ノミ・マダニ予防のこと

未だ寒い季節、動物病院は閑散期になっています。学会や講演会のほか、春先の繁忙期に入る前にと気を利かせてくださる企業さんの新薬説明会などが催されます。実際、どの季節にも開催されてはいるのですが、ことに毎週のようにタイトなスケジュールで入ってきます。

この学会やセミナー、説明会で伺ってきたお話は、飼い主さんにも知っていて貰いたいと思うところがあります。開催からのタイムラグはありますが、お話ししていきます。

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<新薬のこと>

まずは犬用のノミ・マダニ内服タイプの駆除/予防薬の説明会でのお話から。この日はこのお薬の開発秘話や、特性など、「開発に協力をしていない立場の」創薬が専門の先生からお話を伺うことができました。日本でも「私はこの企業さんから特別な利益供与を受けていません」と断言してからお話に入られる先生も出てこられました。「公正な立場で評価しますよ」の表明です。

さて、ご紹介して貰ったお薬のことです。これまでにあったノミ・マダニ駆除薬は、皮膚に滴下するタイプのお薬と、②飲んでもらうタイプの2タイプで、後者は犬用、ソフトチュアブルというジャーキーのような柔らかめのお薬でした。今回は②の飲んでもらうタイプで、クッキーのようなタイプになります。これまでのノミ・マダニ予防薬に対して「お薬が好きじゃない、食べなかった」という犬や、「食べたけど痒くなった」「嘔吐してしまった」「下痢になってしまった」犬にはレパートリーが広がった分、助かるかもしれません。有効性や安全性、投薬プランなどのお話は、処方の際にさせていただくことにします。

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<SFTS新情報2018.2> 
さらに、動物のSFTSウィルス感染症に関しての研究の第一人者で有り、かつ多くの臨床例をまとめてこられた感染症がご専門の先生から、これまでの発症事例の経緯や、今現在のウィルス保有動物の調査結果などについて大変興味深い情報を拝聴することができました。 

昨年8月のブログです。SFTSウィルス感染症のことについて。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-978.html

 

さてSFTS、重症熱性血小板減少症候群は人と動物に共通の感染症です。「ダニを媒介して感染動物から人への感染する」つまり、「マダニ動物マダニ人」という感染経路をとると思われていたのが、新しく「マダニイヌ/ネコ人」や「マダニ人」の感染経路をとることができるということが分かってきました。こういうところがこの病気の恐ろしいところです。始めに感染した人から次に感染する人のことを「二次症例」といっていますが、中国での発症例では患者さんの診察を行った「コンサルタント医」、次に治療を行った「集中治療医」、さらに濃厚接触をされた「家族」、そしてご遺体の処理を行われた「納棺師」を巻き込んだものでした。

 

国立感染症研究所のHPを確認してください。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

 感染発生例についてのグラフは昨年末までの集計です。

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<ダニ麻痺>
西の方で「重症熱性血小板減少症(SFTS)」がじわりじわりと感染を広げている一方で、昨年北海道では「ダニ媒介脳炎」に感染した方の報道がありました。平成29年度の獣医学術学会では、札幌からお越しの先生に「ダニ媒介脳炎」のお話をお伺いすることができました。

北と西でダニ関連の怖い病気があるわけですが、混同されてしまっている患者さんもおられるようです。結論としては「ダニ予防をしておかないと怖い病気があります」ということで一緒なのですが、病気としては全く別のものです。

ダニが媒介するウィルスにより重篤な脳炎から神経麻痺をおこす病気が犬にもあります。犬では「ダニ麻痺」という病名で学んできました。けれどあくまでも海外の病気、日本のダニから犬が神経系の病気になることはないだろうとしているので、神経系の病気を診るときウィルス由来の疾患は普段は頭の奥の引き出しにしまったままになっています。

