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犬のあえぎとふるえ

 犬の激しい呼吸と身体の震え

健康な犬が突然おかしな動きを見せ、息を切らしたり、激しく呼吸をしたり、身体を揺らして震えている場合、飼い主さんはとても心配されます。人がいろいろな理由で急に病気になるのと同じように、犬も「何かおかしい!」ときに喘ぎ、震えます。

あえぎと身体のふるえ

あえぎと震えの組み合わせは、突然起こることもありますが、徐々に発症することもあります。問題がいつ始まったかが分かると、原因を絞り込むのに役立ちます。犬がすでに何かの病気と診断されている場合、救急で診察を受けるときに、どんな病気にかかっていて、今はどのような薬を服用しているのか、今回の症状はいつ頃どのような形で発症したのかなど詳細に話していただけると、症状(パンティングやシェイクを含むおかしい様子)の元の理由が分かりやすく、今回の症状の転帰について、そしてここからの回復の期待値をよりしっかり受け取ることができると思います。

ハァハァする速い呼吸(パンティング)と身体のふるえ(激しいけいれんのことも単なる揺れやふるえのこともあるかもしれません)の組み合わせは、いろいろな原因によって引き起こされます。あえぎやふるえの最も一般的な原因には次のようなことが考えられます。⇒から始まる下の段にどうしたらいいのかも付け加えました。

息が荒い

犬が過呼吸で口を開けてハァハァ息をしている、息を切らしている様子があるけれど、息と一緒に身体が揺れているような場合は、犬が落ち着きすぐにリラックス状態になりそうな「単純な運動過多」を示している可能性があります。

日陰のある場所に連れて行き(よく冷えた屋内でもOK)、落ち着かせて水を与え、息切れが自然に直るかどうかを確認してください。

過熱、熱中症

非常に暑い日に定期的にクールダウンする時間をかけずにエネルギーの高い運動をするなどして、犬がひどく過熱した場合、熱中症になっている可能性があります。これは、身体を揺らしながら激しく呼吸をしている、「あえぎと揺れの組み合わせ」の最も一般的な原因です。歯茎が赤く粘着性になり口の中で泡が立つほど大量のよだれを分泌しているかもしれません。高体温で心拍数も高くなっています。熱中症はほとんどの人が知っている病気(状況)で、毎年夏には一定数の犬を苦しめています。急速に緊急事態にエスカレートし、致命的になる可能性がある深刻な状況です。

対処方法。すぐに動物病院に連絡を取ってください。(病院側は到着時までに準備が整えられるので、すぐに救急処置が可能になります。)すぐに見つけられる最も涼しい場所に連れていき、水を飲める状況ならば水を飲ませます。冷水に浸すという対処方法を素人が取ってはいけません。頚部や腋窩部、大腿内側部に冷やしたタオルを置いて病院に急行してください。車内もエアコンを最大風量にし、犬にあてながら移動してください。犬の最終的な生存と回復は、素早い発見と迅速な行動に依存します。病院に到着するころ、もし意識を取り戻していて一見大丈夫そうに見えても血管内では異常が進行しているかもしれません。処置を受けずに帰宅してはいけません。

心臓の問題

急性(定期的に発生するのはもっと危険!)のあえぎが心臓に起因している場合があります。息が苦しい状態です。心臓が肥大すると、気管を圧迫して呼吸を閉塞する可能性があります。血液の流れが悪く肺にうっ滞した状態では、肺で十分な酸素を得ることができないのでいのちの危険も伴います。食欲不振を伴うことが多く、発熱はありませんが、犬は横になって寝ることができません。

心臓の薬を飲ませ忘れてはいませんか。健康診断で心臓の問題を指摘されたけれどそのままにしてはいませんか。大至急病院と連絡を取ってください。入院が必要になるかもしれません。お薬を指示通りに飲ませていて、部屋の温度を下げていても日常的に呼吸の問題を起こす場合、家庭で簡易酸素テントを作りレンタル酸素発生装置等使うなどして、いつでも十分な酸素が吸えるように配慮する必要があるかもしれません。

