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猫を家に連れて帰るときの注意

 「猫を動物病院に連れてくる」のお話しの後に、「家に連れて帰る」のお話しをしておこうと思います。単頭飼育の猫さんにはあまり関係ないことですが、同居猫がいる場合は帰宅時のことも考えておく必要があります。

 <わが家の猫のこと>
先日、家で飼育している猫の、還暦を迎えた(
11歳になった)猫だけ入院させ、12日で健康診断を行ないました。2頭飼育していますが、どちらも去勢手術済みのオス猫で日常的には何ら問題なく過ごしています。今回シニアくんが帰宅すると家でお留守番していた成猫が「シャーシャー」けんか腰で、制御しようとしてもなかなか興奮が収まりませんでした。互いの頬をタオルで拭いて匂いを嗅がせるなど、それなりの対処法はあるのですができません。やろうにも、こちらが八つ当たりされ攻撃を受けそうな気配です。一晩は部屋が凍り付いたような緊張ムードに包まれてしまい、急遽別々の部屋に閉じ込めておくことにしました。そして翌日攻撃を示した猫を病院に連れてきて半日隔離し、夜帰宅するといつもの関係に戻っていました。またその後は、なんら問題は発生しませんでした。

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<よくあることです>
病院から猫を連れ帰ったとき、同居している他の猫が威嚇したり攻撃しかけてきたりすることはよくあることです。病院の匂いをまとって帰ってきた同居猫を「知らない猫」と誤解し、攻撃の対象にしてしまうことがあります。日帰り通院くらいならあまり起こりませんが、入院し、退院した後には比較的起こりやすいです。

 

<退院のお迎え>

激しい攻撃性を発生させないようにするための、いくつかの対策があります。
お帰りの際は、キャリーを病院に預けていたとしても、普段猫が使い古してきたような(匂いがしっかり染みついた)敷物を用意して、キャリーで帰宅するまでの間に入院していた猫の病院臭を家庭臭に変えるようにします。

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<帰宅したら>

まずはお留守番猫の反応を見ましょう。

キャリーの扉を開けて、帰宅猫を早く自由にさせてやりたいと思うかもしれませんが、少々お待ちください。キャリー内で待機させます。

お留守番猫が落ち着いていれば、キャリーの扉を開けても大丈夫かもしれません。

お留守番猫が「シャーシャー」うなって攻撃性をしかけて来る場合や、半ば身体を隠すようにして遠巻きに見て近づいてこない場合は、緊張が高まっているときです。帰宅後もしばらくそのままキャリーの中に居させる方が良いでしょう。たいてい1日くらいでなんとかなると思われます。うなり声が聞かれるようなときは、別の部屋で待機させてください。

同居猫の匂いを認識させるのに、退院猫の頬をぬぐったタオルを留守番猫に嗅がせる方法があります。これは互いにさせた方が良いので逆も行なうわけですが、あまり攻撃性が強いときには頬をタオルで拭くことができないかもしれません。興奮している猫は見境なく、タオルを持つ飼い主さんに向かっても攻撃を示す(八つ当たりのような)事が発生し得るので、注意し、無理な場合は実施しないでください。なお、お互いの匂いを嗅がせるときに大好きなおやつも与えると「プラスイメージの効果」が得られやすいです。

それでもまだ受け入れが難しい場合は、新入り猫さんと先住猫さんに行なうような「お見合い」からスタートさせます。時間をかけてゆっくりと、です。

特に、もともと仲が悪かった、けんかをしたことがあるような関係の猫同士では、これを機会に別居せざるを得なくなることもあるのでよく観察してください。

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念のため、新入りさんを迎えるときの基本について載せておきます。慎重にお願いします。

<新入りさんを迎えるときの基本>

はじめは「声が聞こえる、新しい猫の気配がわかる」の関係です。声がわかる程度の距離に置きます。たいていは扉を挟んで別の部屋です。

次は「姿を見せて食事」の段階。これは扉を開けて猫を認識したときだけ食事を与える「プラスイメージ強化」の作戦です。

それから「互いの匂いの交換」の段階へと進めます。先ほどの頬タオルで認識させることです。ここでもプラスイメージが湧くようにおやつと併用します。

それから「解放」の段階へと進めます。

急がず慌てずゆっくりと、行なってください。

 

