泄などさせましょう。こうすると異変に気付きやすいです。

・日中は地面が熱いです。これはどこに行っても同じです。パットをやけどします。日が差すピークの時間帯は特に、日陰を選んで、日照りのところを歩かせないようにおねがいします。

・サービスエリア、パーキングエリアでも日陰があるところを選んでください。たいていのドッグランは日当たりが良好です。いつもそこで遊んでいると犬が習慣になっていて入りたがるかもしれませんが、パスした方がいいと思います。

・クレート内の給水器からは水を飲まなくても、屋外で水食器からならば水を飲めるかもしれません。トライしてください。

・くれぐれも、ここで、犬を、車内に、置き去りにして、家族だけで、出かけないように!「だって、ソフトクリームを買ってくるだけだよ?」それでも、だめです。誰かが車内に残っていて、エンジンはつけたままでお願いします。日当たりの良い場所に駐車していると、エアコンがついたままになっていても効きが悪いです。走行中とは条件が変わるようです。ご注意ください。

・とにかく、安全第一、犬を中心に考えて行動していただくと、家人には無理のないスケジュールになると思います。

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<ホテルまたは施設で>

翌日のため、保冷剤や水入りのペットボトルの再冷凍をお願いしてください。

遊ばせすぎない、はしゃがせすぎない、静かに休ませてください。ぐっすり眠ることは体調管理でとても大切です。

 
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<熱中症対策とはちがうこと、いくつか>

次のことは熱中症予防とは違いますが、総合的に犬の安全について思いつくことを書いておきます。

 

<川に行く?湖?>

犬は思わぬことをしてくれます。リードが長くなっていたり、知らないうちにほどけていたりすると川に飛び込んでいることがあります。慣れている犬はきっと泳ぐのが好きなのだろうと思います。もし水流が思った以上に速いとか、いつも行くところより水量があるという時、犬は溺れることがあります。泳ぐのが好きな犬なら余計に、犬用のライフジャケットを着せておいてください。まさか、ということも起こります。

 

<細菌感染の予防>

川や湖、雨水、石清水も含めて、大腸菌やサルモネラ、レプトスピラのことを考えると、犬が飲みそうだったら止めてください。家から用意してきた安全な水を飲ませてください。

 

<BBQする?>

やけどに注意です。近づけすぎないようにしてください。夢中になってしまうと犬のことを忘れがちですが、その間はひとりで遊べるものをうまく利用します。また食べてはいけない食べ物にも注意です。食べ残しにも注意です。食べられないもの、たとえば串やアルミホイルなどにも注意です。そして食べ残しをあさられないように、ごみはしっかり処分してください。

 

<サンプロテクション>

日当たりに出ている時間にもよりますが、皮膚が薄い犬、短毛の犬ではUVケアのため、ペット用サンスクリーン(日焼け止めクリーム)を塗ってもらうといいと思います。無香料タイプを選んでください。のちに発生する可能性のある皮膚がんのリスク軽減のためです。


それにしても、暑い日のことですから、犬の健康にも、ご家族みなさんの健康にも気を配り、無理のないように、お過ごしください。

 

 

 

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日常の熱中症予防

 連日の厳しい暑さです。お外の高齢わんこさん、「ハァハァ頑張りましたけど、もうどうにもなりません!」と、とうとう熱中症で運び込まれることになりました。おうちわんこも「だるいし、食べたくないし、なんだか熱っぽい!」ので来院されます。「かくれ熱中症」の症状です。

熱中症は予防が大事。

あまりひどい暑さなので、来週アップの予定でしたが、1週早めて「日常生活の中での熱中症予防」についてお話しします。それからお盆休みの近づく来週は「おでかけ中の熱中症予防」について、そして再来週は「もし熱中症になったときの対処法」についてお話しすることにします。

 

<日常生活での熱中症予防>

とにかく、予防が大切です。以下、予防方法について。

 

