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犬の咳の原因は?

犬の咳
 健康な犬が時折する咳は通常心配する必要はありません。けれど、犬の咳が絶え間なく出るとかまたは繰り返し発生するときは病気の兆候でかもしれません。犬が咳をするときに考えられる病気を挙げてみました。(犬と猫では病気も異なりますので、これは猫の咳には当てはまりません。)
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1,感染症に関連する咳

ウイルス、細菌(まれに真菌や寄生虫)はすべて、犬の上部気道(鼻やのど、気管)と下部気道(気管支や肺)、または両方に感染し、犬に咳を引き起こさせます。「ケンネルコフ」は犬に見られる咳の最も一般的な感染性の原因です。ケンネルコフは、いくつかの異なるウイルスや細菌の組み合わせ(アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、ボルデテラ菌など)で引き起こされます。近年、犬インフルエンザウイルスによる気道感染症が米国で蔓延しています。(咳、発熱、鼻汁などの症状を引き起こします。)ペットショップから購入したばかりの子犬に発生することがあります。成犬や高齢犬にはまれです。
治療)
感染症によって引き起こされる咳の治療の重要な部分は支持療法です。咳が出ることそれ自体で体力を消耗するので、休息し、栄養を摂取し、しっかり水を飲むことを奨励します。咳止めの薬は、特に重篤な症状の治療に役立ちます。抗生物質は細菌に対してのみ有効です。ウイルス感染症は、一般的にその経過をたどるしかありません。
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2,糸状虫病に関連する咳

糸状虫(犬フィラリア)は感染した犬から蚊が血を吸うときにいっしょにミクロフィラリアを吸い取り、それを別の犬に渡して感染を広げます。感染した犬の心臓や肺動脈に感染子虫が移行すると、犬の体内でスパゲッティのような成熟虫に成長します。成虫がいることと、その結果として生じる炎症は、致命的な心臓と肺の損傷につながります。フィラリア症でも咳が出ます。フィラリア予防をされていない犬、不完全であった犬に発生します。
治療)
フィラリア症が発症したとき、治療は複雑で費用がかかります。フィラリア症も、フィラリア症の治療そのものも、非常に危険な場合があります。それに比べるとフィラリア予防は非常に安全で、安価で、かつ効果的です。

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3,心臓病に関連する咳

僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症、そのほか複数の原因によるうっ血性心不全など、さまざまな心臓病が犬に咳を引き起こす可能性があります。先天性の場合は子犬でもおこり、成犬や中年でも発生はあり、高齢犬に最も発生は多いです。
治療)
犬がかかっている心臓病の種類や、血行動態、どれだけシビアな状態かどうかに応じて、心臓を効率的に動かし、体液の異常な蓄積(腹水など)を減らすための薬をいくつか組み合わせて処方します。(末梢血管を広げる薬、強心薬、利尿薬、そのほかです)

4,気管虚脱に関連する咳

小型犬は、気管を(部分的に)取り囲む軟骨輪が弱まるリスクが高く、これにより断面が丸いはずの気管が扁平につぶれ、ガチョウの鳴き声のように聞こえる慢性的な咳が発生します。年齢に無関係に発生します。よく吠える犬にありがちです。
治療)
気道を広げ、炎症を軽減し、咳を抑え、二次感染を治療する薬を使います。けれど重症の場合は、犬の生活の質を許せる範囲まで良い状態にするために手術が必要になることがあります。

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5,喉頭麻痺に関連する咳

喉頭麻痺がある犬は、のどの周囲の筋肉を制御する神経が弱くなっているため、気道(のど)への通路を完全に開くことができません。咳のほか、騒々しい呼吸や息切れにつながります。軟口蓋過長症は犬の咳のもう1つの原因です。鼻ぺちゃの犬種の犬に発生が多いです。
治療)
喉頭の片側を永久に開いたままにする手術は、喉頭麻痺のある犬の呼吸を緩和するのに役立ちますが、誤嚥性肺炎を発症するリスクも高くなります。