人では1993年に確定診断された患者さんが国内初で、つい最近の2016年に2例目の、2017年に3例目4例目の患者さんが診断されています。いずれも北海道内の発症です。では北海道以外の地域には発症がないのかというと、東京近郊で1948年に日本脳炎の疑いであった患者さんの残されていた資料から遺伝子解析を行ったところ、ダニ媒介脳炎ウイルスに分類される型が検出されたそうです。また動物を対象にした血清疫学的調査によると、西日本にも近しい型のウィルスがいる可能性が示されているそうです。しかし確定診断のための詳しい検査は特殊なため、全国でも数か所の研究機関でしか行うことができません。もしかすると、これまでの重症報告のあった患者さん以外にも、軽い感染で済んでしまった人や症状が出なかった人など、また重症だったけれど診断には至らなかった人の中にもダニ媒介脳炎の患者さんがいたのかもしれないということでした。

ほかの多くのダニ媒介性疾患と同様、このウィルスも犬に感染しないとも限りません。そして北海道地区だけでなくどこでもその危険があると思います。SFTS以外もダニに感染すると危険な病気があることをお伝えしました。

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<おすすめするノミ・マダニ予防>

さて、マダニの感染は明らかに発生件数が増えています。グラフからは月別の発生件数ですが、ピークは
5月ですが、4月から増加しているのが分かります。4月の気温ならまだ大丈夫かと思えばそうでもないのですね。それで、私たち自身を守るためにも「犬のノミ・マダニ予防は4月には始めてもらった方が安心」という結論になりました。

またSFTS症例の届出地域ですが、これまで当院で掲示してきた地図に比べ、こちらも広がりを見せています。

西尾地域でもマダニそのものの感染は増えてきています。バベシアの発生も数年前に一例ほど近くで報告されています。SFTSウィルス感染例はまだありませんが、「じわりじわり」というのがマダニ媒介性感染症の特徴だそうです。すぐ隣の県までかんせんが広がってきているということは、「愛知県は未だ大丈夫」なのではなく「もうじき感染がみられてもおかしくない」状況であることを示しているように思います。そんなわけで、
4月からノミ・マダニ予防を始めていただく」ことのほか、
月に1回、きっちり継続していただくことも大切ですし、
*「ことに西日本方面への里帰りやご旅行の際は予防を忘れないように
お願いしたいと思います。
野生動物の抗体陽性(過去に感染があったことをあらわします)は山梨県や千葉県でもみられていて、こうしたことも「東日本なら安全ということはない」ことを示しています。山梨県や長野県、岐阜県は夏になると気軽にお出かけしたい避暑地でもあるし、わんこと一緒にお出かけしたい所の代表格です。やはり「すぐそこまで危険は迫ってきている」と考えておく方がよいと思います。「ノミ・マダニ予防なしには(お散歩も含めて)お出かけはしない」くらいの気持ちでいた方がいいな、と判断しました。

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 <おわりに>
「うちのこを守るために」ワクチン接種やノミ・マダニ予防をするのが普通の考えです。でももう少し広範囲に考えを広げていただきますと、「個々の予防が地域の感染を減少させ、ひいては全体の感染を無くす」ことに繋がるのだということが分かります。「ひとりひとりのご協力で感染撲滅できる日が来る」という公衆衛生的な意識をもってノミ・マダニ予防をしていただけるとありがたいと思います。

 

今日のお話はここまでです。

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ノミとマダニの予防について

 風薫る5月。さわやかな風が吹き抜け、1年で最も気持ちの良い季節。。。。のはずなのに、日中は真夏のような暑さで熱中症に罹患する犬も来院しています。夜間はまだ涼しく、眠れないような熱帯夜にはなっていませんが、その分、昼と夜の温度差があり、体調を崩しやすくなってます。「夏バテ」の言葉に代表されるように、食欲不振や嘔吐、下痢などの胃腸障害になるのもこの季節変わりの時期に多いことです。
屋外犬舎も屋内のケージも、風通しを考えて冬場とは違うところに設置し、水はいつでも自由に十分飲めるように支度をお願いします。食欲が優れないときには、不安から、いつもと違うものを与えがちですが、嘔吐や下痢を誘発しやすく、食べたことで安心し、動物の観察を怠ってしまったり、動物病院への来院が遅れたりします。いつも通りのものを食べない場合は、体調が優れないものと考え、早めの来院をお願いします。

