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歯周病のこと・つづき

 先週、歯周病のお話をしました。で、ご質問をいただきました。「歯肉炎、歯周炎、歯周病は、どう違うんでしょう。」そうですよね。そこ、根本的な問題です。すごく大事。とてもいいご質問です。私たちの良くないところは、わかって貰っているつもりでお話しを先に進めてしまうところです。今週、もう少し歯周病の話題で幅を広げます。

 

<歯周病は?>

歯周病は歯肉炎と歯周炎を含めた病気の総称です。

歯肉炎は歯と歯茎が接するふちのところが赤く腫れているだけです。歯肉に赤いラインができているのがわかるくらい。歯が植わっている歯槽骨には何も問題は起こっていません。治療をすれば後戻りが可能な歯肉の炎症です。

歯肉に限られていない歯の周囲組織、とくに歯槽骨にまで炎症が及び、元に戻ることが不可能になった状態まで進行しているのは歯周炎です。軽度の歯周炎ではこの歯槽骨が壊れるために歯周ポケットができます。「歯と歯の間に隙間ができたね」という段階です。さらに歯槽骨が壊れて歯周ポケットが深くなってくるに従い、中等度の歯周炎になります。「なんとか抜歯せずに残せるかしらね」というのがこの段階です。さらにさらに歯槽骨が壊れてしまうと、もう歯を残すことも難しくなってしまいます。歯槽骨の骨折にもつながりかねないほどの段階が重度歯周炎です。

歯肉炎と歯周炎はたった一文字しか違わないのですが、大きな違いがあるのがおわかりでしょうか。歯肉炎なら後戻りが可能、歯周炎になると自然な骨の再生は見込めないため、後戻りが不可能な状態です。(重度歯周炎では骨補填剤を入れて、歯周組織の再生を促す治療を行ないます。)

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クルルちゃんの歯です。
歯みがきしていると10歳でもキレイですよ。

<歯の汚れと歯肉の炎症はちがう>

注意していただきたいのは、歯が汚れていることと、歯周囲の組織の炎症とは同じレベルではないということです。歯に色が付いて一見汚れているように見えても、歯肉の炎症はさほどでもないことがあります。これはラッキーな場合です。

困るのは逆のとき。一見すると歯の汚れがたいしたことはないのに、歯肉の炎症はけっこう進行していることがあります。

歯の汚れと歯肉の炎症にはぴったりした相関関係がないので、歯の汚れを指標にしていると気づいたときに後戻りできない歯周炎に進行している場合があります。

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診察の時に使っているプレートの拡大図です。

<だれにも正常な時があった>

子犬なら、乳歯から永久歯への生え替わりの時は歯がもぞもぞして何でもカミカミしてみたいときですので、歯ブラシ練習を始めるのに最適です。「いつからやればいいの?」という飼い主さん、「わんこが家にやってきたら、もうそのタイミングで」お願いしたいです。

でも、たいていは「オシッコのしつけしなくちゃ!ちゃんと成長してるかな?太りすぎ?痩せすぎ?食べる量はこのくらいでいいの?鼻水が多い気がするけどこれって普通?鼻は濡れてなくちゃいけないんだよね?えー、紐つけたら歩けるんだと思ったのに歩けない!散歩嫌い?」などなど、健康に関するご心配やらしつけのことなどで頭がいっぱいで歯のケアまで頭が回りません。そんなもんです。みなさんそう。

だから、気にはなっていたんだけど、どうしよう。と思ったそのときが大切です。診療ってほどじゃないけれど、気になったときに、ご相談でいらしていただければ、または診察途中に思い出していただいたら「歯のこと」をお話しください。歯ブラシ年齢が少し過ぎてしまってからでも、やばいかなぁというときでも、今の状態に合った歯科ケアをご提案したいと思います。

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歯槽骨に問題はありません。

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こちらも別の冊子の拡大。

<歯肉炎の段階での治療が重要>

歯肉炎レベルのときにはまだ歯槽骨へ炎症が波及していません。歯に痛みもないくらいの状態です。この時に歯の見えている部分に当たる「歯冠」の歯石を落とし、歯肉と歯が接している面(歯肉に隠れて見えない部分)の汚れを掻き取る治療をすると、また若い頃の歯と歯茎の状態に戻すことができます。このレベルの歯は、ちょっと見たくらいでは十分に健康そうな状態に映るかもしれません。「このくらいならまだ大丈夫だろう」と思っておられる飼い主さんがほとんどです。ですが、それが落とし穴。この段階こそ、しっかりやっておくべきところです。