<1、  熱中症リスクが高い犬>

ハイリスクメンバーは、短頭種(パグやフレブル、ボストンテリアなど)のわんこ、高齢わんこ、肥満わんこ、心臓病や呼吸器疾患、糖尿病などの病気をもつわんこたちです。この子たちは、お外飼育をしてはいけません。基本、24時間エアコンを効かせた屋内に置くべきわんこです。暑い時期のお散歩もサボって構いません。「散歩って行かなくてもいいものなの?」「絶対に行かなくちゃいけないもんだと思ってた!」という方、命を落とすことに勝るお散歩の利点は何一つ見つかりません。何があっても家で留守番をさせましょう。

それから熱を吸収しやすい黒色や濃い茶色などの被毛を持つ犬は、白色の犬に比べ暑さを体毛の中に溜め込みやすいので、彼らは暑さに弱い犬として仲間入りさせてやりたいです。

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<2、  ハイリスクじゃなくても>

7月の連休明けから、猛暑日更新、熱帯夜更新、観測史上最高の気温など毎日耳にします。大概の年ならば屋外犬の飼育では「日陰に」とか「風通しを良く」など穏やかなことを言っていましたけれど、今年の夏は一言でいうと「酷暑」。常は外で夏の猛暑こえを頑張ってもらっていたわんこですが、気安くエアコンの屋内に誘ってやってください。何もギンギンに冷やす必要はないです。冷えたリビングのドアをちょろっと開け放ち、廊下あたりに扇風機を置き、冷風が犬のいる玄関先まで届くようにしてください。これで幸せに安眠できます。睡眠不足は病気のもとです。熱中症だけでなく、いろいろな病気予防になります。

また、高齢わんこが屋内に居て、エアコンを我慢させる必要など毛頭ありません。「エアコンは午後から」なんて、だれが決めたのでしょう。決めるのは習慣ではありません。外気温でもありません。わんこの体調。これだけです。調子が悪くなってからでは遅すぎます。今です。

エアコンも知らないうちにタイマーになっていた!故障しちゃった!停電になった!があります。油断しないでください。

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<3、  それでも外が好き>

どうしても屋内に入れることができないとき、日陰、風通しを考えた場所に移動させるほか、ミスト装置を設置してもらうと少し温度が変わるかもしれません。あとは、保冷剤や水を入れたペットボトルを凍らせたものなどをタオルでくるんで体の近くに寄せると体温上昇を防ぐことができます。でも、ほんの少しのこと。ほぼ気休め程度です。こんなにも暑いのですから。

一家の誰かが「犬なんか外で飼うもんだろう」と言っていても、説得してから準備するのでは遅すぎます。説得と同時進行で犬を屋内に入れられるよう、どこに置こうか算段しておき、その場の片付けも着々と進めておいてください。OKが出たら即、実行です。

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<4、  屋外タイム>

地面に素足で触れてみると、真夏の砂浜、海水浴の日の記憶が呼び戻されます。まともに歩けませんでした。そのくらい地面が熱くなっています。犬は靴を履いていません。また、地面からの距離が近いので照り返しの暑さをひしひし感じるはずです。屋外に出るのに「犬が裸足で歩けるくらいの地面の温度になるとき」を思うと、自然と「早朝」と「日暮れ後」という選択肢になります。そしてできるだけ日陰を歩くようにするのが愛情です。

暑くなると散歩する人間のほうがついつい早歩きになりますが、小型犬は人の歩く速さについていくには、早歩きというより駆け足の一歩手前くらいになっています。私たちの感覚からするとマラソンに近いかもしれません。自然と交差点ごとにしゃがみ込んでしまうことになります。すでに疲れています。サインを出しています。犬のスピードに合わせ、途中で休憩を入れながら散歩してください。そして帰宅したらすぐに冷所で休憩です!

