犬のおやつ・ジャーキーは安全でしょうか?

わんこが大好きなおやつ、ジャーキーについて、お話ししようと思います。

 

愛犬家の皆さんはショップの犬具売り場もよく歩かれますね。首輪やリード、洋服、おもちゃなど、わくわくするのもがいっぱいです。そしてそこにはたくさんのおやつ類も並べられています。きれいな色のジャーキーが透明の袋から覗いて見えるのもありますし、見えなくても袋には照りがあって美味しそうな写真が印刷されています。カラフルな袋を手に取ると目に入ってくる文字は「野菜入り」、「無添加」、「手づくり」など、身体にも悪くなさそうな言葉です。
ささみジャーキーはとても人気があります。鶏ささみは低脂肪で高蛋白、健康に良い、と思われているからです。けれど人用に大量消費されるのはささみではありませんから、肉としては余ってくる部位、という見方もできます。

そんな人気のジャーキーですが、袋から出してそのままにしておいても虫が湧くことはありません。腐ってもきません。わんこが“はみはみ”した後、唾液で濡れたままにしておいてもカビが生えることもありません。すえた臭いがしてくることもなく、いつまでも犬が喜びそうな強いにおいを放っています。半生タイプのものだけではありません。硬いガムでも同じです。

 

色鮮やかでいいにおいがして、しかも腐らない。その秘密は添加物です。合成着色料や香料、酸化防止剤などが入っているために、こんな状態を保持できるというわけです。

このような添加物がたくさん入っているのです。

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私たちが食べたものは胃から腸で消化され、小さな分子になって腸の壁から吸収されます。吸収というのは血液中に入ることを言います。腸をめぐっていた血液はそのあとまとまって門脈という太い血管から肝臓に入ります。肝臓は化学工場とも言われています。必要な栄養素を血液中に回し、余剰の栄養は蓄えます。また毒物はここで解毒処理を受け、低毒素のものに変化し、排泄されます。常に栄養過多になっていると肝臓内で脂肪として蓄えられることになりますから、肝臓はフォアグラのように脂っぽくなります。いつもジャーキーなどの添加物を多く含んだ食品を摂取していると、常に肝細胞は解毒作業に忙しく、これが重なると疲弊してきます。肝臓が疲れていても初期は症状を出すことはありません。疲れやすいという症状を犬自身は出すことがありません。食欲が少々落ちるくらいです。それでも好物を出されればそれは食べるわけです。毎日一緒に暮らしていて微妙な変化に気がつくことはあまりないでしょう。健康なつもりで健康診断の血液検査を受けると肝酵素が上昇していることが分かる、そういうものです。

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さて、先日、米食品医薬局(FDA)はたくさんの犬猫が中国産のペットフードが原因で死亡した疑いがあると発表したニュースが報道されました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131024-00000016-xinhua-cn

やっと、ここまで来た、というところです。

この前の流れもいくつかご紹介しておこうと思います。

http://miami.cbslocal.com/2012/06/20/toxic-treat-warning-for-dog-owners/

http://www.lifewithdogs.tv/2012/09/dog-owners-urged-to-be-wary-of-treats-from-china-2/

 
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424127887324880504578298130947100750

 

中国製だから危険、国産なら安全、ということはありません。ペットフードに関してはAAFCO栄養基準が世界標準になっていますが、これは強制ではなく、作っているメーカーが自主的に基準に合わせようとするもので、この基準に準拠していないペット用おやつはごまんとあります。ペットフード公正取引協議会もまた、フードメーカーが独自に作った団体ですから参加は自由なので、基準を守るも守らないもない世界です。また原産国表示は、原材料がどこのものであるのかではなく、どの国にある工場で作られたのかが表示されます。「完全無添加」という表示もペットフードに規制がかかっていないからこそ自由に使えるフレーズです。「野菜いり」もごく微量に入れてあっても「野菜入り」。その気配を緑色やオレンジ色の色素を加えれば十分に演出できるものです。

安心して与えられるおやつは手づくりしかありません。それも目を凝らして材料を吟味しなければいけません。手軽さ、安さは安全とは対極にあるもの。あなたの愛情を間違った形で大事な家族に向けると失敗します。

 

 

長くなりましたが、今日はこのへんでおしまいです。




追記

日本でも動き出しましたね。

http://mainichi.jp/select/news/20131121k0000e040201000c.html

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身近な毒物・あじさいと青梅

初夏です。アジサイの花も盛り。きれいですね。

 

