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猫を家に連れて帰るときの注意

 「猫を動物病院に連れてくる」のお話しの後に、「家に連れて帰る」のお話しをしておこうと思います。単頭飼育の猫さんにはあまり関係ないことですが、同居猫がいる場合は帰宅時のことも考えておく必要があります。

 <わが家の猫のこと>
先日、家で飼育している猫の、還暦を迎えた(
11歳になった)猫だけ入院させ、12日で健康診断を行ないました。2頭飼育していますが、どちらも去勢手術済みのオス猫で日常的には何ら問題なく過ごしています。今回シニアくんが帰宅すると家でお留守番していた成猫が「シャーシャー」けんか腰で、制御しようとしてもなかなか興奮が収まりませんでした。互いの頬をタオルで拭いて匂いを嗅がせるなど、それなりの対処法はあるのですができません。やろうにも、こちらが八つ当たりされ攻撃を受けそうな気配です。一晩は部屋が凍り付いたような緊張ムードに包まれてしまい、急遽別々の部屋に閉じ込めておくことにしました。そして翌日攻撃を示した猫を病院に連れてきて半日隔離し、夜帰宅するといつもの関係に戻っていました。またその後は、なんら問題は発生しませんでした。

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<よくあることです>
病院から猫を連れ帰ったとき、同居している他の猫が威嚇したり攻撃しかけてきたりすることはよくあることです。病院の匂いをまとって帰ってきた同居猫を「知らない猫」と誤解し、攻撃の対象にしてしまうことがあります。日帰り通院くらいならあまり起こりませんが、入院し、退院した後には比較的起こりやすいです。

 

<退院のお迎え>

激しい攻撃性を発生させないようにするための、いくつかの対策があります。
お帰りの際は、キャリーを病院に預けていたとしても、普段猫が使い古してきたような(匂いがしっかり染みついた)敷物を用意して、キャリーで帰宅するまでの間に入院していた猫の病院臭を家庭臭に変えるようにします。

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<帰宅したら>

まずはお留守番猫の反応を見ましょう。

キャリーの扉を開けて、帰宅猫を早く自由にさせてやりたいと思うかもしれませんが、少々お待ちください。キャリー内で待機させます。

お留守番猫が落ち着いていれば、キャリーの扉を開けても大丈夫かもしれません。

お留守番猫が「シャーシャー」うなって攻撃性をしかけて来る場合や、半ば身体を隠すようにして遠巻きに見て近づいてこない場合は、緊張が高まっているときです。帰宅後もしばらくそのままキャリーの中に居させる方が良いでしょう。たいてい1日くらいでなんとかなると思われます。うなり声が聞かれるようなときは、別の部屋で待機させてください。

同居猫の匂いを認識させるのに、退院猫の頬をぬぐったタオルを留守番猫に嗅がせる方法があります。これは互いにさせた方が良いので逆も行なうわけですが、あまり攻撃性が強いときには頬をタオルで拭くことができないかもしれません。興奮している猫は見境なく、タオルを持つ飼い主さんに向かっても攻撃を示す(八つ当たりのような)事が発生し得るので、注意し、無理な場合は実施しないでください。なお、お互いの匂いを嗅がせるときに大好きなおやつも与えると「プラスイメージの効果」が得られやすいです。

それでもまだ受け入れが難しい場合は、新入り猫さんと先住猫さんに行なうような「お見合い」からスタートさせます。時間をかけてゆっくりと、です。

特に、もともと仲が悪かった、けんかをしたことがあるような関係の猫同士では、これを機会に別居せざるを得なくなることもあるのでよく観察してください。

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念のため、新入りさんを迎えるときの基本について載せておきます。慎重にお願いします。

<新入りさんを迎えるときの基本>

はじめは「声が聞こえる、新しい猫の気配がわかる」の関係です。声がわかる程度の距離に置きます。たいていは扉を挟んで別の部屋です。

次は「姿を見せて食事」の段階。これは扉を開けて猫を認識したときだけ食事を与える「プラスイメージ強化」の作戦です。

それから「互いの匂いの交換」の段階へと進めます。先ほどの頬タオルで認識させることです。ここでもプラスイメージが湧くようにおやつと併用します。

それから「解放」の段階へと進めます。

急がず慌てずゆっくりと、行なってください。

 