さて、急に高温になってくると、ありがたくない外部寄生虫の繁殖も盛んになり、ノミやマダニの予防をうっかり忘れていると、すでに身体に付いてしまっていることもあります。ことのほか新しい情報もありませんが、もう一度簡単にお話をしておきます。

 
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6月の掲示板はノミとマダニ特集です。

<ノミについて知ってください> 

動物の身体に寄生しているノミは成虫です。ノミは蝶々と同じように形を変えて成長していきます。卵を産み、卵が孵化して幼虫になり、さなぎを作ってまゆの中ですごし、その後羽化して成虫になります。卵からさなぎになるまでの間は飼育環境中で過ごし、動物の身体に5匹のノミの成虫がいたと仮定すると、95匹の卵・幼虫・さなぎが環境中に潜んでいるといわれます。ノミが動物に寄生してから吸血、交接し卵を産むまではたったの24時間から48時間で、生まれた卵から成虫になり再び寄生するまでのライフサイクルは気温1315℃で活発になり、真夏では最短で12日~14日でひとまわりするといわれています。その後、成虫のままでも気温さえ条件が整っていれば最長120日も生き続けます。暖かければノミはどんどん増えていくという怖いお話です。

卵や幼虫・さなぎが潜んでいるのは猫や犬がよくいる所です。屋内であれば、ソファやベッドの上、カーペットの上、ペットのベッドの周り、家具の下、部屋の隅、壁際です。寄生を許してしまった場合は、このような場所の掃除をきっちりしておかないと、再感染を繰り返すことになります。念入りに掃除機をかけ、ダストボックスはすぐに廃棄処分しましょう。また屋外では庭先の直射日光の当たらないところで、犬舎の下、縁の下、草むらなどに多くみられます。

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ノミの生活環について。
  
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一度ノミの寄生を許してしまうと家じゅうがノミだらけになってしまうわけがわかります。


<マダニについて知ってください> 

一方マダニは卵から孵化しても同じ形のまま吸血と脱皮を繰り返し、3回目で成ダニになり卵を産みます。生まれてすぐは1mmくらいだった体長も成ダニの段階になると未吸血時で4mmくらいですが、目いっぱい吸血すると、ぶどう(デラウェア)サイズにまで大きくなることがあります。マダニは犬の身体でも耳や目の周り、鼻の頭など毛の薄く短いところを中心に寄生することが多いです。

マダニは山の中だけに限らず、河川敷やあぜ道、木の豊かな公園などにも生息しています。ひゅっと伸びた葉の先端部分にいて、近くを動物が通りかかるのを待っています。

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マダニは普通のお散歩コースにも潜んでいます。



<ノミとマダニの動物と人への被害について> 

ノミによる犬猫の被害は、寄生されることで痒い(掻痒症)、ノミアレルギー性皮膚炎などの目に見える変化のほか、サナダムシ(うりざね条虫)の寄生など、目に見えないものもあります。また、ノミはジャンプの選手とも言われるほど高く遠く飛ぶことができます。人のひざ丈くらいは簡単に飛び上がりますから、わたしたちも足をかまれるなどの被害をこうむることがあります。また猫の「バルトネラヘンセラ」という病気を持ったノミにかまれると、人は「猫引っ掻き病」になります。リンパ節が大きく腫れあがり、だるいなどの症状が出ます。

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ノミやマダニは付いてると気持ちが悪い、だけじゃありません!

