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犬と猫の災害避難・続き

先週の続きです。

 6.日常の健康管理

避難所生活を最低限のストレスで乗り切るには、日常の健康が大切です。ふだんから健康チェックができていると病気のサインを見逃すこともありません。注意深く犬猫を観察しましょう。「いつものうちの子の様子」をしっかり理解しておくことが大切です。「あれ?前からこうだったっけ?」ということがないようにしておいて欲しいです。

実は猫にとって「肥満」はかなりマイナス要素です。「うちの猫はこれだけ蓄えがあるから何日か食べなくても大丈夫だ、痩せている猫の方が心配だろう」というのは素人考えです。猫は肝臓での代謝が独特な動物です。ことに脂質代謝は得意ではありません。「3日食べなきゃ脂肪肝」というのが我々の合い言葉で、太った猫がストレス状況下で食べられないと「肝リピドーシス」という怖い状況に陥ってしまいます。太り気味はぽっちゃりしていて可愛いのですが、太りすぎは危険信号です。

もう一点。「屋外散歩自由、排泄は外の畑」という猫、屋内の猫トイレでも排泄ができるようにしておきたいです。日常でも排泄物のチェックができないと病気の発見が遅れるという欠点がありますが、緊急時では畑のトイレが利用できません。慣れない小さなトイレを使わなくてはいけない状況は猫にとってかなりストレスは高いです。猫トイレでも排泄ができるように慣らしておいて欲しいです。

そのほか健康管理としては、不妊手術です。いつもお伝えしている病気予防や困った行動予防の改善になりますが、災害時に別の意味で必要です。迷子になって、そのときに発情が来てしまい交配した場合、不安な状況下で赤ちゃんを産んで育てていかなくてはいけなくなります。未実施の場合は災害時のことも含めて考えてみてください。それから年に1回の混合ワクチンの接種は、感染予防を考え、通年のノミマダニ予防と同様に基本的な健康対策です。また公共の衛生のためにもなります。(ノミマダニは人にも感染します)個の健康を意識すると、年に1回(高齢では年に2回)の健康診断も欠かせません。平常時の健康データを持っていることは、万が一のときにも有力な助けになります。また早期発見と早期治療ができます。困ったときに病気発覚がして慌てても、必要な検査や薬が得られません。

なお健康記録はまとめて残しておき、それらと一緒に写真(スマホの画像ではなくプリントしてある物)も持って出ましょう。新しく書き込めるようにメモ帳やボールペンも忘れずに。

7.万が一のことまで含めたしつけや訓練

やっぱりいざというときに心強いのは動物のメンタルがしっかりしていること。「可愛い可愛い、お好きなように」では逆境に弱いお姫様に育ってしまいます。様々な環境に慣らしておくことはいざというときに役に立ちます。

特定のひとりの家族だけ家族なら誰でも家族以外の人にも、の順で人に慣れるようにしていきます。人慣れという意味では、犬よりも猫の方が深刻でしょう。子猫時代(猫の社会化期は生後8週から12週で、早期で短いのが特徴です)にいろいろな経験をすると人見知りがなくなります。成猫になってからのしつけは根気が必要ですが全くできないことは無いので諦めずに訓練していただきたいです。お友だちが来たときに、なるべく自然体で大声を上げず、(猫の場合はじっと目を見ることがないようにしながら)おやつを与えてもらいます。無理に「抱っこされてみなよ!」と強要するのは恐怖心を煽るだけですのでやめてください。

その後スキンシップのトレーニングです。どこを触っても怒らないようにしていきましょう。ハーネスとリードに慣れてもらう必要もあります。身体に合ったものを選んでください。

社会化訓練はよその人、他の犬や猫に遭っても攻撃的にもならず、びくびくしたりもしないような社会性を身につけることです。家庭内にお客さんがあまりいらっしゃらないご家庭では、社会化訓練は主に散歩で養うことになります。人気のない時間帯や場所を選んで出かけていても、徐々に犬友達ができそうな時間帯と場所に出かけるようにしてください。「引っ込み思案」「内弁慶」「散歩嫌い」で済ませないようにしてください。