6,くしゃみを逆にする

本来は咳ではありませんが、多くの犬の飼い主さんが逆くしゃみの音を咳と間違えます。逆くしゃみは鼻腔みずや異物などが鼻の奥の方の背部を刺激すると発生します。年齢、性別、犬種に関係なく発生があります。
治療)
通常のくしゃみのように、逆くしゃみは心配する必要はありません。

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7,慢性気管支炎に関連する咳

犬が慢性的に咳をしていて他に原因が特定できない場合は、「慢性気管支炎」が最も可能性の高い診断になります。慢性気管支炎の犬は、乾いた咳を出します。咳は運動や興奮で悪化し、時間とともに悪化する傾向があります。成犬から高齢犬に発生が多いです。
治療)
炎症を軽減する薬(ステロイドの薬を多用します)や抗アレルギー薬を使います。気道を拡げる薬を併用することもあります。理想的には、潜在的な副作用を減らすために吸入療法が望ましいのですが、ほとんどは内服による全身投与になります。

8,異物に関連する咳

時々犬は異物や気道に留まる物体を吸い込みます。体の自然な反応は、咳をすることです。すべての年齢の犬に発生する可能性があります。急な発症があります。
治療)
咳をしても異物を排除することができなかった場合は、内視鏡を使用するか、手術で異物を除去しなければいけません。

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9,腫瘍に関連する咳

犬の肺や他の気道部分、心臓やその周囲組織に腫瘍ができたときに、飼い主さんが気づく最初の症状は咳です。高齢犬を中心に、成犬でも発生はあります。
治療)
肺や心臓の一部分に腫瘍ができたとき、手術で取り除くことができるのは非常にラッキーな状態で切除可能な位置に限局的に発生した場合に限られます。そのほかの治療としては、化学療法、緩和療法があります。

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犬の咳の原因の診断

犬の咳を治療する最初のステップは、原因を解明することです。あなたの犬の健康歴、予防的ケア、症状の発症と進行などについて質問することから診断を開始します。身体検査までの時点で暫定的な診断に到達できる場合もありますが、多くの場合、次のような検査を組み合わせて確定診断を得ます。

  • 血液検査(血球検査と血液化学検査)
  • フィラリア症の免疫学的検査
  •  心臓病を疑うときの追加血液検査(ナトリウム利尿ペプチド)
  • 尿検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 心エコー検査(心臓の超音波検査)
  • 血圧の測定
  • 心電図検査
  • 気道から採取されたサンプルの検査

咳が深刻?

「最近軽度の咳をした」場合、数日間、解消するかどうか待ってみるのも妥当なことかもしれません。ただ、咳がひどいとか、悪化する場合、または1週間ほど経過しても改善しない場合は、病院にいらしてください。さらに犬に力が無い、一生懸命呼吸をしている、食べ物に興味がない、その他にも深刻な症状がある場合は、すぐに診察を受けなければいけません。

1日遅れになりましたが、8月1日は「肺の日」でした。もし、愛犬が咳をしていて気になったときには、ぜひ診察にいらしてください。軽いことなら簡単なサプリメントやお薬で治せることもあるし、悪い腫瘍がある場合は次の手立てを考えましょう。

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ジャンル : ペット

猫の喘息(ぜんそく)

ねこの喘息(ぜんそく)

猫が「咳をしている」のか「毛玉を吐きそうにしている」(けれど吐かない)のか、どちらなのか分からないというご相談を受けます。首を伸ばして顎を突き出し、「ひーひー」と息を吐いている、そして毛玉を吐くことがないのであれば、毛球症ではなく「猫の喘息」である可能性が高いです。アレルゲンが増える季節、そして雨がちな日は喘息ねこさんが多く来院されます。

猫の喘息は、猫が咳をする原因のうち一番一般的な病気です。人の喘息に良く似ています。刺激物質やアレルギー反応により、下部気道(気管~気管支~細気管支~肺胞)が腫れ空気の通り道は狭くなり、また過剰な粘液の分泌が起こります。これが苦しい呼吸の原因になります。猫が病気の症状を見せていないときでも、気道はこのような炎症性の変化を起こしています。

