膀胱結石2

さて、ユウちゃんとブル君のその後です。

 

尿道につかまっている結石はそのままでは動きようがありません。尿道へカテーテルという管を通し、なんとか膀胱の方へ押し戻せないか試してみました。動けば手術は膀胱だけですみます。動かなければ手術は膀胱と尿道の両方を切開しなければいけないのです。けれど、どんなに頑張っても石がきっちり詰まっていて動きません。かくして、「膀胱および尿道切開術」になりました。

 

手術でとれた石は、分析センターに送られ「シュウ酸カルシウム結石」であることがわかりました。
CaOX_20110323230841.jpg

この石がどうしてできるのか、原因は今のところわかっていません。それで予防する手立てもありません。今後は定期的に来院してもらい、小さな石の段階で膀胱洗浄をして、尿道を通過できるくらいの段階で体外に出していくことになりました。

 

一方、ブル君の場合も、同じようにどうにも動かない石でした。またブル君の石は尿道でも先端部、会陰部、前立腺尿道部の3つの場所でつかまっていたため、先のものが押し戻せたとしても、次の場所でまた詰まってしまうことになってしまったのです。そして同じように「膀胱および尿道切開術」になりました。

 

手術でとれた石は「リン酸アンモニウムマグネシウム結石」。「ストルバイト結石」とも呼ばれる石でした。
MAP_20110323230831.jpg

この石は細菌感染が元になってできる石で、細菌感染をコントロールすれば予防することができます。また今回のように尿道にまで落ちてしまうと大変ですが、膀胱内にとどまっている場合は、手術をしなくても特別療法食で石を溶解し、無くすことができます。また一部の犬では内服薬で有効なこともあります。

 

尿道や膀胱に石ができた場合の症状についてまとめておきます。こんなサインが出たら要注意です。迷わず動物病院へお出かけください。

①赤色尿⇒屋外の場合でも白いティッシュやキッチンペーパーを尿の上に乗せるだけで色がわかります。

②何度も排尿姿勢をとる⇒何度もしゃがみこむ。またトイレが近いなどです。

③一回の尿量が減少する⇒貯めることができなくなります。

④排尿時に痛がる⇒苦しそうに排尿したり、声を上げたりします。

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膀胱結石のふたり

土曜日のハートさんは混み合います。病気のワンやにゃんを抱えた飼い主さんが待合室でじっと順番を待っていてくださいます。ほんとに申し訳ありません。

 

そんな土曜日に、とっても救急度合いの高いワンが連れてこられました。ユウちゃん。

中根ユウ・尿道結石


「おしっこの出が悪い」のが心配とのこと。さらにくわしくお伺いすると、おしっこがしっかり出ていないのではないかと思われるような状態でした。超音波検査、
X線検査などの画像検査を実施しますと、膀胱と尿道に結石ができていることが判明しました。そう。結石が尿道を詰まらせたために尿の出が悪くなっていたのです。こうして書いていますと「あら。そうなんだー。」です。しかし不穏な状態から、ものを語らない動物の体の様子を把握するまでは、そこそこ時間がかかってしまうのです。もちろん、現在の身体の状態を知るために血液検査や尿検査も同時にすすめています。

 

しかしユウちゃんに全員のスタッフがずっと関われるはずもなく、検査待ちの間に次のワンやにゃんを診ていきます。そして、次のカルテを手にした時に、動きが止まってしまいました。次のワンも「おしっこが滴々と出る」という主訴でいらしているではありませんか。ブルくん。
ブル 尿道結石



年齢、性別からして疑いは石だけにあらず。前立腺の病気や尿路の腫瘍さえも鑑別診断リストに加わります。経過を伺い診察を始めますと、先ほどのワンと同じ尿道、膀胱結石です。しかも尿が出なくて膀胱が大きく拡張。先ほどの彼よりももっと深刻な状況でした。

 

かくして、やっと動き出したかに見えた外来診療もまた、次の重症患者さんの検査と処置とで止まってしまいました。

 

こんな風に重症初診が重なる日があります。みなさんの貴重なお時間ですが、もしあなたの愛犬、愛猫がこんな状態になってしまったら、その時もじっくり時間をかけてしっかり診させていただきます。どうか少しだけ、およその救急疾患にかかっているワンやにゃんのためにお時間をくださいませ。

 

 

 

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膀胱結石

今週目立った病気は膀胱結石でした。手術もありましたし、とりあえず入院加療になっただけの子もいます。

おしっこは腎臓で作られて尿管を通り膀胱に溜まります。
その膀胱の中に石ができることがあります。膀胱結石です。
犬にも猫にもできますが、石にはいくつか種類があります。
犬種によっては結石ができやすい品種がありますから、「うちの子はだいじょうぶかしら」と尋ねてください。 390

さて、膀胱結石の症状ですけれど、
①ちょっぴりだけど何回もおしっこがでる
②いつもの時間までがまんができなくてもらしちゃった
③決められたところ以外でも出ちゃってた
④赤い、またはピンク色に見えるおしっこをしてた
⑤おしっこをするときに痛がっていた
⑥しゃがんでいる時間が長い
⑦いきばってるのに全然でてこない
⑧お漏らしのままで、制御不能みたい
などが主なものです。 

どうしてできてしまうのか。
これが分かれば予防できますね。
石の種類によって分かっていることですが
①細菌感染がある
のは定期的に尿検査をしたらいいでしょう。検査で陽性が出れば抗生物質で治療すればいいわけです。

②カルシウム濃度が高い

のは要注意ですよね。だってカルシウムは体にいい!ってみなさん信じていますから、一生懸命与えようと努力しちゃっていますよね。これは危険です。もちろんミネラルウォーターもカルシウムいっぱいの水ならだめですよ。

③先天性異常があってある種の栄養素がうまく利用することができない

というのは予防しようがありませんね。けれど検査で素因がありそうなのは把握することができるので、あらかじめ対応しているフードで予防可能なものもあります。

④食事中のミネラル成分が多い

のは食事を厳選したら大丈夫です。

 

では治療はどのようにするかです。

基本は手術ですね。でも膀胱の中に石があるうちは手術を検討していただく時間が充分取れますが、石の大きさが小さなサイズで尿道へ落ちてきて出口の途中で尿路を閉鎖してしまうと大変です。緊急に何とかしなければ48時間以内には命が危うくなってしまうので、考えていただく余地がありません。中には溶けるタイプの石がありまして、それだと切らずに食べて治す方法がとれます。おやつを食べながらではうまく溶けないこともお伝えしておきますね。そう、治療はそう甘くないのです。320

いろいろは形の石を紹介しましょう。

stone01

典型的おにぎり型。これがぎゅうぎゅうに詰まっていました。

stone02

表面がざらざらしているものもあります。膀胱の壁が刺激され出血しやすくなります。

stone03

これも石。細かな砂状です。猫に多いストルバイト結石です。

spike2

こんながさがさしているものもあります。サクッとしていて壊れやすいのです。

stone04

オートミールみたいに、平たくてちいさなものもあります。

spike 

こんぺいとうの形をしたものもあります。

もっとあるのですが全部紹介できないのでこの辺までにします。

 

とにかく、おしっこに関するおかしなことが起こったら、早めに診察に来ていただくのが一番です。

 

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ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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