この段階で定期的にスケーリングとポリシングに来院されるわんこたちは、常に口腔内がきれいで、同年齢のわんこの飼い主さんに驚かれます。実は隠れた努力もされているわけです。毎日の歯科ケアです。すべてのわんこたちに、ここを目指して貰いたいと思っています。

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歯槽骨が壊れてきます。

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軽度の歯周炎です。
 
<歯周炎が始まっている>

見た目にも歯石ががっちりついてくると「そろそろやった方がいいかな」と思われる飼い主さんが出てきてくれます。または「今やらないと、もっと歳をとってきちゃうから」とタイムリミット的にこれが最終段階かもしれないとご判断される飼い主さんもいらっしゃいます。ぜひとも、麻酔下での歯石クリーニングや歯肉の調整を行なうべき段階です。本当は、もうちょっと前に決断して欲しかった!ということも多いですが、それでもまだ、中等度の歯周炎で歯科処置に踏み切れる飼い主さんはエライのです。

歯が歯肉から離れ始め、歯周ポケットが形成されていても、ここまでに一度なんとかしておきたいと思う段階です。というのも、この時期を逃してしまうと、年齢的にほかの慢性疾患を持つことになり、麻酔のリスクも上がることになります。もちろんこの段階でお勧めしても「どうしようか」と悩まれる飼い主さんは大勢いらっしゃいます。あなただけではありません。それでも決断してもらえると、もう一度リセットできて、今後望ましいレベルの歯科ケアを行なっていける可能性が生まれます。それが歯の寿命だけでなく、身体そのものに良い影響を与えます。

治療の内容は、歯冠のスケーリングと歯周ポケットの中の歯垢や歯石を除去する処置です。これは歯周病を治す治療になります。また予防的な処置として、歯根表面に付着した歯垢や歯石を取ってきれいにして(ルートプレーニングといいます)から歯を磨きます(ポリシングです)。

ぜひ、ご決断ください。


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歯槽骨がひどく壊れます。

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歯を抜かなければいけない段階になってしまっています。

<進行してしまった歯周炎>

顎の骨が壊れてくる中等度から重度の歯周炎の段階では「やらざるを得ない」といって麻酔下の処置に入れる場合と、「どうにもこうにも無理だろう」とあきらめてしまう両方のパターンが生まれます。みなさん、本当に悩まれます。必要だとわかっているけれど選択するのが怖い、というところです。「腫瘍ができています。これを取らないと死んでしまいそう。」なら選ぶはずの処置も、歯科になるとそうはいかないようです。

治療内容はより複雑です。スケーリングやルートプレーニングのほかに、抜歯処置も行なう必要が出てきます。抜歯した後は歯根の穴をきれいにして抗菌薬を補填する処置を行なうとか、周囲の歯肉を切り取ったり剥がしたりして穴を塞ぐように縫合する処置を行なうなどの必要があります。また融けてしまった骨の再生を促すために骨補填剤を充填する必要があるかもしれません。

このように複雑で大変な処置になるわけですが、歯科処置をする方を選んでくださった場合には明るい未来があります。処置後のブラシングケアなどとうていできないという場合でも、そのほかのケアできれいな状態を維持する必要はあります。

このままの状態で治療ができないと、重度歯周炎はどんどん進行してしまいます。病的な額骨の骨折や骨髄炎が起こることもあります。血液中に細菌が入り(菌血症)、この細菌に身体が打ち勝つことができず(敗血症)、全身に影響するさまざまな悪い状況が発生することもあります。なにせ歯周病というのは歯が汚れる病気ではないのです。細菌によって引き起こされる感染症。いろいろな病気を起こさせる細菌の塊を常にお口の中に持っている状態なのです。この段階こそ、決断をしなくてはいけないのです。

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最終目標は歯周にもブラシが入る先端がとがった歯ブラシで歯を磨けること。

<おまけ>

同じように過ごしてきても同じくらいの年齢になったときに「案外キレイ」なわんこと「うっそ!どうしちゃったの!」と叫んでしまうくらいのレベルに状態が悪いわんこがいます。この違いはどうして起こったの、に答える一つの情報があります。

歯周病を起こす細菌のひとつにポルフィロモナス菌があります。この菌は遺伝子的に3つのタイプがあり、そのうちのタイプCは病原性が強いことがわかっています。お口の中にポルフィロモナス菌がいるかどうか、そしてどのタイプの菌だったのかは口腔内細菌の検査によって調べることができます。うちの子のお口にポルフィロモナス菌タイプCがあるかどうか、しっかり歯みがきをしないといけない口腔内環境にあるのかどうかを調べたい方はその旨お知らせください。

