ワクチンのおはなし・その4

 ワクチンのお話。4回目です。

副反応はどうして起こるのでしょうか。

 

「ワクチンに含まれる菌の力が強かったから反応が起こった」と思われている患者さんは多くいらっしゃいます。しかし、そういうことではありません。ワクチンは異種タンパクであるために過敏症反応は起こります。前回ご紹介した反応のうち①から④まではこの種の反応です。

 

ワクチンを作る時には抗原(ウイルス等)のほかに、アジュバント(抗原が免疫細胞に効率よく取り込まれるようにするために加えられるもの。これによって少ない抗原量でも有効なワクチンを作ることができます)や、抗生物質、保存剤、培地由来の成分の残りや添加物が含まれています。これらのすべてのワクチン成分や賦形剤のどれもが過敏症反応を起こす可能性があります。卵タンパク質、ゼラチン(牛または豚の可能性です)、ワクチン容器のゴム栓になっているラテックス、抗生物質(ペニシリンは有名です)などがその例です。

 

大森先生たちが、ワクチン時にアレルギー反応をおこした犬10頭と無症状だった犬50頭を使って、牛胎児血清、ゼラチン、カゼイン、ペプトンに対するアレルギーを調べた研究があります。それによると、アレルギー反応をおこした10頭のうち7頭で、培地成分の牛胎児血清に対するアレルギーが亢進していました。多くのワクチンには高濃度の牛血清アルブミンが含まれていたこともわかっています。このことからも、過敏症反応はウィルスそのものによる反応ではないことが分かっていただけるかと思います。けれど、食物として牛タンパク質を摂取することでこうした反応をおこすようになるのかどうか、は明らかではありません。

 

Moore先生たちが100万頭以上もの犬を対象にして研究され、2005年に発表した結果ですが、過敏症反応は多価ワクチンが単味ワクチンに比べて発生率が高かったという証拠を突き止めることはできませんでした。つまり「多種の混合ワクチンだから危ない、少ない種類のワクチンのほうが安全」と俗にいわれている理論が成立しないことも分かりました。

 

同じ研究から、体重10Kg未満の小型犬での発症は体重10kg以上の犬に比べて2倍の発生率という結果が出ました。アレルギー反応を起こしやすい品種が割り出され、それによると、ダックスフント、パグ、ボストンテリア、ミニシュアピンシャー、チワワは発生リスクが高く、体重10kg以上の犬種ではボクサーが多いのです。日本では小型の犬が多いですし、ダックスやチワワは今、人気犬種として飼育頭数も多いですから、ご心配な方が沢山いらっしゃるのもよくわかります。

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 「理想的な免疫状態」というのは、「ある感染症を発病しない、それによって死亡しない」、だけではなく、「病原体が感染しない、増えない、広まらない」ことも重要です。有効なワクチンによって狂犬病の発生率が低下し、現在日本では狂犬病クリーンになっています。過去、狂犬病の発生があったころにはできなかった「人と動物の結びつき」が高い密度でできるようになったことの背景でもあります。犬ジステンパーや犬パルボウィルス感染症、犬伝染性肝炎、猫汎白血球減少症、猫ヘルペスウィルス感染症などの感染症もワクチンの普及により減少してきました。今後、その他の人と動物の共通感染症のワクチンが開発され、良好な接種が広まると、さらに安心して動物との絆を深めることができます。幼児の健全なこころの発育のために、多忙で疲弊している働き盛りの方たちの癒しに、中高年の方の血圧の安定化の一助に、高齢者の方の認知症の遅延のために、パートナー動物は様々な力を発揮しています。開発途中のワクチンが完成し、実用化されるようになると、いいなぁと思います。

 

ワクチンのお話は今回でおしまいです。

どんなワクチンがあるのか、どのようなプログラムで接種していくと良いのか、ということは他の先生たちが沢山書いてくださっていますので、それについて述べることは止めました。あまり、知られていないようなことを書いてみました。

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ワクチンのおはなし・その3

 ワクチンのおはなし。3回目。

 

先週もお伝えしましたように、ワクチンというのは「弱まった病原体の情報」を体内に入れて、免疫系に作用させるわけですから、それによって身体に反応が起こります。たいていは無症状ですが、なかには好ましくない症状を示すこともあります。

 

①最も多いのは、軽い発熱と食欲不振です。これは一過性で、1日もするとおさまっています。

 

