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散歩の利点2

ロコモ予防のためのお散歩について先週からお話ししています。 

<散歩はからだの健康に役立つ>

散歩は身体の健康を維持するのにとても良いことです。身体を健康で活発に保つことができます。

運動器系(骨や関節、筋肉や腱、靱帯、神経など)は一番恩恵を受ける器官でしょう。トレーニングしているようなものです。ついでに体重管理にも役立ちます。

身体を動かすと心臓や血管などの循環器系にも、呼吸器系にも良い効果があります。運動すると血の巡りが良くなります。酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す、肺の働きも活発になります。

そして排便を促し、食欲をそそるため、胃腸の運動も良くなります。便秘の解消にもなります。ですから消化器系にも良いのです。 

<こころの健康に役立つ>

そしてこころの健康にも役立ちます。穴掘り行動、引っ掻き行動などの破壊的な問題行動を無くすのに大変有効です。犬は子供のような存在で、退屈すると体力を持て余してしまい、動きたくて仕方がなくなります。むやみやたらと人に飛びついてくるのもエネルギーが溜まっている徴候です。有り余るエネルギーを消費するために散歩は好都合な運動です。

注意を引こうとする行動も散歩によって減少します。ワンワン鳴いて人を呼ぶ行動や、いわゆる何に向かっても吠え出す無駄吠えなど、犬が家族に注意を向けて欲しいことを示しています。定期的に歩いていると犬は満足し、これらの行動を起こさなくなります。十分な運動を得られた犬はこのような多動性や興奮症などを見せなくなり、リラックスして夜もすぐに就寝に付くことができるでしょう。

<絆が深まり自信が付く>

犬と一緒の時間を過ごすということは、デイリーなグルーミングや歯みがきなどのケアと一緒で、犬は飼い主さんが自分のために時間を割いてくれていることを十分理解できますので、とても高い信頼関係を築くことができます。

少々シャイな犬は、散歩を好まないことが多いです。「外は怖い、うちの中なら安全」というように学習してしまうのです。けれど、定期的な散歩で飼い主さんに信頼感を寄せた犬は、自分に自信を持つようになります。こわがりさんも社交的になれます。お散歩仲間の犬と仲良くできたり、ママ友さんに撫でてもらったり抱っこしてもらったりというようなことができるようになります。「内弁慶で~」という犬こそ、散歩に出ていってもらいだいと思います。

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<散歩で注意すること>

    散歩の前に

お散歩前に身体のウォーミングアップができると急な筋肉疲労を起こすことがありません。特に高齢の犬では指先から順に身体の近くの筋肉へ向かって、もみほぐしたりマッサージするなどして準備運動をしてあげると寝ていてこわばった関節や筋肉をほぐすことができるのでおすすめです。

散歩前は、特に胸の深い大型犬ではよく知られている「胃拡張捻転症候群」を引き起こすことがあるため、空腹で出かけてください。お腹が空いていると拾い食いが心配だという場合、リードの引き方が違っているために発生するトラブルです。散歩法を変えると拾い食いは修正が可能です。

ペットボトルにお水を、携帯用のボウルを、そしてウンチをとるビニール袋などの用具を持って出かけてください。万が一に備えて、家族に連絡ができるスマホも持っていきましょう。クリッカーやしつけに使うフード(またはにんじんのサイコロカットなどのおやつ)、おもちゃなどを持って出かけるのもおすすめです。荷物が多くなりすぎるので注意ください。

    散歩の途中で

散歩中に、息がハァハァ、荒くなってきたときにはクールダウンさせるために水を飲ませてあげたいです。

止まって欲しい交差点まできたら、必ずクリッカーを鳴らし関心を散歩者に向けさせます。目が合いストップできたらおやつ(またはフード)をごほうびとして与えます。

休憩場所まで行ったら、おもちゃで遊んでもいいし、「座れ」「立て」を繰り返すスクワットなどの体操をしながらおやつを与えるのもいいと思います。

排泄した場合は周りの方の迷惑にならないように片付けましょう。オシッコのところも水で流してください。

危険がないように監視してください。散歩中は犬から目をそらさないようにしましょう。

    散歩の後で

帰宅後は足の裏のチェックを兼ねて、足を拭いてあげます。落ち着いていないときは、おもちゃなどで関心をそらすようにします。(寒いところを歩いてきた犬にはパットにワセリンなどのクリームを塗り、パットを保護することも考えてください。)