マダニによる犬猫の被害は多数寄生による貧血のほか、「ヘモバルトネラ」(「ヘモプラズマ」)という病原体が猫の赤血球に寄生し貧血や黄疸を引き起こしたり、同じく「バベシア」という病原体が犬の赤血球に寄生し貧血や黄疸をおこすことがあります。マダニの人への害として近年注目を集めているのは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。2013年に日本で初めて死亡例が報告されました。SFTSウィルスによる患者発生地域は関西圏で、愛知県では未確認の段階ですが、ウィルスを保有しているマダニは近隣では静岡県、山梨県で確認されていますし、抗体陽性の野生動物(シカやイノシシ)は長野県で、抗体陽性の猟犬や飼い犬が三重県や長野県で確認されています。油断はできない状況にあります。

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SFTSやバベシア症の発生状況です。

 

ノミやマダニといえど、人にも関係する怖い病気をもたらす危険があるので、公衆衛生の意味からも寄生を許す前にしっかり予防しておくと安心です。

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SFTSはこんな病気。
 

 

<予防について> 

ノミやマダニの予防法はお伝えするまでも無く、動物病院で処方する滴下剤を1カ月に1回使用していただくことです。このほかに経口の予防剤もあります。昨年秋に発売された経口薬は副作用も少なく、犬の予防薬として新たにおすすめしています。


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ノミやマダニはどのように予防するのが良いのでしょうか。

 

<間違いだらけの予防法>

よくある間違いを挙げておきます。これらの方法は効果が無いだけでなく、場合によっては危険になります。

1、ノミ取り粉

 動物に直接ふりかけるのはやめてください。もし購入してしまった、という場合は、環境中に潜むノミ退治のために掃除の一環として使用してください。ふりかけて掃除機で吸い込む、ということです。その場合もその後しっかり拭き掃除をお願いします。

2、ノミ取り櫛

 「身体に付いたノミが気持ちよいほどよく取れる、取ったら潰すのが楽しみだ」とおっしゃる方もたまにはいらっしゃいますが、こちらは寄生したノミを発見するための道具としてとらえていただきたいです。ノミの成虫を潰すと中から卵が飛び散りますから、結局は新しいサイクルの元を環境中にばらまくことになってしまいます。やめてください。

3、ノミ取り首輪

 手っ取り早くて簡単なのはわかりますが、ホームセンターやショッピングセンター化した薬局などで市販されているものは効果がありません。動物が嫌がるだろうキツいハーブ(?)の臭いをさせているものもありますが身体によくありません。「全体が薬だと思うと、長さに余裕があっても切り取るのがもったいない」というわけで、長い部分をぶらぶらさせたまま巻きつけられている猫を見かけますが、余剰部分を食べてしまい、催吐処置をかけることになったとか、麻酔下で内視鏡を使って胃内から取りだすことになった場合が過去に数例あります。危険で効果の無い首輪をつけるくらいなら、同じお金を可愛らしい首輪を購入する方に使っていただきたいと思います。

4、ノミ取りシャンプー

 特別な薬用のシャンプーならノミが死んでしまうだろうと思われがちですが、せいぜい気絶して動きが鈍くなる程度に過ぎません。また体幹部を湯につけている間にノミは頭頂部に這い上がります。頭まで長時間薬液に浸しておくわけにはいきませんから、やはり取り逃がすことにもなります。ドライヤー乾燥している間に復活したノミは遠くへ飛んでいき、次の感染源を環境中にばらまくことになります。この方法もおすすめではありません。

5、ノミ取りアロマ

 ハーブの香りでノミを寄せ付けない、といいますが、蚊取り線香と蚊の関係でも知られるように、なかなか思うようにはいきません。また猫には特別な代謝経路があり、特にティーツリーオイルが有名ですが、有害なアロマもありますので、使わないようにお願いします。猫と同居しておられる方は日常的にお部屋の香りを楽しむ場合も、猫への禁忌を良く知った上で無害なものを選び、かすかに薫る程度で使用するようにしてください。

6、市販の滴下剤

動物病院で購入するのとあまり大差ない値段なので効くのだろうと思われてしまうようです。びっくりするほどの安価であれば効かないかも、と予防線を張ることにもなるのでしょうが、全く効きません。もったいないだけです。滴下する手間は同じですから、動物病院で処方された効果のあるものを正しくお使いください。