②アレルギー反応が起こることもあります。眼のふちや口周りが赤く腫れぼったくなります。動物はしきりに痒がり、顔をこすります。ワクチン接種後数時間で発症します。抗アレルギー薬の投与でじきに元に戻ります。投薬しなくても数時間で自然に消失することもあります。

 

③局所的に接種部位の皮膚が赤く腫れることもありますが、まれですし、しばらくすると何もしなくても消失します。動物が掻き壊さないように注意する必要があります。

 

④接種後数分からせいぜい30分以内の反応で、ぐったりして身体に力が入らなくなることがあります。同時に嘔吐することもあります。急激な脱力をもたらすのはアナフィラキシーです。非常にまれですが、命にかかわる、とても危険な状況です。すぐに対応しなければいけません。

 

⑤ワクチン接種部位に「肉腫」ができることがあります。猫で発生のある「ワクチン誘発性肉腫」はアジュバントを加えているワクチンを注射した時に最も多く発生するといわれています。白血病ワクチンがこれに相当します。ワクチン成分が同じ部位で蓄積すると、慢性的な炎症反応が起こることに起因するのではないかといわれています。

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こうした好ましくないワクチン後の反応を抑制するにはどうしたら良いでしょうか。

 

①や③のように、問題がさして大きくないような場合は、特別に対処する必要はありません。また有害反応とワクチンによってもたらされる有益なことを比べてみたら、有益なことの方がはるかに大きいので、接種してかまわないと思います。発熱時には病院に来ていただき、処置をすれば問題は簡単に解決できます。

 

②のようなアレルギー反応は、抗アレルギー薬の投与で発生を防ぐことができます。たいていの患者様には平日の午前中に来院していただき、半日預かりで観察をし、アレルギー反応が出れば直ぐに対応する、という方法をとっています。このやり方で、夕方帰宅後に反応が出ることは、まずありません。

 

④アナフィラキシーを防ぐ方法はありません。ワクチンの効果とこの反応を比較した場合、有害事象のほうが重くなりますので、一度アナフィラキシーを起こした動物へのワクチン追加接種はおすすめしません。ただ、3年に1度くらいは抗体価を検査し、免疫強度をチェックしたほうがいいのではないかと思います。

 

⑤肉腫の予防のために、ワクチン接種部位を頚部ではなく、後肢の皮下にします。ここは万が一腫瘍ができた場合、切除手術を行いやすい部位だからです。また、毎年の接種部位を右に、左に、また少しずつ離れた部位に、とすることでワクチン成分の蓄積をなくすことができます。また、ワクチン接種後3ヶ月くらいは接種部位にしこりができてはいないか観察してください。急に大きくなったとか、3ヶ月してもしこりがなくならない、という場合にはすみやかに来院くださるようお願いします。腫瘤は完全に切除できてしまえば、問題はありません。

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このようにワクチン接種後の好ましくない状況をお伝えすると、ワクチン接種そのものが怖くなるかもしれませんが、こうしたことが起こるのは、日常的にはほとんどありません。むしろ、感染症の動物の診察の方が多いのです。命を落とす危険のある感染症だからこそ、ワクチンが開発されているのです。定期的なワクチン接種で免疫を高めておくことは大切なことだといえます。

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きょうのお話はここまでです。

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ワクチンのおはなし・その2

 ワクチンのおはなし2回目。

 

ワクチンというと「病気にならない注射」と思われているようですが、ワクチン接種を受けたら愛犬愛猫をすべての感染症から守れる、というわけではありません。ワクチンは「病原体がどういうものなのか」という情報を動物の身体の中に注入し、「こういう敵がくる場合がある」ことを提示し、「その敵が侵入してきた場合の武器を備える」よう記憶させるものです。ここでいう「闘い」とは免疫のことです。自身の免疫力(抗体)がなければ相手(抗原)の情報を入れても相手に勝つことができません。

 アデノウイルス 


ワクチンをうったのに病気になるケースとして、「呼吸器感染症」があります。猫のヘルペスウィルス感染症がその例です。免疫が短期間しか得られないのです。病気を完全に予防することは出来なくても、罹患率(病気になる確率)も低下させますし、重症度も下げます。また排出されるウイルス量も減少させるので、ワクチン接種の意義はあります。