また筋肉のクールダウンのために、マッサージをします。

  帰宅したらお水を与えます。落ち着いたところで食事も与えます。

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<お散歩を楽しくするヒント>

    わくわくさせる

お散歩の基本の歩き方ができるようになってからですが、ときには犬が行きたい道を選ばせたり、本能である「クンクン」をさせてあげるのもいいです。たいていの飼い主さんはこちらの歩き方を主にしています。これが正しい方法ではないけれども、全否定ではなく、犬が喜ぶのならこういう散歩もいいです。ただし、この歩き方をさせると途端に拾い食いをしてしまう犬ではおすすめではありません。

新しい散歩ルートを開拓するのも犬はわくわくします。

車で出かけていって、いつもと違う公園の周りを歩くのも変化があって楽しいでしょう。これは休日に限るかもしれません。

    バラエティ豊かにする

歩くペースを途中で変えて、「行くよ!」と声をかけてから小走りに走るのも変化があって犬は楽しくなります。休憩地に行ってから遊びを取り入れます。おもちゃでもいいし、筋トレでもいいです。

散歩途中で家族の誰かとパートナーチェンジすると犬は驚くかもしれませんが、家を出るときはお母さんと行ったのに、途中でお父さんが待っていてくれたら気分は上がります。家族とグループウォークするのもいいです。

    犬との散歩を楽しむ

あまり人がいないところだったら、鼻歌を歌うもよし、休憩地で犬を後ろ足立ちさせてダンシングするもよしです。犬を追いかけたり、犬に追いかけさせたりという追いかけっこもいいです。

ゆったり歩いた後で、マットを引いて犬のヨガ、ドガで筋肉マッサージなどを行なうのも天気の良い日でしたらいいと思います。

    減量のための散歩

体重管理のための散歩はやはり成果が出ないと楽しくないです。運動だけで減量するのは難しいので、おやつカットや療法食、サプリメントなどと併用した方が短期間で効果が見えてきます。長期戦ではあるけれども、まず6%ほど体重が落ちるまでを目標にがんばってください。この数値を切ってくると、犬の動きに変化があるという報告があります。犬が軽やかな動きに変わってきて、自主的に動くようになるようです。

 

<さんぽは雑用ではない!>

ということで、「散歩は飼い主の義務、しなくちゃいけない雑用の一つ」という呪縛から「いいことずくめのお散歩」に考えを変えていただくことができたでしょうか。犬の散歩は雑用ではありません。犬にはもちろんですが、散歩に連れ出す飼い主さんの健康にも有益です。

犬の個性も、家族のライフスタイルもいろいろでしょうが、マイドッグランを持つ贅沢わんこにも、健康と社交性をもたらす散歩はおすすめです。犬は見返りを求めない素晴らしいパートナーです。裏切りもありません。お散歩中は楽しく、彼らに集中して絆を深めてください。

 

最後にまとめです!

<お散歩のNG>

    リードが短すぎる

50cm程度の短い紐はお散歩向きではありません。動きが制限されすぎて犬が楽しめません。

    クンクンなしの速歩

あっという間にお散歩タイムが過ぎてしまい、犬は他動的に動かされているだけの印象を受けると思います。

    自由にさせすぎる

危険です。この方法をよく見かけます。

    電話をかける、話に夢中になる

これも危険です。ハンズフリーでも会話に集中し、犬の方に関心が向かなくなるため、やめてください。電話をするのは犬とご自身の緊急時だけです。

    使い古したリード

これも危険です。

    変化のない散歩

いつもと変わらない道をいつもの時間にいつものようにたらたら歩くのはつまらないです。

コロナさえなければ今週にはオリンピックが始まっていたのかと思うととても残念です。今年は運動器疾患をメインテーマにちょこちょこお話しする予定でした。先週と今週は最も身近な運動である「散歩」に焦点を当ててお話ししました。「うちの子はお散歩が嫌い」というのをお聞きするととても残念です。引きこもりっ子をなくし、お散歩好きのわんこに育って行って欲しいです。 