なお、この菌と検査の詳細については来年に回すことにします

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もう一度、クルルちゃんの反対側の歯。

<おわりに>

代替医療の中には「これで腎臓病が治る」とか「こうしたらがんが消える」と大々的に銘打って述べられているものがあります。あのくらい強気に「治ります」を押していけると良いのですが、悲しいかな「ワタシ失敗しないので!」と言えるほどのものも持ち合わせていないので、100%の保証で歯科治療を(始めいろいろな手術も)請け負うことはできません。何か説明をした後でも、これによって余計に不安を煽るようなことになってしまったのではないかと反省することもあるのですが。

常のことですが、私たちはどんなことをするときにも「絶対に大丈夫」と言うことはありません。科学的根拠(エビデンスといいます)に基づいてしか伝えられないからです。嫌な言い方になりますけれど、「○○%の確率でこのようになります」、とか「○○%ではこのような好ましくないことが発生します」と言うのです。「このくらいの確率だから大丈夫です」「こうしましょう」と言った方が、飼い主さんにとっては心強いし、こうして背中を押してあげた方が決断しやすいかもしれないとは思いつつも、100%の安心を差し出すことができません。ごめんなさい。どうかご了承ください。

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重度の歯周病

 一年を振り返ってみて、重症の歯周病や、それによる併発疾患のわんちゃんや猫さんを診察する機会が多かったので、今月、もう一度、待合室に歯周病のことを掲示することにしました。今回はいつもの軽度歯肉炎からの病態悪化ではなく、重度歯周炎がどんなものなのか、ちょっと怖い写真も載せましたので「うへ~」ってなるかもしれません。でも、目をそらさずに現実を知っていただきたいので、あえて、これまで伏せておいたものもお見せします。(キリッ!)

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実は歯が汚れるだけの病気じゃない!

<歯周病は歯が汚れる病気?>

歯周病は「歯が汚くなる病気」ではありません。ひどくなると骨まで溶けて(骨吸収といいます)、骨が折れてしまう病気なのです。さらに、心臓や腎臓、肝臓、免疫系の病気まで呼び起こしてしまいます。とても怖い病気です。

 

<膿が出てくる>

初期は歯肉炎として、歯と接している歯茎の炎症ですが、歯周炎は細菌感染のために、歯が接する面全体としての歯周の炎症になります。歯周病は2つのパターンがあります。辺縁性歯周病は歯と歯茎の間の歯周炎です。歯茎が腫れて赤くなります。

もう一つは根尖性歯周病です。歯の根元に細菌が入り込んで、根っこの部分で炎症を起こします。こちらは目に見えない分、厄介ですし、重症になりやすいです。歯の根元に膿が溜まると、膨らんだ膿は出口を求めて「瘻管」(ろうかん)を作ります。膿の排泄口です。これが口の中に出たものは「内歯瘻」(ないしろう)になります。ほっぺの皮膚から口の外に出たものは「外歯瘻」(がいしろう)といいます。

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お顔の様子が変わってきてしまいます。

<鼻に抜ける穴ができる>

上顎の犬歯は鼻の骨まであと1~2mmくらいのところに歯根があります。上顎犬歯の歯根部に問題が起こると、簡単に鼻の骨が溶け、口と通じる穴が開きます。くしゃみを頻発したり、常に鼻水や膿性の鼻汁が出てきます。

 

<骨が溶けて骨折する>

下顎の犬歯から臼歯(奥歯)で起こりやすいのですが、歯根部の炎症はそのまま、下顎の骨を溶かします。徐々に骨が溶け、最後は薄っぺらになった骨が折れてしまいます。


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顎の骨が折れることがあります。

<全身への影響>

歯周病の原因は「食べかす」ではありません。細菌の塊です。菌が血管に入り、血液とともに全身を巡り、心臓へ(細菌性心内膜炎)、肝臓へ、腎臓へと回って悪さを起こします。また免疫系の病気を発症することもあります。

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歯周病に関する間違い、6つあげました。

<治療がむずかしい>

進行した歯周病は麻酔下でないと処置できません。たいていは高齢で麻酔リスクが高くなっています。すでに心臓病や腎臓病を発症しているために、麻酔をかけることができないようなことも出てきます。
ほとんどの場合は歯を喪失することになります。歯槽骨に問題を起こしている場合、抜歯は必須です。
ごめんなさい。費用もそれなりにかかります。

ちなみに、麻酔をかけずにできる歯科処置の範囲は軽度の歯肉炎までです。それでも、おとなしくしていられない犬では歯の裏側まで処置することはできないので、できても完全ではありません。


