減量のための処方食

 体重コントロールのための食事についてお話しましょう。

 

ノバルティス・アニマルヘルスから出ている処方食、ドクターズケア・シリーズの「ウェイト&ジョイントケア」に的をしぼってのお話です。

実はここの処方食が好きです。理由はあの「ヨード卵光」を作っている「日本農産」がこのフードをつくってくれているところ。国内で生産されたものだからです。また、国産だからこそ輸送のための時間が短いので、適切な量を保管してある動物病院でしたら新鮮なものを手に入れることができます。もちろん、他社からも減量用や関節炎用の食事は発売されていて、みな、それぞれに特徴があり、実績もあります。

 

さて、この「ウェィトケア」と「ジョイントケア」を一緒にしたということは?そうです。適正な体重をコントロールすることと、体重過多によって引き起こされた関節症をコントロールすることは共通点が多いのです。

 

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さて、このフードの特徴は

1、体重管理に配慮して⇒脂肪とカロリーを控えめに作ってある。

2、脂肪燃焼と体重管理に配慮して⇒共役リノール酸、難消化性デキストリン、L-カルニチンを添加してある。

3、関節炎に配慮して⇒ω3脂肪酸(EPA/DHA)を強化してある。

4、軟骨の健康に配慮して⇒グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンを添加してある。

5、小型犬に配慮して⇒食べやすい小粒に作られている。

というようなことがら。

 

「共役リノール酸」は脂肪燃焼を促して、基礎代謝率をあげる効果があります。

「特定保健用食品」(トクホ)はおなじみかと思いますが、Mets 0 COLA(メッツゼロコーラ)、をご存知でしょうか。「明日のジョー」の丹下段平さんが出てくるCMの、そうです。食事のときに脂肪の吸収を抑える働きがあるといわれていますよね。それに使われているのが「難消化性デキストリン」です。
「Lカルニチン」は脂肪燃焼系で有名ですね。疲れを飛ばす効果もありますよ。

「ω3脂肪酸」は抗炎症作用があります。

「グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン」はいわずと知れた関節の栄養素?関節の健康維持に関与しています。

 

夜風が涼しくなってくると秋の恵みも美味しく、ついつい食べ過ぎてしまう季節になるものですが、体重過多と関節症は一緒にやってきます。どうぞ、お気をつけください。関節症、肥満については過去のブログをご参考にしてください。

 

肥満で関節の痛みのある私もこんなサプリメントがまとめて摂れると便利なことこの上ないな、と思いながら。今日のお話はここまでです。

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成功させるぞ!減量大作戦・その5

さて、減量大作戦、具体的方法です。

 

1、体型を診ます。体重をはかります。

 本当に太っているのか、太っているように見えるだけなのか、ヤバイくらいの太り具合なのか、太り気味なだけなのか。そのあたりも見極めます。問診や一般健康検査から、病気の心配がないかどうかを診察します。内分泌や代謝疾患等で肥満傾向にあると認められた場合はさらに検査をお薦めすることがあります。お腹が大きいと肥満、だと思われている飼い主さんもおられますが、腹部に出来た腫瘍のために大きく見えているだけのこともあります。

 

2、減量作戦への参加をご相談します。

 適正体重か否かをご案内します。その上で減量するほうがよいのか、このままでもだいじょうぶなのかもご提示いたします。また、血液検査その他で病気がもとになっている肥満の場合は、内服薬併用のご提案もいたします。ご家族の方の参加意思をお聞かせ下さい。

 

3、理想体重を推定します。

 現在の体重、過去の体重から割り出した理想体重を推定します。過去の最もかっこよかったときの体重より少し多めかも知れません。まずはここを目指しましょう、という2段階のうちのファーストステップをご提示することもあります。

 

4、相性の良い処方食をさがします。

 どの子にも好みの味、フードの硬さというものがあります。またそれまでの病歴や現状の健康状態等からかんがみて、ぴったりの処方食を選び出します。いくつかのサンプルをお渡しすることもあります。この先は気に入ったフードをもとに計算していきます。

 

5、年齢、活動性、性別から1日に必要な栄養量を計算します。

 気に入ってもらえた処方食で、具体的に必要な1日分のカロリー量を踏まえて、食べる量を算出します。ドライだけ、ウエットだけ、もしくはドライフードの混合やウエットフードとドライフードをミックスした場合などもご提案できます。

 

6、減量手帳に記入します。

 今の体重。目標の体重。1日に何をどれだけ食べたら良いのかを書いておきます。ご家族と病院の交換日記的意味合いもあります。気づいた点はお家でも記入して下さい。スタートしたときの写真を添付すると、後で見たときに感動が生まれますよ。