感染と発熱

犬が感染の結果として発熱している場合、犬の体が中心部の温度を下げようとするため、高熱があえぎ(やそれに伴うふるえ)を引き起こす可能性があります。感染症はウイルスや細菌が体内に侵入して発生し、身体は侵入局所で闘います。しかしそれに敗れて感染が全身に波及すると、身体の反応として発熱します。

ひきつけを引き起こすほどの段階に達している場合、大至急治療を受ける必要があります。動物病院に連絡してください。感染源を突き止めることができれば根本療法の可能性があります。

低血糖

低血糖は、ふらつきや急な全身性のけいれんを引き起こす可能性があります。糖尿病の犬に食事を食べていることを確認せずにインスリン投与すると発生することがあります。ただし、血糖値が低くなるのは糖尿病の犬だけではありません。子犬は血糖値の急な低下を起こすことがあります。肝臓病で糖代謝がうまくいかないときや、膵臓の腫瘍の存在のために低血糖になることもあります。

糖尿病でインスリン注射後の低血糖発作は、濃いめの砂糖水(ガムシロップ等)を舐めさせ急場を乗り切り動物病院へ向かってください。

毒素の摂取

犬が有毒な何かを食べた場合、中毒の初期症状は嘔吐やよだれを垂らすことが多いですが、息をハァハァさせたり(気持ちが悪いせいかもしれません)、次第に身体のふらつきやふるえになる可能性があります。中毒性物質や特定の有害植物、ブドウ、チョコレート、キシリトール(一般的な人工甘味料)などの犬に有害な食べ物、家族の誰かが服用している薬など、犬が有毒かもしれないものを口にしたと思われる場合は、早期の治療介入で命を救う必要があります。

できるだけ早く病院に連れてきてください。摂取した物質が分かればそれが分かるものと摂取量についてもお知らせください。

外傷からの激しい痛み

犬が激しい痛みを感じている場合に、喘ぎや小刻みな震えなどの症状が発生する可能性があります。犬が怪我をしているかもしれないので、体を動かして確認してみてください。

調べてもわからない場合、明らかな怪我が見つかった場合は、できるだけ早く動物病院に連れてきてください。

恐怖

非常におびえた犬は、ハァハァの呼吸や小刻みなふるえなどの恐怖兆候を示します。防御的な攻撃行動(うなり声をあげる、歯をむき出しにする、噛みつこうとする)を取る場合と、逃避行動(隠れる、逃げるなど)に走る場合もあります。他にも苦痛の兆候を示しているかもしれません。多くの犬は大きな音を非常に恐れます。雷や豪雨の風の音、また花火大会などのイベントは、犬に影響を与える可能性があります。

外の音ができるだけ聞こえないように雨戸を閉め、部屋の中でテレビなどの音源を高めに設定してください。雷には静電気が関係しており、水を張っていないバスタブ(小型犬であれば洗面台)に入れると症状が和らぐ犬もいます。

内傷、お腹の激しい痛み

犬が震えてハァハァしている理由がわからない場合は、犬が内臓に何らかの痛みや不快感があって、そのために頻呼吸と身体の震えを引き起こしている可能性も考えに入れなくてはいけないかもしれません。膵炎や胆石、脾臓の腫瘍の破裂、尿管結石など、急な腹痛を起こす病気があります。

⇒過去の病歴から膵炎の再燃が考えられるとか、全く理由が見つからない場合でも、動物病院に連れてきてもらう方が良いです。

 

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重症筋無力症

 「すぐにへばって動かなくなるんだよね。まぁ、ちょっと休むとまた動けるようにはなるんだけど、また少しすると、またへたれる。」と言うことで来られる犬の中には「心臓病で運動不耐症が起こっていますね」という犬や、「あらら、肝機能が落ちていますよ」という犬、「片方の足の筋肉が落ちていますよ、関節症の悪化かもしれません」という犬などがいます。おうちの方が感じている「歩けないわけじゃないけど、少し歩くと一休みしてしまう」という症状には、心臓病や肝疾患、関節症などさまざまな病気が隠されている可能性があります。そして、これらの病気のほかに重症筋無力症のこともあります。これはちょっと厄介な病気です。今日は「重症筋無力症」のことをお話しします。