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散歩の利点1

加齢に伴い筋力が低下し関節や脊椎の病気になり、運動器の機能全般が衰えてきます。こうしたロコモティブシンドロームの予防にはいろいろな運動がありますが、基本になる運動は散歩です。散歩は身体を動かす運動になることと気分転換、そして社会化という3つの目的を持っていますが、忙しいとき、疲れているとき、雨降りで足元の状態が悪いとき、夏の暑さや冬の寒さ、周りが暗くなっている時間帯など、一緒に出かける飼い主さんの散歩のモチベーションが上がらない日もあるでしょう。行かないと排泄ができないなど、どうしても散歩をしなくてはいけない理由を除いてしまえば、サボりたい日もあるに違いありません。でも、散歩には他に代えることができない利点がたくさん有ります。新型コロナウイルス感染症蔓延のために厳格に「ステイホーム」を守っていたときにどうにも気が滅入ってきたかと思います。ずっと屋内に籠りっきりになっている犬や外に繋がれたままになっている犬が、毎日のお散歩をどれだけ待ちわびていたのか、外出自粛のときに身にしみて分かったかたも大勢いらっしゃることかと思います。散歩のあれこれを知って、気が乗らない日のモチベーションをあげてもらえるとうれしいです。

<そもそも、庭でめいっぱい走る空間があれば!>

「放し飼いできるほどの広い空間があればいいじゃないか」、「ロングリードをロープに繋げてあれば運動量は十分じゃないか」、「散歩に変わるほどの運動量を朝夕2回に限らず昼間もめいっぱい動けるではないか」という意見があります。フェンスで囲ってあって、放すところには危険なものが存在しない、十分な広さがあるところ。なんと自分専用のドッグランを持つ贅沢な環境です。

でも、この条件を満たしている動物が他にもいます。柵があって、それなりの広さがあって、安全な場所に閉鎖されて単独でいる。そう、動物園動物です。「自由がないのではないか」、「ストレスがあるのではないか」、「仲間を欲しがっているのではないのか」など切ない気持ちで彼らを見たことはないですか。ときに逃げ出してしまったというニュースを耳にすると思います。やはり囲みの中だけでは外に出たくなってしまいます。フェンスの下の土の穴掘りをするのは、新しい場所を目指す行動なのかもしれません。

素晴らしいマイドッグランを持っていても、犬は不満です。

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<気持ちが満たされない>

犬は社会的な動物で、行動も多様性に富んでいるので、ドッグラン環境だけでは飽きてしまいます。いろいろなものを見たり、新しい匂いを嗅いだり、足の裏の新しい刺激を感じたり、なじみのない音を聞いたり、走るときの風を感じたりなど、脳への新しい刺激が犬を成長させます。

犬の運動を庭に頼ってしまうと、欲求不満になってしまうことも珍しくありません。破壊的な行動を起こしたり、無駄吠えをするようになったり、おとなしい犬でも反復行動をとるようになります。

 <庭ではできないことを散歩が提供する>

散歩では、庭で走り回る以外のことを犬に体験させてやることができます。社会に出て研修するようなことかもしれません。犬は本来好奇心がいっぱいの探検家なので、散歩は犬の好奇心を満たしてやることができます。精神的な刺激です。知らない人、子供、犬に出会い、バイクの音、自転車にも遭遇するかもしれません。新しい発見です。こうしていろいろなものに慣れてきます。なにより、お散歩で必ず出会う犬友達ができるかもしれません。

<正しいお散歩ができていないと疲れる>

リードを介して、飼い主さんと犬は同じ動きをすることを強いられます。だから犬が縦横無尽に自分の好き勝手にジグザグ歩行をしたり、あまりに自由すぎて急に走り出したり、また立ち止まって匂いを嗅いだり、パクッと何か(本当に素早くて何だったのか確認できないのです!)を口に入れたりなどしてしまっては、同行者の飼い主さんは疲れてしまいます。これでは飼い主さんは犬との散歩を楽しめないと思います。

だから、一緒に歩くときの最低限のルールを犬に教え、それを守ってもらわなくてはお互いにハッピーな散歩にはなりません。それで、散歩の訓練、ウォーキングのトレーニングが必要なのです。子犬のときのお散歩デビューを甘く見てはいけません。はじめが肝心です。もちろん、途中からでも訓練のし直しもできるのでがんばりましょう。

*お散歩デビューの方法がわからない方、困ったお散歩をするようになってしまった犬の飼い主さん、ご相談に応じます。簡単なお散歩冊子のご用意もありますので遠慮なくお申し出ください。