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痛いです。それを我慢しています。
歯の痛みは鎮痛薬をのんでも効かないことは
ご自身のからだで、みんな知っていますよね。

<ちゃんとサインがあったはず!>

歯周病のサインは次の様なものがあります。

   口臭がある

   食餌中にごはんをこぼす

   唇が腫れている(汚れが付いている)

   頭をよく振る

   歯や顎をカチカチさせる

   口の周りが濡れている

   軟らかいものしか食べない

   ドライフードを噛む音がしない

   片側だけ目やにが付いている、涙が多い

   前足に血や汚れが付いている

   前足で口をこすっている

   口を床にこすりつけている

とにかく、痛いです。それで常にイライラしていたりしますが、わかりにくいサインのため気づかれにくいようです。十分に食べられなくなるため、体重減少がみられることもありますが、これまでの体重と今の体重を知らなければこれもわからないかもしれません。

「わかりにくいですよね。仕方がありません。」と飼い主さんを慰めるつもりはありません。むしろ「ちゃんとした飼い主さんだったら、わかりにくい症状だとしてもわかっています。」になります。「これまでの体重?え?知らん。ん?こんな症状?あったかなぁ?」は見ていなかった印です。十分反省していただきたいです。犬の飼い主さんだけではありません。猫も同じです。猫も歯周病になります。

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歯科ケア用品を展示してあります。

<治療をはじめますか?>

動物の出しているサインに気づき、対処してやらないとだんだん悪化していきます。ただ、主訴が「口のにおい」であり、これに対しては「我慢できる」と言われてしまうと、手が出せません。動物の痛みや不都合さ(噛みにくいとか食べにくいとかいう問題です)に気づいて、これからのために治療をしてやれるかどうか、欲しいのは飼い主さんの「愛」です。

「ニオイのないお口」は、
①細菌の除去
②きれいな環境の維持
によってしか得られません。積極的な治療参加が欲しいところです。

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間違ったやり方ではきれいな歯をキ-プできません。

<歯を丈夫にするためのケアはしています>

歯に関しては、歯ブラシがけができない分、ほかのことでしっかり対応しています。と言われることがあります。よくあるのは「硬いガム、牛の蹄(ひずめ)、豚の耳など、硬いものを噛ませていると歯石は付かない、これらを噛ませていれば丈夫な歯ができる」というものです。これは大いなる誤解です。これらは歯を折ったり、欠けらしたりすることはあっても歯石のコントロールにはなりません。残念ながら歯にとっては有害になることの方が多いのです。物理的に歯石が付かないようにと、硬いものを噛ませてくださっていますが、歯石の元は食べかすではなく細菌だからです。

歯科ケア専門のデンタルガムも、正しい物を選び、正しい方法で使ってこそ、有効な効果が得られるということも伝えてきます。つまり、ただ、与えておけば良いというものではありません。


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歯科ケアはいろいろあります。
年齢や症状、手軽な方法から手間がかかるものまで。

<歯石を落としたらそれでおしまい?>

「麻酔をかけてスケーリングをした。」でも、それはこれまでの汚れをリセットしただけのことに過ぎません。①細菌の除去、これだけです。ここから歯肉の炎症を取り、これまでスルーしてきた歯科ケアに向き合い、②このままのきれいな歯をキープする努力が必要です。

デンタルケアは必ずしもブラシングだけではありません。状況に応じていくつもの方法があります。基本はブラシングですが、犬の性格やこれまでの習慣などもあって、すぐに到達できないこともあります。口腔内の悪玉菌をコントロールするサプリメントが利用可能です。また口腔内の洗浄のためにデンタルリンスやスプレーを使うことも有効です。「ブラシングまではできない」という場合でも、「なんとか指で歯肉をこするところまでは行けそうだ。」ということもあるかもしれません。ぜひデンタルジェルを併用して使い、口腔衛生に役立ちててください。こうしてお口に触らせることからはじめ、徐々に歯ブラシでのケアまで持っていく、ここを目標地点に置いて頑張っていただきたいと思います。痛みがなくなればお口を触らせるようになります。頑張ってください。



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歯ブラシには一般用よ歯周病用があります。
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歯周病用は下の、ブラシの先が不揃いになっているものです。
歯周ポケットまでブラシが入って、汚れを掻き出します。

 もういちど繰り返します。今日はちょっとキツいこと言っています。すみません。あまりにかわいそうな子がいたせいかもしれません。「口が臭う」ではなく「歯が痛そう」の感覚を持ってください。あなたが感じるニオイの問題じゃなくて、動物の立場になって痛みを想像してみてください。そして病気を知ったらすぐに治療、そしてケアをはじめてくれませんか。もちろん、「気になったから歯科検診」に来てくださるのが一番です!