 

<いくつかのタイプがあります>

重症筋無力症には臨床症状から分けたいくつかのタイプがあります。

「食べるけどゲロをはく。ぜらぜらという音がする。」

「よだれが出る。口のまわりがいつもずるずるして汚れている。」

「顔が前と違う。頬がたれてる。」

このようなことで来られる犬の検査をすると、巨大食道症を見つけることがあります。巨大食道症では食道の一部が拡張しています。食道は筋肉でできていて、ぜん動運動により食べたものをじゅんぐり胃の方へ押し進めていきますが、その動きが悪く、筋肉がだるっと弛緩したところが広がっています。こうなると食べたものがここで停滞してしまい、しばらくすると重たくなった食物を口から吐き出すことになります。胃まで行ってからもどすのは嘔吐(おうと)、胃までいかないうちにもどすのは吐出(としゅつ)といって、わたしたちは同じように見えるこの二つの現象を分けています。(胃の調子が悪くて嘔吐するのではない場合があることをご理解ください。)

また、よだれで顔が汚れているのは嚥下困難(えんげこんなん)のためです。飲み下しの機能が落ちているせいでこのような症状が出ます。

さらに顔面神経の麻痺により頬の筋肉がだるんとしていて、顔の表情が変わってみえることもあります。

全身の筋肉にも障害が出てくると、冒頭でお話ししたような全身の筋肉の虚弱による症状が見られます。

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勢いよく走れたはずなのに。。。



<こんな子が注意?>

中年齢から高齢の犬で見ることが多いです。でも若い犬にも発症はあります。

ゴールデンレトリーバーやコッカスパニエルに多いような気もしますが、シェルティーやシュナウザーでも診察の経験があります。どの犬にも見られる病気といっていいと思います。

 

<どんな病気?>

筋肉を動かすために神経から信号が来ます。「動きなさい」という神経の命令が筋肉に伝えられる手段は「神経伝達物質(アセチルコリン)の分泌」です。神経の末端部から伝達物質が放出され、神経と筋肉の接合部で筋肉の伝達物質を受け取る部分(受容体)に伝わり、筋肉は命令通り動き出します。先天的にキャッチする側の機能障害がある犬もいますが、たいていは後天性の自己免疫性疾患で、キャッチ部分(受容体)の数が減っているために命令が十分に伝わらず筋肉が動かなくなっています。

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どんな歩き方かな?



<検査します>

はじめは軽く「飲み込みが悪い?」くらいのことが、「吐き戻す」、それも「繰り返す」になってきます。飲み込みに障害があると「誤嚥性肺炎」を起こしやすいので、疑いのある犬は食道拡張を確認することのほか、肺炎を起こしていないかを確認するために胸部のレントゲン検査を行ないます。

歩き方の検査は繰り返し行ないます。はじめは普通に歩いているように見えていても、歩幅が狭いことがあります。繰り返し歩かせているうちにロボットのような歩き方になったり、ぴょんぴょん飛びのような歩き方になったりします。そこまで数分です。そして少し休ませるとまた同じように普通に歩けるようになります。

顔面神経の(特に目を瞬きさせる様子を調べる)検査も同じで、何回か繰り返します。連続して検査をしているうちに瞬きをしなくなってきます。

特殊な薬を注射して、その反応を見る精密検査がありますが、これは疑いが深いとき、二次病院などで実施して貰います。その方が安全だからです。

ほかの自己免疫性疾患(IMHAIMTPなど)を併発していることがあるので、血液検査も行ないます。また甲状腺機能低下症を併発していることが多いため、甲状腺ホルモンの値も調べます。これも血液検体で可能です。

 

<治療とケア>

抗コリンエステラーゼ薬が主薬です。

免疫介在性疾患ではプレドニゾロンなどの免疫を抑える薬を使うのが主ですが、プレドニゾロンは長く使うと筋力が低下してしまうので、この病気だとわかったときには使いません。そのほかの免疫抑制剤を使うことにします。