 

7、実践して下さい。

 ご家族の皆さんが心をひとつにしてがんばって下さいね。

 

8、2週間ごとに体重測定にいらしてください。

 体重変化のグラフを作っていきます。何回か繰り返すと、現状で目標体重に届くのがいつごろなのかわかります。それが設定した目標日よりも遠のいている場合は、再度食事量を計算しなおします。また、この間に起こった出来事について教えてください、身体にはどんな変化が起こったでしょうか。それから、どんな困ったことが起こったでしょうか。改善へ向けていっしょに考えていきます。

 

9、これを繰り返すだけです。

 ただ、決まった量の食事を与えているだけでは、エンドレス。痩せてきていても気づかないこともあります。また、面倒くさいからと途中で体重測定を中止してしまった場合も、効果がうまく分からなくなってしまいます。ちょうどぴったり2週間でなくても大丈夫。忙しいとき、予定が入っているようなときはその前後でかまいません。3週間後でもいいでしょう。とにかく続けることが大事です。飽きてきたところで、病院のスタッフと会話をするだけでもかまいません。不思議ともう一回頑張ろう、という気が生まれるものです。とにかく繰り返し、いらしてください。一緒にがんばるのみです。

また目標に達した場合は、この体重を維持するための食事量の計算をやり直します。食事の変更も出来ますよ。

 

*どうして処方食でなければいけないのでしょうか。

 身体に必要なのは低カロリーのもの、だと思っていませんか。体重を落としていきながら貧血になったり筋肉が萎えて細くなってしまってはいけません。また病気がちなことになってもいけません。処方食には、減量を目指す子達に不足しがちな栄養素もきちんと入っているから、こちらをお薦めしています。

 

*運動のことはこのプログラムにははいっていないのでしょうか。

 初めはいつも通りに散歩に行って下さって結構です。体が軽くなってくると必ず運動が盛んになってきます。自分から進んで歩くので散歩の距離も増えてきますし、元気がよくなりますからぐいぐい引っ張るようにもなります。家の中でもさっと立ち上がれるようになるはずです。そのあたりまで、無理にしなくてもだいじょうぶ。 

 

いかがでしょうか。これなら、うちの子も、今度こそはなんとかなりそうな気がしませんか。

 

近頃、糖尿病さんがふえてきてなんだか暗い気分のママ先生です。糖尿病は進行すると目が見えなくなったり、腎臓を患ったりして、大変な病気です。また、薬ではなく、毎日インシュリン注射をしなければならず飼い主さんにも負担が多いのです。こんなことになる前に減量。私たちと一緒に頑張ってみませんか。

 

成功させよう!減量大作戦。シリーズは今回で終了です。

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成功させるぞ!減量大作戦・その4

前回までの失敗例はこうでした。

①家族全員がその気になって取り組まないと失敗する。

②お腹が減りすぎるほどのダイエットは事故を招く。

③運動させようと思っても犬は動かない。

 

これを踏まえて成功する減量というのは

①家族全員に周知徹底させること。

②お腹が減らない方法を考えること。

③犬が自分から動きたいと思うようにさせること。

です。

 

さらに付け加えるのなら、

④無理のない方法を選ぶこと。

これです。だって、にんげんだもの。やさしいほうへ、簡単な方へ流されます。当然ですよ。あなただけじゃありません。無理があれば、いやになって途中でやめてしまってあたりまえです。だからリバウンドしてしまうし、「やっても無駄だなぁ~」ということばかりが頭にのこってしまう。家族も

「どーせまた、今回も、お母さんが声上げただけでしょ」

なんて思われて、頑張ろうと思ったおかあさんも、すぐさまそこでくじけてしまうのです。

 

じゃ、無理のない方法。

 

おすすめは、

「カロリーの低い処方食をそこそこ食べさせること」です。

 

処方食はかさばるように出来ているので、胃がおおきくなってしまった犬でも、「たらふく食べたぞー」という満足感が得られます。そして消化されない線維がたくさんあるので、腹持ちもよく、血糖値が急激に下がりません。だから満足しながら次の食事時間まで待つことが出来るのです。おやつも急激にゼロにしない。期待するのはよくTVでやっているような、短期間でスッキリ、ではなく、1年かかってもいいから、理想体重に近づける。ここです。

 

さらに、持続させるコツ。だって、短期勝負ではなく、中期計画を立てるのですからね。これは

⑤食事を与える側、飼い主のモチベーション、頑張るぞ、という意欲をキープさせること。

です。

 

こちらは、ハートのスタッフが全面的に応援いたします。くじけそうになったときのこと、思い出してください。仲間がいたから乗り越えられたこと、ありましたよね。誰かの協力があってこそ成功の道は開けるのです。

 

ハートでは減量手帳も用意してあります。スタッフの笑顔にも自信あり。

 

減量作戦取り組み中の動物の正しい食事管理は動物の栄養士が担当します。いろいろ悩ましいこと、誘惑がいっぱいの飼い主さんのこころのケアにも、経験豊富な動物看護師がお手伝いします。それまでおやつでコミュニケーションをとっていた犬と飼い主さんとの関係を維持するため、ドッグトレーナーが別のコミュニケーション方法についてもご提案します。

これでうまくいくはず!