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猫の喘息は息ができなくて苦しくなります。
 
 <喘息の誘因>

いろいろな因子が気道に炎症をおこす引き金になります。

・たばこの煙

・ハウスダスト

・猫砂のほこり

・空気中の花粉

・芳香剤

・香水

・消臭スプレー

・線香

・ストレス

・肥満

・気道の感染症

・気温の変化
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特徴的な姿勢を取ります。

<喘息の症状>

重症度により症状は異なります。軽い咳だけの猫もいれば、致命的な発作に相当する呼吸困難のこともあります。

・咳(首を伸ばしてひーひーいう)

・呼吸をするときにゼロゼロの音が聞こえる

・口を開けて呼吸する

・息が苦しそう

・歯肉の色が紫色

・うなだれて横になる
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ゼロゼロする音が聞こえることもあります。

<喘息の診断>

臨床徴候と病歴から判断していきます。年齢的に好発年齢であることも診断ポイントになります。

聴診して胸の音を聴きます。血液検査やX線検査は、同じように猫に呼吸困難を引き起こさせる他の疾患を鑑別し、肺の状態を見るのに有効です。

さらに精度の高い気管支鏡と肺の細胞を取る検査、CTスキャンは、状態が進行しているときに悪化の程度を知るための検査で、全身麻酔が必要です。
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病院では他の病気がないか、チェックします。

<喘息の治療>

猫の喘息はそのままにしておくと徐々に進行していき、最終的に肺胞が硬く広がらなくなってしまう病気なので、発見したら持続的な治療が必要です。

主な治療はステロイド療法です。気道内膜の炎症を抑え、気道を広げます。気道を広げるには気管支拡張薬を併用することもあります。経口薬を内服させます。治療開始時には注射をすることができます。

長期のコントロールには、できるだけ低用量で炎症を抑えることができる適量を探り出します。ステロイドの副作用にも注意しながら使用していきます。
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治療しましょう。
薬はステロイド療法が中心です。

<喘息発作の予防>

ひどい発作が起こらないように、ご家族のみなさんに配慮をお願いしたいことがあります。

・定期検診に来てください

・猫の前で喫煙しないでください

・芳香剤や香水、消臭スプレーなど刺激物の使用をやめてください

・ほこりの出ない猫砂を使い、猫トイレも屋根や扉のないタイプを選んでください

・屋外環境のアレルゲンから猫を遠ざけるため屋内飼育にしてください

・定期的に室内やエアコンフィルターを掃除し、空気清浄機を使ってください

・低アレルギー食を与えるようにしてください

・猫を適正体重になるようコントロールしてください

・適度な運動で心肺機能を高めてください

・隠れるスペースや快適な環境、おもちゃなどで猫にストレスのない環境を用意してください

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アレルゲンを吸入しないようにします。

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その他の誘因になる物質を排除します。

<喘息の予後>

喘息の予後は様々です。

重症度、管理や予防ケアがどれだけ実践できるか、年齢、その他併発疾患などに依存します。定期的に来院していただき、最新情報を手に入れてください。おかしいときはすぐに来院ください。

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体重のコントロールも予防になります。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

猫の膿胸

8月に入りました。「8」は語呂合わせのよい数字のようで、早々の1日から「肺の日」でした。今週は8日が「international cat day」猫の日です。(こちらは語呂ではありません。)今日は「肺」が膨らめなくて息が苦しくなる猫の病気、「膿胸」についてお話しします。発生頻度はあまり多くありません。

 <猫の膿胸>

 膿胸は胸腔に膿が蓄積すると発生する病気ですが、病態的には化膿性の敗血症で、全身性の病気です。猫に多く発生します。発生頻度はさほど高くはありません。

膿は細菌の侵入に対する体の自然な免疫反応で、白血球(好中球)と死んだ細胞でできています。細菌感染が発生すると、炎症が起こります。血管が腫れて太くなり、血管の壁から細菌を食べる白血球や、組織を修復しようとする細胞などが血中から出てきて感染部位に集まります。白血球(ことに好中球)は細胞を食べて死に、周囲の傷ついた組織の細胞とともに、膿の特徴である濃い白っぽい黄色の液体が残ります。膿がたくさん貯留し胸膜の内側を覆い、最終的には胸腔いっぱいに広がると、肺が十分に膨らめず、猫の呼吸機能は著しく損なわれます。