キャリートレーニング(もちろんハンドリングトレーニングも含めて)は必須です。こちらについては詳しいことを以前にお話ししました。猫にはキャリーでなくても、形がしっかりとしているクッションカバーを普段から室内に置いておくと、中に入って遊べるかもしれません。網ネットの代用になります。クッションに入ったらジッパーを閉めてキャリーに入れます。クッションカバーの大きさは猫が入るくらいで十分です。広すぎても落ち着きません。クッションカバーでも、キャリーでも、日常的にリビングに置いといて、この中で遊んだりお昼寝したり、猫を空間に慣らしておくことが大切です。

小型犬のクレートトレーニングはどうしてもしておいて欲しいです。小さなお部屋に入れられてもギャンギャン鳴くことがないようにです。犬のストレス軽減のために必要なしつけです。

食事のしつけも大切です。「〇〇じゃないと食べない」のは困ります。「バランスの取れたドライフードをトッピングなしで誰からもらっても」食べられるようになっていて欲しいです。

しつけの完了は最終的には、家族に対する信頼を寄せる動物の行動です。犬も猫も、飼い主さんに絶対的な信頼を抱けるように、甘やかし専門で犬猫に媚びた飼い主さんにならないよう、強くたくましい飼い主さんでいてください。しっかりとしつけされた動物なら災害もうまく乗り越えられます。

8.一回荷物を背負ってみましょうか

リュックに荷物を積めて背負い、必要品を詰め込んだ大袋を左肩にかけて、柴犬を右手で持つ。とか、リュックに犬を入れて、左右の手に必需品を持つ。とか。リュックいっぱいに必要品を入れて背負い、ハードキャリーに体重オーバー気味の猫を入れて両手で持つ。とか。ちょっとシュミレーションしてみてください。動けるでしょうか。

あれもこれも集めている間は楽しかったのですが、いざ背負ってみるとがっくりでした。背負えない!動けない!(←実はスタッフみんな驚愕でした。)

避難警報が出る前ならゆっくりと見直すことができます。再度チェックしてみてください。


大型の台風が去って行きましたが、9月は台風シーズンで、この先も天候不順な日が続きそうです。今一度災害時の心得を見直しておき、いざというときの準備をしてみませんか。




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犬と猫の災害避難

 防災月間です。

いざというときに慌てないために、今できること、今しておくといいことをお話しします。

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1.大きな揺れから犬猫を守ることを考えて

ごく基本のことですが、自宅の防災設計は重要です。タンスが倒れないようにする、キャットタワーの安定性を考え天井に止めを付ける、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るというようなことです。また、屋外もチェックしてください。リードに繋がれた犬が倒れた塀の下敷きにならないように、また割れたガラス窓が飛び散って怪我をしないように、繋ぐ位置も確認して屋外犬舎を置いてください。

丈夫な木箱など、身を隠すことができるような安全箱が日常の寝床になっていると安心です。

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2.迷子にさせないように

大きな揺れに驚いてパニックになった犬や猫が家から飛び出してしまう可能性があります。外出先でトラブルが発生して帰って来られなくなることも考えて、外出自由の猫には、迷子札のついた首輪を普段から付けておきましょう。屋外飼育の犬も迷子札必須です。それから首輪がゆるくてとっさの力で外れてしまわないかどうかも確認してください。

身元を示す迷子札はついていると安心ですが、迷子になってもなんとかなるようにというのであれば、なんといってもマイクロチップの挿入が一番です。首輪を付ける習慣がない、首輪を付けると嫌がって外してしまうという小型室内犬や猫も多いです。猫では付けていても首輪自体がセイフティーバックルで、引っかかると外れる安全設計ですから迷子札も役に立たない可能性もあります。マイクロチップの挿入こそ日頃考えておいて欲しいことです。