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猫の歯の吸収病巣

 118日は「いい歯の日」。犬の歯科ケアについてはお話ししていますが、猫の「歯」についてお話しすることがありませんでした。今日は猫に発生する歯の病気のことをお話しします。

 

<猫の口の中の病気>

猫の口の中の病気としては、「歯肉炎」が一番多いです。歯石と関連する歯肉炎が主です。それからウィルス感染と関連していそうな、または関連が見られない「口内炎」です。のどの奥の方と左右の頬の部分が真っ赤にただれてほんとに痛々しいやつです。その次あたりに「歯が折れた」とか「歯がない」「歯石」などの「歯」に限定されたことでの来院が多く、そのまた次あたりが「新生物」になるかと思います。新生物と言っているのは診察の段階ではまだ「腫瘍」か「歯肉の過形成」かどちらかわからないからです。

猫が口の中をそのまま見せてくれることはまれで、おうちの方もはっきりとわかっていない状況で診察に来られます。犬では「なんかくさい。口が臭い。」という来院理由のほかに「歯が汚い」を認識されていることが多いですが、猫の場合は口の中を確認されてこられることは少ないです。

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<こんな症状で来院されます>

「よだれが多い」

「食べにくそう」

「食べが悪くなった」

「やわらかいのはいいけどドライは食べない」

「ウェットフードを食べない。ドライを丸呑みする」

「口の中がおかしい」

「魚の骨でも刺さっているのか?」

「口のどこかが痛いみたい」

「水を飲んでびっくりしている」(これは痛みによるものです)

など。いずれにしても口の中に違和感を感じているようです。

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<最近多いかも。猫の歯の病気>

あらら、こまりましたね。と口を開けて見せてくれる猫さんが半分ちょっと多めくらいでしょうか。それでも一瞬のうちに判断しなくてはいけないくらいの速さで判断です。歯茎が赤い!歯肉が下がってる!(歯は歯肉に隠れて見えない)歯石がついてる!そして、「ごめん、大きく口を開けたら痛かったね。」となり、猫さんには嫌われる原因を作ってしまいました。ほとんどこの観察スピードでは「歯肉炎です」にしか診断がつきません。

猫にも歯石は付くし、それに伴う歯肉炎があって、これから生きていくだろうと思われる年数のことや現在の生活の質(食べにくい、食べるのに痛そうなど)のことを考ええると、「麻酔かけて一回きれいな状態に戻しましょう!」ということになります。ここで残りの年数を気にするのは、「麻酔までかけて得られる利益はどんなものなんだ?」という自問でもあります。(ですので、あまりに高齢になっていると、麻酔下での歯科ケアを勧めるのに悩みます。)

けれど麻酔をかけてしっかり口腔内を調べることができると、見えてくるものがあります。無麻酔の下では抵抗があってほんの一瞬しか見えなかったけれど、麻酔があればじっくり観察できますから。それに歯科器具で歯肉をツンツンしても猫が怒ってすっ飛びあがるなんてこともありません。で、発見するのが「歯の吸収病巣」(tooth resorption)です。そしてこの頃の猫の歯で、なんかこれが多いのです。

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<歯の吸収病巣?>

「歯の吸収病巣」です。これが診断名です。

昔はこんなわけのわからない名前じゃなくて「う蝕」(虫歯)と紹介していました。そのあと、これって「う蝕」ではないぞ。歯がそのまま溶けてるし。あの治療をしたのに進行しているし。ということで、「う蝕」は使わなくなりました。

そのあとは「ネックリージョン」(neck lesion)なんて言っていた時もあります。歯の頚部に病変が生じていたからこんな名前になったのかもしれませんが、日本名でいうことがなくて、そのまま「ネックリージョンです」と紹介していました。なんか不親切な病院です。すみません。

で、今は「吸収病巣」と呼ぶようになっていますけど、この先も変わるかもしれません。なんかしっくりしない名前だから。(正確には虫歯じゃないけど虫歯の方がわかりやすいかも。虫歯だって虫が食ったわけじゃないのに虫歯だよ?と思っているのは私だけかもしれませんけど。)

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<どんな病変なのか>

初期段階のものは、見た目まさしく「虫歯」様。歯の表面、エナメル質に穴が開いて凹みができています。人の虫がが臼歯の噛み合わせの部分であるのに対し、猫の臼歯はとがっていて穴は歯の側面にできています。歯にできる病巣ですから、穴と言ってもごく小さなものです。ただ、「正しくは虫歯と違います」と言っているのは、人の虫歯が酸によって表面が溶けてしまっているのに対し、猫の歯の吸収病巣では「破歯細胞」によって起こっていることです。