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<安全なお散歩を始める>

基本的なことですが、飼い主さんが考える「犬の散歩」と「現状の犬の健康上の問題から推奨される散歩」は違うことがあります。

飼い主さんの健康のために速歩で歩くのがもう無理になっている高齢犬を見ることもあります。また散歩に出ると犬が気を失い倒れ込んでしまう(脳貧血とみなさんがいうやつです)を繰り返す心臓病の犬もいます。運動で体重コントロールをしようとがんばっていたけれど、関節炎のために骨が悲鳴を上げていたケースもあります。これらは質を変え、量を減らしてもらわないといけない状況です。逆もあります。若い犬で身体が前のめりに出て行くのに、飼い主さんがそのパワーに追いついていけないため、短時間で帰ってきてしまいます。いつも犬は運動不足でフラストレーションをためていて、飛びつき癖が付いてしまいました。

診察を通して、現状の運動が適切であるのかの判断をする必要があると思います。

<首輪やリード選びは大切>

首輪にするかハーネス(胴輪)にするか位の心づもりでペットショップに行くと、品数の多さに驚きます。そして色やデザインにばかり目が行ってしまいます。「サイズ?このくらいかなぁ~」と買ってきて、いざ装着するとゆるすぎてしまうとかキツくてはまらないという経験をしたことがある人は少なくありません。ゆるすぎるものは、穴を内側に開けて止めます。余りがぶらぶらしていて口に入ってしまうこともありますので、ここもきっちりとくくりつけなくてはいけません。大は小を兼ねますが、手間が生じます。

サイズを正しいものにするのはもちろんですが、もう1カ所しっかり見ていただきたいのは、裏側です。肌に触れる側に凹凸があって皮膚を刺激する様なデザインになっているものは避けてください。着用していて毛が擦れて脱毛してしまったり、皮膚が赤くなってきてしまうものは接触性皮膚炎を起こしている可能性が有り、別の素材のものに買い換える必要があります。

長年愛用してきているものの中には、破れそうになっていたり、皮膚の垢がたい積してしまっているようなものも見受けられます。さらに太ってきてキツくなっていたり、痩せてきてゆるくなってきていたりということもあります。散歩中に急な力で引っ張ったときに切れたり、外れてしまっては命に危険が生じます。実際に、首輪が外れて車にはねられてしまうという事故もあります。そのまま迷子になってしまったということもあります。

首輪やハーネスは命綱。安全に関係してくるものなので、最大限の注意を寄せて選んでください。DSC_0036.jpg 

<散歩中に観察>

まずはゆっくりとした歩行から始めてください。5分から10分歩いて疲れていないか、呼吸は安定しているかなど犬の調子を確認しながら進めます。高齢の犬に限らず、ゼーゼー、ガーガーと呼吸音が聞こえるのは気管や肺の機能に問題があることもあります。歩き始めにぎこちない歩き方をしていても歩いているうちに普通の歩行になるのは関節症の特徴で、「なんだ、ふつうに歩ける!」と思ってしまうと、犬の異変を見逃してしまったことになります。また歩き始めは大丈夫だったのに、疲れてきてから不自由な様子になることもあります。疲れて立ち止まることはないか、ここは運動負荷をかけずにいる日常では見えないことですから、しっかり見る必要があります。

 

 

次回につづきます。

    

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マーキングの多い犬の散歩、高齢犬の散歩

 犬のお散歩についてのお話、6回目です。

 

飼い主さんから見て「困った」行動では無いかもしれないけれど、傍目に好いものでは無いなと思われるお散歩行動として「マーキングの頻度が高いこと」があげられます。マーキングをうまくコントロールするにはどうしたらよいでしょうか。

それからすこし文に空きができると思いますので、高齢犬の散歩についてお話しします。

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3、マーキング頻度の高い犬

オス犬は散歩の途中でマーキング(においづけ)行動を行います。これは自分の縄張りを主張する行為なので、支配欲の強い犬はスポットごとにマーキングすることになります。

電柱やよその家の塀のかどや、玄関口、駐車している車のタイヤ、地面のシミ、植え込みなどはどこもマーキングスポットです。しかしこのような場所にオシッコをかけるのは大変失礼なことで、これを犬に許しているとしつけのできない恥ずかしい飼い主さんになってしまいます。周囲の方の反感を買うことにもなるでしょう。

すでに癖になってしまったマーキングはなんとかやめさせなければいけません。

 