ご近所づきあいは大切です。姿が見えなくなったとき、「〇〇の方で見かけたけど、お宅の猫ちゃんじゃないの?」って教えてもらって現場に行って発見、とおっしゃる飼い主さん結構います。普段から良好な関係があると、地域情報も得られます。

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3.
キャリーバッグで避難します

ハードキャリーは前扉と蓋と開くので手強い猫ちゃんの診察用キャリーに一番おすすめであることは以前からお話ししています。重いのが難点ですが、非常に丈夫で、身体に対して小さめのものなら動物に安心感を与えられるし、大きめのものはそのままハウスとして利用できるので、小型犬と猫には絶対に用意しておいてもらいたい品です。避難するとき、猫はキャリーに入れる前に洗濯用網ネット(目が粗くて撚った糸が太めのものがおすすめです)に潜り込ませ、二重にします。猫はネットに包まれている方が安心できます。

布製のスリング(抱っこタイプ)やリュック(背負うタイプ)は両手が空くのが利点です。カートやバギーは複数の犬を同時に運べますが、道が割れたりしていると不安定で危険なため、災害時には不向きかもしれません。

キャリーに入れられない中型から大型の犬は胴輪(または首輪)とリードで移動になりますが、リードは革製または布製の伸び縮みしないものを使ってください。サイズを確認し、ゆるすぎないように調整し、リードがほどけやすい状態になっていないかも確認しておいてください。がれきの側を歩かなくてはならないことを想定すると、底がゴム製のしっかりした靴を用意しておくと安心です。普段から履かせ慣らしておく必要はあります。

布製の折りたたみ式ケージは余裕があれば車内に潜ませておくと便利です。軽いので、やや広めのものを選んでもらうと、猫トイレも入れられ簡易ハウスができあがりです。現状、同行避難が原則として認められていますが、まだ同伴避難になっておらず、猫の安心のためには車内泊が想定されます。犬はリードで散歩ができますが、猫の場合はずっとハードキャリーのまま過ごすのは窮屈です。

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4.
薬、フード、水、おやつと、トイレ関連用品

持って行かないといけない物、第一選択品リストです。

なんと言っても命に関わるものですから、まずは薬です。明日で薬が終わるところだった!ということがないように、普段から手持ちは多い方が安心です。(なくなるちょっと前には再診にいらしてください。)また処方食は食事だけれど、栄養学的な側面から飼い主さんが積極的に関わることができる治療薬の扱いであることを忘れないでください。うちの子のための特別食は避難所から供給されませんので、必ず持ち出しましょう。

いつものドライフードのほかに、お気に入りの食事(ストレス下でも食べられるかもしれない!)、大好物の缶詰フード(こういうときのために滅多にあげてはいけません!)、おやつも持って行きます。「腹が減れば喰うだろう」ではいけません。犬も猫もストレスがいっぱいです。食欲不振の状況下でも「これなら食べれるかも」と犬猫が思ってくれるような食事も必ず入れます。

そして水。人の分は配られても、犬や猫の分までは配給されません。ペットの水はご自身で確保して置いてください。

さらにトイレ関連の消耗品を支度します。ペットシーツや猫砂、新聞紙や片付けに必要なビニール袋も多めに用意しましょう。車内泊になれば狭い空間で匂いが上がってきます。すぐにゴミが出せないかもしれませんから二重に縛りニオイ避けになるよう、たくさん用意する必要があります。食器とトイレは小ぶりのものを準備できていると都合がいいです。もしマーキングくせのあるオス犬ならば、マナーベルトもしっかり持ちましょう。

犬や猫の周りのことはすべてやってあげないといけません。待っていれば届くという期待はできません。そうでなくても非日常の生活になるので、日常のものがなくては不安メーターが上昇するばかりです。消耗品は最低3日分、ゆとりがあれば7日分を目安にしたらどうかしら、とお伝えしています。

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5.
できればこれも

もし、以前にもらったことがある分離不安症(や雷恐怖症など)の薬やサプリメントが残っていれば、これは絶対に携帯して避難してください。ストレスで落ち着かないとき、不安な気持ちを和らげる効果があります。