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 <原因>

 膿胸の最も一般的な原因は、細菌による感染症です。猫は咬傷から膿胸になることが多いのですが、皮膚に刺さった異物(枯れ草の芯のようなもの)が体内を迷走することや、肺炎などの呼吸器感染症が胸腔内に広がったりすることによっても感染します。胸腔に定着する細菌は肺や食道からも入ることができるのです。原因菌で多いのはパスツレラムルトシダ、バクテロイデス、黄色ブドウ球菌などですが、ごくまれに抗酸菌のこともあります。

 

<症状は?>

 膿胸のある猫は突然呼吸困難の症状を示します。それまでは、食欲がない、食べない、動くのを嫌う、おとなしくしている、呼吸が速い、痩せてきたなどの症状を出すことがありますが、これらのどれも、この病気特有の症状ではありません。猫を抱いたときに熱く感じたり、耳やお腹などの毛が薄い部分に触れたときに熱っぽさを感じることもあります。冷たくなってほぼ動かなくなってきていたら危険な印です。うずくまっていて突然はっと動き、またじっとするなど、息が苦しくて身の置き所が無いときには、不思議な行動に見える動きをとることがあります。

 

<身体体検査をしてみると・・・>

診察にいらしてもらったときには、軽症の「速い呼吸」から重度の「呼吸困難」までいずれかの段階の呼吸の変化が見られます。呼吸困難は急に悪化することがあり、レントゲン検査の途中に猫が倒れ込んでしまうこともあるくらいです。
体重の減少を確認できます。そのほか、毛がばさついている様子、いかにも体調が悪そうな様子が見て取れます。
発熱を確認するときは、脈も強いのですが、胸部の貯留液のために心拍は遠くに聞こえてきます。お腹からの聴診の方がはっきりするくらいです。
脈が細く、脈拍数が少ないときもあります。猫が病気に負けそうになっているマイナスのサインになります。

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<診断の助けになる飼い主さんからの情報>

まず、猫の普段の生活や健康状態について、できるだけ詳しく教えてください。またこの病気に先行して猫に起こった事件(ここ数日~数週間の間に発生したできごと、例えば猫が隠しているかもしれないけんかの傷や胸の怪我など、びっこをひいて帰ってきたことがあるならそのようなこと)もいろいろ伝えてください。
そして、今回調子がおかしいと思ったことがいつごろから始まって、それはどのような症状であったのかを教えてください。
状態が優れない場合はいつもそうですが、飼い主さんからいただける情報の量があればあるほど、的を射る検査につながります。こんなことは関係ないかなと思わず、猫に関する情報をたくさんください。(情報が少ない場合は、多くの検査が必要になります。)

 

<診断に向けて行なう検査>

血液検査は必須です。身体の状態を知るために重要な情報が得られます。血球検査は白血球分類まで行なう完全なもの、生化学検査も電解質も含めて実施します。
呼吸困難がひどいときは、酸素を与えながら検査を進めていくかもしれません。レントゲン検査の前に、胸部の超音波検査を行なう場合もあります。呼吸困難で来院する猫の大半は難しい病気です。息を苦しくしているのがどんなものなのか見分けるのに、レントゲンか超音波どちらかということはなく両方ともに必要ですが、液体貯留があるときは胸の中の水を取り除いてから撮影した方がわかりやすいレントゲン写真が得られますし、胸部レントゲン検査をするのに猫を横に寝かせただけで呼吸不全になって亡くなってしまうこともあるのです。レントゲン検査は見やすい写真を撮影するために動物にとって楽ではない姿勢をとらせる必要があります。苦しいときにはわずかなことも命に関わるほどの負担になってしまいます。そのため、排除できる液体貯留が認められれば、排液して少しでも楽になってから検査を行なうようにします。
超音波検査は、水たまりを黒く映し(低エコー性といいます)、しっかりした物体を白く映し(高エコー性といいます)、そして石や骨などの硬いものを通さず、肺のような空気を含む物体は大変見づらくなります。超音波は水を含む組織を映すのを得意とするため、液体貯留が疑われるときは、先に超音波検査を行ない、そのまま診断と治療も兼ねて、液体を吸引排液する処置を施します。(胸腔穿刺術)

