インターベリーαさらにその後

 インターベリーα3回目。さらにその後のご報告。

 

インターベリーを使って、なんとか口腔衛生ができないものだろうかと、引き続き頑張っておりました。

最初のブログ
http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-835.html
で商品について紹介しました。ただ、適応になっているのは生後6か月齢から12か月齢のいわば幼犬。これじゃ使い道がないではないか、ということで
2回目のブログ
http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-857.html
で、一番使ってみたい歯磨きをしない高齢期の犬で試したらどうなったかをご報告しました。結果は、ちょっと無謀すぎでした。そのような経過で、今回は、中高齢の犬の歯周病を一度完全にリセットしてから使ってみて、その結果どうだったかをご報告します。

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<麻酔しないでキレイに処置してから始めました>

今回、ご紹介するわんこたちは年齢も歯石の付き方もそれぞれ、まちまちでした。ですが一つだけ共通すること。性格がおとなしくて、お口をずっと開けていられて、何をしても怒らないわんこたちでした。だから普通だとできない歯の裏側(内側ともいいますね)まで、麻酔なんかかけないのに、麻酔かけたのには劣ります(そりゃぁ、全く同じってのは無理ってもんです。)が、それなりに驚くほどの美しさを取り戻すことができました。

そして、歯周病菌が身体を巡って悪さをするといけないので、処置後2週間ほど抗菌薬を内服してもらいました。そしてさらにその後、インターベリーαを能書に従って、1週間に2回、5週ほど継続してやってもらいました。

 

麻酔もかけずに歯科処置をすると、歯科専門の、または歯科を得意とする獣医先生諸氏から「そんなことするやつがいるからだめなんだ!」という怒り爆発、お叱りの言葉の嵐をザブザブかぶります。ですが今回はあえて内緒にしておきたいそこのところをお知らせしてしまいましたが、そんな処置から始めて、このインターベリーはどのくらいの仕事をしてくれるのだろうか、というその結果を見てみたかったわけです。もちろん顎の骨が折れそうなほどぐずぐずになっているような「重症」のわんこは、麻酔での無痛歯科処置をさせていただいています。

 

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<結果は写真でどうぞ>

処置前のお口の写真はどれもためらわれますから、あげません。ですが、年齢が 歳、推して知るべしの様相でした。

どのわんこの飼い主さんも、「歯ブラシを使って毎日磨くのは無理だけど、週に2回、指で1~2回歯茎をこするくらいのことはできますよ」といって治療に参加してくださいました。そこそこたくさんの方たちにご協力いただいています。

歯科処置から数ヶ月経過して、まだ投与期間中の歯を載せています。無処置ですと、同じ期間経過したときに、このような状態を維持できていることはあまりありません。2週間で歯が黄ばんでくるのが普通です。

というわけで、以下、わんこたちです。いや、わんこたちの歯です。

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 クルル2

ビッケ左


ビッケ右 

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 ?3

 ロッキー 


<結果は予想以上>

1回歯科処置をして、その後のケアができていないと、数週から数ヶ月経過した頃には、「まぁ、こんなもんだよなぁ」という「せっかくあのときキレイにしたんだけどなぁ」という残念な結果になっていることが多いのですが、なんと、ほとんどのわんこは、というか、ほぼ全頭のわんこで、処置直後と同じくらいの健康的な歯肉が保たれていました。驚きでした。次のわんこも、その次のわんこも同じだったので、これはなかなか良いではないか、ということでご紹介することにしたんですけれどね。

アフターばっかりでビフォーの写真がないと信じられん、という方は、まぁしょうがないですが。

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<ここまでのまとめ>

せっかくお金をかけて歯科処置したのですから、その後はなんとかおうちでもケアしましょう。これまでは歯が痛くて触らせなかった、ということもあるでしょうが、歯科処置をすると、痛みがなくなり、違和感が消えることから、おうちケアをさせてくれるようになることがあります。これまではできなかったケアができるかもしれませんから、がんばって再チャレンジしてみてください。