猫の通院についてのお話しはこれでおしまいです。

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

猫のハンドリング訓練

 「猫を病院に連れてくるのが大変」というお話しは実によく聞きます。まずお家でキャリーに入れるまでに大格闘があるそうです。キャリーを見たとたんに逃げる猫や、家族のただならぬ気配に異変を感じ既に前日から物陰に隠れて出てこない猫もいるようです。この状態の猫を無理矢理キャリーに押し込め、それから延々と猫の嫌いなことばかりが発生しています。猫は移動中の車の音も嫌いですし、病院に着いてから知らない人や動物に遭ったり、聞き慣れない音を耳にしたり、嗅いだことのない匂いを感じたりなど、猫は診察前にすでに多くのストレスがかかっています。中には「静かにしなさい!」と大声で叱ってくれたり、「このくらい我慢しなさい!」と頭を叩いたりなどしてくれるので、いよいよ診察が始まります、という段には猫のご機嫌悪化は最高潮になっています。
そんなにキャリーがキライでも、キャリーに入れてきて貰わないと、表で猫が車から脱走しちゃったら一大事です!

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<こんな論文>
 
「猫のキャリートレーニングは動物病院受診ストレスを軽減する」という論文があります。昨年出されたものです。6週間のうちに28回キャリーに入れて車移動をした猫(トレーニング群)と何もしなかった猫(コントロール群)に分けて、診療所を訪問したときの猫の様子を観察した研究です。その結果、28回のトレーニングの前後で、キャリートレーニング群は何もしなかった猫(コントロール群)に比べて、車中のストレス指数が有意に減少していました。そしてごほうびを探す時間、口を舐める回数や姿勢を変える回数が増え、座っている時間も増えました。こうした診療前のストレス軽減効果は診察にも影響はあり、身体検査に手間取らないため検査時間が短縮されたそうです。

Carrier training cats reduces stress on transport to a veterinary practice
Lydia Pratsch, et,al
Applied Animal Behaviour Science , 204 , p64-74 , 2018

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<おねがいしたいこと>
さて、前回はキャリーケース・トレーニングについてお話ししました。
キャリーを異質な物と認識しないようにするため、またキャリーに入るのが恐怖にならないよう普段からならしておくためでした。飼い主さんが猫をキャリーに入れるまでの格闘を無くすことに主眼があります。

この実験では、その先のハンドリングも、トレーニングすると猫のストレス軽減になることを示してくれました。目的もなく猫を車に乗せるというのはなかなかできないことかもしれませんが、診療開始までの状況が改善されると猫にとっても私たちにとっても有益になります。今回は第3段階の訓練もお願いしたいと思います。

<ハンドリング・トレーニング>

キャリーケース・トレーニングの次の段階は「車に乗せる」ハンドリングトレーニングです。車に乗せるには一旦外に出るわけですが、ここで室内との温度差や音の変化が出てきます。キャリーを外から布で覆ってもらうと、外が見えなくなるし温度差が減り、また音を少しでも遮蔽する効果があり、猫に不安を与えません。

はじめは「キャリーで屋外に行く」だけで帰ってきてください。
次に「キャリーで外に出て」「車に乗せる」になります。車のドアを開けて車内に入れてドアを閉める、そしたらまた家に戻ってきます。
次の段階では「エンジンをかける」を行ないます。発車せず、車のエンジン音を聞かせるだけで戻ってきてください。
さいごは「短距離ドライブする」段階です。急発進、急ブレーキ、急停車どれも禁忌です。安全運転で家の周りくらいをぐるっと一周してきてください。少しずつ病院までの距離に慣らしてきてください。

車の乗り方から始める、まるで自動車学校の生徒になったような気分になるかもしれません。猫にとって車に乗ることは日常の出来事ではありません。どれだけうまくならしていただけるかはこの後の診察にも影響が出てきます。やさしいトレーニングをお願いします。くれぐれも、途中でコンビニによってお買い物、その間は車内に放置、ということがないようにしてください。