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<貯留液の検査は確定的です>

胸腔から採取した液体は、検査室で生化学的な性状を検査します。敗血症性滲出液は、pH、蛋白濃度、細胞数などに関して一定の基準がありますが、これに合致する結果が出てきます。
胸に液体が貯留する病気はほかにも有り、「乳び胸」や「猫伝染性腹膜炎腹膜炎型」などと区別しなければいけません。それぞれに生化学的な性状が異なるため、採取した液体の検査は膿胸であることを確実に決定づけるために重要な検査になります。
また、顕微鏡検査のためのスライドを作ります。細胞と細胞の間の空間に細菌があるのを見つけ出せます。好中球やマクロファージが細菌をたくさん食べている(貪食:どんしょくといいます)のもわかります。一部は病理検査用で、炎症細胞以外の、腫瘍を臭わすような細胞が混在していないかどうかを病理の先生に判断して貰うために送り出します。
排出液を滅菌チューブに取り分け、細菌学的な検査のために送り出します。細菌培養は酸素を必要とする細菌、および必要としない細菌の存在、まれに真菌も診て貰います。最も効果的に細菌を退治する抗菌薬を決定する検査も同時に行なって貰います。

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<胸腔チューブ設置術による治療>

胸腔穿刺術で液体を排除しただけでは膿胸の治療は完了になりません。幾分呼吸が楽になって、次の処置が行ないやすくなるくらいです。胸腔にチューブを設置し、この太い管を介して胸の中を洗浄する治療(胸腔ドレナージ設置術)が最良の方法です。全身麻酔下で行ないます。感染を完全に根絶するのには数日(から数週間!)かかります。このチューブを通して胸腔の排液をしていきます。とても重要な処置です。排液をするほか、チューブを介して胸腔を温かい滅菌生理食塩水で洗い流します(洗浄)。出てきた液は、どのくらいの量出てきたのか、排液中の細胞成分が減少してきているかなど、良好な兆しが出てくるのを期待しながら検査します。
この状態の猫は治療のために集中治療室に入院する必要があります。集中治療室は温度管理、酸素管理そのほか、猫に快適な環境になるように整えています。ことに酸素濃度はルームエアーに含まれる酸素濃度よりだいぶ高めに設定します。膿によって圧迫されていた肺は、胸の中がきれいになるにつれて胸の中が元の陰圧状態が戻り、膨らむことができるようになります。それに従って換気量は増え、モニターしていた猫の血管の酸素分圧(SpO2)の値も限りなく100に近い数値を出してくるようになります。
静脈内に入れた針を通して点滴とともに抗菌薬を投与します。培養検査の結果が出てくるまでは広範囲の菌に有効な薬を使います。結果が出てからは、結果に従って有効な薬を使います(変更します)。もし猫の状態が改善しない場合は細菌培養を繰り返し行ないます。
痛みに対して鎮痛薬を使うなどして、回復を早めるようにします。
炎症により消費されるエネルギーやビタミン類なども考慮に入れる必要があります。栄養学的な側面からのバックアップです。消化可能であると判断したときから、チューブで栄養を与えます。もちろん、猫が食事に嗜好性を示して積極的に食べてくれるようであればチューブは不要です。
X線、超音波(病院によってはコンピューター断層撮影(CT)、または磁気共鳴映像法(MRI)が利用可能な病院もあります)で肺に膿瘍やねじれ、異物、広範囲わたり大きな塊状になった膿などを見つけた場合は、開胸手術が必要になります。治療を重ねても膿液がうまく抜けてこない、呼吸困難の回復が良くないなどの徴候が見られたときには上のような合併症を疑うことになります。

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<入院時のケア>

入院している間は毎日注意深いケアが必要で、連日排液の検査や血液検査、レントゲン検査を通して、状態が悪い方に向かっていないかどうかを確認していきます。
胸のチューブは清潔に扱っています。また猫が気にして噛みちぎってしまわないように、胸の周りに包帯を巻き、猫の首にもエリザベスカラーを装着します。
面会時、包帯で巻かれ、そこかしこからチューブが出ていて、心電計に繋がれるコードや酸素をみるためのコードも複数繋がれている猫をICUの窓から観察すると、とても悲しい気持ちになってしまうかもしれません。猫は必死で闘っています。また病院のスタッフも寝ずの番をしていると思います。応援してください。