 

あ、もちろん、減量中に健康上の問題が起こりはしないか、獣医師も参加しますよ。はい。

 

そんなわけで、私たちと一緒に、今度こそ、減量大作戦、成功させてみませんか。

 

 

次回は具体的な方法について書きますよー。

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成功させるぞ!減量大作戦・その3

減量大作戦の失敗談、前回2週ほど連続してお話しました。結論はこうです。

①家族全員がその気になって取り組まないと失敗する。

②お腹が減りすぎるほどのダイエットは事故を招く。

 

 

さて。初めに摂取カロリーを減らすことと消費カロリーを増やすこと、のお話をしました。このあたりで、気が付かれた方もいらっしゃるでしょう。

「そうか。運動だ。動いて燃焼させればいいんだ」

 

今回は運動についてお話します。

 

たしかに、動けば消費カロリーは増します。それで、無理やり散歩に出かけます。犬は動きたくありません。途中まで行って、テコでも動かなくなってしまうことがあります。散歩の距離は増やしました。途中で動きません。さて、どうやって犬を連れて帰ってきますか?

だっこです。

重たいわんこをだっこです。小型犬ならまだいいでしょう。大きいわんこをずるずる引っ張ってきました、という方もいらっしゃいました。

 

夏の暑い日。肥満の犬は呼吸もしんどいのです。で、すぐ行ってくるつもりが、動きが悪いので、炎天下にかなりの時間。それで熱中症になってしまったわんこもいました。

 

それじゃあ、屋内でもっと動かす工夫。というわけで、以前のようにボール投げをしてみます。

「もってこい」遊びです。

全く意に介しません。「ナニソレ?」とでも言わんばかりに目で追うだけです。身体は動かしません。いかにも空振り。

「ほれ、行って来い。持って来い」何度言っても動きません。無駄のようです。

 

運動すればいい。たしかにその通りです。でも難しいのです。太っているということは、身体を動かすこと自体が苦しいのです。すぐに疲れるのです。さらにもうひとつ付け加えておきましょう。動けばすぐに食べたくなります。

 

たいていの肥満犬は、肥満だけでなく、関節の問題や心臓の問題など、すでに患ってしまっている場合があります。この子達に、「動いて痩せよう」という方法はうまく使えません。熱中症の件がいい例です。

 

そんなわけで、

減量大作戦。動かせて痩せる。これもなかなか難しいのです。

 

次回は、そんな失敗をしないで、みるみる痩せさせる方法について、お話します。

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成功させるぞ!減量大作戦・その2

減量大作戦の失敗。その2つ目の逸話です。

 

さて、犬はとにかく腹へりです。いつも考えることは食べ物のことばかりです。

それで、いいにおいのするものを見つけると、

「あったー!」「くいものー」

といわんばかりに、喰らいついてしまいます。残飯。生ゴミの入ったゴミ箱。ひっくり返してぐちゃぐちゃにします。なべのふたをこじ開けておかずを平らげてしまった子もいました。

「えっ?大なべの中身、全部ですか?」聞いていたこちらが耳を疑うくらいの量でした。実話です。

 

そうです。我慢できなくなって食べてしまう。これではお腹を壊すことはあっても、意を決して臨んだダイエットにも肩透かしをくらったような結末です。下痢になったり嘔吐をしたり。たしかに、体調が戻るまでは、食事制限もあるのでそこそこ体重減少がくるかもしれません。けれど体調が戻れば、振り出しに戻ることになります。

 

「しまった!食べられてしまった!」

と飼い主さんを唖然とさせるのは、こうした食べ物だけではありません。おいしいにおいの付いたビニール袋、紙袋。食べられないものまで口にしてしまうのです。これで、異物を飲み込んだ犬たちに嘔吐させる処置をかけたり、麻酔をかけて内視鏡で異物を取り出したり、胃切開や腸切開の手術になったり。ほんとに踏んだり蹴ったりの大事件。脅かしているのではありません。本当にあったお話なのです。

 

というわけで、今回の教訓。腹が減りすぎるのはだめね。

 

 

次回に続きます。

 

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ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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