さて、実は、こんなきれいなアジサイには毒があります。

 

アジサイの葉は夏の水菓子、くず粉であんこを固めた水饅頭の下に敷くのに使われますね。いやはや、ほんとにこれはおいしいですね。吉野に旅行に行ったときの味、忘れられません。吉野葛はちょっと違いますね。

 

話が脱線しすぎました。アジサイです。

このようにおいしいお菓子を敷いたアジサイ。甘い味が残っていると、愛犬はぺろぺろしながらしまいに噛み噛みします。これが危険なのです。

 

きれいに咲いた鉢物、また切花にして花瓶に生けたアジサイ。どちらもやんちゃで興味津々、遊びたがりの犬や猫にとってはおもちゃのかわりになります。これも危険であることに間違いありません。 

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アジサイの毒は青酸配糖体です。これは分解されるとシアン化水素(青酸)が発生します。普段は酸素と結合するヘモグロビンですが、シアンが来るとこちらと優先的に結びついてしまうため、身体に酸素が届かなくなってしまいます。

 

もうひとつ、青酸毒のある身近な植物があります。青梅です。熟す前の青梅。風の強い日に梅の木からぱらぱら落ちて地面を転がります。ころころしてるので、屋外飼育の犬にとっては特別に面白いおもちゃ、ということになります。アジサイと同じようにシアン化合物による毒性があります。

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青酸、と聞くとすぐに猛毒な「青酸カリ」を想像するだろうと思います。テレビで見るしか知りませんが、微量で即死、という怖いイメ-ジがあります。

 

ここで、紹介したアジサイや青梅。もしかしたら「えっ!うちの子、この間遊んでたけど、大丈夫かしら!?」と心配されるかもしれませんね。どちらに含まれるものの、そんなに大量ではありません。だから1回くらいかじったところで摂取量は知れています。 

DSC00653.jpg

とにかく、毎日習慣になって遊び、いくつも食べたり、飲み込んだりするといけないのです。遊んでいる徴候が見られたら、屋内のものはどかす、屋外で梅の木の下に犬舎がある場合は場所をずらすなど、配慮が必要です。

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食べてはいけない食品・その2

食べてはいけない、2回目です。すぐに命の危険はありませんが、おすすめではないものを挙げておきます。沢山食べなければ大丈夫、ですが、偏食になると、初めはそのつもりではなくてもそれしか食べなくなってしまうことも考えられます。主食のドライフードに添加する場合も、バランスよく、彩りは少量だけ、いろいろな種類から、というのがよいと思います。なお、アレルギーのある犬猫ではこの限りではありません。

 

(続きの番号になっています。)

 

7、アワビ等の貝類

 アワビ、トコブシ、サザエ、とり貝などは、主に猫で光線過敏症を起こす危険があります。耳の先端部分の皮膚炎から、壊死してしまうことがあります。昔、おばあちゃんが「アワビを食べると耳が腐る」といっていたのはこのことだったんですね。

 

8、スルメ

 スルメは、消化が悪く、激しい下痢をおこします。脱水症状がひどいためにぐったりしてしまうこともあります。おばあちゃんが「イカを食べると腰を抜かす」といっていたのがこれですね。

 

9、骨

 鶏の骨、鯛の骨など、硬いものは食道や胃、腸に刺さってしまいます。残り物をざっとあげるのは危険です。

 

10、コーヒー、コーラ

 砂糖やミルクを入れたコーヒー、甘いコーラを好んで舐める犬がいます。これらにはカフェインが含まれています。心臓ドキドキ効果があります。犬が喜んでも与えてはいけません。

 

11、貝類、軟体類、甲殻類

 あさり、はまぐり、しじみなどの貝類や、いか、たこなどの軟体類、海老、かにといった甲殻類は、猫が好んで食べる海の幸でしょう。しかし、消化が悪く、嘔吐や下痢のもとです。また、ビタミンB1を分解する酵素を含むため、これらばっかりの偏食にするとビタミンB1欠乏症になってしまいます。どうしても与える場合は程ほどにして下さい。もちろん、与えないのが一番です。

 

12、青魚

 アジ、サバ、イワシなどの青魚は、これも偏食に陥りやすい海の幸です。これらばかりを食べているとビタミンEが不足してしまいます。魚に含まれるEPAやDHAは脳の働きを活性化し、若返りに良いし、皮膚炎や、腫瘍のできた犬猫にもとてもよいことが分かっています。しかし、その一方で、不飽和脂肪酸が多いことから皮下脂肪や腹腔内脂肪が酸化して黄色く変色する「黄色脂肪症(イエローファット)」になってしまいます。与える量は程ほどにして下さい。