 

<良い兆し、悪い兆し>

初期の積極的な治療は猫の状態改善に不可欠な処置です。猫が最初の2日間をしっかり乗り切ってくれると、炎症は徐々に沈静化してきます。廃液量、液に含まれる細胞の量ともに減少してくるのは良い徴候です。猫に動きが見られたり、食欲を見せてくれるのも回復の印です。
最初の来院時に体温が低くぐったりしていたり、呼吸困難のためによだれがだらだら垂れていたり、脈が細かったりしているのは、麻酔中にも命を落としかねない危険な状況です。また、処置後も排液がたくさん続いているとか、一度良くなりかけたのにまたぶり返してしまうのは良くない兆しです。処置後も肺が十分に膨らめず呼吸が芳しくない状況は「肺癒着」があるかもしれません。このようなことは残念ながらあまり良い状態とは言えません。

 

<退院後の生活>

 チューブ設置から7日くらいすると、1日の排液量がわずか10mlかそこいらになってきます。採取した液体内の細胞数もまばらになってきます。その頃には猫も回復し、自力で食事を食べ、ICUから一般の猫舎へ移動もできます。部屋の中に置いたトイレを利用することも可能になり、いよいよチューブを外し退院できる目処がついてきます。膿が形成されたことによる肺損傷は残っているかもしれませんが(まるきり元通りということは期待しないでください)、胸腔内に液体は存在していないはずです。
 めでたく猫が退院した後は次の再診日までの経過観察の予定を立てます。感染が解消された(血液検査の結果が正常であるとか、X線写真で体液が再蓄積されている証拠がないことをもって、感染が無いと判断します)後、少なくとも1ヵ月間は抗菌療法を続けてください。猫の運動レベルは24ヶ月かけて徐々に正常に戻ります。
ほとんどの場合、再発は起こりません。よく頑張りました!


 

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単頭種気道症候群

 鼻ペちゃわんこは根強い人気を持っています。パグが大好きな人は2代目さんもパグを選ばれることが多いし、フレンチブルドックやボストンテリアはイングリッシュブルドックやボクサーは大きすぎて飼えなくなったけれどという方が2代目、3代目さんに選ぶ犬種です。こんな「単頭種」と呼ばれるわんこたちに弱点があります。

「鼻、鼻咽頭、気管」は「上部気道」といって、呼吸器の中でも最初に空気に触れる場所ですが、ここに解剖学的、形態学的な異常を伴うことが多く、問題が発生しやすくなっています。このあたりに発生した異常を総合的に「単頭種気道症候群」と呼んでいます。

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フレンチブルさん♡



<かわいらしい顔に潜んだ恐怖>

単頭種の犬たちは、他の犬種に比べると

①鼻が短い

②頭の骨が丸い

③目と目が離れている

ため、表情が豊かでかわいらしいのですが、不都合なことに

④鼻の穴が細くつぶれている

⑤鼻の中の空気の通り道も細い

⑥のどの奥が狭まっている

⑦気管が狭くなっている

などの特徴を持っているため、鼻から入った空気がのどを通って気管から気管支、肺へ送られるまでの間にちょっとした乱流が生まれます。それで「息をしているな」というのがはっきり分かる「音」を出すようになっています。

寝ているときの「いびき」のほか、ちょっと運動をしただけでも「ぜーぜー」言ったり、呼吸が苦しそうになったり、「咳」のような音を感じることもありますし、「げへっ、げはっ」というえづきのような状態を観察されることもあります。これがひどくなると、食べたものを吐いてしまうこともあります。さらに、一生懸命呼吸をしないと息が吸えないような状態に陥ることも有り、よだれが沢山出たり、舌の色が紫色になったり、そのまま倒れ込んだりしてしまうことさえあります。夏、呼吸回数が増え、体温が上昇して熱中症を繰り返してしまう犬もいますし、胸腔圧の関係からそのまま肺水腫に移行してしまう犬もいて、「単頭種気道症候群」はなかなか侮れない病気です。