 
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ワクチンの有効性を左右する因子は、そのほとんどが動物側の問題です。年齢、栄養状態、遺伝、ストレス、ほかの感染症があること、妊娠していることなどです。ですから、高齢であるとか、栄養状態が芳しくないとか、ほかの病気にかかっているとか、病気上がりだとか、外科手術後間もないときであるとか、妊娠しているような場合は、改善できることを改善してからワクチン接種をした方が有効です。こうした場合は免疫力も衰えているわけですので、有効性だけでなく安全性を考えた上でも、接種時期について検討するほうが良いのです。

 
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ワクチンが全く有効に働かない例として、「親譲りの免疫」の存在が上げられます。「移行抗体」とか「母体由来抗体」ともいわれるこの免疫がある状態ではワクチン抗原は中和されてしまい、接種個体の体内で独自の抗体を作り出すことができません。この「親譲りの抗体」は母親がもともと保有していた抗体の値、誕生後に接種した初乳の量などによって大きく変わるため、個体差があります。この免疫が充分に下がって、ワクチンが有効になるぴったりの頃、を見極めるのは難しいことになります。そのために幼少時には有効な免疫を得るために繰り返しワクチン接種をする必要があります。それでも親の免疫は切れたけどワクチン接種による免疫が始まらない、そういう「免疫ギャップ」(無防備な期間)はどうしても存在することになります。そのため、子犬子猫の時期は外部との接触をなるべく避けていただきたいというわけです。

 

 

今日のおはなしはここまでです。

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ワクチンのおはなし・その1

ワクチンのおはなし。1回目。

 

 たいていの犬猫はペットショップから購入され、新しく家族の仲間入りをするわけですが、「ワクチンは済んでいますよ」と言われショップ向けに発行された証明書を渡されます。お店の方は専門家ではありませんし、飼育指導をするだけで相当な時間を割くことになり、ワクチンの説明までは手が回らないのが普通です。この後、動物病院と親しくしていただけると、ワクチンについての説明を受けることになりましょうが、中にはそのままに終わってしまうケースもあるかと思います。

また、外の猫さんが「こんにちは。私を飼ってくださいな」的にちゃっかり上がりこんできたケースや、外で震える子犬や子猫さんを連れ帰ったような場合、「エサだけやってくれたらいいし。お願い。貰って」と懇願されて何も知らないまま飼うことになったような場合は、病気にでもならないと動物病院の存在すら知らないまま成長しますね。えっ、犬や猫にもワクチンがあるの?狂犬病のほかに?とか、驚かれるわけです。

 木枯らしニャンこ - コピー (2)

 

犬猫用のワクチンが開発され市場に出回るようになったのは1950年代からで、まだ歴史は浅く、今日も、この時間も、新しいワクチンの開発に向けて、研究は続けられています。

予想通りともいえますが、適切な予防接種を受けている犬猫の割合は、受けていない動物よりも低いと推定されています。犬猫の怖い伝染性疾患は今後も無くなることはなさそうです。

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予防獣医学が言われ始めてだいぶ経ちます。ワクチン予防。ノミマダニ予防。フィラリア予防。これらは積極的にどこの動物病院でも叫ばれていることだと思いますが、このほかに、正しい栄養を摂ること(食事のこと)、歯科衛生をすること、去勢や避妊手術をすること、定期健診をうけること、など病気を予防するために私たちが犬猫にしてやれることはまだたくさんあります。

予防することが出来る病気にかかって亡くなっていくのは忍びないものがあります。

 

今日からは基本的予防事項であるワクチンについて、お話していくことにします。

あなたの愛犬・愛猫の最終ワクチン接種日はいつだったでしょうか。証明書を今一度確認ください。 

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ワクチン接種について~犬のワクチン~

今年の愛犬のワクチン接種予定日はご存知ですか?そろそろ…かもしれませんね。さて、ハートでは…

年に1度の混合ワクチン接種時に血液検査(血球検査と生化学検査)を無料で実施しています。

結果は15分~20分程度で出ますが、後日愛犬や愛猫を連れていないときにゆっくりと結果説明を受けることもできます。

ワクチン接種は愛犬・愛猫の体調の良い日を選んで、できれば午前中のお腹がすいているときにお越しください。

ワクチン接種は狂犬病予防注射と違って、任意の犬の予防注射です。けれど愛犬の健康を考えるとぜひ受けていただきたいコアな病気予防です。感染し易くて、しかもかかると死亡率も高い怖い病気だからこそ、ワクチンで予防できるようになったのです。これらのワクチンができる前の病気全盛だった時代、どれだけワクチンを待ち望んだことかしれません。

当院では年に1回の接種日が4月から5月になっている愛犬が大勢います。今回は犬のワクチンについて、お話をしようかと思います。少々長くなりますが、読まずにやめる前に、タイトルくらいは目で追ってくれませんか?