<マーキングの対処法>

マーキングもまず「ニオイかぎ」をしてから始めるので、「ニオイかぎ」そやすそうな場所を犬より先に飼い主が気づき、そこを避けて通るようにします。また「ニオイかぎ」ができないようにリードを短く持つことも大切です。「ニオイかぎ」スポットを通過するときに、犬の名前を呼んで飼い主に注目させ、アイコンタクトをとって、おやつを与えるのがスマートな方法です。

とにかく、立ち止まらずに歩き去ることが有効です。このようなときに「ゴー」という命令で歩けるようにしつけておくと、恥ずかしい思いをしなくてすみます。それから犬を排泄してもよいところ、つまり水で尿を流せるところまで連れて行き、「シーシー」という排泄許可の声をかけながらオシッコをうながします。このときに尿を流すための水を入れたペットボトルが登場するわけです。水でオシッコを流すのは、臭いを取り、次に来る犬もここをスポットとしないようにするためです。

なお、縄張り意識に基づいたこの行動は、去勢手術をすることで抑えることもできます。うまく直せない場合はご相談ください。

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<理想的な排泄のしつけ>

もっともおすすめなのは、家庭内で排泄をする訓練をすることです。

室内犬であれば、ペットシーツを庭先に置いてもよいでしょう。おそらく子犬のときは屋内でペットシーツを使って、初めてのしつけが「トイレトレーニング」だったはずです。犬は足裏で排泄しても良い場所を覚えるものですから、そのまま、ペットシーツとともに、排泄場所を屋外に誘導していくだけですみます。これは運動器疾患などで、動物が運動できなくなったときでも、また歳をとって思うように歩けなくなったときにも、近くに排泄できる場所があると安心です。

屋外飼育の犬の場合は、敷地内の水で流せる場所を排泄の場所としてしつけるといいと思います。

排泄を飼い主の管理下におくことは、異常の発見が早くなり、健康管理上たいへん好ましいことです。

 

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4、高齢犬の散歩

高齢犬の散歩でご質問が多いのは「歳をとったからあまり歩かないし、いつ頃からなら1日1回にしてもいいでしょうか」というものです。一般的に理想だと考えられているのは朝と夕の2回の散歩で、もしそれが時間的に無理ならば夕方1回散歩に出かければよいと考えられている方が多いです。

 

子犬期や成犬時の散歩が

     「気分転換」

     「運動」

     「社会化させる」

といったことを目的としていたのと異なり、高齢犬の散歩は

     「運動で足腰のリハビリテーションをする」や

     「刺激を与え認知症を予防する」、

     「昼の運動で夜寝かせる」

などを主な目的にしています。

 

この目的に合うような散歩を実施するとなると、高齢犬の散歩は

・「1日に数回」、

・「身体の負担をかけないように短時間で」、

・「昼の間に頻繁に」、

・「段差の無い平らなところを」、

・「無理せずゆっくりと」

・「とにかく自力で歩いてもらう」

ようにお願いしたいです。関節炎などを患ってくると、動きたがらない犬も出てきます。こうした場合は鎮痛薬やサプリメントで治療しながら、また運動補助のできるサポーターを使用しつつも、できるだけ理想に近い散歩を実施するようお願いします。

このような犬の散歩についても個別にご相談賜ります。

 

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拾い食いをしてしまう犬の散歩

お散歩についてのお話5回目。困った行動をとる犬のお散歩についてです。

お散歩をしていて犬の行動に困ったことがある方がいらっしゃると思います。飼い主さんの「困った体験」のうち、多いのは「拾い食いをする(しそうな)こと」です。下ばかり向いてクンクンしながら歩くのも拾い食いにつながります。今回はこんな犬のお散歩に対処する方法についてお話しします。

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§3 困った行動をとる犬のためのお散歩講座

1、下ばかり向いて歩く犬

「ニオイかぎ」をしながら散歩を続ける、あるいは周りの興味あるものだけを見て散歩する犬がいます。好奇心が旺盛で、陽気な性格の犬に多いタイプです。周りに気をとられていて、自分の思うまま、飼い主を無視して先に進もうとします。

下向き行動を続けると、何か気に入ったものを見つけたときに「ニオイかぎ」をし、最後は口にものを入れるようになります。これが拾い食いです。

拾い食いは犬の健康に良くない行為ですので、絶対にやめさせなければいけません。

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<飲み込む犬の心理>

犬の方が地面に近いところを歩いているし、嗅覚も優れているので、飼い主が気づいたときにはすでに怪しい何かを口に含んでいることが多く、あわてて取り上げようとすると飼主をかむというのはよくあるパターンです。はじめはうまく取り出せても「いいものを見つけたら素早く飲み込まないと飼主にとられてしまう」というふうに犬が学習すると、何かいいものは無いかと必死で探し見つけ出したらとられる前に食べてしまおうという思いが先立ちます。それで食べ物のにおいのついた袋でも、食べられるかどうかを見極める前に飲み込んでしまうのです。