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ボストンテリアさん♡



<詳細な名前が沢山>

この症候群にそれぞれ名前を当てはめていくと、

①外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく)

②軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

③喉頭虚脱(こうとうきょだつ)

④扁桃腫大(へんとうしゅだい)

⑤声門裂狭窄(せいもんれつきょうさく)

⑥気管虚脱(きかんきょだつ)

⑦気管低形成(きかんていけいせい)

など多数あります。

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イングリッシュブルさん♡



<内科的な治療>

体重の管理(肥満にさせないようにすること)、環境の管理(居住空間の温度が高すぎないように気をつけること、興奮させないようにすること)などで対応します。限界があることもあります。

お薬は虚脱系のコントロールのためのステロイド剤、興奮を制御するための鎮静剤、嘔吐をコントロールするための消化器系作用薬の3種類を用いることが多いです。緊急の場合は、酸素療法になります。

 

<呼吸器疾患なのに?>

「呼吸器疾患」と聞いたのに処方されたお薬が「消化器系に作用する薬」だと、意外に思われるかもしれません。呼吸器疾患ですが嘔吐のコントロールを行います。よだれが出てきてそれを飲み込もうとするとき、ゼロゼロしながら食道を流動物が行ったり来たりするとき、また胃の中に入っていた物がオエッとなってさらに戻ってくるとき、みんな「ノド」を通ることになります。のどの部分は食道と気管の分かれるところで、食べ物が通るときに閉じる蓋(ふた)に問題があるため、逆流や嘔吐などはすべてのどに障害を及ぼします。そのため、嘔吐などの消化器症状をコントロールするためのお薬を処方します。

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ペキちゃん♡
 

<外科的な治療>

軽い症状だからとそのままにしていて、呼吸困難が高じてくると二次的な変化をおこすことになります。症状が重度の場合や、徐々に悪化傾向にあるという場合は、外科的な治療が選択されるべきかもしれません。しかし、上記に示したようなさまざまな状態があるわけですが、手術できるものと手術できないものがありますし、手術法があるのだけれど推奨されている場合や推奨されない場合も有り、一概に「手術をしたら楽になれる」わけではありません。

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パグちゃん♡



<麻酔が心配>

単頭種に全身麻酔をかけるのは私たちも大変気を使います。

麻酔時には気管挿管といって、専用のチューブを気管に入れます。そのとき、気管と食道を隔てる膜が厚くなっていると、挿管しにくいというのが一つの理由です。挿管に手間取るのは危険です。

また、もっとリスクがあるのは手術が終わってチューブを外すときです。呼吸機能の回復と、覚醒時の状況に応じ、少しのタイミングのズレも許されない様な側面があるのです。温和な犬の場合は、覚醒してもチューブが入っていることを許可してくれるため、術後も十分に酸素を継続させてやることができますが、興奮症の犬の場合は、チューブの存在も嫌いますしマスクで酸素を流すのもいやがってしまうために酸素化が不十分になりがちです。もともと気管が狭いとか、のどに炎症を感じているとか手術で局所を刺激しているなどの理由も術後の呼吸困難に影響を与えることになります。

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かわいい看護婦さん。



<予防する>

「やっぱり手術は怖いわ」という方は多いと思います。私たちもできれば危険な手術は避けたいです。

とにかく、「ゼロゼロしていてどうにも呼吸がしっかりできない」という状況だけは避けなければいけません。適切な管理は緊急事態を予防することができます。内科的な治療薬よりも効果があります。

①体重コントロールで肥満にさせない。

②暑い時間帯の散歩はしない。

③室温や室内の湿度に配慮し、銀行にいるときくらいぐーんと冷え冷えにする。

ぜひこの3つを守って生活してください。

 

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頑張った猫・おーちゃん。

久々ですが。がんばったにゃんこ。おーちゃんです。

 

おーちゃん、小さいときに交通事故にあったところを心ある患者さんが保護してくれました。

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その頃の体重は850g。ほんとにちっちゃな体でした。後ろ足はぷらぷら。尻尾もぷらぷら。おまけに舌の色も紫色で、呼吸がつらそうでした。立つこともできず、ただ横たわっているだけ、からだも冷たいのです。