猫の通院についてのお話しはこれでおしまいです。

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ジャンル : ペット

猫のハンドリング訓練

 「猫を病院に連れてくるのが大変」というお話しは実によく聞きます。まずお家でキャリーに入れるまでに大格闘があるそうです。キャリーを見たとたんに逃げる猫や、家族のただならぬ気配に異変を感じ既に前日から物陰に隠れて出てこない猫もいるようです。この状態の猫を無理矢理キャリーに押し込め、それから延々と猫の嫌いなことばかりが発生しています。猫は移動中の車の音も嫌いですし、病院に着いてから知らない人や動物に遭ったり、聞き慣れない音を耳にしたり、嗅いだことのない匂いを感じたりなど、猫は診察前にすでに多くのストレスがかかっています。中には「静かにしなさい!」と大声で叱ってくれたり、「このくらい我慢しなさい!」と頭を叩いたりなどしてくれるので、いよいよ診察が始まります、という段には猫のご機嫌悪化は最高潮になっています。
そんなにキャリーがキライでも、キャリーに入れてきて貰わないと、表で猫が車から脱走しちゃったら一大事です!

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<こんな論文>
 
「猫のキャリートレーニングは動物病院受診ストレスを軽減する」という論文があります。昨年出されたものです。6週間のうちに28回キャリーに入れて車移動をした猫(トレーニング群)と何もしなかった猫(コントロール群)に分けて、診療所を訪問したときの猫の様子を観察した研究です。その結果、28回のトレーニングの前後で、キャリートレーニング群は何もしなかった猫(コントロール群)に比べて、車中のストレス指数が有意に減少していました。そしてごほうびを探す時間、口を舐める回数や姿勢を変える回数が増え、座っている時間も増えました。こうした診療前のストレス軽減効果は診察にも影響はあり、身体検査に手間取らないため検査時間が短縮されたそうです。

Carrier training cats reduces stress on transport to a veterinary practice
Lydia Pratsch, et,al
Applied Animal Behaviour Science , 204 , p64-74 , 2018

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<おねがいしたいこと>
さて、前回はキャリーケース・トレーニングについてお話ししました。
キャリーを異質な物と認識しないようにするため、またキャリーに入るのが恐怖にならないよう普段からならしておくためでした。飼い主さんが猫をキャリーに入れるまでの格闘を無くすことに主眼があります。

この実験では、その先のハンドリングも、トレーニングすると猫のストレス軽減になることを示してくれました。目的もなく猫を車に乗せるというのはなかなかできないことかもしれませんが、診療開始までの状況が改善されると猫にとっても私たちにとっても有益になります。今回は第3段階の訓練もお願いしたいと思います。

<ハンドリング・トレーニング>

キャリーケース・トレーニングの次の段階は「車に乗せる」ハンドリングトレーニングです。車に乗せるには一旦外に出るわけですが、ここで室内との温度差や音の変化が出てきます。キャリーを外から布で覆ってもらうと、外が見えなくなるし温度差が減り、また音を少しでも遮蔽する効果があり、猫に不安を与えません。

はじめは「キャリーで屋外に行く」だけで帰ってきてください。
次に「キャリーで外に出て」「車に乗せる」になります。車のドアを開けて車内に入れてドアを閉める、そしたらまた家に戻ってきます。
次の段階では「エンジンをかける」を行ないます。発車せず、車のエンジン音を聞かせるだけで戻ってきてください。
さいごは「短距離ドライブする」段階です。急発進、急ブレーキ、急停車どれも禁忌です。安全運転で家の周りくらいをぐるっと一周してきてください。少しずつ病院までの距離に慣らしてきてください。

車の乗り方から始める、まるで自動車学校の生徒になったような気分になるかもしれません。猫にとって車に乗ることは日常の出来事ではありません。どれだけうまくならしていただけるかはこの後の診察にも影響が出てきます。やさしいトレーニングをお願いします。くれぐれも、途中でコンビニによってお買い物、その間は車内に放置、ということがないようにしてください。

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<三方にとっていいことばかり>
このように猫の来院ストレスがなくなると、飼い主さんは猫を動物病院に連れてくることが「かわいそうだ」と思わなくなって、ちょっとした異常を見つけた段階で診察に来てくれるでしょう。定期的なワクチン接種や定期健康診断にも来院しやすくなるに違いありません。猫の病気を予防し、早期発見し、早期治療するのに欠かせない「来院」という第一段階がクリアーされます。

