多頭飼育の猫の退院に際して

 「病院から帰ってきたら、猫ちゃん同士がすごーく仲悪くなっちゃって、喧嘩するんですよ。預けるのなんかいやだわ」
っていうのにも、がっかりさせられました。

たしかに猫さんが病院から帰ると、別の同居猫さんが「シャーシャー」いって威嚇したり、攻撃をしかけたりすることがあります。
これは病院の匂いをまとって帰ってきた猫さんを「知らない猫さん」として認識してしまうからなのです。とくに避妊手術や去勢手術、また他の病気などで入院した後に起こりやすいことです。

でも、手術が必要な場合や、ゆっくりと必要量の点滴をしてあげたい病気には、長期の入院や預かりもやむを得ません。なんといっても猫さんを元気にしてあげなくてはいけない大事な時です。


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退院時の同居猫さんとのトラブルを予防する方法があります。ここでもキャリーが重宝します。

お迎えに来られる時に、お家のにおいが強くしみた敷物を用意して下さい。これを退院する猫さんと一緒にキャリーに居れると、入院していた猫さんが自宅に戻るまでに、病院のにおいからおうちのにおいに変わることができます。

それから、病院から帰ったあとも直ぐにキャリーから出して一緒にさせるのではなく、家に居た猫さんの様子を見ながら一緒にさせるようにします。

①別室で1日~2日過ごさせ、家の馴染みのにおいに変えていきます。
②頬から出る猫さん独自のフェロモンをタオルで拭き、互いのフェロモンをタオルに移して、それぞれのタオルの匂いを嗅がせます。おやつを与えながら数回繰り返すと、プラスの条件付けになります。
③キャリーだけを家に残った猫さんのところに起きます。キャリーに反応しなければその中に帰宅した猫さんを居れ、扉越しにお見合いさせます。大丈夫なのが確認されたら、扉を開けます。
家で待っていた猫さんが静かで落ち着いている時に、退院した猫さんを解放してあげて下さい。どちらか一方でも興奮状態になっている時に一緒にさせてはいけません。


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この方法で行けば、留守番していた猫さんも、病院から帰宅した猫さんを温かく出迎えてくれるはずです。


そう。大丈夫です。入院治療が必要なのですから、おすすめするのです。帰宅後の心配はいいですから、今の治療のこと、考えましょう。よろしくお願いします。
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猫のキャリートレーニング

 「うちの猫ちゃん、病院がだいっ嫌いだから、病院には連れて行かれないわ」

って、がっかりするお言葉を頂戴することがあります。

 

そうです。たしかに。猫さんにとって、通院はかなりのストレスです。

まず、キャリーが嫌い。それから、ぶーんぶーんという異音のする車も嫌い。そして天敵ともいえる犬の臭いがする病院も嫌い。知らない人なのにキャリーの窓から覗き込んでくるおよその患者さんも嫌い。見慣れない人の集団である獣医さんも動物看護師さんも嫌い。診察?検査?注射の治療?そんなのも、みんな、大嫌い。

ですよねー。

 

でも、猫さんが快適な生活を送って、元気で長生きしていくためには、時々病院に来て、定期的なケアが必要なのです。

まずは、キャリーを「私の安全な場所」として猫さんに認識してもらいましょう。それで通院のストレスをひとつ無くしてもらおうではありませんか。ということで、今日はキャリートレーニングのお話をします。

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まずはキャリーについてです。

おすすめのキャリーは前にもお話したように、上下分割が可能なキャリーです。大きさは猫さんが「伏せ」の姿勢をして前足の先から尻尾の付け根のところまでの長さがあるのがいいです。上下分割式は、わりとゆとりの大きさです。これだと猫さんが窮屈ではないので、入りやすいと思います。

トンネルタイプのものは猫用キャリーとして一番普及しているのですが、成長するとちょっとサイズが小さくなってしまうかもしれません。特に男の子ではそれが顕著です。また、これには出入り口が1つしかないものと、前後ろの2つあるものがありますが、2ドアのものが良いです。

 

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次はキャリートレーニングの方法です。

①トレーニング開始1週間くらいは、上下分割式のものは、とにかくキャリーの下部分だけを取り外して、部屋に置きっぱなしにします。トンネル式のものはドアを開けっぱなしで置いておきます。慣れてきたら上下分割式のキャリーは上の屋根をつけてみてください。