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<三方にとっていいことばかり>
このように猫の来院ストレスがなくなると、飼い主さんは猫を動物病院に連れてくることが「かわいそうだ」と思わなくなって、ちょっとした異常を見つけた段階で診察に来てくれるでしょう。定期的なワクチン接種や定期健康診断にも来院しやすくなるに違いありません。猫の病気を予防し、早期発見し、早期治療するのに欠かせない「来院」という第一段階がクリアーされます。

猫にストレスがなくなると、より日常的な猫を診察することになります。さらに、身体検査で体中を触られることにも、採血や採尿をされることも抵抗なく受け入れてくれるでしょう。猫が緊張のあまりウィークポイントをマスクして状態がよくわからない、というようなことがなくなりますから臨床徴候の見誤りや見逃しを無くすことができます。また血圧や血糖値も安定していれば「本当の値」として見ることができます。状態を判断するのに好都合です。

猫の方でも、ここではこの手順に従って触られる、この体勢を取って静かにしていればそれ以上のことは起こらないと学習するので、余計な恐怖を感じることもありません。不快度数減少です。そして順化してくれると診察や検査もスムーズに行きますから、不快持続時間も減少になります。猫のストレスは間違いなく減ることになります。

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<おわりに>

猫がキャリーに入っていたら扉を閉めて、ちょこっと部屋を移動してみるくらいの段階から始め、車でぐるっと回ってどこにも寄らず帰宅するなどの訓練。これは猫が忘れないくらいの間隔、週に1回くらいの頻度で行なうといいと思います。

今日は猫のハンドリング・トレーニングについてお話ししました。
猫の通院はどうして必要なのか、ことに高齢になった猫の場合については以前お話ししました。

「猫が病院嫌いなので連れていきたくないです」のお話しはこちら。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-category-102.html




テーマ : 動物病院
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猫のキャリートレーニング

 猫の通院ストレスを軽減するためのキャリーケーストレーニングについて、診察室でお伝えしていることをお話しします。
猫を病院に連れてきていただくとき、「洗濯ネットに入れて段ボール」は最低限お願いしています。とても慣れている猫でも(病院にも他所のお家の犬にもぴくりとも反応しないほどのまったりさんでも)、リードの装着もなくバスタオルで包まれただけで来院いただくのは、駐車場でドアから出たと途端、急な飛び出しになってしまうかもしれず、避けていただきたい来院方法です。一番のおすすめは「猫用キャリー」での来院です。けれどキャリーに慣れていないとここに入れるだけでお家の人と猫が大格闘になってしまうそうで、「入れるのがめんどくさい、連れてきたくない!」ということになるそうです。困りました。
とにかく、猫に「キャリーに慣れてもらう」ことから始めましょう。

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 <通院ストレスを減らす必要があります>

猫が快適な生活を送り、長生きするために、定期的なケアは不可欠です。動物病院が苦手だといっていると、治療の好期を逃してしまうことになるかもしれません。まず移動手段であるキャリーケースが「安全な場所」だという認識を持たせてあげてください。これで通院ストレスが軽減されます。キャリーに慣れることは簡単で、とても重要なことです。

 

<キャリーを選びましょう>

おすすめのキャリーケースは、上下に分けることができるタイプです。箱と蓋と扉に分けられて、ロックを外すと蓋が外れます。蓋の持ち手が倒れるときに音がしますが、持ち手を布で巻くと音量軽減が可能です。

もし、トンネルタイプのキャリーを選ぶとしたら、出入り口が二つある、通り抜けできるタイプの方を選んでください。

キャリーの大きさですが、小さすぎると、猫が身体を曲げなければ入ることができず、呼吸に問題があるときに不都合が生じます。猫が伏せをした状態で「前足のつま先から尻尾の付け根まで」の長さがあると安心です。あまり大きすぎても猫は落ち着かないし、車中で安定しません。