この「探す」→「見つける」→「すぐに飲み込む」の習慣がどんどん強化されていくと悪循環になってしまいます。

 

<ニオイかぎ歩きの対処法>

下ばかり向いて歩いている犬には、地面や周囲よりも飼主に注意を向けて歩くようにしつけます。飼主は犬に合わせて歩くのをやめ、一旦止まって、先に進もうとする犬の注意を自分の法へ引き寄せます。リードも一緒に引いて逆方向に半回転し、散歩で出会う目標物を一時視界から逃すのも良いでしょう。

このようなときこそ、飼主と犬の「アイコンタクト」が大切になってきます。目を合わせて飼い主に注意が向いたら、ほめてやります。おやつをやるのも補助になります。こうして犬が静止し、落ち着くのを待ってからまた歩き始めます。

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<拾い食い行動の対処法>

拾い食いもニオイかぎから始まります。ニオイかぎ行動をコントロールできれば拾い食いも防ぐことができます。対処方法も基本は同じです。

飼い主が拾い食いしそうな目標物に先に気づき、食べそうなものがあればリードを短く持ち直し(左手をたぐってリードの長さを変化させ)ます。怪しいものから避けて通ることが一番の拾い食い予防法です。近づきそうな場合は、名前を呼んで注意をそらせ、アイコンタクトがとれたらしっかりほめます。

散歩の途中で何か起こっても、飼い主に注意をそらすことができれば安心です。

 

<クールダウンさせる>

お散歩が大好きな犬は、外に出るのをとても楽しみにしています。ハイテンションになって走り出したり、自分の思うように走り回ったりしてしまい、興奮のあまり周りがみえなくなっています。

このような場合、犬を静かに落ち着かせる(クールダウンさせる)ことは散歩らしい散歩をする上で重要になってきます。しっかりクールダウンさせるためには普段から「すわれ」「まて」のトレーニングをしておくことです。自転車や他の犬とすれ違うとき、交差点で信号待ちしているときなど、周りの状況を読み取ることができていないと危険です。いざというときに急な飛び出しを防ぐにはこのポイントで「まて」の命令を聴くことができれば、安心して散歩を楽しむことができます。

飼い主さんも犬の調子に振り回されることがなくなり、落ち着いて出かけられることでしょう。

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<誤食を防ぐしつけ>

犬は食べられないいろいろなものを食べてしまいます。食べ物のにおいがついた食品包装材やおしぼり、およそ食べ物とは関係の無いおもちゃや軍手、靴下などでも遊びがエスカレートして飲み込んでしまうことがあります。誤食は屋内でも屋外でも起こる事件です。日頃から食卓の下に出入りさせないことや、こぼしたものを犬が食べるのを黙認しないことはとても大切ですが、家の中の片付けをしても完璧にやりきるのは難しいです。犬を監視できないときにはケージの中に入れるようにする習慣を付ける(クレートトレーニング)と、「拾い癖」がある犬との生活でも、平和な時間を作ることができます。

それから、「ちょうだい」「離せ」の訓練も大切です。くわえたおもちゃを「ちょうだい」とか「離せ」の命令で取り上げ、できたらほめておやつをあげるというトレーニングです。「おもちゃを取り上げられ」ても、→「飼い主に渡す」と→「ご褒美がもらえる」と学習することで、ものに対する執着心を押さえることができます。万が一困ったものを口にしても、飲み込む前に取り出すことができます。

 

<おなかがすいていてはだめ>

きわめて基本的なことですが、食事量が足りていないと、いつでも食べ物を探す行為をします。拾い食いや誤食が著しい場合は、栄養面や胃腸障害、代謝疾患が無いかどうか診察を受けられることもおすすめします。

食べっぷりがいいことを元気の印だと思っていたら、栄養状態が思わしくなく、おなかがすいているのでがつがつ食べているということはよくあることです。特に冬は寒さから身を守るためにエネルギー消費が増します。秋の頃よりもたくさん与えてください。