巨大食道症の犬には、身体を支えてやりながら、頭を高い位置に保ち食事をさせるようにお願いしています。大型の犬の場合など特にこうした食事介助は困難であることが多いですが、ご協力お願いします。

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予後は良くないことも。。。



<この先のこと>

軽い場合は、お薬で良くなってしまうことがあります。その場合は少しずつお薬を減らしていきます。経験はありませんが再発もあるようなので、一度良くなっても注意は必要です。

すでに経過が長い場合は症状が悪化していることが多く、薬に対する反応もあまり良く無いことが多いです。誤嚥性肺炎に気をつけながら食事をとらせていきますが、やはりたいていは痩せてきます。胃ろうチューブを設置したこともありますが、必要栄養量を管から注入するのもなかなか大変ですし、これによって肺炎を完全に回避できるわけでもなく、全体的な予後はあまり芳しくありません。

まれに甚急性に症状が進んでしまう犬がいます。呼吸も筋肉によるため、呼吸筋障害(筋無力性クリーゼといいます)があると人工的に呼吸をさせること以外生きる道がなくなってしまいます。楽にしてあげることも考慮に入れなくてはいけません。こうした場合はお気の毒ですとしか言えません。ごめんなさい。

 

 1129日は「いい肉の日」だそうです。筋肉の調子もいい日でありますように。

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ジャンル : ペット

頑張った猫ちゃん、シロちゃん

 今日は頑張った猫、シロちゃんのご紹介です。

 しろ3
今のシロちゃん。
やっぱり病院に来ると緊張しちゃうみたい。
お目目がまん丸になりました。



シロちゃんは、名前の通り白い毛の猫さんです。地域猫として、Oさんの仕事場近くに住んでいました。

「いつも顔を出す猫ちゃんの足がなくなってるの!でもね、捕まえようとしたんだけど、3本足で走ってね、いなくなっちゃったのよぉ。」

Oさんが自宅で飼育している猫さんの診察にいらしたとき、心配してシロさん情報を伝えてくれました。Oさんの仕事場近くには線路があり、電車にひかれちゃったのではないかということでした。どの程度の傷なのか、気になります。ほんと、どこかで死んじゃってるのでしょうか。心配です。

それにしても猫ちゃんは気丈なものです。その傷ついた足を抱えながら、3本足で歩いているのですから。

 

その翌々日の昼休憩、Oさんが飛び込んできてくれました。

「センセー!捕まったわぁ~!」

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術後のシロちゃんです。
しっぽ短くなっています。
だらり~ん、つらそうです。





さてさて、猫さん(そのときはまだ名前が付いていませんでした)、ちょっと興奮気味でしたが、全身のチェック、そして血液検査などおとなしく(というほどでもないですが、派手な抵抗もなく)させてくれました。

右の後ろ足は膝から下がなくなっています。傷は化膿して、異臭を出していました。頼みの綱の左後ろ足ですが、指がいくつかありませんでした。これだけでも重症なのに、この左足を着けて歩いていたなんて、えらかったわね。それから尻尾の先っぽも痛めていて、ここも切除しないとだめそうでした。血液検査の結果から貧血があることは分かりましたが、手術をしないわけにはいきません。すぐに点滴ができるように静脈内に針を通し、抗菌薬の点滴を行いながら全身麻酔がかけられました。時刻は3時を回り、午後の診察時間になってしまいましたが、緊急ですもの、ごめんなさい。外来診察もお預かりや、お待ちいただくようなかたちで、猫さんの手術が始められました。(この日診察にいらしてお時間をくださった患者さん、ありがとうございました。)

 

手術は3か所です。まずは一番ひどいところ、失って化膿している右の後ろ足の汚い部分を取り除いて、きれいな部分でとどめ、先を皮膚でくるむ断脚の手術です。骨の先を筋肉でくるみ、さらに皮膚がはじけないようにゆとりを持って縫い合わせます。それから、左の後ろ足ですが、なんとか残った指とパットを無理のないようにつなぎ合わせる形成手術です。縫い合わせの仕方によっては、この足を着地して歩くため皮膚がずる剝けになってしまいます。着地する部分がけずれてしまわないように、また突っ張って傷がはじけてしまわないように注意深く縫い合わせました。それから尻尾の手術です。気になる尻尾が長すぎると残った尻尾の痛みを感じ、先々猫が噛んでしまうので、やや短めに整形しました。麻酔から2時間。猫さんの手術は無事終了しました。