 

13、生卵

 生の卵の白身は、ビタミンBの仲間であるビオチン欠乏を起こすことがあります。

 

14、レバー

 レバーには栄養があって、貧血のときなどに良いプラスの食品、というイメージがありますね。しかし食べ過ぎるとビタミンA過剰症になってしまいます。

 

15、豆類

 ピーナツ、枝豆、大豆などの豆類は消化が悪く、食べたものがそのまま便に出てきてしまうこともあります。また、アレルギーのもとになる場合もあります。注意して下さい。

 

16、イモ類、こんにゃく、おからなど

 繊維分の多いこれらの食品は便秘や下痢、嘔吐を起こすことがあります。

 

17、野菜類

 とうもろこしは消化の悪い食品です。
 ほうれん草はシュウ酸が多いため、尿石の心配が出てきます。

 

18、牛乳

 すべての個体が乳頭を分解できる消化酵素を持っているわけではありません。それらの動物では牛乳を飲むと下痢をすることになります。栄養が高いからと乳児期や高齢期に水の代わりに与えるのはおすすめできません。

 

19、煮干、海苔、鰹節など

 猫ではこれらの食品に沢山含まれているマグネシウムがもとで尿石が作られることがあります。大好きな食品群でしょうが、程ほどに。また、既に過去に「FLUTD(猫の泌尿器症候群)」にかかったことがあるようでしたら、絶対に与えないようにして下さい。

 

20、ミネラルウオーター

 ミネラル分を多く含む水は尿石を作りやすくします。硬度の高いものはおすすめできません。

 

21、そのほか

 猫がドッグフードを食べると、タウリンなど不足する栄養素が出てきます。

 犬がキャットフードを食べる場合、高たんぱく質なため、腎臓病の犬には不向きです。

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食べてはいけない食品・その1

犬と猫の、食べてはいけない食品について、まとめておこうと思います。
いきなり、本題です。(ごめん。思い余った事件も、これを書くきっかけになっているということだけ付け加えておきます。はい。)

 

1、ねぎ類

 たまねぎ、ねぎ、ニラ、ニンニク、らっきょう、エシャロットなどのねぎ類は、血液細胞である赤血球の膜を破壊します。赤血球の細胞の中にあるヘモグロビン色素は血液中に出て、赤血球はその本来の仕事である酸素を運ぶ機能を低下させてしまいます。この病気を「たまねぎ中毒」と呼んでいますが、病態は「溶血性貧血」です。血液は採取後、そのままにしておくと細胞成分と液体成分の二層に分離します。軽い液体は浮き上がり、犬猫では無色透明に近い色合いです。(人はほんのり黄色くなっていますが、犬猫は黄色味がある場合、それは黄疸です。)そのきれいな部分が赤褐色や茶褐色に色づいてくるのが、この溶血(赤血球の膜が壊れる状態)の印です。この色はヘモグロビン色素やそれの変化したものの色合いです。この色素は腎臓を通過し、尿も茶色く色づきます。尿の色は薄口醤油や、アメリカンコーヒー程度の色合いです。この状態が続き、溶血がおさまってくると身体に残るのはヘモグロビンの変化したビリルビン色素になります。これは黄色です。それで、ねぎ類を摂取し、溶血となったのちは黄疸という経過をとることになります。非常に沢山の色素の処理に、肝臓も腎臓も大わらわになります。単純に貧血、だけでなく内臓も大きなダメージを受けることになります。

 ねぎ類の成分が悪さを起こすので、スープや味噌汁など、これらの成分が溶け出した汁物も当然だめです。すき焼きをして残った汁は肉のエキスも含まれていて、ねぎの残渣を取り除いて、汁を薄めてフードにかけてやったら、犬は大喜びしそうです。自家製の牛丼風フードですからね。でも、とても危険な食事ですので、こういうアイデアクッキングはやらないでください。

 