1、ワクチンのしくみ

ワクチン「病気にならないようにする注射をうつこと」。けれど、もう少し詳しく言うと「弱らせた病原体を投与し、犬・猫の身体に免疫をつけること」なのです。

身体にはもともと病気と闘う力が備わっています。けれどすべての闘いに勝てるわけではない。強的な相手には負けてしまいます。それで強敵の毒素や力を弱めて、先に相手の情報を身体に読み込ませておきます。いざというときはこういう相手が襲ってくるよ、という準備をさせておくのがワクチン、ということになります。野球部でいえば、本試合の前の練習試合って、感じでしょうか。もちろん野球部員は免疫に関与する細胞群ですね。ちなみにマネージャーさんも液性免疫に相当しますね。

 2、ワクチンで予防できる病気

①犬ジステンパー は最も恐ろしい犬の伝染病として古くから存在していました。嘔吐・下痢・食欲不振・発熱を主とする消化器型と膿性鼻汁や咳を主とする呼吸器型、チックや麻痺・てんかん様けいれん発作を主とする神経型があります。死に至る病気です。散発的に発生がみられます。

②犬パルボウイルス感染症は嘔吐・血便・白血球減少を起こす病気です。約30年ほど前から日本でも発症がみられるようになりました。伝染力の強い死に至る病気です。散発的に発生がみられます。

③犬アデノウイルス感染症は2つの型の違う病気を引き起こします。Ⅰ型は伝染性肝炎を、Ⅱ型は犬伝染性咽頭気管炎をおこします。Ⅰ型は致死的病気です。Ⅱ型は他のウイルスや細菌と混合感染しケンネルコフという病気をひきおこします。時折発生がみられます。

④犬パラインフルエンザはケンネルコフの原因となる感染症です。子犬での発症が多く、慢性化すると生後6カ月くらいまで咳が続きます。

⑤コロナウイルス性腸炎はパルボウイルス性腸炎とよく似た症状を発症します。

⑥レプトスピラは人獣共通の病気です。発熱、黄疸、腎不全などを起こし、やはり致死率の高い病気です。

3、ワクチン接種の時期(子犬の場合)

ワクチン接種をしても親からもらった免疫(移行抗体)があるとこれがじゃまをして自分自身の免疫を作ることはできません。つまり親譲りの抗体があるうちに注射をしても無効なのです。では親からもらった免疫はいつごろなくなるのでしょうか。たいていは生後60日から100日あたりで無くなるようです。それで60日ころから接種始めて30日くらいの間隔、つまり、60日、90日120日というふうに3回の接種をし、どんなに早くても最終を100日以降に予定します

それでも生後60日で接種した5日後の65日齢に移行抗体が無くなってしまうかもしれません。次の接種予定日までの25日間は免疫の無い空白期間です。この時期に伝染病に感染してしまうことが無いわけではありません。子犬を野外に連れて出て感染症の疑いが持たれる犬と接触させたり、遊び疲れさせないようにお願いするのはこのためです。

4、ワクチン接種の時期(成犬~老犬の場合)

子犬の頃に接種したワクチンは約1年程度で効果が薄れてきます。身体に作られた抗体の力が下がってくるのです。対抗試合をしないでいると、試合のコツを忘れてしまうので、本試合で負けてしまうと考えてください。1年ごとの追加接種で、常に病気と闘える力を備えておくことが大切です。また、ワクチン注射は3年ごとで大丈夫、というワクチン3年説も出ていましたが、ワクチンの種類によっては1年でも危うい、と言われているものもあります。決して自分の都合の良いように解釈しないでください。

老犬になってからは、なおさら病気に対する抵抗力が衰えてきます。ワクチン接種の時期を他の病気で逃してしまうこともあるかも知れませんが、体調が戻ったところで追加接種をしておくとその後も安心です。

 5、ワクチンの副反応

ワクチン接種によって、期待していた効果とは別の異なった症状がもたらされることがあります。軽い発熱や一過性の嘔吐、下痢、元気や食欲の喪失などが主な副反応です。かわいい愛犬にこのような症状がみられるとワクチンを接種するのが怖くなるかもしれません。けれど、ワクチンで予防している感染症は、はるかに激しい症状で、闘病期間も長いですし、死んでしまうことすらあるわけです。もし副反応が軽いのであれば、ワクチンによって得られる効果ははるかに副反応を上回ります