外科チームはあとを祈るのみになりました。

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右後ろあしは切除してなくなっています。
痛々しいです。
投げ出された左後ろ足もほそーくなっています。




そこからバトンタッチされたのが、術後管理を担当するチームです。

元々が屋外で暮らしているので、栄養状態も優れているわけでもなく、軽度の貧血も手術により喪失した血液もあることから、悪化してました。そんなわけでなかなか思うように状態が良くなっていきません。舐める程度には食餌もしてくれましたが、ウンチの状態もゆるゆる。下痢便です。検便すると「マンソン裂頭条虫」や「つぼ型吸虫」などの、へびやかえるを中間宿主にするおなかの寄生虫がいることも分かりました。点滴したり、駆虫薬を与えたり、傷の消毒をしたり。健康な猫さんなら、悪いところを取ってしまうとぐんぐん良くなっていくのに、隣室の猫舎が入れ替わり立ち替わりニューフェイスに変わっていくのに、シロちゃん(この頃にはすでに、呼び名はシロちゃんになっていました)の部屋だけ、新陳代謝なし。点滴もアミノ酸を入れたものやちょっとハイカロリーなものにしても、ぐぐぐーっと良くなる気配が見いだせませんでした。かろうじて体重はキープ。だけど、ここでガツンと力が欲しいですっ!

 

「ハートさんちの夢子ちゃん」はいつも誰かの命を救う救世主。みんなのエンジェルなのですが、今回も夢ちゃんが血液を分けてくれました。いつも感じることですが、輸血のための血液をドナーから採血するのは心が痛みます。こんなことするために生まれてきたんじゃない。だけど動物病院に飼われているからという理由で、何度となく血液を供給してくれています。私たちは善意で自分の血液を献血するし、自己血輸血のために術前に採血することもあるでしょうが、すべて自分の意思です。でも、猫も犬も、そんなことはありません。

「ごめんね、夢ちゃん」。

 

そんな悲しみを抜け、夢ちゃんから赤血球の命をもらうと、シロちゃんはめきめきと良くなってくれました。そして、お外猫の意地を見せつけてくれます。

「しゃー!」

おいおい、それはないだろぉ~(泣)

こうして、そのあと体重も増え、鉄剤の効果も出て貧血も改善され、シロちゃんの体重は一番少なかったときの2割増し。すっかり傷も癒え、Oさんに連絡できる日が来ました。


 しろ4
今のシロちゃん。
しっぽの毛がなかなか伸びてきません。
なんだか目立っちゃうなぁ。
指2本がなくなった左後ろ足は
機能異常をほとんど感じさせません。


Oさん、その後仕事場から自宅に連れて行ってくださり、今は先住猫さん(おっとりしたやさしい猫ちゃんなのです)も受け入れてくれ、シロちゃんは立派な飼育猫さんになっています。

ほんと、シロちゃん、よく頑張ってくれました。

そして保護してくださったOさんにも感謝です。

 

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ご支援ありがとうございます。

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袋物のほか、アクセサリーなどの小物もあります。
手作り上手な患者さんのご協力です。

おわりに

今回の手術と入院の費用は、病院とOさん、そして皆さんからいただいた「のらねこさんのためのご協力金」を一部利用させていただきました。ありがとうございます。今後も身寄りのない猫さんの救助に使わせていただきます。これからもご協力願えると助かります。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

クリスマスの危険

 ホリデーデインジャラス!