そのときのおうち歯科ケアは、もちろん毎日の歯ブラシかけが一番いい方法ですが、異物を口に入れられるのが嫌いなわんこにも、飼い主さんの指、それも甘い薬のついた指であれば喜んで受け入れてくれることも多いです。

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<課題は>

インターベリーα投与が済んで、10か月は何もしないで大丈夫、というのが能書ですが、本当に10か月間も何もしないで口腔内の衛生は保たれるのでしょうか、ちょっと心配です。投与中の歯と歯肉がきれいなだけに、そして、せっかく指を入れても大丈夫、という習慣がついただけに、このまま放置するのはもったいない気がします。

それで投与期間が過ぎても、まだ時間的な余裕があるようでしたら、継続して歯科ケアをお願いします。本当のところ、どうなのでしょう。サボっても大丈夫なのでしょうか。試してみたい気もしますが、大事なのはわんこの口腔健康。私の興味なんかじゃありませんよね。

 

ちょっと間が開きましたが、今日はインターベリーαのその後についてご報告しました。

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インターベリーαその後

 歯科ケアのおはなし、再びです。

 

遅くなりましたが、今日は1ヶ月間インターベリーαを使ってみてのご報告をします。

このお薬の特性については前にお話ししました。

適応は、若い犬で、そこそこ歯がきれいな、いえ、歯周にあまり問題の無い犬が対象になっています。けれど、歯周病を何とかする薬を欲しているのは歯周に問題が発生している中高齢の犬でしょう。歯肉炎のグレードが結構高くなっている犬でなんとかならないか、救世主になってはくれないのか、というところが飼い主さんの本音かもしれません。

そこで、かなり無謀な挑戦かもしれませんが、適応外にあたる犬で試してみましたので、報告しますね。

<試みの方法>

インターベリーαそのものの効果を知りたかったので、いくつかの決まりごとを作りました。

今回の調査の間はインターベリーαを週に2回歯茎に塗るだけで、ほかの歯と歯茎の健康のためのことは何も行わないことにしました。チューも与えませんでした。t/dも中止してみました。もちろん歯磨きも、口腔洗浄も行いませんでした。普通のドライフードを与え、食べさせっぱなしにしたわけです。歯のお手入れができないわんこに良くあるパターン、そのものをしてみたことになります。

試してみたのは10歳を過ぎた高齢の小型犬4頭です。3頭は歯周病のグレードが3で、残る1頭は歯周病のグレードが2でした。グレード2の犬は日常t/dを食べていましたが一般の小粒食にしました。

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こんな感じで塗りつけます。

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別段嫌がる様子は見られません。


 <与えている時のかんじ>

はじめは口を開けることにこわばりがあった犬も、次第に抵抗なく塗布させるようになりました。口の中に指を入れても怒らず、普通に塗らせてくれました。甘いみたいで、投与中に何度もぺろりん、ぺろりん、と舌舐めずりしていました。

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処置が終わるとぺろりん、舐めまわします。
 

 

1カ月が終わって>

グレード3の犬たちには、ほとんど変化はありませんでした。

グレード2の犬は歯肉にやや赤みが差している感じがしました。少々炎症があるようにも見えました。

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投与前、左側の門歯と犬歯です。

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投与前、左側の臼歯です。

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投与前、右側の犬歯と臼歯。

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投与後の左側。

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投与後の右側。

  

 <結果から考えられたこと>

やはり歯科ケアは「1日にしてならず」です。「週2回の手間で高齢犬の歯肉をきれいに保たせよう。そのあとの10か月は何もしないで済ませられたら素晴らしい。」というのは虫が良すぎるお話でした。

すでに歯周炎がひどくなっている場合はインターベリーαをにわかに付け焼刃のように使用しても十分な効果は得られないようです。

 