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<キャリーケース・トレーニングの方法>

はじめはキャリーをリビングルーム(猫が一番長く居る部屋、落ち着ける静かな場所)に置きます。上下分かれるタイプなら下の部分だけ、トンネルタイプなら両扉を開けたままにしておきます。中に猫が好きな素材や匂いの敷物を入れておきます。母猫を思い出せるようなふわふわした素材の布がおすすめです。(ペットシーツではないことに注意してください。)

大好きなおやつを少し入れてみます。何度も猫が自由に出たり入ったりを繰り返させます。慣れてきたら一度扉を閉めます。はじめはすぐに扉を開けてください。最初は10秒も経たないうちです。それから徐々にキャリー内にいる時間を長くしていきます。トレーニングしている間は、キャリー以外の場所でおやつを与えるのはやめておきます。肥満が気になるときはキャットフードで代用してください。扉を開いて、自分から出てきたときにはまたおやつを与えます。リラックスして入り、リラックスして出てくるを繰り返します。扉を閉めて猫が目をまん丸にしていたり、耳を伏せていた場合は猫に緊張がある印です。「ほら、出てきなさい。おやつだよ。」と強引に猫を引きずり出してはいけません。扉を開けたまま、その場を離れ、猫が自分から出てくるのを待ちます。

15分くらいいられるようになったら、室内の別の場所で同じ事を試してみてください。

さらに慣れてきたら、キャリーを別の部屋まで運びます。取っ手の部分を持つのではなく、キャリー全体に腕を回して両手で抱えるようにして持ちます。別の部屋で扉を開けて、出てきたらおやつ、を繰り返しましょう。

 

<次のステップ>

次のステップは、「胴輪とリードを付けてからキャリーに入れる」になります。首輪を付けた猫なら首輪が外れないことを確認してリードを付けるだけで大丈夫です。最終的に病院でキャリーの扉を開けたときには胴輪でリードがついていると安心です。

 

*連れてきてくださる猫の行動パターンが読めないため、初診の方には「洗濯ネットに入れてから」キャリーに入れることをお願いしています。キャリーや動物病院に慣れてきた猫ではネットが不要なことが多いです。最終的な理想は、そのままの状態で「リード」+「キャリー」です。
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<トレーニングのポイント>

訓練を行なう飼い主さんがまずリラックスしてください。決して急いで次のステップに進もうとしないようにお願いします。あせる必要はありません。いつから始めるのが良いかという問題ですが、できるだけ小さいうちに、子猫の頃が一番です。動物病院デビュー前なんて最高だと思いますが、なかなか理想のようにうまくいきませんね。


次回、ハンドリング・トレーニングについてお話しします。


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病院からのフードサービス

 健康維持に関するお話、前回は予防のこと(1次予防から3次予防のことなど)についてお話ししました。今日は病院から購入していただく食事のお話しをいたします。

昔から医食同源といって、食事は薬と同じくらい身体にとって重要です。なにせ、摂取したものをもとに体内で作り替え、自分の身体にしていきますから、身体によくないものや過剰なものを取り込めば、身体はそのように不都合が生じてきます。

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<真剣に食事のことを考えていますか?>

これまで診察で「何を食べていますか」「どのように食べていますか」「どのくらい食べていますか」などのご質問を何度もしてきましたが、高率で「わからない」という答えが返されてきます。ワクチン接種前も食事アンケート用紙のご記入をお願いしていますが、きっちり回答してくださる方と無回答の方といらっしゃいます。(めんどくさいのかな?)大切なのに、ペットフードについてはあんまり関心がないのでしょうか。残念です。

一方で、「先生に勧められたフードです」という答えをいただくことがありますが、カルテをすごーくさかのぼること数年前、一度処方してあって購買歴も小さなサイズの袋をひとつだけという例もあります。その後継続してネットで購入していたとのこと。しかし残念なことに数年前と現在との病態がかみ合っていなくて、せっかくの処方食なのに愛犬の健康に貢献していませんでした。このようなケースは多く見られます。中にはかえって害になっていたことすらあります。