2、カカオ

 チョコレートやココアなどにはテオブロミンという化学物質が含まれています。これはカフェインに似た物質で強心作用があります。心拍数が上がり、「ドキドキ」が亢進してしまうのです。脈拍数が上がるというのは、マラソンで苦しくなっても走り続けた後、とか、お風呂で熱気に当たったときのような状態です。動悸が激しいと呼吸も苦しくなりますし、吐き気も襲ってきます。甘いチョコレートやココア、チョコレート系のケーキなどは、こちらが与えるのではなく、偶然口にしたら美味しくて、家人の居ないところでむしゃむしゃ食べていた、というトラブルが一番多いようです。まさか、犬が口にするなんて、と簡単に手の届くところにおいてあると、思わぬ事故に陥ります。きちんと片付けるようにして下さい。

 

3、レーズン

 数年前にレーズンを大量に食べて急性腎不全を発症したダルメシアンの報告があり、それから注目されるようになりました。レーズン、ぶどうも甘く、いくらでも食べてしまう危険があります。注意して下さい。

 

4、キシリトールガム

 キリシトールは砂糖と違って食べても栄養になりません。しかし身体は糖類だと認識するためインシュリンを分泌します。それによって血糖値が急激に下がり低血糖を起こしてしまうのです。卓上に出したままにしないよう、気をつけてください。

 

5、アボカド

 激しい胃腸炎を起こすといわれています。クリーミィーで美味しいのですが、動物には与えないようにして下さい。

 

6、マカデミアナッツ

 嘔吐や虚脱を起こすようです。与えないでください。

 

なんだか思いついたら、いくらでも出てきてしまいました。今週はこの辺で。とにかく、命に危険なレベルのものはこのあたりです。次回は、食べさせて欲しくないな、と思われるものを挙げていきます。

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誤食

 GW真っ最中です。
気もゆるみます。
そういうときに限って、愛犬が事件を起こしてくれます。

「誤飲」「誤食」とかいっていますが、要は
「食べてはいけないものを食べちゃった」っていう話です。

それはそれは、信じられない物を飲み込んでくれるものです。

だけど、あなたの愛犬(時に愛猫も!)が「おばかさん」だからではありません。

何にでも興味津々、好奇心旺盛な子なら、誰でも飲んじゃいます。

だから、なにか事件を起こしたとしても、しからないで下さいね。

さて、こんなものを食べちゃう、っていうのを挙げてみます。

「おいちいにおいが、ちてたんだお429」ってところで

「焼き豚の紐」「カニを食べながら手を拭いてたおしぼり」taoru    

「桃や杏・梅干の種」「とうもろこしの芯」

そうなんです。どこまでたべれるのか、区別がつかないんですよ。

「あえ?食べれないものも混じってたの?お母たん3」ってかんじで

「串ごと焼き鳥」「ラップに包まれていたお惣菜」

sushi 

もよくあるんです。悪気なんてさらさら、ありません。

渋谷の忠犬ハチ公だって死んだ時に病理解剖したら竹串が出てきた、って話です。

学生時代、病理の先生から聞きました。ね、お利口な犬だって、食べちゃうんです。

「ねぇ、ねぇ、家族のにおいがちてたんだお266」ってかんじの

「通勤快足」「膝下ストッキング」「軍手」「化粧用パフ」「耳栓」

stockingpuff

そこまで、好きだったのか!と驚かされたのは

「柔道着の黒帯」

でした。

もちろん、日常そばにおいてある

「ぴゅ~ぴゅ~鳴るおもちゃ」

もかじりながら飲み込んでしまいますが、遊んでるだけかと思いきや、やっぱり食べちゃってるのが

「ぬいぐるみの中のパンヤ」「ソファのウレタン」「敷物のタオル」

bear

…なわけで、まあ、遊びと食べる行為の間に境目がない動物なんだ、と思っていただくしかありません。

さてさて、こんなものを食べちゃった日にはどうしたものか。

すぐに動物病院に連絡ください。胃の中にあれば催吐剤で吐かせることができます。

時間が勝負です。

でも、食べちゃったことにも気がつかないで、体調不良になってから「もしかして…」っていう時は、

落ち着いて状況を思い出して、そして正直にいきさつを教えてください。

決して家族間で喧嘩はしないように。起こっちゃってからはどうしようもないのですから。

私たちはレントゲン検査、場合によってはバリウム造影なども行います。血液検査が必要だったりもします。

そして、まあ、このへんまでくると覚悟はできていらっしゃるとおもいますが…。そうです。

「外科手術をして、取り出しましょう」

ってはなしです。もちろん1週間の入院です。それも、早ければ、ってことにもなるわけで…。

ですから、やっぱり「予防するに越したことはない」んですね。

みなさ~ん、注意してください。

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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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