ではインターベリーαは高齢の犬にとって全く無意味であったか、といいますと、これは別の意味で効果がありました。インターベリーαが甘くてお気に入りになった様子で、口の中に指を入れることに抵抗を示さなくなったのでした。「お母さんの指=甘いもの=いいこと」という印象付けになったのです。歯磨きに向けての第一歩は口の中に指を入れても噛みつかないことですから、歯磨きのきっかけに成功したと言えるでしょう。 

<もうひとつの発見>

もうひとつの発見です。t/dはすごくいいフードだと再確認しました。t/dを食べていた犬は、ほぼ同年齢の他の犬に比べ、歯ぐきの状態がなかなか良いです。t/d以外の歯または歯肉の健康のための商品を使ったことはなくても、歯と歯茎の健康を心配して来院されるたいていの犬に比べ格段に若々しい歯肉をしています。そして、インターベリーαのようなお薬によらなくても十分きれいな歯と歯肉を維持することができていました。これは続けるべきです。それから、もし麻酔によって歯科スケーリングが済み、投薬等により元の歯肉の健康を取り戻すことに成功したのであれば、この後そのままの状態維持のために処方食t/dに変更した方がいいと思います。

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<歯と歯茎のケア>

さて、歯科スケーリングを行っても歯磨きの習慣がなければ歯垢が付くし、付いた歯垢はやがて石灰化してすぐに硬い歯石に発展していきます。もちろん一番良いのは日々のブラシングですし、歯磨きができないまでも、少しずつ指に巻きつけたガーゼなどでこすることができればそれも良いかもしれません。

ただ、すでに歯肉の状態が悪くなり、痛みのためかどうしてもおうちでの口腔ケアをさせてくれない犬、しようと思うけれど興奮してしまい心臓が悪いとかで咳き込んでしまう犬の場合など、高齢の犬におうちで歯磨きを実施するのはとても困難な犬が多いのも事実です。それでその他に何か方法はないだろうか、というのが課題になってきます。

<こんな方法は?>

「ラクトフェリン」は人でその効果が認められています。歯肉の健康のほか、ダイエット系の効果も知られていて、人気があります。動物用には「森乳サンワールド」から「ラクトフェリDX」の名で出ています。使い方はインターベリーαに似ています。少量の微温湯で溶いて歯茎に塗ります。舐めさせる感じです。こちらは連日の投与で、休薬期間のない投与になります。写真はありませんが、歯石クリーニング後の歯肉の健康のために、(歯磨きをしなかったにもかかわらず)なかなかの状態を維持できていました。健康補助食品として考え経済的なことは無視でき、手間もかけられる飼い主さんにはとても良い方法だと思います。ただし中期の健康であって、長期にわたる歯肉の健康についてはこれだけでは不十分かと思われます。定期に歯科スケーリングをするのであれば良いかもしれません。

<さらに手間のかからない方法は?>

現在、歯科ケア外来で行っているのは、日常おうちでは何もしないけれど、病院に来た時に毎回歯磨きをする方法です。2週間ごとに来ていただいています。残念ながら、「小柄で多少暴れて怒ったりしても普通レベルの保定で口の中を触らせてくれる犬」に限られています。この方法ですと、食べカスが付いてきてもブラシで掻き取り、水で流すことができます。ここではこうされるものだ、という覚悟ができるせいか、徐々に慣れてくるようで、歯垢が歯石に変わる前に軽くスケーリングもできるので歯肉の状態は悪化しません。2週間ぐらいが限度のようで、これ以上間隔が開くとがっかりするくらい歯垢が付着してしまいます。犬の方の条件が付きますが、月に2回程度の頻度なら病院に連れて来る手間はなんとかなる、という飼い主さんには良いかもしれません。