②大好きなおやつとか、食事をキャリーの中に置きます。入ったり出たり、自由にできるようになるまでそのまま継続です。入った時にはすごくほめてやってください。また、おやつはここでしか与えないでください。他の場所でも与えてしまうと、嬉しさは減ってしまいます。なお、おでぶさんにならないように、おやつの量は気をつけてください。

③キャリーのなかに15分くらい居られるようになったら、キャリーを部屋の別の場所に移してみましょう。猫さんが入っていない状態で別のところに動かしてみてください。そこで再びトレーニングです。そこでも同じように入ることができるでしょうか。

これまでがキャリーに入ることの練習になります。で、次は出る練習です。

④キャリーに入ったらちょっと扉を閉めてみます。急に閉めるとびっくりしてしまいますから、やさしく声をかけながら行います。そして扉を開けて出てきたところでおやつを与えます。リラックスして入る、出る、を繰りかえさせます。

さて、ここまでできるようになったら今度は移動の練習です。

⑤家の中で、キャリーを別の場所に動かします。手持ちのハンドルを持って動かすのではなく、キャリー全体を両手で包み、あなたの身体に密着させるように運んで下さい。箱を持ち上げ、動かす要領です。くれぐれもぶらぶら動かさないようにして下さい。

⑥それが成功したら次は車に載せる。エンジンをかける。短距離のドライブをする。などの順に、少しずつ慣らしてみてください。はじめはぎゃーぎゃー鳴くかも知れませんね。慣れです。がんばりましょう。

 

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このトレーニングの成功の秘訣についてお話しておきます。

①飼い主さんがリラックスして行って下さい。いらいらっとしてはいけません。大きい声を出してはいけません。また近くでうるさい音がしないように配慮して下さい。猫さんがキャリーに入ったとたんに、なにかびっくりするようなことが起こると恐怖心を与えてしまいます。

②すぐにできるようになるとは思わないでください。時間をかけてゆっくりと、です。急ぐのはいけません。子猫さんはキャリーを知らないのでわりとスムーズに行くでしょう。「キャリー=こわいこと」の記憶が出来上がっている成猫さんでは時間がかかると思います。あせらずがんばって下さい。

③「入った!」と途端に、ドアをばさっと閉めるのはやめて下さい。「出ますか?入ったままここに居ますか?」などとやさしく声をかけながら静かに扉を閉めるようにしてください。初めて扉を閉めるときは、締め切ったままにはせず、一呼吸したら扉を開けるようにしてやってください。

 

 

そして慣れたら「首輪+リード」または「胴輪+リード」でキャリーに入れるようになるとなお良いです。そしてリードの端をキャリーのもち手に結び付けてください。こうすると万が一のことがあっても猫さんをたやすく保護することができるからです。

 

それでは、キャリー大好き猫さんに、病院でお会いしましょう。

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キャリー・その6

うまく分類できなかった商品をのせてみます。

なるほど~。便利な工夫がされているものばかりなのです。

こちらは一見、普通のキャリーです。上のふたが開きます。それからふたを取るとおうちでベッドとして使用できる形になっています。普段ここで休んでいたら、お出かけのときに入るのが苦痛になることはなさそうです。

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ドアのほかに、天井部分がドーム型球場の屋根のように左右に開くタイプもありました。これをどのタイプに分類するといいのか困りました。バスケットタイプでもなく、トンネルタイプでもなく、バリケンタイプでもなかったのです。でも、トンネル式よりも上面開閉式を私たちは好みますので、まさに希望通りの設計です。愛犬にも向いています。

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さて、こちらのペットキャリーはコロが付いていますです。重たいものを持ちたくない無精者にうってつけの商品で、実は私もこのタイプを愛用していますす。私はアウトレット店で探し出しました。定価は結構なお値段でした。(泣)ころころ引いて歩けますから、新幹線、在来線を乗り継いで大学に動物を連れていくには、重宝しています。長い時間、連れて歩くのに、肩がこりず、腕も疲れません。