小さな穴の状態のものから、それが深くなって歯が折れてしまったもの、歯茎に埋まっている歯根が骨に変わってきているものなど、目に見える変化からX線検査で確認するものまであります。

 

<原因は何?>

原因は不明です。咬み方(歯にかかる力の入り具合)?、免疫学的な異常があるから?、栄養的なバランス異常?、歯周に発生した炎症から?などいろいろなことが考えられています。

 

<麻酔中どのような治療をするのか>

基本は抜歯。とはいえ、スケーリングで請け負ったお仕事。見つけ次第、何本でも抜きまくるのは気が引けます。抜かなきゃいけなそうなものは抜き、削り取ってギザギザ突起を無くす作業までにとどめるものもあります。抜いた後や、平らにした部分は表面を歯肉で覆って細い糸で縫い合わせておきます。

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<そのあとのケア>

すべて抜歯してしまうと完全治癒、ということになります。

でも全部の歯を抜いてしまっているわけではないので残る歯も同じようになってしまうかもしれない。かといって原因がはっきりわかっているわけではないので、何かをするにしても効果はわからない。

それでも、もしできるのであれば、歯磨きです。「歯の吸収病巣」ができている猫には歯石ができないという証明はないし、歯肉の炎症から来ているのか?とも考えられているとすれば、歯肉炎予防、歯磨きはやっておいても無駄にはなりません。どこまで猫さんが協力的になってくれるのかはまた別の問題ですが。

 

 

というところで今回のおはなしはおしまいです。

「歯が痛いの、やだぁ~。」は人も猫も共通です。

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歯みがきガムの正しい使い方

歯がしっかりしている犬は元気で長生きです。口腔内の健康は全身の健康につながりますので、デンタルケアにはぜひ関心を持って貰いたいと思います。

 今日ご紹介するのは歯みがきガムです。「歯ブラシも挑戦してみたけれど、うまくいかない。それでも歯はきれいなままでいて貰いたい。」というようなケアの意欲はあるのだけれど犬の方が非協力的!という場合におすすめです。

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今月の掲示板。チャート式でデンタルケアを選べます。

<まずは歯肉を健康にしてから>

いつもお話ししていますように、歯が汚れて茶色く変化してからあわてて対策を取ろうとする飼い主さんが多いのですが、すでにがっちり歯石が付いてからその上をこすってみても歯みがきではなく、歯石磨きになってしまいます。また、歯肉が赤く歯周炎を起こしている状態では歯茎に触れられると痛いので犬はいやがったりかみついたりしてきます。
まずは観察。治療の必要ありならば治療をします。そして健康な歯茎ときれいな歯に戻してから家庭でのケアは始めましょう。

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お口が臭うのはお口の中の異常があるせいかも。
まずは診察から始めます。
 

<治療後のデンタルケア予定>

歯石をキレイにした後、お願いしているのは2週間の服薬で、これによって歯肉の炎症が治まります。赤く腫れていた歯茎がぴったり平らになって色も穏やかなピンク色になります。そしてその後、インターベリーを歯肉に塗って貰います。この頃にはお口のまわりを手で触れたり、お口の中に指が入ってきたりしても痛みがないため、犬は怒らなくなっています。それからこのインターベリーの期間は次にブラッシングしていただくための予備期間でもあり、飼い主さんにも犬にもお口をいじることに慣れて貰うのも目的の一つになっています。この期間を過ぎて、いよいよ本格的な歯ブラシデビューになるわけです。

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インターベリーは口腔内の細菌数を減らす働きがあります。

 <どんなときに使うと良いのか>

しかし歯をキレイにしたし、歯茎にも問題は無くなっているのにやっぱりお口に触れられたくない犬もいますし、過去に噛まれたことがある飼い主さんの中には、積極的な歯みがきケアが怖くてできないという方もいらっしゃいます。そのような「歯石除去の後のきれいな歯をキープしたいけど歯みがきはむずかしい」というときに、歯みがきガムは有効だと思います。つまり、ブラッシングが最良の方法だけれど、それができない場合に2番目におすすめの方法です。歯石付着防止効果はあります。(あくまでも補助的な方法であることは記憶にとどめておいてください。)

「歯みがきガムならいつもやっています!」とおっしゃる飼い主さん、多いです。でも、違うのです。市販の歯みがきガム、効果についての検証を行なっているわけでもないけれど、パッケージに「はみがき」の表示だけ付けているようなのもあるわけです。なので、本当に効果があるものを選びました。おすすめガム、オーラベット(緑のガム)とベジデントフレッシュ(茶色のガム)の特徴についてご紹介します。