7、海水浴

 海が近いせいか、海で泳がせたらノミも浮かんでくるだろうと思われている飼い主さんがいらっしゃいます。もしアレルギー性皮膚炎にでもなっていたら海水がしみて、荒れた皮膚が痛痒くなることでしょう。絶対におやめください。

 
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答えはこの中に。
 

さて、明日から6月になりますね。6月の掲示板はノミとマダニについてです。来院されてお時間がありましたらご一読ください。また、疑問に思うことなど、何でも遠慮なくご相談ください。

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ノミ予防はいつまでするとよいか

 前回、蚊の活動期間についてお話ししました。

じゃ、「ノミ」はどうなの?こちらもまだ滴下剤をたらした方がいいの?

というご質問です。

 

まず、ノミのライフサイクルを知ってほしいと思います。

私たちが犬や猫の身体で見つける「ノミ」は成虫になった段階のものです。ノミは蝶々と同じように変態を行う虫です。卵⇒幼虫⇒さなぎ⇒成虫、というふうに変化していきます。例えば身体に5匹のノミ成虫を見つけたとすると、実は環境中に95匹のノミの予備軍が潜んでいると考えられます。

 

ノミの卵は見たことがあるのではないかと思います。ノミの成虫は黒いわけですが、それよりも小さい点々としたもので、色は白いです。動物の体表に付着していることもありますし、犬や猫が過ごしている場所に落ちていたりします。実はノミ成虫は、体に付着した後、24時間から48時間後にはもう卵を産んでいます。その数、驚くなかれ、40個から50個くらいです。1匹が産む数です。そしてころころした卵は身体から滑り落ちて、犬や猫の歩いたところにばらまかれます。

この卵は孵化して幼虫になります。見えないほどの大きさではありませんが、たいてい見つけ出すことは困難です。屋内であれば畳やじゅうたん、ソファのくぼんだ所などに住んでいて、埃にまみれたフケなどを食べて育ちます。その後、さなぎになり、犬猫、また人が歩いた振動、体温から感じられる熱、吐く息の二酸化炭素などを感知し、さなぎから成虫になります。卵から成虫になるまで、最短で2~3週間。再び成虫になって吸血しまた卵を産み始めます。

このサイクルを回すことができる最低気温は、13℃。「蚊」よりも低い温度でも増殖するのです。

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そんなわけで、結論は、まだ予防処置をした方がよい、でした。

 

ちなみに、この温度を下回るとたいてい暖房をつけますから、屋内飼育の場合は年中やったほうがいい、ということになるわけです。

 

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ところで、ノミ予防の方法ですが、ペットショップやホームセンターなどで購入するノミ取り首輪、ノミ取りシャンプーなどは全く効果がありません。見つけたらつぶす、という古典的な方法も追いつきません。アロマやハーブの香りの首輪などは、動物にやさしく安全なように思われるかもしれませんが、あのキツイ臭いは動物にとって迷惑なだけです。

 

動物病院専売の滴下剤は水に溶けにくく脂肪に溶ける性質を持っています。滴下するとすぐに皮膚にある皮脂腺のくぼみに蓄えられ、滴下したときだけでなく、皮脂腺から皮脂が分泌されるたびに効果のある薬が皮膚表面を覆っていくので、効果が1カ月強持続します。類似品がホームセンターに出回っていますが、医薬部外品のこれらの薬もやはり首輪やシャンプーなどと同じように効果がありません。

 

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おまけ>>

ノミが大量発生して困っている!というご家庭のお部屋の対処法を載せておきます。

1、とにかく掃除機を活用し、ソファの背もたれと座面の間の隙間とか、畳の目など時間をかけ強力に吸い込んでください。吸い取ったゴミパックはすぐに片付けましょう。もし、スチームクリーナーがあるのならば高温処置はもっと良いです。ケージがあるならばこれをどかして、奥の方もきれいにしましょう。