現在のボディコンディションがわからないときは診察にお越しください。

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2、草をたべてしまう犬

散歩中に道ばたの草を食べる犬がいます。

「草を食べるのですが、大丈夫でしょうか」とか「草を食べて嘔吐しますが、問題はありませんか」というご質問をお受けします。

犬が草を食べて、それを吐くことは珍しいことではありません。犬には胃がむかむかしたときに草を食べてその刺激で胃の内容物を吐き出そうとする習性があり、これは生理的な行動です。

しかし自宅の敷地以外の沿道や草むらであれば、除草剤などが噴霧されている可能性もあり、行為そのものには心配が無くても、草に問題があるかもしれません。犬が草を食べるのを黙認するのはおすすめできません。

 

<草むらに行くのをやめさせる>

草むらに入っていこうとするのは、犬が散歩の主導権をとっていることになります。好ましくないところに進んでいくときには、「下向き歩き」の場合と同じように、犬の関心を飼い主にそらせ、飼い主の思う方向に歩かせるようにしましょう。

 

<草を食べたがるのは病気のサイン>

消化器系の働きがうまくいっていないときに、草を食べようとする行為が盛んになることがあります。(習慣になっていることもあります。)注意深く観察し、続くようであれば診察にいらしてください。

また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている犬にとって、雑草の花粉は好ましいものではありません。散歩のときには犬が草むらに入り込まないように、うまくリードしてください。

 

 

今日のお話はここまでです。

次回6回目は、マーキングと排泄のお話をします。 

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散歩の場所、持ち物、健康観察

前回はお散歩の質と量、そして時間に関することについてお話ししました。
今回はお散歩についてのお話の4回目。
お散歩の場所、お散歩のときの持ち物、健康観察についてお話しします。

3、お散歩の場所

散歩のコースをどこにしようか、時に悩まれることがあるかもしれません。ほんの少し、ヒントをお伝えします。

 

<散歩コースはいくつか用意する>

毎日同じところを回るのも良いのですが、ときに気分が変わるように2つから3つくらい散歩コースを考えておかれると良いと思います。犬が勝手にいつもの道を進んでいくのではなく、散歩の主導権を握るのはこちらであることをアピールすることもできます。

 

<事前のチェックで安全な道を>

危険なところは無いか、あらかじめチェックしてからお散歩コースを決めてください。愛犬の散歩は楽しいものであり、恐怖を覚えさせてはいけません。万が一の事故を未然に防ぐためにも安全なコースを選びましょう。

 

<散歩コースの障害>

町中ではほとんどの道路はアスファルト舗装され、土の上を歩ける機会は無くなったように思います。コンクリート製や金属製の板が敷かれているところを通ったりまたいだりする必要もあるかもしれません。これらのところは、夏に大変熱くなっているので、こうしたところが無い道を選ぶように配慮するのも散歩コースを決める上での注意点になります。

また、排水路の蓋の上や、工事用のマットなど、犬が歩くのを極端に嫌う場所があるようです。足の裏に感じる感触や見た目で怖いと判断するようで、そこだけ避けて通るという「不得意な場所」があるのは事実です。いやがる場所を無理に歩かせようとせず、別の道を選んでください。

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<郊外の散歩>

郊外を散歩する場合、どの犬も大好きなのは草の生えているところです。しかし、アレルギー体質の犬にはおすすめではありません。草むらにはアレルゲンが多く、ここに入り込むと皮膚のかゆみが悪化し、目がしょぼしょぼして涙が出てくることがあります。

 

<住宅街の散歩>

住宅街を歩くとき、通り道の家に必ず吠えてくる犬がいるとか、敷地内で放し飼いになっている大型犬がいるような場合があるかもしれません。塀からひょいっと顔を出され吠えられると、犬は恐怖で足がすくんでしまうかもしれません。このような道も散歩コースにはふさわしくありません。

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<犬種によって注意する道>

坂道や階段状になっている場所での運動が不向きな犬がいます。股関節や膝蓋骨がもともと不安定な犬、腰に負担がかかりやすいダックスやコーギーなどには高低差のある場所は好ましくありません。また高齢になった犬でも平坦な道を選ぶようにしてください。

 

<家から道まで>

家から出るときも注意は必要です。玄関から思い切りジャンプで飛び降りなければいけないほどの段差がある場合、道路までの庭先の足元が大人仕様の飛び石になっているような場合、犬が危なっかしく飛び跳ねないといけないような場合は、道路まで抱っこで出かけるくらいの注意は必要です。