匂いのついたバスタオルか毛布も安心の源です。大きければキャリーの上からかぶせることができて、視界を遮ることができてさらに良好。小さめのふわふわはキャリーの中に入れてあげましょう。

猫のためのハーネスとリードは、もし預けなければいけない場合に重宝します。(ふだんから慣らしておく必要はあります。)

おもちゃが犬にも猫にも必要になります。クリッカーや笛などを訓練で使っているものがあればそれらも持ち出し品に加えてください。

汚れたところを拭くのに貴重な飲み水は使えません。ウェットティシューが役に立つでしょう。軍手、チャック付き袋、粘着テープと油性ペンも便利品です。粘着テープを貼ったら、その上に名前の記入ができます。

続きは次週に。

先週読んだ小説の中で、先天性の病気を持つ我が子に対してお父さんがコメントしている言葉がすごく印象的だったので紹介します。伊坂幸太郎の「太陽のシール」です。
「敵チームにはじめから5点献上して試合が始まったようなもんだよ。しかもゴールキーパーはなし。リキはさ、そういう圧倒的に不利な試合条件で生きているんだ」
まだ幼少なのに病気が見つかってしまうことがあります。条件の悪い試合運びになってしまうでしょうが、私たちはそばにいて、負け試合だって懸命に闘う彼らを応援してやりたいと思います。


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コロナウイルスで厳戒態勢が敷かれた場合の犬の世話

 コロナウイルスで厳戒態勢が敷かれたときの犬の世話

今、社会で感染症に弱いと考えられている人たちを保護するには、私たちみんながコロナウイルスの蔓延を減らすように協力することが重要です。社会的接触を減らすことはコミュニケーションがなくなることになるので、人としての性質に反しますが、あなたに替わってかわいい「うちの子」を飼育してくれる人はいないし、自己防衛に努力するしかありません。

今週末、都下でも「Stay home」の要請が出ていますが、こうしたことがさらに続くことを想定したお話しです。いつもの倍くらい長い内容ですが、臨時で掲載することにします。
1.手洗いをおねがいします
2.犬の散歩
3.準備して欲しいこと
4.薬に注意
5.自宅待機について
6.屋内生活、ことに遊びについて

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1,まずは手洗いをお願いします

現在、犬がCOVID-19の影響を受けるという証拠も、犬がコロナウイルスに感染したときにそれがヒトに伝染する可能性もありません。それでも衛生習慣を維持するようお願いします。屋外から帰ってきたときはもちろんですが、犬の世話をしたとき、犬に触ったとき、犬のおもちゃや寝具に触れたときにも、石鹸とお湯で手をよく洗ってください。また、彼らがあなたの顔をなめたり、キスしたり、食べ物を彼らと共有したりするのは避けてください。この衛生習慣はきっとあなたを守ってくれます。

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2,犬の散歩に関して

·  あなたもあなたの家族もコロナウイルスの兆候を示していないとき:

通常どおり犬を散歩に連れて行くことができます。社会的距離を意識し、(他の人から2mまたは3歩程度離れて)散歩するようにしてください。混雑した場所を避けて散歩してください。

·  あなた自身が危険にさらされているとき:

もし、持病を持っている等で、コロナウイルスで深刻な病気にかかる危険性が高く家を離れたくない場合は、家族の誰か、または友人や隣人に散歩を依頼してください。犬の精神的、肉体的な健康を維持するのに毎日の散歩は重要です。ペットシッターさんに犬の散歩をお願いすることもできます。

·  あなたまたは家族が検疫されているとき:

コロナウイルスの兆候(持続性の咳や高温など)を示しているために家で休養をとっている(そのように指示を受けている場合も含めて)場合は、犬を散歩に連れ出さないでください。屋内かまたは自宅の庭だけで運動させます。あなたの症状が現れてから14日間です。自分自身や他の人を安全に保つために散歩には出かけないでください。どうしても屋外でなければトイレができないという場合でも、庭に出すだけに留めてください。この場合は定時的に屋外に出られるようにしてあげてください。