2、動物が愛用していた敷き物を洗濯してください。高温(60℃以上)のお湯で漬け置き(10分以上)洗いします。乾燥も晴れた日の天日干しにしてください。

3、もし、廃棄処分する勇気があるようでしたら、カーペット類は捨ててしまう方が完全かもしれません。

4、スプレー式殺虫剤を試してみるのも良いかと思います。薬局で相談してみてください。

5、忘れがちな動物用キャリーですが、こちらも洗えるものなら高温で洗ってください。

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うりざね条虫

 今年のノミ対策はいかがだったでしょうか。

今日はお腹の虫、うりざね条虫についてお話しましょう。

 

うりざね条虫はノミを媒介とする腸内寄生虫です。この虫は細長い虫ですが、「片節」と呼ばれる小さなかけらが連なっています。頭の方は腸の壁にくっついていて、宿主(寄生している本体=動物)から栄養を奪って、自分が育つ栄養にしています。条虫が成長すると後ろの方から片節がひとつずつちぎれて肛門から出てきます。便の縁に白い「瓜の種」のようなものが付いて出てきます。「うり」といっても分かりにくいかもしれませんが、熟れすぎて大きくなったきゅうりの種、と似たようなものです。「瓜の実=うりざね」という名前、その通りだと思います。便に付着するだけでなく、これだけでうにょうにょ、っと肛門から出てきて、お尻周りの毛についていることもあります。乾くとすぐに黄ばんだ色になり、「ごま粒」のような感じに見えます。

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乾いていない虫を平たく伸ばして顕微鏡で観察してみます。思いのほか厚みがあるので、うまく標本が作れません。このようにはじっこに行ってしまうこともしばしば。

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さて。顕微鏡で覗くと、こげ茶色の袋の中にまん丸な水玉がいくつか入っているのが分かりますでしょうか。標本全体に散らばっている大小不同の白い丸ではありませんよ。

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もう少し大きくしてみました。分かりますか。このこげ茶の袋の中に入っている丸型のもの、これを「六鈎幼虫」と呼んでいますが、この小さなひとつが次の世代の条虫になるものです。

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もっとも、これ自体を犬や猫が口にしても感染しません。この小さな丸粒をノミが口にして、ノミの体内に入ります。犬や猫は体にノミがつくと「カチカチ」としますね。そうしてノミを飲み込んで、感染が成立するわけです。つまり、ノミに感染すると、もれなく「うりざね条虫」もついてくるというしくみ。

 

 

さて、うりざね条虫は内服薬、または注射によって駆虫することができます。このとき、一緒にノミも退治しないとまた感染してしまいますので、ノミ駆除の滴下剤も同時に皮膚に滴下しましょう。

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ノミとマダニの対策

月別降水量を調べると、この地域では9月に次いで5月、6月、7月に雨が多いことに気がつきました。9月は台風も来るくらいだから1番なのもうなづけます。2番目の山は6月を頂点にし、5月から7月まで続く、じめじめの梅雨時期だったのですね。気温が上がり、湿度が上がると「ノミ」や「ダニ」にとってはうれしい季節なのかもしれません。

今日はノミとマダニについてお話しようかと思います。

ノミはご存じの通り、体につく寄生虫です。ジャンプ力にすぐれ、コミカルなDVD、動物の運動会でもその力はNO.1なのだとか。それで近づいてきた動物から動物へ、ジャンプしてうつってしまいます。

1、ノミの生活環

さて、動物の体についているノミは実は成虫です。ノミは昆虫で、蝶のように「卵→幼虫→さなぎ→成虫」という成長をしていきます。卵は白く小さくて見にくいかもしれませんが、ノミのいる動物の毛の中に見つけることができます。体を震わせたときに床に落ちます。そこで少しすると孵化し、幼虫になります。本当に小さいので絨毯の毛の間やソファのくぼみなんかに居ても誰も気がつかないと思います。やがてさなぎになり、羽化すると、ピョーンとジャンプしてまた動物に付きます。これを繰り返しているのです。怖いのは、犬や猫の体にいる成虫の数に比べ、犬猫の生活環境中には数え切れないほどのノミの子供たち(卵や幼虫やさなぎ)がいることです。