猫にストレスがなくなると、より日常的な猫を診察することになります。さらに、身体検査で体中を触られることにも、採血や採尿をされることも抵抗なく受け入れてくれるでしょう。猫が緊張のあまりウィークポイントをマスクして状態がよくわからない、というようなことがなくなりますから臨床徴候の見誤りや見逃しを無くすことができます。また血圧や血糖値も安定していれば「本当の値」として見ることができます。状態を判断するのに好都合です。

猫の方でも、ここではこの手順に従って触られる、この体勢を取って静かにしていればそれ以上のことは起こらないと学習するので、余計な恐怖を感じることもありません。不快度数減少です。そして順化してくれると診察や検査もスムーズに行きますから、不快持続時間も減少になります。猫のストレスは間違いなく減ることになります。

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<おわりに>

猫がキャリーに入っていたら扉を閉めて、ちょこっと部屋を移動してみるくらいの段階から始め、車でぐるっと回ってどこにも寄らず帰宅するなどの訓練。これは猫が忘れないくらいの間隔、週に1回くらいの頻度で行なうといいと思います。

今日は猫のハンドリング・トレーニングについてお話ししました。
猫の通院はどうして必要なのか、ことに高齢になった猫の場合については以前お話ししました。

「猫が病院嫌いなので連れていきたくないです」のお話しはこちら。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-category-102.html




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ジャンル : ペット

猫のキャリートレーニング

 猫の通院ストレスを軽減するためのキャリーケーストレーニングについて、診察室でお伝えしていることをお話しします。
猫を病院に連れてきていただくとき、「洗濯ネットに入れて段ボール」は最低限お願いしています。とても慣れている猫でも(病院にも他所のお家の犬にもぴくりとも反応しないほどのまったりさんでも)、リードの装着もなくバスタオルで包まれただけで来院いただくのは、駐車場でドアから出たと途端、急な飛び出しになってしまうかもしれず、避けていただきたい来院方法です。一番のおすすめは「猫用キャリー」での来院です。けれどキャリーに慣れていないとここに入れるだけでお家の人と猫が大格闘になってしまうそうで、「入れるのがめんどくさい、連れてきたくない!」ということになるそうです。困りました。
とにかく、猫に「キャリーに慣れてもらう」ことから始めましょう。

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 <通院ストレスを減らす必要があります>

猫が快適な生活を送り、長生きするために、定期的なケアは不可欠です。動物病院が苦手だといっていると、治療の好期を逃してしまうことになるかもしれません。まず移動手段であるキャリーケースが「安全な場所」だという認識を持たせてあげてください。これで通院ストレスが軽減されます。キャリーに慣れることは簡単で、とても重要なことです。

 

<キャリーを選びましょう>

おすすめのキャリーケースは、上下に分けることができるタイプです。箱と蓋と扉に分けられて、ロックを外すと蓋が外れます。蓋の持ち手が倒れるときに音がしますが、持ち手を布で巻くと音量軽減が可能です。

もし、トンネルタイプのキャリーを選ぶとしたら、出入り口が二つある、通り抜けできるタイプの方を選んでください。

キャリーの大きさですが、小さすぎると、猫が身体を曲げなければ入ることができず、呼吸に問題があるときに不都合が生じます。猫が伏せをした状態で「前足のつま先から尻尾の付け根まで」の長さがあると安心です。あまり大きすぎても猫は落ち着かないし、車中で安定しません。

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<キャリーケース・トレーニングの方法>

はじめはキャリーをリビングルーム(猫が一番長く居る部屋、落ち着ける静かな場所)に置きます。上下分かれるタイプなら下の部分だけ、トンネルタイプなら両扉を開けたままにしておきます。中に猫が好きな素材や匂いの敷物を入れておきます。母猫を思い出せるようなふわふわした素材の布がおすすめです。(ペットシーツではないことに注意してください。)

大好きなおやつを少し入れてみます。何度も猫が自由に出たり入ったりを繰り返させます。慣れてきたら一度扉を閉めます。はじめはすぐに扉を開けてください。最初は10秒も経たないうちです。それから徐々にキャリー内にいる時間を長くしていきます。トレーニングしている間は、キャリー以外の場所でおやつを与えるのはやめておきます。肥満が気になるときはキャットフードで代用してください。扉を開いて、自分から出てきたときにはまたおやつを与えます。リラックスして入り、リラックスして出てくるを繰り返します。扉を閉めて猫が目をまん丸にしていたり、耳を伏せていた場合は猫に緊張がある印です。「ほら、出てきなさい。おやつだよ。」と強引に猫を引きずり出してはいけません。扉を開けたまま、その場を離れ、猫が自分から出てくるのを待ちます。