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<素晴らしい例>

歯科ケアは手間がかかります。やはり若いころからの習慣づけが一番です。これまでの診察の中で最も感心したのはお子さんの教育を兼ねてお母さんが犬の歯磨きを行い、お子さんも同じ時間に自分の歯を磨くという習慣をとったものでした。犬の歯磨きを目的にすると、面倒になるとさぼります。しかし犬の歯磨きをうまく利用すると、別の目的を果たすことができます。この犬の場合は、その後お子さんが成長してからも彼が歯ブラシを片手にすると、自分も歯磨きをしてもらうものだという感覚で、いっしょに洗面所に行ってお座りして待つようになったそうです。

こんな風にできるのは理想ですね。 

<まとめです>

もし若い犬で、これから頑張る!という覚悟があれば、導入として甘いインターベリーα塗布から始め、指サック磨きから歯ブラシへ進めていくのが良いでしょう。

中高齢の犬だったら、一度スケーリングをし、これまでの歯と歯茎の状態を一度リセットしてから始めると効果的だと思います。

そしてそれにt/d食を組み合わせたら最強でしょう。

歯茎に問題があるときの補助としてラクトフェリは有効です。手間が掛けられる飼い主さんでしたら、こちらも歯茎の状態が安定するまでの補助に加えてもらうと良いと思います。

どの方法も飼い主さんに手間をかけさせるものです。手間無くしてきれいな歯と健康な歯茎を手に入れる方法はありませんが、最低限の維持はしておきたいかなという場合は、定期的に病院でブラシングするのも悪くはありません。

 

 

長くなりました。このへんでご報告をおわります。

続いてのご報告はまた次の機会に行います。

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インターベリーα

先週から歯科ケアについてお話を続けてきました。

これまでのお話のまとめです。

どうして歯科ケアが大切なのか。それは歯周病を予防するためです。歯周病になると疼痛のために食事がうまくとれなくなってしまうし、歯が植わっている顎の骨を溶かし骨折してしまうこともあるし、歯周病菌は身体のあちこちをめぐり肝臓や心臓など関係の無い臓器にも害を与えます。お口が臭い、というのは家族にとってのQOLが低いので口臭を理由にスケーリングを希望されることは多いですが、歯科スケーリングは歯周病の治療です。動物の健康のために必要な処置です。

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かれこれ数回にわたって歯科ケアについてお話してきて、何をこれ以上お話しすることがあるのか、というところですが、今日は犬の歯周病に効果がある新薬についてお話しようと思っています。

 

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<インターベリーα>

で、ご紹介するのは「インターベリーα」というお薬です。名称ですが「インター」は「インターフェロン」から、また「ベリー」は「ストロベリー」から来ています。遺伝子組み換え技術によって、イヌインターフェロンを苺に作らせたのだそうです。製薬工場ではなく、植物工場でつくられた医薬品、というのが面白いところですね。

歯周に塗布する外用薬です。といっても薄いピンク色の粉薬はイチゴの粉末ですから、甘いイチゴのお味の薬、愛犬も嫌がらずに受け入れてくれます。外用薬ですが、口腔内に塗るわけですから、この後、愛犬は舐め舐めして飲み混んで大丈夫なお薬です。

このインターフェロンを歯肉に塗りこむと、口腔内にある免疫担当細胞が活性化し免疫機能が高まります。その結果抗菌物質が誘導され、歯周病の起因菌が減少し、歯肉炎が軽減される仕組みです。また、インターフェロンは口腔内の神経細胞にも働きかけ、神経経路を経て、全身の免疫のバランスが改善されるというものです。

用法は週に2回、少量の水で練った粉末を指先につけて、上下左右の歯肉にマッサージするように塗りこみます。5週間(合計10回)連続して行います。この効果は約1年程度持続するということです。
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こんな感じにね

 

<適応となる犬>

これは良さそう。さっそくうちの犬にも試してみたい。と思われるかもしれません。

残念なことに、この薬の対応になっているのは、生後6カ月から12カ月齢で、歯肉炎指数が1以下の犬です。
歯肉炎指数(GIスコア)は歯と歯肉の境目(歯肉縁)の炎症レベルを数値化したもので次のようになっています。