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<フードご紹介の歴史>

残飯や猫まんまが主流だったころ、まだペットフードに慣れていない犬や猫が多かったし、また市場に流通しているフードの中には安心して与えてもらえないようなものも見受けられました。それで以前は病気になる前段階の健康維持食についてもお世話させていただくことが多かったのです。けれどペットフード業界も大変進化して、特定の製品を紹介する必要がなくなってきました。また患者さんのペットショップでの「選ぶ楽しみ」を奪ってしまうのも要らぬお節介になるかと、特定疾患でどうしても必要な場合に限り特別療法食をご利用いただくようにすることにしていました。

こんな細かいところまで介入するのは嫌われちゃうかなぁ、フードで儲けようって思われちゃうのかなぁなどマイナス思考がはたらき、病院での栄養管理食の販売には消極的になりました。(もちろん一部の疾患では「これしかありません!」というものもあり、療法食で頑張っていただきました。)

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<気が変わりました!>

ただ、やっぱり自由に選んでいただくと、「その路線に行ってしまったか!」というような事例もあります。基本はライフステージに合わせてドライフードなのですが、ドライが得意じゃないと判断されてモイストタイプを、総合栄養食ではなく一般食を選択されていらっしゃる。「だからぁ、似てはいるけれどそれじゃないんだって!」ということもありました。病院でウェットタイプのフードを一時的に処方することがありますが、粉薬など投薬しにくいお薬を苦痛なく飲んでいただけるための策です。フードメーカーが同じでも機能食品として用をなさない一般食だったりします。

それから、「なんでそんなにでっかいのを買っちゃったんだい!」という事例です。「おいしく食べられる期間も考えて」小袋をちょこちょこ買いして欲しいのですが、「送料無料になるし、まとめ買いがお得だったから!」と真夏に大袋をいくつも買い込んでしまっている例、「大袋入りの方がお安いよね」と小型犬1頭飼育なのに大きいサイズを選ばれていることもありました。袋のサイズは1か月で食べきるサイズが限界です。中には「ドライフードは与えているけれど出しっ放しで、いつ食べているのかわからない」という例がありました。それで一袋を食べきるのに半年くらいかかっているそうです。風味が落ちたら興味もなくなります。フードに見向きもしなくなるでしょう。

しかし、今あるフードを大幅に否定するのも忍びなく、今すぐ変更していただきたいけれど、「もったいない」と病状に合わない食事からおすすめフードに変更するまで時間がかかったりします。それはお財布を気にするあまり、犬や猫には好ましくない結果になってしまったのです。

このような失敗例を個別にお伝えしたり、掲示板にフードの選び方の手作りポスターを貼っても限界があります。このようなこと防止するのにはどうするのが良いのかを考えた結果、やはり積極的にフード選びに介入させていただくしかないのではないかという結論にたどり着きました。

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<病院食購入で何か良いことがある?>

病院でおすすめするフードを選んでいただくときに、患者さんが得をするサービスに何があるのかを考えてみました。

現在は診察券にフード購入ポイントを付けています。これはご利用していただいた患者さんしか知られていなかったかもしれません。多くの方にお伝えする機会もなく来てしまいました。
たまに「ちょっと期限の近い商品」「袋に傷がついてしまった商品」をリーズナブルな価格にして待合室でお知らせすることがあります。この時に出会うとラッキーです。
それから、もし食べなかった場合の返金処理(「
100%満足保証」)というサービスがあります。商品に限定があります。
期間限定、商品限定で「3つ購入でお一つサービス」というのもあります。メーカー主導型キャンペーンなので、対象になる時期、ピンポイントでその商品に遭遇した方はラッキーです。近似商品で、キャンペーン時に変更が可能な場合はご案内させていただいています。


これらのほか、「たまたま」「偶然」「遭遇した」「期間限定」「商品限定」のサービス以外にも何か病院から貢献できることはないでしょうか。ただいま企画中です。ご意見ちょうだいできると有り難いです。

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<総合的な利点は沢山あります!>

病院で紹介した食事を継続して購入していただくことの利点は、たくさん有ります。まずは大体月に1回くらいのペースで病院に顔を出していただけることです。もし「車酔い」することがない犬や猫だったらとりあえず乗せてきていただくとなお良いです。これは犬や猫にとって車慣れする良い機会です。そしてもし外来が空いていたら体重測定を口実に診察台に乗ってもらえます。「あれ?病院って痛い注射されるところじゃないんだね」と思ってもらえることが大切です。病院嫌いにしないテクニックです。もちろん軽いチェックを受けていただくことも可能です。