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3,準備を整えて

万が一、14日間の自宅検疫を受ける(もしくは入院する?!)ことになっても慌てないように、準備を整えてください。

ドッグフード・キャットフード

いつも通りにフードを与えるわけですが、事前に計画を立てておいてください。ある時点で検疫が必要になり、家を出ることができなくなる可能性がありますので、2週間分の犬の世話をするのに十分なドッグフードがあることを確認してください。不足している場合、友人や家族が替わって購入してくれることもできますが、その手間をかけさせないように対策をとっておくことが最善ですから、いつもより多めのストックを用意しておいてください。

常に食べているドッグフードが手に入らない場合は、新しいフードを用意してください。少量の新しいフードと古いフードを混ぜてゆっくりと変更します。完全に交換されるまで1週間くらいかけてください。完全になくなってから別のフードにいきなり切り替えることがないように準備してください。犬も(猫も)食事を早く変更すると、下痢を引き起こす可能性があります。

動物病院への訪問

犬(や猫)が獣医療ケアを必要としているときは、自宅から動物病院に電話してみてください。通常のサービスを提供しているかどうかの確認です。さらに待っている飼い主さんの健康に役立つプラン(待合室で他の飼い主さんと一緒にならないように駐車場にいて順番が来たら案内をするとか)を立てているかもしれません。動物病院のスタッフが提供できるサービスについてお伝えします。

緊急事態が発生し、あなたまたはあなたの家族がコロナウイルスの兆候を示したために自宅検疫された場合は特に、動物病院に電話してアドバイスを求めてください。

いつもの薬を服用しているけれど動物病院に来院できない場合も、電話して対策を求めてください。他の誰かがあなたの代わりに薬や処方食などを取りに来てくださるように手配できる場合があります。

とにかく、動けないときは電話という手段があります。誰かに助けを求めると解決策が得られることを忘れないでください。

頼れる人と犬の健康メモ

自宅待機以上のこと、最悪は出先でそのまま緊急入院になってしまうことになるでしょうが、そのようなことも想定しておいてください。もしひとり住まいで他の家族が犬の世話をしてくれることがないというような場合に備えて、あなたの代わりに犬(や猫)の世話をしてくれる人を特定しておいてください。彼(または彼女)に日常の食事や健康管理のいろいろを文書にして渡します。

健康に関係する食事等のお願いメモは、フードと処方薬、サプリメントや健康手帳(またはワクチン接種履歴など)と一緒に「愛犬用の手提げ袋」などにひとまとめにしておきましょう。困ったときに相談する動物病院も明記しておきます。

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4,少々の細かいことがら

他の人の犬をなでない

私たちは他の人に近づきすぎないように、3つの「密」(密集・密閉・密接)を避けるように指示されています。およその犬をなでるのも接触です。これを避けるのも良い考えだと思います。

薬物中毒

犬が中毒で動物病院に連れてこられる理由の1つに、「人の薬を誤って食べてしまうこと」があります。コロナウイルスの影響を懸念しているため、または処方を受けているために「人医薬」が犬の周りにある可能性が高くなってきます。薬は犬の手の届かないところに保管してください。気分が悪くて錠剤を服用する場合は、犬に見られない場所で服用してください。犬にはそれが薬ではなく、あなただけが食べているおやつのように見えるので、人がいないときにアクセスできる場所に薬があれば、こっそり食べてみたくなってしまうのです。食器棚など、犬の手が届かないところに薬を置くようにしてください。