15分くらいいられるようになったら、室内の別の場所で同じ事を試してみてください。

さらに慣れてきたら、キャリーを別の部屋まで運びます。取っ手の部分を持つのではなく、キャリー全体に腕を回して両手で抱えるようにして持ちます。別の部屋で扉を開けて、出てきたらおやつ、を繰り返しましょう。

 

<次のステップ>

次のステップは、「胴輪とリードを付けてからキャリーに入れる」になります。首輪を付けた猫なら首輪が外れないことを確認してリードを付けるだけで大丈夫です。最終的に病院でキャリーの扉を開けたときには胴輪でリードがついていると安心です。

 

*連れてきてくださる猫の行動パターンが読めないため、初診の方には「洗濯ネットに入れてから」キャリーに入れることをお願いしています。キャリーや動物病院に慣れてきた猫ではネットが不要なことが多いです。最終的な理想は、そのままの状態で「リード」+「キャリー」です。
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<トレーニングのポイント>

訓練を行なう飼い主さんがまずリラックスしてください。決して急いで次のステップに進もうとしないようにお願いします。あせる必要はありません。いつから始めるのが良いかという問題ですが、できるだけ小さいうちに、子猫の頃が一番です。動物病院デビュー前なんて最高だと思いますが、なかなか理想のようにうまくいきませんね。


次回、ハンドリング・トレーニングについてお話しします。


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猫が病院嫌いなので連れて行きたくないです!

 「猫を病院に連れて行く」

これが難題になっている飼い主さんがおられます。

そこには様々な理由があります。それなりに分かりますが、「それでも病院へ連れて来ていただいた方がいいんです」というお話をいたします。

 

1、「そもそも、うちの猫ちゃんは健康。それなのにどうして嫌がる病院に連れていかなくてはいけないの?」

はい、健康だと病院とは縁がないように思われますね。

しかし目に見えない(無症候性、といいます)病気は多く、そうした病気のほとんどはわからないところで少しずつ悪くなっています。そして症状を現わしたとしてもわずかな変化なため、飼い主さんに気付かれないことが多いのです。

例えば体重はどうでしょうか。「毎日見ている」からこそ分からない、だけどそのような変化が数カ月続くと大きな変化になっているのです。知らないうちに痩せていた、または太っていたというのはよくあることです。毎日少しずつの変化は、時間軸に対し定点ポイントで観察してみると変化はよくわかります。

このようなわけで、目に見えない変化をキャッチするための定期的な健康診断はとても重要ですし、不顕性の病気だからこそ健康診断は威力を発揮します。

検査をして「なにも異常が見つからなかった」「本当に健康だった」という結果が得られるのは大変安心できることですし、「初期段階で異常を発見できた」のであれば早期治療を始められラッキーです。

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2、「うちの猫が痩せてきていて、毛のつやも無くなってきているのは分かっているけど、これは高齢猫として普通じゃないの?わざわざ病院に行ってもどうなるものでもないでしょう?」

これもよく聞かれることです。

でも体重減少や被毛の光沢が無くなってきていること、実はこれ自体が臨床症状です。そしてこれらの症状は高齢猫に内科的な疾患があると多く見られる現象で、正常ではないのです。

ウェイトロス、被毛失沢などは特徴的な病気に限定した症状ではありませんが、高齢猫に多いいくつかの病気の疑いが持たれますから、それらの疾患にターゲットを絞って検査を進めていくと診断結果も得られやすいと思います。

そんなわけで、病気による変化であれば、現代獣医学で改善できる可能性が高いというわけです。

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3、「うちの猫をあれこれ掻き回されたくないの。もう歳なんだから」

これもよくわかります。

まず、猫に痛みやストレスのかかる検査ではなく、飼い主さんにお話しを伺うことを中心とし、それから一般身体検査を行うのはいかがでしょうか。中高齢の猫に多い糖尿病や慢性腎臓病を最初に知ることができるのは複数回の尿検査ですが、ご家庭で排泄した尿を持ってきていただくと簡易検査はできます。こんなことからも有用な情報が得られ、今後の猫の健康サポートに役に立ちます。