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こちらはおうちのソファ兼用のもののようです。「キャリーバックが見つからなくて、急きょ、これに入れて連れてきました~」とオーナーさんはおっしゃっていました。出口が開いていますから、猫袋に入れて、首輪にキャリーとつなぐ紐を付けて、の2重3重の装備が必要ですが、常に寝そべっているソファと一緒だと猫さんは安心かもしれません。一石二鳥。

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キャリー・その5

今回は、ペット用品ではないけれど、応用できますよね、という品々をご紹介します。

こちらは、ピクニックバスケットらしいです。動物を入れることを主目的にしていないので、重たい子を入れるのには注意が必要かも入れません。猫さんには洗濯ネットに入っていただいて、さらに袋ごとこのバスケットに入れていただければ、運搬最中に暴れて壊してしまうということはないでしょう。広さもあり、十分応用できています。

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こんな形のもありました。

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スポーツバッグを利用されていらっしゃる方もいます。冬期限定ですが、洗濯ネットと組み合わせれば猫キャリーとして用が足ります。

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 基本は新聞紙をまとめる袋なのだそうです。新聞紙サイズのダンボールと組み合わせたら、立派なキャリーになってしまいました。それなら、スーパーの買い物かごにぴったり合うサイズのエコバッグが売られています。何かのサービス品や点数を集めての交換景品でもありそうです。レジかごサイズのダンボールを組み合わせたら、十分猫用キャリーとして使えそうです。夏の一番熱い間だけは考えたほうが良さそうですが。

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見ての通り、普通のダンボールです。けれど、お母さんの愛情こもった飾り窓付き、木造風家屋になっています。とても丈夫な張り紙でした。ただのダンボールではじきにくたびれてしまうのに、この箱は数ヶ月間、結構頻度高く通院していただきましたが、その間重宝しました。

足が悪くなってしまったわんこを赤ちゃん用の藤のベビークーハンで連れてきてくださっている方もいらっしゃいます。下が平らなこと、持ち手が左右にあることは担架の基本形です。これが落ちないように立体形になっているわけですから、おとなしい犬を運ぶのには便利ですよね。

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キャリー・その4

 キャリーのお話の4回目。

ほんと、いろんなキャリーがあるんですわ。次々話題に事欠きません。

今回のご紹介は布製キャリーです。前回までに紹介させていただいたキャリーはどれも車通院専用のしっかりしたものでした。重たいんですよ。今回紹介させていただくのは布製のもの。電車やバスなど、公共交通機関を利用して、動物を持って歩くのに都合が好さそうなキャリーです。

こちらのものは犬専用です。何故かというと、前面すべてがジッパーで閉じられないのです。袋内部に首輪を止めておける金具が付いていますから、あいてるところがあっても逃げ出せないようになっていますが、やっぱり猫を入れるのには不安があります。わきにはポケットが付いていて、ペットシーツなど入れることができます。この方は使い捨てカイロの予備を入れていらっしゃいましたよ。

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大学での診療でも、こんなかわいらしいバッグに入って連れてこられたわんこさんに会いました。上はすべてメッシュですが、本体部分はビニールレザー製でしょうか。写真の裏側に当たる部分にポケットも付いていました。ディズニーブランドです。高そうです。

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こちらは猫ちゃんの患者さんが入ってこられました。肩にかけられるようにもなっています。前面メッシュのカバーでおおわれています。広さもそこそこあり、ちょっと大きいめのオス猫さんでも窮屈そうではありませんでした。

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ショルダータイプはいろいろあります。直方体で大きめのバッグは一回り大きいサイズの犬にも重宝しそうです。

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まだまだ布製バッグはいろいろなデザインのものがあります。はっと気が付いたら猫さんはこのタイプに入れられて通院している子が多いですね。

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まとめです。

布製バッグは壊れません。化学繊維の丈夫な布でできています。通気性を考慮して選んでいったら、失敗はないように思われます。たいていは肩かけ式です。中には抱っこ式、おんぶ式のものもあります。車での通院だけでなく、公共交通機関や歩いての通院に便利そうです。デザインもクールなものからかわいらしいものまでいろいろあって、迷ってしまいそうです。普及型のキャリーに比べるとお値段は張るかも知れません。お値引きセールになるまでじっくり待つ、という手を使えばお買い得に求められるでしょうか。

 

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オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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