クールバンダナとか、ポケット付きのハーネスが売られています。お散歩のときに小さな保冷剤を包み込んで首に巻くことができます。大々的な研究がされているわけではないのでエビデンスはないですが、おそらく何もつけないで歩くよりは涼しいだろうと思います。

途中休憩を考えているときは携帯用の水食器とペットボトルの水が必須です。

それから近くをくるっと回ってくるだけの散歩でも、携帯電話やスマホは持って出かけてください。万が一の時、家族と連絡を取り合って車で迎えに来てもらったり、動物病院に連絡してすぐに駆け付けることができます。

繰り返しますが、連れ出して日差しにあてない方がベターという場合があります。散歩は命懸けで行くものではありません。

 

<5、  トリミング>

「全身バリカンがけしたら涼しくなるよね?」という冷却目的のトリミングですが、実は間違いです。カットには冷却効果は期待できません。被毛は日焼けから体を守る作用もあるので、短くすると皮膚疾患を薬浴するのに都合がよいですが、涼しくするのが目的だとするとおすすめではありません。被毛が二層構造になっているわんこの場合であれば、アンダーコートをしっかりグルーミングして取り除くことの方が重要です。毎日のグルーミングが大切なのです。

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<6、  飲水>

「のどが渇いてからでは遅すぎる」というのは人の熱中症対策ですが、犬も同じです。常に少しずつでも水分補給ができていることが大切です。ガブガブ飲んでいるのはすでに水分喪失が結構ある印です。がぶ飲みは消化液を薄めてしまうし、胃の働きを弱めてしまいます。おう吐や下痢にもなりかねません。「いっぱいのんでいるから大丈夫」は「すでにいっぱい飲まなきゃならない状態まで加熱している」というとらえ方をしてください。正しい認識が犬を救います。

おかしければ冷所で安静です。屋内です。エアコンです。扇風機です。

 

<7、  健康診断・検診>

「歳をとってきたのは知っているけど、まさかこんなに悪くなっていたとは」はがっかりする認識です。「大丈夫?乗り切れる?」を心配してください。「事前に知っていれば気を付けることもできたかもしれない」のなら、やっぱりあらかじめ体調チェックをしておくのが良さそうです。それにしても「元気そうだから年齢による変化を侮っていた」というのが一番多いです。いたわってあげましょう。





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アトピー性皮膚炎の治療の失敗・その4

 アトピー性皮膚炎の治療の失敗例について、1回目は診察前の段階、2回目は診察と内服薬について、3回目に外用療法、いわゆるシャンプーによるスキンケアについてお話ししました。今回は4回目、栄養学的な側面、食事やおやつのことについてお話しします。

 

<7,食事制限?おやつだめ?>

 きちんと診察に来ていただいて、耳などのチェックも欠かさず行なっていて、確実にお薬を投与して貰い、シャンプー治療にも手抜かりが無いにもかかわらず、痒みが十分に改善されないような場合があります。こんなとき、食餌の変更に着手させていただくことがあります。
 
 アトピー性皮膚炎は食物アレルギーとは別の概念ではありますが、臨床的にこの二つをきっちり分けることができません。人、小児の方では「食物アレルギーはアトピー性皮膚炎の原因の一つになっている」という考えと「アトピー性皮膚炎であることが食物アレルギーの原因になっている」いう考えがあるくらい、お互いに作用し合っています。

 「背中側に病変は出ていない」し、「犬のアトピー性皮膚炎の要項にすべて当てはまっている」、教科書のモデルわんこになってもおかしくないくらいのアトピーわんこでも、食物アレルギーの治療である除去食に変えてみると、痒みが改善することがあります。

 アレルギーの理論は、アレルゲンの積み重ねでコップがいっぱいになったときに水がこぼれることが症状の発症に例えられています。(痒みの閾値理論です。)除去食に変更していただくのは痒みの閾値を下回る状態に導く管理を目的としているですが、これらの処方食には、皮膚の構造を作るアミノ酸が入っているし、必須脂肪酸やビタミンEなどが添加されているため、皮膚バリア機能を強化したり皮膚の炎症を軽減させるようにも働いてくれます。