さらに何回か病院に来院している間に、猫は一定のパターンで診察を受けること、つまりからだのどの部分に触れられて、どのような順でそれが進められて、どのくらい経つとそのタッチングから解放されるのかを知るようになります。それから私たちが決して猫に危害を加える存在ではないということも学習してくれるに違いありません。

まずは慣れることから始めてはいかがでしょうか。

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4、「慢性腎臓病とか治らない病気を検査する意味があるの?」

そう、確かに多くの慢性疾患は治ることはありません。残念なことです。しかし高齢猫に多い病気にかかる年齢になるまで大病もせずうまく飼ってきていただいて、この長寿を迎えられました。お宅の猫さんは幸せです。これまで病院とご縁がなかったというのも健康であった印です。

けれど獣医学は大きく進歩しています。もし「以前飼っていた猫のときは。。。」というのをお持ちでしたら、現在の治療との変化に驚かれるかもしれません。慢性の進行性の病気であっても、治療によって猫は多大な恩恵を得られます。完治することのない病気でも治療すると「生活の質」は向上し、より良い状態で寿命を長くすることができます。

検査はそれぞれの病気の病期分類と推奨される治療を決めるのに役にたちます。同じ病気でも個々の動物により病態が異なるため、必要とされる治療は少しずつ違います。これを検査で見極めてオリジナルの治療を得ることができます。

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5、「うちの猫はすごく悪くて、きっと手遅れだと言われてしまいそう」

高齢猫の具合が悪いと、「手の施しようがない」と言われてしまうのが怖い、という飼い主さんもおられます。「もう今さらやれることなんてないかも」と考えてしまうようです。

どのような状態になっていても、猫の生活の質の回復を第一の目的にして獣医療を行います。完治を目的とした手術や入院によるハードな治療を行うのかどうかは飼い主さんが決めることです。完全な健康を取り戻すことが叶わなくても、目の前の猫に対して何が一番望ましい治療なのかを考え、それを選択することができます。

そしてもうひとつ付け加えておきます。「すごく悪い」というのが飼い主さんの全くの思い違いであることもあります。もうだめだと思ったところからの復活ですが、これはほんのちょっとしたことからの脱却でした。これは実際にあったことです。

そのようなわけで、病院に来院されると、不安に思っていたことを解決でき心の重石がとれるかもしれません。

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猫は「音」に対してとても神経質ですし、日常と非日常、いつもの場所とそうじゃないところ(これをホームとアウェイと私は言っていますが)の違いをとても敏感にとらえています。だから病院に行くときだけに使われる(入らなければいけない)キャリーは大嫌いです。これは引っ越した新しい家を落ち着かない空間だと感じることと同じです。また車で連れてこられる間中鳴いている(はず)と思いますが、車のエンジン音も嫌いです。これは掃除機や洗濯機と同じように予想外に突然唸りだす機械音と同じです。家電の音であれば逃げることができますが、車の中は閉鎖空間ですから逃げられません。助けて!という意味で鳴くでしょう。でもそのあと動物病院が待っている、というところまでは予測していません。病院が嫌いで行きたがらないから鳴いている、と考えるのは間違いです。

 

猫はストレスにとても弱い動物です。まずはキャリーを(トンネルタイプなら両方のドアを開け放ち素通りできるようにし、上蓋タイプならひょっこり入れる籠のようにして)常に居る部屋の隅に遊びの空間のように設置しておきます。これはキャリーに慣れさせ、怖い入れ物という認識を覆すためです。またホームの匂いのするものをキャリー内に一緒に入れて、少しでも気分が和らぐようにしてやります。

それから車の音を消すことはできませんが、暑い夏の間を除いてはキャリーに布などを被せると、少しでしょうが音から逃れることができます。

病院から帰った後はごほうびをあげて気分を紛らわしてやりましょう。もし病院から帰ったときに(病院の匂いをまとってきた猫に対し)家に残っていた別の猫が意地悪をする可能性があるのであれば、フェリウェイを使うなどして、病院の残り香がないようにします。

 

 

「具合が悪いんじゃないか」と思う。でも「猫が病院を嫌いだから連れて行くのがかわいそう」と考えるのはあまりに寂しいです。ちょっと考えなおして、連れてきていただけないでしょうか。

今日はそんな気持ちのことをつらつらとお話ししました。

 

今年も残すところあとわずか。暖かい冬で助かっていますが、油断はできません。問題がないまま、年越しができますように。病気の犬も猫も安定した状態で新年を迎えることができますように。      合掌

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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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