もちろん本来の目的はフードです。次のような利点があります。

①フードの組成がくわしくわかる。

②フード中のカロリーが明確なので、1日の給餌量を具体的に決めることができる。

③もし食物有害反応が出た場合、早く別のフードに切り替えることができる。

そのほかに、付随する利点があります。

④通っていただくうちに何かキャンペーンに遭遇するかもしれない。

⑤飽きてきた場合でも、路線から外れない第2、第3選択のフードのサンプルを試せる。

⑥スタッフと仲良しになれる。

⑦いろいろな質問がしやすくなる。(栄養学に詳しい管理栄養士がお答えいたします。)

⑧食事に限らないさまざまな情報を得ることができる。

などです。

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<お食事アンケート>

フードの質問票をご用意しました。3月下旬のワクチン予定の方からお願いしています。診察時に記入して持ってきていただけると、何か困ったことがある場合フードのご紹介ができます。なお質問用紙は受付にもご用意がありますので、フードに関するサービスにご関心があるようでしたら、ぜひぜひお願いします。


病院からの食事をご利用いただいている皆さまへ。現在溜まったポイントはフードへの還元が可能です。端数を現金利用される方が一番多いようですが、さらに貯まっている場合、おやつやデンタルグッズ、お薬専用タブレットなどとの交換も可能です。

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ジャンル : ペット

ライフステージ別、犬の健康注意点2

先週の続きです。 
状態が安定している壮年期のころは健康上の盲点になっているときで、環境変化によるストレスをはじき飛ばすことができず「こころの病気」になりやすいときです。それでも「心因性」で片付ける事ができる年代ですが、シニア期にはストレスがこころから全身に及んで免疫性の疾患を引き起こしてしまったりします。それぞれのステージが次のステージの序章になっています。「今は何ともない」ように見えて、とても重要なときです。「元気で長生き」を実現させるならこの頃からの対処が大変重要です。


IMGP1329.jpg
飼育当初とは家族環境が変わってきていることが多いです。
環境変化はわんこにとってもストレスであることをお忘れ無く。
忙しくなって犬の世話がなおざりになっているケースも見られます。
もう一度飼い始めた頃を思い出してください。
まだ元気に走れますが疲れ易くなっています。休憩も大事です。

<壮年期の注意>

7歳から9歳)

・飼育を始めた頃と、家庭内の生活環境が変化している場合が多いです。忙しさにかまけて犬との生活が雑になっている場合があります。面倒がらずに犬の世話をしてください。理解度の進んだ犬は環境変化にも気づいていて我慢を重ねています。さらに愛情を持って接してください。犬と楽しく過ごせるときはもう短くなってきています。

・保険の再加入が難しくなる年齢です。もし解約している場合は再加入の見直しをしてください。継続している場合も十分検討して、更新または解約を決めるようにしてください。医療費がかかってくるのはこの頃から数年先のことが多いです。

・年に一度の健康診断とお決まりの一次予防のほか、これから発症してくる高齢期の病気について知識を得るため、いろいろな用件で病院を利用してください。来院のたびに新情報を得るようにしてください。

・健康診断の結果は早めに聞きに来てください。異常が見られた場合も、その都度対処し、後送りにならないようにしてください。「まだいいか」が重なってくると次に別の疾患が見つかったときに治療が難しくなることもあります。

・歯科ケアについてことに関心を持ってください。デンタルケアをサボった場合は必ずこのころまでに歯周病というツケが回ってきます。歯周病が認められた場合はスケーリング治療を受けましょう。この頃が最大のチャンスです。治療後は再び歯科ケアを始めてください。


 IMGP1330.jpg
いろいろな病気が出始めます。治療せずにいると
次の別の病気が発見されて、いくつも重なってしまうことがあります。
車いす生活になる犬もあります。
目が白くなってくる犬もいます。
いつの間にか飼い主さんの年齢を超えているかもしれません。