今年はクリスマスに向けて3連休といううれしい並びになりました。今日は「みんなが楽しんでいる休日に犬や猫に訪れる危険なこと」をお話しします。これに失敗するとあなたの休日も台無しです。気を引き締めて、まず危険物を動物から遠ざけておきましょう。

 
イラスト家族とクリスマス

1、ハウスクリーニング

洗浄液 

ゲストのためにおうちをお掃除しているときに使われる掃除品の中には化学的に良くないものもあります。台所や浴室の洗浄や床用のワックスがけなど、動物が入らないようにして掃除を始めましょう。熱が入ると近くにいる動物のことを忘れがちになります。
といっても、今からパーティーのご準備に使われるというより、大掃除になるのかもしれませんね。

2、タマネギやニンニク

いらすとたまねぎ

腕を振るってごちそうを作られる方もおありでしょう。タマネギやニンニクは調理途中の細かく刻んだものも、調理後の甘いものも動物にとって危険です。溶血(赤血球を溶かします)性の中毒を起こします。切れ端を落としたり、コロコロのペコロスを転がして遊んでいるうちに食べてしまうことがあります。ご注意ください。


 
3、脂肪たっぷりの食品
イラストオードブルイラストクリスマスケーキ 
クリスマスのオードブルやケーキなど、脂肪分を多く含む料理が重なります。これらのごちそうを食べると、急性膵炎のもとになります。嘔吐や下痢、腹痛で元気や食欲を無くします。膵炎はとても怖い病気です。


  
4、チョコレート
チョコレート

チョコレート中毒も心配されます。食べると嘔吐、高血圧、心拍数の増加などをおこします。チョコレートに含まれるテオフィリンは心臓に良くありません。


5、ブドウやレーズン
レーズン

ブドウやレーズンは大量摂取で急性の腎障害を起こすことが知られています。

6、シュガーレスキャンディー
キャンディー
キシリトールは低血糖をおこします。また肝臓に悪い影響を与えます。

7、鳥の骨
イラストチキン

骨付き肉はクリスマスのごちそうですが、鶏の骨は縦に裂け消化管を傷つけます。

8、アルコール
イラストワイン
 犬も酔います。その後低血圧や昏睡になることも。甘口のアルコールを喜んで口にするかもしれませんが、面白がって与えないでください。

9、ポインセチア

 イラストポインセチア
お部屋の植物にも
危険なものがあります。クリスマスのグリーンとして人気の高いポインセチアは誤食すると消化管刺激作用があります。


10、百合



イラスト百合

カサブランカなど、大ぶりの百合はお部屋をリッチに演出してくれます。こちらも誤食は腎臓に悪い作用があります。また生花を活けた水を飲んでも影響が現れます。注意してください。


11、ヤドリギ

 クリスマスリースに赤や白のヤドリギが使われることがあります。しかし食べると消化管刺激があります。シャミシャミ癖のある猫には特に注意が必要です。

12、キャンドル
イラストろうそく
キャンドルは食卓にもお部屋にもおしゃれな演出が出来ますが、犬の尻尾はキャンドルを叩き落とし、ぼや騒ぎを起こす危険があります。


13、クリスマスツリー

イラストツリー

猫がクリスマスツリーに上って木を倒すことがあります。けがに注意してください。

14、オーナメント
イラストオーナメント

ツリーを彩
るオーナメントも、犬や猫がじゃれて遊んでいるうちに誤飲してしまうこともあります。



15、ティンセル

 キラキラのクリスマス飾りは犬にも猫にも魅力的です。特に猫はリボンのように長いものが大好きです。はじめは舐めているだけに見えますが、舐めながら飲み込んでしまうことがあります。

16、電気コード

イルミネーション

チカチカ光る
小さなライトにも注意が必要です。じゃれて遊んでいるうちに噛んで感電してしまうことがあります。



17、お客さま
イラストおきゃくさま

パーティーに訪れるお客さまが動物のストレスになることもあります。またぱっと開いた玄関の隙間から屋外へ飛び出ることもあるかもしれません。クレートでひとり静かな夜を過ごさせてやるのも愛情です。