 

スコア0 :歯肉縁に炎症が認められない。

スコア0.5:歯肉縁に軽度の炎症が認められる。

スコア1 :歯肉縁にはっきりとした炎症が認められる。

スコア2 :歯肉縁にはっきりとした炎症が認められ、かつプローブ等で押すと出血が認められる。

スコア3 :歯肉縁にはっきりとした炎症が認められ、かつ自然出血が認められる。

 

こうしてみると、今歯周病に困っている高齢の犬では利用できないということになってしまいました。案外適応が狭いのでがっかりです。

ただ、これ以外の犬への使用も獣医師の指示で可能です。

 現在、スコア2以上で高齢の犬、つまり一番使ってみたいと思われる犬を対象に試験使用を行っています。適応外になっているスコア2以上で高齢の犬に使用した場合、効果は得られないのかどうか、後日結果をお伝えしようと思います。

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<歯みがきと比べてどうでしょう?>

さて、もうひとつ、若齢ですでに軽く歯肉炎が始まっている犬の場合、歯みがきと比較してどんな利点があるのか、気になるところです。

まず、歯肉炎の予防にはならないので、歯肉炎が始まってから投与開始というのが根本的に歯みがきと違うところです。

ここで、メーカーが表示しているグラフを見てみましょう。
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塗布した群(赤いライン)では細菌数が減少しています。
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同様に歯肉の炎症も軽減しています。
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ピンク
帯のところが薬を与えた期間です。
薬を中止すると徐々に歯肉炎指数は上昇しますが、
薬を再開するとまた炎症が治まるのが分かります。

 

明らかに歯周病原細菌数は減少していますし、歯肉炎の軽減効果もあります。5週行い、再び歯肉炎指数が上がってきたときに使用すると、またスコアが軽減し歯肉炎の改善がみられているようです。

 

毎日の歯磨きがめんどうで、軽い歯肉炎になってしまった、というような場合、この時点での歯みがき再開で炎症は元に戻る可能性はあります。けれど5週間だけ、週に2日の歯肉ケア日に薬を投与し、次の50週はまたお休みし、というインターバルケアでも歯肉のコントロールができるのであれば、これは重宝かもしれません。毎日ではなく3~4日に1回というのは、ちょうど生ごみ収集の日と同じ曜日を選べば忘れることもないかもしれませんよね。毎日お口を触るからケアが習慣になる、という理論からすると、50週のお休みの間に触れなくなってしまうかもしれない、とするとがっかりですけれど。

決定的ないいところ。歯ブラシは嫌がるけれど指なら大丈夫、という犬にはとても良い方法です。

 

 

今日のお話はここまでです。

使用した結果はまた後日お伝えすることにします。 

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歯科衛生について

新しい年が始まり、早くも今日は鏡開きですね。

さて、病院待合室の掲示板、1月は歯科衛生についてです。

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飼い主さんが歯科スケーリングを希望される理由は口臭の問題です。もう、臭くていやだわ、というのが本音のようです。はたして歯科スケーリングはにおい取りの手段なのでしょうか?