 

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4、散歩の時の持ち物

犬の引っ張りがうまく制御できないので軍手が必需品だという飼い主さんもいらっしゃいます。ご自身の手を守るために必要です。

両手が自由に使えるように肩掛けポーチやウエストポーチも重宝します。

そしてポーチの中に入れるものはというと、ティッシュペーパーやビニール袋、ときにスコップです。ここまではごく普通に皆さんがご用意して出かけられるかと思います。さらに水の入ったペットボトルも用意していただけるといいと思います。

訓練途中の犬には、ドライフードや小さく砕いたクッキーなどのおやつも必要かもしれません。注目させるための(音の出る)おもちゃやクリッカーなども重宝します。

 

<排泄の後片付け>

散歩の時に犬のリードだけをつかんで出かける飼い主さんは、今ではすっかりいなくなりました。みなさん、犬が便をしたときに片付けるためのビニール袋や拭き取り用の紙をもって出かけてくださいます。さらにスコップなどを用意してくださる方もいます。公道で犬が排便をした後の片付けは飼い主さんのエチケットとして、とても普及したと思います。なお、排便の処理は袋に入れて家に持ち帰り生ゴミとして処分して完了です。袋に入れて公園に設置されているゴミ箱に捨てるとか、道の角に寄せておくのでは片付けたことにはなりません。最後まできちんとしましょう。

さらにもう一つお願いしたいのは、排尿をしてしまったときに尿を流す水を入れておくペットボトルです。都市部では当たり前になっている排尿の片付けも、田舎ではまだ普及していません。当院の周辺でも、都市部の飼い主さん並みに尿のことまで心配りしていただけると犬を飼う人のマナーレベルはかなり高いものになると思っています。

もちろん、散歩の目的は「気分転換のため」「運動のため」「社会化のため」であって、「排泄をさせるため」ではありません。ですから散歩前に家庭で排泄を済ませ、散歩中はスマートに運動できれば、これらのマナー用具は何かあったときのために持ち歩くことになります。

世の中は犬が大好きな人ばかりではありません。犬が嫌いな人もいらっしゃいます。「散歩途中に犬がおしっこをした」(これって当たり前だよね)と思っている事象が、犬嫌いの方には「公道で犬が排尿している」(のを許し、そのまま片付けないで)立ち去った」というふうに映っていることをご理解ください。

泉佐野市のように、市が環境美化推進条例をつくり、犬のふんを放置した飼い主さんに過料を徴収(現在は1万円)している地区もあります。池田市では犬の尿により腐食したと思われる街灯が倒れて女の子が大けがをするという事故も発生しました。ますます、犬の飼い主さんのマナー向上が望まれるところです。

 

5、健康観察

それにしても、散歩そのものが排泄行為になってしまっている犬はまだいます。その場合は片付けることに加え、健康観察も行ってください。屋内の至近距離で観察することと比べると、屋外ではやはり不十分な点も出てしまいますが、排便の様子、出にくくは無いか、何度もしゃがむことは無いか、などを見てください。排尿についても同じです。一回の排尿量はしっかりあるのか、尿の勢いはあるか、何度も排尿姿勢を繰り返すことは無いかなどの行動をチェックします。それから便そのものの観察です。形があるのか、崩れていないか、水分量はどうか、異物が混じっていないか、血がついていたりはしないかです。片付けをするときにつかむので観察しやすいと思います。尿については、よほど色が濃いとか、たまたま雪の降った翌朝でも無い限り、異常に気がつきにくいと思います。水を流す前に、吸水性の高い白い紙(ティッシュペーパーよりは厚みのあるキッチンペーパーの方が、判断がつきやすいと思います)をかぶせ、色調だけでも観察するようにしてください。

散歩中は排泄の観察以外にも、歩様やその他の健康観察も可能です。大きく体を揺らしたり、ケンケンしていると足の具合が悪いのがわかるでしょう。真っ直ぐ歩かせているはずなのに片方にずれたり、円を描くように回っていたり、頭をかしげて歩くこともあるかもしれません。歩いている途中でも立ち止まって、どこかを掻いていたり、頭を振ってみたり、気になるところがあるサインを出す場合があります。身体のどこかが膨らんでいるとか、毛並みが乱れている場所があるとかも見ていきます。犬とのふれあいが散歩時間だけになっている場合は、特にしっかりお願いします。


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