18、暖房器具
イラスト灯油ストーブ

電気コードを絡ませたり、灯油ストーブの上に飛び乗ったりなどトラブルが発生することがあります。関心の目が動物からそれやすいため、あえて、注意する必要があります。

追加:スノーグローブ

イラストスノーグローブ

スノーグローブは傾けて揺らすと雪がちらちら舞うように見える置物です。
犬や猫が台に乗って落とすと割れて中身が出てきます。
ガラス片でパットを傷つけたり、液体にエチレングリコールが使われていることもあるので
誤って摂取すると急性腎不全をおこします。
動物の手の届かないところに飾っておきましょう。


 

さて、年末も押し迫ってきました。どうぞどなたさまもお健やかに新しい年をお迎えください。この寒空のもと、無理してお仕事なさいませんよう。くれぐれもご自愛ください。

ことしも当ブログへお越しくださり、たいへんありがとうございました。またお電話やコメントで新しいつながりの出来ましたこと、とてもうれしく思います。
    合掌

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ジャンル : ペット

高齢猫の体重減少

 高齢猫の体重減少についておはなしします。

 

高齢猫の体重減少はよく認められる症状です。猫の寿命はこの20年くらいの間にとても延びてきたので体重減少が気になる猫も増えてきました。

しかし高齢になった猫は生理的に体重が減ってくるものと思われていて、体重変化にあまり気を使ってもらえない節があります。確かに生理的な原因からも体重減少は発生します。栄養素(脂肪やたんぱく質)の消化・吸収能力が低下するため、同じだけ食べていても太らず体重が減ってきます。初期はこのような仕組みに対して代償機能が働くために、これまで以上に良く食べる(多食になっている)こともあり、「しっかり食べるのだから」と心配に及ばないこともあるでしょう。これと反対に味覚や嗅覚が変化してくるため食の嗜好性が変わって、これまで喜んで食べていたフードを食べ残す現象が出てくることもあります。多頭飼育ではこの食べ残しを他の猫が食べてしまうため、気付かれずに過ぎてしまいます。

このように消化吸収能力の低下が体重減少につながるケース、食の変化が体重変化につながるケースのほかに、病気に由来して体重が減少するケースもあります。最も心配なのは病的原因による体重低下です。

生理的な理由による体重減少であっても、食事の変更によりこれを補うことができれば、もとの体重を取り戻すことができるでしょう。また、病気が原因の体重減少であれば、なおさらのこと病気に対処してもとの体重を取り戻したいものです。

まずは体重変動に気付くことから、そして、病気由来の体重減少ではないかを確認し、さらに原因となる病気を探り、それぞれの疾患を治療しましょう。

 

 

<体重の変化?>

前回の体重から今回の体重を引いたものが体重差です。この体重差は何百gとかの変化になるだろうと思います。しかし、もとが数kgですから100g200gのことでも人に換算すると大きな変化になります。それでこれを体重減少率という割合にして考えていきます。

例えば1年前に6.0kgあった体重が今年の検査で5.2kgに変化していたとします。800g減です。0.8÷6.00.13これに100をかけた数値、13%が減少率です。1年で13%の体重減少がみられました。

10%を超える体重減少は有意な減少で、ウンチやオシッコのことや食後かどうかを考慮したとしても体重低下が認められます。すぐに対処した方が良いでしょう。5%から10%の間にある場合も検査を受けた方が安心です。5%未満の減少であれば心配の要らない場合もあるため、近いうちにもう一度同じ条件で体重測定をし、さらに体重減少が続いていれば検査に入りましょう。

 

<食事量は適正だろうか>

何をどのくらい食べているのかは、個体の健康を探る上でとても大切なことです。エネルギー要求量に見合ったカロリー摂取がなければいけません。痩せてくると免疫力も低下し、さまざまな病気を呼びこんでしまいます。

食欲の変化は無いでしょうか。口内炎や歯科疾患があり、口が痛かったら食べる量は減少してきます。これまでと同じだけ食べられているのでしょうか、正確な把握が必要です。

また食べたものが消化器疾患等により、おさまっておらず、嘔吐などにより出てしまっていないかどうかも今一度確認してもらえるといいですね。

 

 