デンタルケアにまつわる間違った認識はいくつかあります。

熱心に歯科ケアをされていらっしゃる方でも陥る間違いに、「ガーゼで歯を拭いているから大丈夫」というのがあります。実は歯周ポケットに菌が入り込んでいると一見きれいに見えても歯周病になっている場合があります。
逆のこともあります。すごくラフに「歯石は付いているけれども、普通に食べられて元気だから今は何もしなくて大丈夫」というものです。しかしこのまま放置しておくと歯周病は確実に進行していってしまいます。楽観的過ぎるのもよくありません。
「麻酔は心配だから麻酔をかけないでキレイにして欲しい」というのもよくあるご希望です。残念ながらおとなしくいろいろさせてくれるワンちゃんでも、麻酔を施さないと確実な治療はできません。
さらに「歯は抜かないで欲しい」というご希望もありますが、歯根が傷んだ歯の根治治療は抜歯になります。
「歯を抜いてしまうと食事ができなくなってしまう」というのは勘違いで、ぐらぐら揺れている歯を抜くと揺れに伴う痛みも解消されるので、食事が楽しくなるようです。歯がなくてもフードは食べられます。歯周病の痛みからの解放は抜歯なのです。
「歯磨きができない代わりに硬いガムやひづめを与えているから大丈夫」と考えているのも間違いで、あまりに硬いものを噛んでいると、歯を折ってしまうことがあります。また、ロープを噛ませている、という場合、歯垢は口腔内細菌の集合ですから、繊維の間で細菌が繁殖するなどして、とても不衛生です。

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おうちでの歯科ケアを今日にもはじめたくなったかもしれませんね。

まだ若くて歯垢の付いていない犬はすぐにでも始めていただいて結構ですが、すでに歯石がしっかり付いてしまっている犬の場合は、一度きれいにスケーリングしてから始めましょう。歯石の上からブラシングしても歯石を磨くだけになってしまいますから。

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さて、顔周りも触らせないし、歯ブラシなんか持ち出せば、怒って噛みついてくる、という犬の場合は、いくつかのステップを気長に進めていきます。歯周病があると歯ぐきの刺激で痛みを感じますから、手を顔に触れるだけでも嫌がるのです。なおさらスケーリングをして歯周病の治療をしてから予防を開始するべきです。


はじめは顔の周りを人の手が触れることに慣れさせてください。それから口周りをガーゼなどで拭くこと、口唇部を持ち上げて歯を露出させること、歯に触れること、ガーゼを巻きつけた指で歯をこすること、など順を追って進めていきます。これらができるようになってから歯ブラシの登場です。口唇部を持ち上げて、口の中を観察するだけでもはじめのステップとしては合格なのです。はじめから歯の裏、歯の間などの細かなところまでブラシングすることはできません。無理をせず、少しずつ、でも必ず毎日続けるようにしましょう。


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歯科衛生に関するプリントも置いてあります。
お手にとってご覧ください。


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歯科ケアグッズあります。
効果的な使い方などはお気軽にお尋ねください。


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バイオフィルムの効果

 先回、多種類の細菌が集合体としてスクラムを組んだバイオフィルムのことをお話ししました。歯周病を始め、難治性の膀胱炎、中耳炎、副鼻腔炎などにもバイオフィルムは関与しているといわれています。

バイオフィルムに囲まれた病原細菌に対する治療は困難なため、細菌制御はバイオフィルムを壊すことから始めなければうまくいきません。

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<バイオフィルムを壊すこと>

バイオフィルムを壊すには、スライムのようになっている構造そのものを壊していくことが必要です。細菌が共同体を形成しているうちは単独の抗菌剤療法で菌を除去するのが難しいので、ここを壊さなくてはいけないのです。それからこの構造の外層に存在している細胞を殺し、さらに内部(深部)の細菌を死滅させていきます。ばらばらになった細菌は抗生剤により攻撃を受けやすくなります。

 

歯科の領域でバイオフィルムが形成されてしまうと「おうちで歯科ケア」をしてもこのバイオフィルムを壊すことはできません。歯石や歯垢の完全な除去はバイオフィルムの構造を壊すことになります。マンション内で共同生活を送りつつ立てこもっている細菌に対しては、外部から抗菌剤という薬剤をホースで流しても効果が得られませんが、住処であるマンションを壊せば細菌は外に放り出されます。そして個別になって、抗生剤に感受性を出した細菌をアタックするというわけです。

 