<シニア期の注意>

10歳から12歳)

・いわゆる還暦を迎えています。犬は人よりもスピーディーに年齢を重ねることになります。被毛が白くなったり、目が白くなってきたりなど、加齢を感じる節も出てきます。すべてを「年だから」「年のせい」にしないでください。加齢による変化であっても快適に過ごすための工夫はたくさんあります。

・健康診断のための来院は年に二回をお勧めします。検査内容も、これまでの標準から心配な器官のオプション項目を加えることも検討してください。腫瘍発見のため、画像検査を加えると安心度は高まります。これまでは「異常がなければ安心」でしたが、これからは「早期発見」が目的です。検査結果に異常があっても「早くわかって良かった」とプラス思考で対応して行きましょう。

・来院頻度を増やし、高齢期の病気について、準備段階のシニア期の過ごし方についての情報をつかんでいってください。

・各種サプリメントを賢く利用することを検討しましょう。免疫作用を高めるサプリや、抗酸化作用をもとめるもの、関節疾患に重点を置いたものなどがよく利用されています。ご相談ください。

・食器を置く台を高くしたり、滑りにくい床材を選んだり、段差をスロープにしたりなど、高齢期に備えて準備をしましょう。

・歯科ケアは継続して行なってください。安全なスケーリング処置の出来る最終年齢でもあります。うまく出来なかった場合も、治療後ケアを再スタートさせ、ひどい歯周病にならないようにしましょう。


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見た目若作りの犬では、老年であることを忘れてしまっているかもしれません。
加齢に歯止めがきかない頃です。
数か月単位で様子が変化します。
今、このときを大事にしましょう。

<老年期の注意>

13歳以上)

・生活環境を整えることが必要です。バリアフリーにしましょう。視力低下に備え、動線にはっきりした目印(彩度の異なるラインなど)をつける、屋内トイレを近くに設置するなど、高齢犬向けの対応をしてください。

・寝ている時間が長くなります。関節ケアのための快適な高齢犬専用マットを用意しましょう。

・歩行の補助が必要になるかもしれません。補助具について調べておきましょう。そのほか、高齢犬向けのアイデアグッズ、介護用品など調べ、必要ならば上手に利用して、犬の生活の質を上げてください。

・顔周りや爪、足先、肛門周りなどはケアしやすい美容をしておきましょう。

・病気発見のための健康診断から、病気の進行具合をチェックする検診へと変化しているころです。割安な健康診断パックをうまく利用してオプション項目を増やしていきましょう。

・罹患している病気についての知識を高め、家庭での観察ポイントを知り、積極的に治療に参加してください。看護や介護についてなどの質問をまとめておき、来院時には解決するようにしてください。

・思い出が沢山残るように、写真もたくさん撮っておきましょう。

・「その日」が来ることを家族で話し合っておくことも大切です


 IMGP1325.jpg
参考ばかりに犬と人の年齢換算表を示しました。
狂犬病シーズン、どうぞ皆さん、
うちのわんこはどんなところに気をつけてあげたら良いのかを
ぜひ心に刻んでお帰りください。

<おわりに>

動物病院とのおつきあいの時期は子犬の頃と高齢期の二峰性のことが多いかと思いますが、私たちは生涯を通して健康でいることに重点を置いて、皆さんの愛犬と向き合いたいと思っています。用事がなくても来院していただき、「このあいだこんなことがあった、可笑しかった!」というような会話が出来ることを望んでいます。用事がないのに来院していただくのは申し訳ないので、「爪切りや肛門腺処置」でも良いし、「お勧めの食事選びと体重測定」なんかも良いと思っています。特に食事に関しては、医食同源です。健康な身体を作るもとになる食事ですので、健康増進の一環としてドッグフード選びにお役に立てたら幸いです。フードに関する病院からのご提案も用意していますので、次回はそちらを紹介させて貰おうと思います。

なお、今回は犬を中心にお話ししましたが、猫もほぼ同じような内容です。別の機会に猫のライフステージ別健康注意点はお話しします。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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