<高齢猫に体重減少をもたらす病気>

高齢猫で慢性的に体重減少を引き起こす原因となる病気がいくつかあります。高齢の猫は加齢に伴って免疫機能の低下を招きやすく、そのため感染性の病気や腫瘍にもかかりやすくなっています。高齢猫に発生しやすい(体重減少を伴う可能性のある)病気をあげておきます。

・甲状腺機能亢進症

・慢性腎臓病

・糖尿病

・炎症性腸疾患や消化管の腫瘍

・猫免疫不全ウィルス感染症

・消化管以外の腫瘍

・肝臓の病気

・猫白血病ウィルス感染症

この中で、正常に食欲があるにもかかわらず体重減少を起こしやすい病気は以下の4つです。

①甲状腺機能亢進症

 体重減少そのものがこの病気を示唆する初期症状になっています。

②糖尿病

 高齢猫の好発疾患です。増加傾向にあると思います。栄養(ブドウ糖)が体に利用されることなく尿と一緒に排泄されてしまうので猫は痩せてきます。

③慢性腎臓病

 腎臓病の初期は食欲があっても痩せてくることがあります。腎臓病になると食欲がなくなる、というのはある程度進行している場合です。

④炎症性腸疾患

 食欲の変化と嘔吐、下痢を伴う場合があります。あまり馴染みのない病名かもしれませんね。この病気のときもとても痩せてきます。

 

 

<病院へ行く前に>

まず、いろいろ思い出してみてください。

①食欲は?食べる量に変化は無いかしら?

②飲水量の変化は?尿はどうだろう?

③嘔吐は無いかしら?

④下痢や便秘はどうだろう?

⑤毛のつやはある?

⑥目が悪くなってきていない?

⑦最近飼育環境に変化は無かった?

⑧痛がるところは無いかなぁ?口やそのほかのところも。

⑨何か行動が変化したようなことは無い?

 

 <総合的な検査のはじめに>

病院では一般身体検査を行います。

皮膚は?目は?口は?様子を見ます。(視診といいます)

お腹の中に塊は無いだろうか?さわってみます。(触診です)

心臓や肺の音はどうだろう?(聴診です)

そのほか、歩様を診たり、神経学的な検査をすることもあります。

血圧測定も行いましょう。

複数の問題が隠されている場合が多いからです。

 

 

<問題点を整理します>

お家の方に伺った家での様子と、病院で観察できた様子から、ありがちな病気に的を絞って考察します。

こんな可能性は無いかな?あんな可能性は無いかな?これが大丈夫だから、この病気は否定できそうだな、という感じです。

それで検査のプランを立てます。どんな検査が有用になるのか、無駄にたくさんは行わないように考えています。

 

<検査室の検査>

血液や尿の検査を実施します。

ここで異常値が出るとさらに追加検査が必要になることもあります。

 

<画像の検査>

レントゲン検査や超音波検査などを実施します。

異常が見つけられないときにさらなる検査に進むかどうか悩むことになるかもしれません。

次は内視鏡と細胞の病理検査です。さらに試験開腹が必要なことも出てきます。これらの検査は麻酔が必要です。

 

以上の検査は順に行います。ですから途中で体重減少になる原因が判明すればそこから先の検査は行いません。

 

 

<治療>

体重減少にストップをかけるため、いくつかの治療があります。原因療法は体重減少を引き起こした病気が確定した場合、その病気に対してとられる治療法です。支持療法は原因療法と並行して特に体重を増やす目的でとられます。また体重減少が生理的な理由であった場合に行われるのも支持療法です。

高カロリーの食事を選んだり、食欲刺激剤を服用したり、ビタミン剤やサプリメントを使うこともあります。嘔吐があれば制吐剤を使用したりもします。

 

最も重要視しているのは食事療法です。最適な食事を適切な量食べて、体重増加につなげるのが重要だと考えています。

痩せてきた高齢猫の多くはこのような支持療法に良く反応して減少した体重を復活させることができます。嗜好性や消化性が高く、ハイカロリーな食事を個別に選択してご紹介しています。ご心配な点がありましたら遠慮なくスタッフにお声掛けください。

テーマ : 動物病院
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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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