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一番簡単なのはタブレットや歯の処方食です。
デンタルガムによる歯みがきはその次くらい。

 <製品の特徴>
  歯垢がとれる

どちらのガムも弾力があり、歯に刺さるような感じになりますので、続けていくうちに歯垢が徐々にとれてきます。歯自体にある溝に入り込んだ汚れも取れやすいようです。歯周ポケットの中の歯垢もとれやすいです。これがいわゆる歯みがき効果です。市販のデンタルガムと名打っているものと違って、歯が折れる可能性は極めて低いです。

  口臭がへる

消臭効果に優れていて口臭が軽減されます。オーラベット(緑のガム)にはデルモピノールという有効成分が入っています。ガムの白い部分です。これは他の歯みがきガムにはないオーラベットだけの特徴がここにあります。噛むと唾液が出て、有効成分が口の中に広がり、口臭予防になるという仕組みです。
ベジデントフレッシュ(茶色のガム)にはエリスリトールやザクロが入っています。これは細菌数を減らしバイオフィルム(歯垢:プラーク)の形成を押える効果があります。そのため口臭も軽減されます。

  嗜好性が高い

多くの犬は喜んでかじります。どちらもリピーターの多い人気商品です。
オーラベット(緑のガム)はバニラの香りがします。だから噛んだ後のお口で飼い主さんをペロペロしてきたとき、愛犬のお口からはホットケーキのような匂いがしてきます。

④認定を受けた歯みがきガム

どちらも厳しい認定評価を経た製品です。米国の獣医口腔衛生協議会(歯科専門医のグループ)が推奨している正真正銘のデンタルガムになります。「VOHCAccepted」のマークが付いているのがその印です。デンタルガムとして歯科ケア研究をしているメーカーさんから出ている、もっとも信頼できる歯みがきガムになります。

⑤低アレルギー

ベジデントフレッシュ(茶色のガム)はアレルゲンになりやすい牛肉、乳、小麦不使用。植物由来原料でできていてカロリーも低く抑えてあります。 

⑥腸内環境を整える

ベジデントフレッシュ(茶色のガム)はチコリやゴボウにある多糖類や水溶性繊維が含まれていて、腸内の善玉菌を活性化させます。これは腸内フローラを調整して悪臭のガスを除去する作用もあります。

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デンタルシートという手もあります。
ガムよりちょっと難易度は高め、歯ブラシほど難しくはありません。

<投与方法・これが大事!>

噛むことにより効果が得られるため、すぐに噛んで飲み込まないようにしてください。飼い主さんが手で持って与えるのが正しい与え方です。歯ブラシの代わりのガムなのですから、これが歯ブラシなんだな、という気持ちで噛ませてください。こうして与えていると飲み込むことはありません。噛みちぎって小さくなってくると、最後の方では食べてしまいますが、きちんと消化されます。万が一、気がつかないところで丸呑みしてしまっても、胃の中で溶けます。けれど丸呑みしてしまっては歯みがきガムとしての意味が無いです。小さくカットして与えるおやつではないし、犬が勝手にかじって遊ぶものでもありません。3分間はしっかりかじらせてください。全部の歯で噛めるようにガムを持つ手で誘導していきます。汚い部分で噛めるようにしたいのであれば、汚れポイントに向けて誘導していってください。

奥歯は歯ブラシもむずかしい場所になりますが、しっかり噛んで貰うと歯周ポケットの方まで歯垢を除去する効果も期待できます。ブラシングのごほうびに使うこともできます。奥歯のブラシングがむずかしいようであれば、歯みがきガムを奥歯で噛むように仕向けていき、歯みがきの仕上げとして使うのも良い方法です。

全部無くなるまでその日のうちに与えるのではなく、毎日3分間噛んでもらいます。

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デンタルガム、デンタルシート。その次は歯ブラシです。
 

<効果が現れるのはちょっと先>

用法通りに使用し、続けていくと歯石予防効果や口臭軽減効果が実感できます。継続して歯科ケアすることが大切です。歯周病予防につながる歯科ケアのつもりで、飽きずに続けてください。もし忙しくて毎日のケアができないような場合でも、間を開けるとしたら3日までです。これは歯垢を形成しないうちの歯科ケアになります。
 
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サンプルや商品、パンフレットをいろいろ置いておきました。
手にとってご覧ください。
がんばるオーナーさんを応援します。