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5,自宅検疫中の犬との生活

あなたまたは家族がコロナウイルスの兆候を示し感染が疑われる場合(自宅検疫になる前も、なってからはもちろん)は、ずっと屋内にいなければいけません。犬を散歩に連れて行くのもいけません。これは犬にとっても楽しいことではありませんが、ウイルスの拡散を減らすために不可欠なことです。
高熱のために体調が優れなければ自然に静かにしているでしょうが、軽症の場合は家にばかり閉じ込められているのはイライラするかもしれません。けれど一時的なものです。
コロナウイルスの兆候が疑われる場合は、ペッとの接触も最小限に抑えるようにしてください。できれば、気分が悪い間は家族に犬の世話を頼んでください。犬に餌をやったり、触れたり、おもちゃや寝具に触れたりする前後に、石鹸とお湯で手をよく洗ってください。また、彼らがあなたの顔をなめたり、キスしたり、食べ物を彼らと共有したりするのは絶対に避けてください。これはコロナウイルス感染が疑われない場合でも、同様です。

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6,検疫中の犬の遊び

退屈した犬は、問題行動の兆候を示すことがあります。彼らを楽しませるために、通常の運動を自宅の中で、または庭先での活動に置き換えることが重要です。

規則正しい生活

自宅待機中は、あなたにもあなたの犬にも規則正しい生活を送ることを心がけてください。可能であれば、毎日ほぼ同じ時間に起きて寝るようにし、食事と遊びの時間もきっちり確保してください。犬が休む時間も作ってください。

フードパズル

フードパズルを使用して、犬の食事時間を楽しいものにしてあげてください。「ノーズワークマット」はフードを置く布製のマットで、複雑に作られた布のひだの間にフードを隠すことができます。嗅覚を刺激し、犬が遊びながら食事を楽しむことができます。コロコロ転がして遊ぶ「おやつボール」は、穴の空いたおもちゃの中にフードを入れて、犬がおもちゃを転がすと中からフードが出てくるおもちゃです。硬質のゴムでできているのもやプラスチック製のものがあります。犬の特性を考えて、噛みちぎって食べてしまうとか壊してしまうことがないものを選んでください。持っていない場合は、ネットで注文することができます。「知育玩具」で調べてみてください。他にもいろいろ出てきます。

・おうち遊びの例

たいていの犬は遊ぶのが大好きです。屋内でいろいろな遊びをしてあげると満足できます。

綱引きゲームで使うのはしっかりと結ばれたロープが主体になりますが、歯みがきを兼ねた織のおもちゃ(時々中にピューピュー音が出るように仕掛けがしてある)を使うこともできます。

ボール遊びも、投げて持ってくる「持って来い」遊びが完了したら、小ぶりのバケツ(おもちゃを片付ける容器なら何でも)を用意し、その中に入れる「ポイ!」を次の課題にします。命令がいつも新しい刺激に満ちているように、ゲームをステップアップさせることを考えてください。

おもちゃ、クッション、毛布、タオルなど、思いつくものを使って家の中に障害物コースを作るのも楽しいかもしれません。バスタオルを丸めたもの、くしゃくしゃにした毛布、クッションを縫い合わせて作ったタワーも障害物になります。ジャンプしたり、足場の悪いところを歩いたり、何かの下を潜らせたり、いろいろと想像力を駆使し、時間をかけて犬にコースの実行方法を教えましょう。筋力アップにもなります。一部関節の良くない犬もいますので注意してください。

広いベランダがあると、犬は泡を追いかけるのが大好きなので、シャボン玉遊びも楽しめます。

新しいコマンドを教えるのにも十分な時間が取れそうです。おやつを使って、「座れ」「待て」「伏せ」以外のこと、例えば「ごろん」とかを覚えさせると楽しいです。You Tubeには犬の訓練に向いた動画がたくさんあります。

家の中で犬と遊ぶ場合は、怪我をしないように滑りすぎる床や走った先の障害物などに注意してください。犬が無理をしていないことを確認し、適当に休憩を取り、常に新鮮な水が飲めるようにしておいてください。

おもちゃがたくさんある場合は、数種類だけを選び、数日したら、別のものに交換する、いわゆるローテーションを組むと飽きが来ず、おもちゃをいつも新鮮で刺激的なものにすることができます。