レントゲン検査では最後の腰の骨、仙椎が割れているのがわかりました。無事に助かってもおしっこやうんちをコントロールする力を残していてくれるでしょうか。

そしてなによりも恐ろしいことに、お腹の中になければならない臓器が胸の中に入り込んでいて、心臓や肺を圧迫しているのでした。

 そう。この小さな猫さんは「(外傷性)横隔膜ヘルニア」になっていたのでした。
 

 初診時のおーちゃん。唇の色が悪いのが分かると思います。

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横隔膜は胸と腹を隔てる膜です。簡単にいえばこういうことなのですけれども、ただ胸の中の臓器と腹の中の臓器を隔てている筋肉の膜、というわけではないのです。胸の中で肺が大きく膨らみ、酸素を取り入れることができるのは胸の中が陰圧になっているからで、横隔膜が破れて胸と腹が交通してしまうと、胸は陰圧ではなくなってしまい、また肺が膨らむ容積が減るため肺は膨らみにくくなります。肺が膨らまないと呼吸が苦しいですし、十分な酸素が体に入らないのは代謝上大変不都合な状態になります。


 おーちゃんは早い段階で手術を行いました。胸の中に飛び出た肝臓や腸管などがここで落ち着いてしまうと元に戻しにくくなるからです。

 麻酔の前、身体の酸素濃度を高めるためにマスクしているおーちゃんです。
元気な子だと私たちが「酸素化」と呼んでいるこの作業も「いやいや」してなかなかじっとマスクをさせてくれないのですが、おーちゃんは静かにしています。

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横隔膜ヘルニアはお腹の方からアプローチします。お腹を開けると同時に胸も開けることになりますので、完全な管理呼吸下で手術を行います。マスクのあと、麻酔に入ったら気道に管を通して、麻酔器による人工呼吸が始まります。一定のリズムと圧力をかけ、機械が肺を膨らませ、呼吸させるのです。おーちゃんが自然に行う呼吸(自発呼吸)があると機械とぶつかり合うためうまくコントロールできないので、手術中はおーちゃんの呼吸を止めて、全部を機械に任せる方法をとります。


お腹を開いたら、胸の中に入り込んでしまった臓器をおなかに戻します。多くは横隔膜のすぐ近くにある肝臓や胃にくっついている脾臓、比較的自由度の高い小腸などが移動しているのですが、それらの臓器が傷つかないように、また血管などにねじれが出ないように慎重に戻します。そして、胸の中が本来あるべきものだけになったのを確認してから破れた部分を縫い合わせます。横隔膜をきっちり補修するときには手元にいろんな臓器が戻ってきているので、奥の深い部分を縫っていくのはなかなか困難な作業です。最後に横隔膜を縫い終えるときに胸の中が陰圧になるように胸に入れた管を通して空気を抜き、圧を調整してやります。これで呼吸は楽にできるようになり、しぼんでいた肺も徐々に膨らめるようになります。

お腹に戻した臓器の位置をもう一度整えて、お腹の膜を縫い、皮下組織、皮膚を縫い終われば手術は終了です。

おーちゃんは、横隔膜が破れているだけでなく、腰や後ろ足の方も強く打っていたので、お尻から後ろの皮膚の痛みもひどく、こちらの処置も行いました。

そして麻酔器の目盛りを下げていくと麻酔から覚め、そのころには自分の呼吸が始まるので、管理呼吸法を終了させることができます。

 

手術したあとのおーちゃんです。ほんとに疲れています。それにしても、小さなからだでよく頑張ってくれました。

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腰回りの皮膚の形成手術は何度も実施されました。傷が完全に皮膚で覆われるまでかなりの時間が費やされました。

初めは食べさせてもらっていたのが、自分でも食べられるようになり、食べる量も徐々に増えてきました。元気で食べる姿に、小さいながらも大きな生命力を感じます。そうして身体もひとまわり、ふたまわり、と大きく成長してきました。

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今のおーちゃん。近くを通りかかると、小さなお手手でちょっかいを出してきます。
おーちゃん   

だっこでおやつをもぐもぐ。
おやつおーちゃん 


得意げなおーちゃんなのです。

てのりおーちゃん 
 

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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