 せっかく歯石を割り歯垢をきれいに取り除いても、このあとのバイオフィルムの形成を予防しなくては、また同じことを繰り返すことになります。歯垢が付かないように毎日のブラシングケアをするのが最良の方法ですが、苦手だったために付いてしまったのでこの後のケアも難しいのが実情でしょう。歯石を付きにくくする処方食、歯垢付着予防のためのデンタルペーストやデンタルガムも補助程度には使えるかもしれません。それでも歯磨きに勝るものなし、というのがこれまでの情報です。

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<バイオフィルムの構成を予防する物質>

バイオフィルムの形成を防ぐ方法として、14員環マクロライド系抗生物質が有効であるとされています。炎症を抑え、粘液の分泌を抑性し、バイオフィルムを破壊したり消失させたりすることができるそうです。ヒトではなかなか治りにくい蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治療の定番になってきていると伺いました。これは病院からの処方になります。

 

動物では尿路感染症予防のサプリメントとして知られているクランベリーエキスもこのバイオフィルム形成予防の考えに沿った物質のようです。尿を酸性化したり、プロアントシアニンによる体内での抗酸化作用が考えられています。残念ながら歯科での利用はされていません。

 

当院で口腔内ケアにおすすめしているサプリメントがあります。ラクトフェリンです。牛乳の成分であるウシラクトフェリンの局所投与が猫の難治性口内炎に効果があることがわかっており、これを臨床応用しています。ラクトフェリンもバイオフィルムに関与している物質です。

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<ラクトフェリンについてもうすこし>

ラクトフェリンはおもに乳汁中に含まれる鉄結合性糖たんぱく質です。微生物がバイオフィルムを作るのには鉄が必要ですが、ラクトフェリンはその鉄を奪い取ってしまうためにバイオフィルムが作られなくなります。マンション建設に必要な材料がなくなるので微生物の住処が作られず、細菌が露出し、抗生剤のアタックを受けやすくなるというわけです。

唾液中にも(涙や鼻汁にも)ラクトフェリンは含まれていて、局所免疫を高める作用があります。ラクトフェリンは口腔内で免疫グロブリンIgAとともに口腔内感染を防ぎ、歯周病菌のバイオフィルムを抑制する働きをしていると考えられています。ラクトフェリンの濃度が高いとこうした効果も高まるという研究結果もあります。

ラクトフェリンは猫の口内炎にもおすすめしているサプリメントです。猫さんの歯磨きは犬以上に難しく、歯肉の炎症から疼痛のために食事が進まなくなってしまうケースもみられます。口腔ケアのあとに抗生剤と併用してラクトフェリンを投与してもらうと効果的です。

 

 ラクトフェリンは人向けにもサプリメントとして開発されています。その効果は免疫調整作用、抗菌抗ウィルス作用、ビフィズス菌増殖作用、貧血に対する作用、抗炎症作用、脂質代謝改善作用などが知られています。脂質代謝改善効果をメインに押し出して、肥満解消作用を紹介しているメーカーさんもありますね。

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超音波スケーラーでは細かな霧状の水が出てきます。
お顔がぬれてしまうのでお顔(場合によっては全身の)シャンプーをしてお返しします。 

 

<さいごに>

高齢の動物(や免疫を抑制する治療を行っている動物)は、細菌に対する抵抗力が弱まっています。身体に常在している病原性は弱いのだけれど抗菌剤に反応しない細菌の感染(日和見感染・ひよりみかんせんと呼んでいます)を受けやすくなっています。また免疫力が低下している身体では、細菌がバイオフィルムを作りやすくなっています。「歳をとったから仕方がないね」というのではなく、感染を防ぐ力が弱まった高齢になったからこそ、若いころ以上に口腔内(そのほか目や口周り、排泄口周囲の皮膚や外耳道など)を清潔な状態で維持することが大切です。

口腔内ケアやシャンプーを「おまかせ」にしている場合でも、これまで以上の頻度で実施していくよう努めていただくといいなと思います。

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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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