<おしらせ>
当院では6月4日(旧虫歯予防の日)から8月4日(歯が白いの日)まで、歯と歯茎の健康増進をする強化月間にしています。口臭の原因物質である「チオール」の濃度をチェックする検査を無料で実施します。診察後「あなたのおうちのわんこ」に最適な歯科ケアについていっしょに考えていきましょう。無理なケアはおすすめしません。つづきませんから。
歯の健康を気にしていらっしゃる飼い主さん、どうぞお越しください。

なお、「歯ブラシでの歯みがきも難しいけれど、食べれるガムを見せたらそのまま手まで噛んでしまう、怖くて3分間もガムを持っていられない」と、ガムによるデンタルケアも無理!という患者さんにも、別のケア方法もご提案しています。あきらめないでください。

 

 

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歯科治療と歯科予防・掲示板から

 猫さんのストレスと行動異常のことについてお話を続けていて、あと2回分お話を残していますが、月が変わりましたので、2月のトピックスとして、今回別のお話を挟むことにします。

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今月の掲示板は歯周病と歯科ケアについてです。

今月はナショナルペット歯科保健月間です。掲示板の内容は歯周病のこと、歯科衛生のこと、歯みがきに関するQ&Aなどです。自販機前の掲示板の他、(貼りきれないほどのボリュームになってしまったので!)診察室前の掲示板にも貼りました。ご来院の折にぜひご覧ください!

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診察室前の掲示板です。
歯みがきに関する疑問にお答えしています。

脅かすようなことになってしまうので、外来では「歯周病を放置してしまうと予後がどんなにひどいことになってしまうのか」というお話は控えるようにしているのですが、ここですと「うちのわんこに直接向けられたお話ではない」ので、心にぐさっと来ないかもしれません。ひどいお話しもしてしまいます。

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正常な歯。
この状態を維持できるといいですね。

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軽度の歯周病になってしまった状態。
炎症を抑えてから歯みがきを始めてください。
  
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さらに進んだ歯周病になっている状態。
歯科治療をしっかりしてからおうちケアを始めましょう。

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重度の歯周病。
歯が汚れているを通り越して、全身に影響が及んでしまいます。
すぐに治療が必要です。


歯は歯槽骨に植わっています。歯周病により歯のまわりが菌に冒されると骨を溶かしていきます。そしてもろくなった骨は砕けて折れてしまいます。そうなんです。歯周病は最終的には「額骨の骨折」を引き起こしてしまうのです。

歯周病は、「ぐらつく歯があるために食事がうまく進まないので身体がやせてしまう」くらいに思われているかもしれませんが、歯周病菌が血液に乗って他の臓器にたどり着き、そこで悪さを起こすと、それぞれの器官で不良を起こさせます。「歯が悪い」ということが「ほかの病気」を引き起こすのです。それから、免疫系は絶えずこの菌が体内に入ってくるのを防御しようと頑張るために、ピリピリした状態になっています。免疫に関する病気も誘発することがあります。とにかく「歯」だけに終わらない問題だということを分かってもらえるとうれしいです。

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歯みがきは思いついたら始めるなんてことできません。
まずは悪いところの治療を行います。
痛いうちは何もできません。
痛みが消えたころから
少しずつならしていきましょう。
 
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お口を開けても問題が無くなったら
少しずつ指で歯みがきをします。

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最終目標は歯みがきをできるようにすること。
歯みがきペーストを使うのがコツです。


今月はまだ閑散期で、予約の歯科処置がとりやすい状態になっています。場合によっては平日の午前に朝ごはん抜きでいらしてもらうと、当日、処置ができる日もあるかもしれません。「歯が汚いのは分かっているんだけど、どうしたらいいのか分からない」という患者さん、多いです。もののついででも結構です。ご相談ください。
「歯みがきしていないのが恥ずかしい」ということもありません。忙しくてできない、わんこがすごい勢いで怒るからできない、みなさんいろいろな事情をお持ちです。そして、どういうわけか「うちではどうにもならない!」というわんこが病院だと「歯科処置させてくれるよい子」であることがあります。そんなお話もご遠慮なく診察室でぶつけてくださって結構です。いろいろなお話をお伺いします。

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お口を開けるのも難しい!
そうういうわんこのためのファーストステップもご紹介しています。

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口腔内細菌を減らし、歯肉の炎症を抑えていく薬。
歯みがき前の練習にもおすすめしているお薬、
インターベリーの説明もしています。

 

当院は「普段着のままで」「お化粧しなくても」来られる病院を目指しています。イケメン先生はいませんが、ぶっちゃけ話ができるスタッフがそろってお迎えしております。「歯が汚くて恥ずかしい」なんてことは気にしなくてOK。ほかの診察の合間でも、心配な点がありましたら遠慮無くおっしゃってくださいね。

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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