外を眺める

カーテンを開いたままにして、窓ぎわにクッションや椅子を置いて、外を見えるようにすると退屈しのぎになります。または、時々あなたのPCを犬用に貸してあげて、犬用動画をみせてあげてください。
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 長くなりました。

まとめです

  • あなたは愛犬や愛猫のためにもかけがえのない人です。あなた自身が感染しないよう十分気をつけてください。
  • コロナウイルスが原因で自宅検疫を指示されない限り、犬を散歩させることはできます。
  • 準備して欲しいものがあります。ドッグフード、薬、サプリメントなどを最低2週間分と、健康に関する資料やいつもの世話の内容を書いたメモを用意してください。万が一犬の世話ができなくなった場合に、世話をしてくれる誰かを決めて、あらかじめ頼んでおいてください。
  • 人医薬を犬が誤飲しないように気をつけてください。
  • あなたが自宅待機に入った場合、犬もあなたと一緒に家に居るようにしてください。散歩はできませんが、犬を楽しませ、退屈させないようにするためにできることはたくさんあります。

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急な災害に備える

 今回の熊本県で発生した大きな地震に対して、ほんとに心が痛みます。普通に日常を送らせていただいていますが、ちょっと心苦しいです。今、わたしに何ができるのかしらと思いますと、「来るぞ来るぞ」と言われています東南海地震、三河地方はそのままどっかりど真ん中ですし、ここは「もしもの時、犬や猫のために何を備えておいたらよいのか」を確認しお伝えすることを思いつきました。


東日本大震災から5年が経過しました。大きな災害があったとき、当初は「動物たちは二の次、人間が大事なんだから」という世間の冷たい目があったことは事実です。でも、愛犬家、愛猫家の皆さんは、一緒に避難できなかったり、行方が分からなくなったりして離れ離れになった動物たちを思うつらい気持ちを共有してくださいました。悲しい中にも嬉しい思いがありました。そんな経過もあり、今は「一緒に避難する」のが第一原則として認められています。

環境省の出している「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」をダウンロードしたものを受付脇にファイルし提示しました。お時間があるときにお手に取って開いていただけると、よいかと思います。
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こんなかんじです。


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中のページ。挿絵が大きくわかりやすいです。
 
 


さらに、待合室一番奥になりますが、非常持ち出し品を並べました。視覚で訴える実物はより印象が深く、目の奥に残るかな、と思ったからです。

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ざっと並べてみました。
 

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猫のためのトイレや砂は大荷物の一つです。
タオルやいつも使っているクッション、おもちゃとついつい手が伸びてしまいました。
ペットシーツは必需品、新聞紙やビニール袋、ガムテープは排泄物の始末に役立つはずです。
リードは忘れずに持って出たいものの一つです。




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水はたくさんあった方が安心です。犬や猫の分まで供給があるかどうかわかりません。
ペットフードも食べなれたものを好むはずです。
これにおやつが必要になることがあるかもしれません。
キャリーには名札を。裏には家人の名刺を入れました。写真入りです。
動物の健康に関する情報や個体識別のための番号の控えも必要になるでしょう。
食器も入れました。



さて、実際に非常持ち出し品を集めるのにどのくらいかかったかといいますと、実は結構かかってしまいました。
頭ではわかっているつもりなのに、
「これは?」
「うーん、こっちのが?」
「あ、これじゃだめだわ」
とあたふたして思うように集められませんでした。
これは実際だったらどうだったでしょうか。余震が続いている状況下で、もしも停電している夜だったら?部屋で自由になっている犬や猫が揺れのストレスでどこかに隠れてしまっていたら?考えるととても無理なことが分かりました。

さらに、意外と大荷物です。旅行かばんに入るでしょうか?片手に犬か猫が入ったキャリー、もう片方の肩には多分自分たちの最小限の荷物を詰めたかばんがあるかもしれない。そうすると大きめのリュックが欲しいところです。