2、ノミの犬猫への被害

ノミの犬猫への被害は
 
かゆいこと。動物をイライラさせます。カチカチ、カミカミ。しょっちゅう体を気にします。落ち着きがないですね。
ノミアレルギー性皮膚炎を発症させること。特に背中から尻尾の付け根の部分で脱毛と赤い発疹、ぶつぶつも見られます。
うりざね条虫を媒介すること。おなかに虫もわかせてしまうのです。
猫ひっかき病(バルトネラ・ヘンセラ)の感染を引き起こさせること。
マイコプラズマ感染症(旧ヘモバルトネラ病)の感染も引き起こさせること。

結構あります。  ノミは人にも付きます。

3、人への被害

①膝から下の部分でのちくちく。ノミに刺されると小さな赤いぽつぽつが集中して出るらしいです。しかも異常にかゆい。(心当たりの方は皮膚科病院へ行ってください。)
猫ひっかき病。リンパ節が腫れます。猫にも人にもうつるこういう病気は「人畜共通伝染病」と言われています。


4、マダニの生活環

一方、マダニはというと草むらの中で同じような形で脱皮を繰り返しながら成長していきます。ダニは4対の脚がありまして昆虫の仲間ではないのですねー。草むら→動物→草むら→動物、と行き来しながら血を吸っておとなになっていきます。以前は山に出かけるような猟犬御用達の寄生虫でしたが、今は普通に草むらにいるのでかわいらしい小型の犬たちもマダニにつかれてしまいます。

5、マダニの被害

マダニの犬猫への被害
ですが、
①やっぱり、かゆい
アレルギー性皮膚炎を起こすこともあります。
③たくさん寄生されると貧血になる。まさか、そこまでは行かないでしょう、と思われるでしょう。ところが、あるのです。マダニは最終的に大きくなって、血を吸うと甲州ブドウくらいの大きさにまでなるのです。おなかがぱんぱんになって自然落下したマダニを知らずに踏みつけるとブルーベリーを踏んだようにどす黒くなります。ほんと、きもちわるいです。
④さらに別の、赤血球に入り込む原虫バベシアを媒介する。発熱や黄疸、食欲不振などの症状を表します。「バベシをもつマダニは関西方面ににしかいない」という伝説は崩れました。いまは愛知県内での発生報告もあります。

6、マダニの人への被害

マダニの人への被害は
①人畜共通伝染病としてのさまざまな問題があります。

7、一番いいこと

一番いいことは寄生される前に予防することです

①最も手っ取り早い予防方法はノミ・マダニ駆除の滴下薬を垂らすこと。「ホームセンターでみたことあるよー」と言われる方、ちょっと待って!薬の種類が違うんです。「買ったけど効かなかった」と動物病院に来院される方が大勢いらっしゃいます。そんな2度手間なら初めから効く薬を使ってください。動物病院で処方を受けてくださいね。(商品名はあえて書きません)

②ホームセンターではまだ「ノミ取り首輪」なるものも売っているようですね。これも効きません。おしゃれのための首輪なら別の売り場にある物をお勧めします。

③シャンプーするから大丈夫、とか身づくろいしてやりながらノミをつぶすのが楽しみなのよ、と言われる方もいらっしゃいました。はい。趣味を奪ってはいけませんかね。でもシャンプーは皮膚のために、そしてグルーミングもコミュニケーションのためにすることとして、ノミ・マダニ対策としての効果はありません。

8、まとめです。

ノミもマダニもそれだけでなく、怖い病気を引き起こすことになるので、予防するに限ります。そして予防方法のお勧めは滴下剤による予防です。


お知らせです。
5月29日(土曜日)午前10時から、「のみ・マダニ対策」についてセミナーを行います。日ごろの疑問もスッキリするかも。ぜひお越しください。



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Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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