 「お薬代、シャンプー代ときて今度は食事まで?」の声が聞こえてきそうですが、小麦がだめだったり、蕎麦が危険だったりする人と同じように、避けておきたいアレルゲンがあります。食事療法にもご協力いただけると治療の成功率はアップします。

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<除去食を与えているときの注意>

「除去食」は簡単に言ってしまうと「アレルギーを起こさない食事」で、新奇タンパクフードまたは加水分解フードがそれに相当します。この除去食をしばらく(3週間から6週間くらい)与え続け、皮膚の状態が安定するかどうかを確認します。(除去食試験といいます。)食事により改善がある場合、アトピー性皮膚炎に食物アレルギーが強く関与していることが考えられます。

 除去食を与えている間ですが、「食事は処方食だけど、おやつはなくしちゃぁかわいそうだから、今まで通りあげてます」という飼い主さんもおられてびっくりしちゃうのですが、おやつに対しても制限があります。むしろ、ここをしっかり守っていただかないと除去食試験を正しく判断することができませんので、同居犬猫の別の食事を食べてはいないか、家族の中の誰かがこっそりおやつを与えてはいないか、お薬やサプリメント、お薬投与時のごほうびや薬を包む製品の中にアレルゲンが関与したものがふくまれていないかどうかなども細かくピックアップしていただき、該当するものはすべて中止してください。お願いします。

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<除去食試験と食物負荷試験>

 除去食試験で安定が見られたあと、特定の食品由来のアレルゲンを同定するために食物負荷試験を行なうことがあります。食物再暴露試験ともいいます。食物アレルギーの時の検査です。
 方法は、安定した状況が得られたところで1品目ずつ食材を与えてアレルギー反応が出ないかどうかをチェックするものです。ご家庭で判断するのではなく、病院でさせていただきます。食物アレルギーを確実に診断治療することができるのは除去食試験と食物負荷試験の組み合わせですが、1品目ずつ2週間程度の期間をかけてチェックし、また除去食だけに戻して2週間くらいしてから別の食品が大丈夫かどうかを試していく方法になるため、時間がかかります。数か月とか、1年以上に及ぶこともあります。
 1品ずつ与えるのはハウスメイドの食材です。例えばチキンを食べても大丈夫かどうかを確認するのには、家で茹でたささみです。ささみの入ったフードとか、ササミでできたジャーキーではありません。

 「もう、この除去食に変えたら安定してきたから、ずっとこれを続けていくだけで、アレルゲンチェックはしなくてもいいかしら?」というご質問を受けることもあります。総合栄養食になっているのでこのままでも大丈夫です。けれどのちに、アレルギー関連とは別の疾患になって、そちらのために別の処方食に変えた方が良いようなときが来たときのことを考えると、何に対してアレルギー反応を起しているのかを知っておいた方が良いかもしれません。(現在、加水分解フードで腎臓病に対応している、というような処方食も出てきています。)

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 <もとのフードに戻してみた!>

 「除去食で安定が見られたからもとの食事に戻してみた」、というのは簡易方式ですが、再攻撃試験をやってみた、ということになります。たまに、自主的にこの試験を行なってくださる飼い主さんもおられます。

 「戻してみたいな、どうなるかな。」という考えが頭をかすめても、除去食は1~2か月ほど継続してみてください。その後、すっかり良くなったというところで、前のフードに戻して、もし症状が悪化してしまったらその食事(そのフードに含まれる何らかの原料)に対してはアレルギーがあると判断します。ですが、そのフードの中の何に対してアレルギー反応を起こしていたのかは読み取ることができません。このフードではいけなかった、という結果だけわかります。