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新潟県獣医師会が出しているポスター。優れものです。
 

もう一つ困ったぞ、と思ったのはストレスに弱い猫さんのことです。犬はリードでつないでキャリーから出せますが、猫はこんなストレスのかかることは無理です。ある程度の期間が予想されるとしたら、サイズは小さめでもトイレが入れられる大きさの組み立て式のゲージが欲しいです。キャリーのほかにもう一つこれを準備できるでしょうか。またこれを運ぶことができるのでしょうか。徒歩避難では難しそうです。もし車で移動することが許されるのであれば、車内に乗せることができるのかもしれません。

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各ご家庭で、それぞれの持ち出し品リストを作っておくと慌てないかもしれません。
 

そんなわけで、防災の日に地域単位で防災訓練は行われていますが、さらにそのプレ予行として、犬や猫の持ち出し品の準備を一度実行してみてはいかがでしょうか。



末筆ながら、被災者のみなさまが一日も早く、元通りの生活ができますことをお祈り申し上げます。

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災害時に備える

今回の震災は大変なものでした。
動物たちにかかわる災害時の備えについてまとめておきました。


1、ふだんからキャリーやクレート(ケージ)に入れることに慣らしておく。

 いざというときに素手で抱っこしていくわけにはいきません。避難所には動物を自由にさせておくエリアはありません。動物嫌いな方ともご一緒することになります。「来い」ですぐに来て「ハウス」でキャリーに素直に入ってくれるようにしつけておくと素早い行動ができます。また避難所の動物預かり施設も1頭ずつケージに入れることになります。嫌がって鳴いたり、ケージを噛み付いたりすると危険です。普段から慣らしておけばストレスも少ないでしょう。

2、偏食にせずドライペットフードだけで食べられるようにしつけておく。

 病気で食べられないのは別として健康な動物ならば、避難所生活が長引けば持ち出した常食もそこをついてしまいます。そのときに分けてもらえるのはみんなと一緒の一般的なドライフードです。あまりの偏食のためにこれを食べないとすると生きていくことができません。震災で生き残ったのに餓死してしまうのはなんとも残念なことです。

3、リード、カラー、買い置きフード、いつものお薬はまとめてキャリーのそばにおいておく。

 わかりやすいところにまとめておいて置けば、あわてずに忘れ物しないで持ち出すことができるでしょう。また家人のうち、常に世話をしている人だけでなく、家族全員がペット用持ち出し袋を確認できていると、避難所へ着いてから「用意しておいたのに持って来なかった」というトラブルを防ぐことができるでしょう。

4、定期的な予防接種(狂犬病予防、混合ワクチン)をうけておく。

動物を集団で預かる場合、もっとも怖いのは伝染病の発生です。そのため避難所の預かり施設ではワクチンや狂犬病等の予防接種を受けていないと預かってもらえないと考えてください。もちろん接種証明書も必要です。
5、できれば3日分の水と5日分のペットフードを用意しておく。
 はじめのうちは人用にも飲み水が不足するかもしれません。また配られる飲料が水ではないかもしれません。私たちは水分補給のために何でも飲むことができますが、動物にはできません。また動物用に水を確保することも難しいかもしれません。物資の供給がうまくいくまでの間の水を確保してやれると安心です。また動物用の避難所が開設されるまで時間がかかるだろうと思われます。そこまでの食料も各個人が確保しておかなければならないでしょう。


非常時用持ち出し品についてはこちら。
1、ペットの写真 

できれば家族と一緒に撮ったものが数枚あると良いでしょう。
2、ペットの情報を細かく記した手帳

飼育環境、食事、お散歩、好き嫌い、

ワクチン歴、病歴、現在の病気と投薬の内容、かかりつけの動物病院、

飼い主の情報・写真…などについて細かく記載されていると安心です。

いっしょに鑑札や狂犬病予防接種済票、接種証明書、ワクチン接種証明書なども入れておくといいでしょう。
3、常備薬・療法食 

いっしょに病歴を書いたメモなどを入れておけば預けるときにもスムーズです。
4、その他の日常品

もし余裕があれば食器、敷物、ビニール袋、ごみ袋、ペットシーツ、トイレ砂、新聞紙など。

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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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