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<アレルギーの血液検査・アレルゲン特異的IgE検査>

 以前紹介したことがあると思います。アレルゲン特異的IgE検査は、アトピー性皮膚炎の環境中のアレルゲンを調べるのに有用です。またどの食品がアレルゲンになっているのかを判別することができます。どんなアレルゲンに対して身体が反応しやすいのかをみる検査、という方が正しいかもしれません。低レベルでも反応が現れることに対して「正確性に欠ける」と評価する先生もおられるようですが、血液を解析するこの検査は信頼性が高いことに間違いありません。アレルゲンの原因を把握するには優れた検査だと思います。また時間をかけずにアレルゲンを知ることができるのは魅力的です。

 近頃ネットでは「毛を採取してアレルゲンを推測する検査」に人気があるようですが、こちらはこの検査とは全く異なるものですし、おすすめではありません。

 「除去食試験は食事変更だけで済むし、安定したからこのまま続けていく」と判断された場合には、特異的IgE検査を強くおすすめしてはいません。

 こちらの検査を実施した場合は、検査結果に基づいて、最良のフードをご呈示しますので、その中から選んでください。おやつも候補に上がります。ただし口にしても大丈夫だと科学的に報告が出たもの以外を与えるのはいけません。

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<減感作療法>

 人、小児の食物アレルギーには新しい対応がとられるようになってきているようです。これまで「アレルギーの原因となる食物を食べさせないのが最善の治療」とされてきたわけですが、「原因食物をごく少量から少しずつ毎日食べ続ける」取り組みです。もちろん医師の指導の下に行なわれるわけですが、先に「スキンケアの励行」をしてからの取り組みです。このようにして消化管からの免疫寛容が導かれて、これまでアレルゲンと感じ攻撃していた食物にアレルギー反応をしなくなるようです。

 この先、主流になるかもしれない
この方法は私たちが以前から行なってきた「減感作療法、舌下投与」に相当するものと思われます。減感作療法はアレルゲン特異的IgE検査を行なった後、治療に使用するサンプルを作ってもらい本格的な治療に入ります。
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<アトピー性皮膚炎の栄養学的治療>

 栄養学的にアトピー性皮膚炎の治療をする場合、皮膚バリア機能の改善としても、痒みの改善としても不飽和脂肪酸の補充(脂肪酸療法)があげられます。ω3脂肪酸(αリノレイン酸、EPA 、DHA)の投与です。

 マイクロバイオーム(生体内に住む微生物叢で、口腔内、腸内、皮膚常在菌などがあります)とアトピー性皮膚炎との間に密接な関連があるといわれています。特に腸内細菌との関係がいわれていて、プロバイオティクスの投与により改善が見られたり、痒みのステロイド薬の減薬に成功したという報告があります。

 過酸化脂質がアトピー性皮膚炎を悪化させることが指摘されています。そのため抗酸化薬(ビタミンEの補充など)も期待できそうです。

 肥満は皮膚の摩擦を起こしますので、もし肥満傾向にあるわんこの場合はぜひ減量に着手してください。

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<8,番外編>

 まさか、ノミ・マダニ予防薬の投与をお忘れということはありませんよね?時々、投与をされていなくて、こちらで薬浴した際にノミを見つけることがあります。アトピーさんはノミ一匹でも痒みが出ます。忘れないようにお願いします。

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<まとめ>

 「治らないアトピー性皮膚炎」の治療を成功に導く秘訣をまとめます。

  お薬が切れないうちに診察を受けに来てください

  おうちでの様子をしっかり観察し教えてください

  身体全体を見ていきましょう

  痒みを止めるのはプレドニゾロンだけではありません

  スキンケアはとっても重要です

  決め手のシャンプー剤を選びましょう

  食事やおやつにも気を使ってください

  ノミ・マダニのコントロールも忘れずに

 以上です。

 

 4週にわたってアトピー治療の失敗例についてお話ししました。「うちのわんこ」のためにできること、改善点はあったでしょうか。長期戦のアトピー性皮膚炎。治るどころか徐々に悪化していくのが特徴のアトピー性皮膚炎。今年の夏は暑さが長く続きそうです。スキンケアは気を抜けなそうです。これを読んでくださった飼い主さんのわんこが痒みのない日を過ごせますように。   合掌

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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