最も多いワクチン反応はアレルギー性の副反応です。ワクチンを製造するうえで、培養液、培養細胞成分、抗生物質、安定剤、防腐剤、アジュバントなどが混入または添加されます。これらに対して身体が望ましくない免疫反応を起こすことがあります。過敏症反応と呼んでいます。急なショック状態(脱力や貧血、低血圧、ふるえ、けいれん、よだれ、呼吸異常、尿失禁など)を示すアナフィラキシーショックは重篤な副反応です

よくみられるのは、接種後しばらくしてから目や唇の周りが腫れてくる(ムーンフェイス)ことです。ときに痒がって顔を掻く動作も一緒にみられます。ムーンフェイスは軽い反応です。

すべての薬がそうであるように、ワクチンにも必ず副反応というリスクがあります。

6、副反応を起こしたことのある犬のワクチン接種

アナフィラキシーは命にかかわる重大な反応です。ワクチン接種はお勧めできません。

しかし、軽いアレルギー反応でしたら、アレルギーの薬と併用することで副反応を抑えることはできます。ワクチン接種をしなかった場合の方がリスクは高くなると思われますので、副反応を抑えながらワクチン接種をすることをお勧めしています。

月曜日、火曜日、水曜日、金曜日の朝から夕方までお預かりして、抗アレルギー剤を同時投与し、院内で様子観察する方法をとられている飼い主さんもあります。アレルギー反応が心配な場合は遠慮なくスタッフに言ってください。

7、ワクチン接種をお勧めできない場合

①妊娠、授乳中のおかあさん犬であるとき。子犬が自立してから接種しましょう。

②重い病気の治療中であるとき。治療が済んで様態が安定したら接種しましょう。

③興奮状態で飼い主さんがなだめてもしずまらないとき。後日、安静状態になったら接種しましょう。

④免疫抑制剤や免疫抑制効果のある薬を投与しているとき。薬の投与が不要になってから、または安定してからにしましょう。

⑤1年以内に激しいてんかん様発作をおこしたことがあるとき。抗てんかん薬で発作が安定していれば大丈夫です。

⑥明らかな栄養障害が認められるとき。まずは栄養状態を改善させてからの接種をおすすめします。

⑦家に来て間が無いとき。1週間以上経過して、新しい環境に慣れていれば大丈夫です。

⑧1週間以内に移動する予定があるとき。旅行や新しい飼い主の家に養子に出る予定があるような場合は予定を延期するか実施後、安定してから接種してください。

⑨他のワクチン、狂犬病予防注射を接種してから間が無いとき。不活化ワクチン接種後1週間、生ワクチン接種後1カ月間は他のワクチンの接種はおすすめできません。

以上の場合はワクチン接種を延期し、時期を見て再評価して接種することをおすすめします。

8、ワクチン接種後の注意事項

①ワクチン接種後は15分くらい病院内に居てください。命にかかわるような副反応は80%が接種後15分以内に発現するのです。たいていは注射後お会計までに10分くらいはかかると思うのですが、その後もすぐにお帰りにならず、院内またはお車あたりで時間を見計らってもらえると助かります。欲を言うと30分です。混合ワクチン接種時に実施している血液検査の結果を待ち、当日説明をうけられるとちょうど良いころ合いかと思います。

②もし、徒歩で来られた場合は帰りはお車でお願いします。ワクチン後、興奮することは発熱につながります。どうにも車に乗ることができないのであれば、猛ダッシュするのは止めさせてください。静かにのんびり歩いて帰ってください。

③帰宅後も安静につとめ、愛犬の様子をよく観察してください。接種当日は発熱したり、顔が腫れたりということがあるかもしれません。

④注射当日から最低3日は安静にし、激しい運動やシャンプーは避けてください。できれば7日ころまでです。日常的な散歩は良いですが、走ったり、ドッグランに連れて行ったり、ということはやめてください。

さて、今年のワクチン接種の予定日はいつだったでしょうか?

★はっきり覚えていらっしゃるあなたはかなりの愛犬家

★おぼろげながらも前回のワクチン日が春夏秋冬のどの季節だったのかわかるあなたもしっかりした愛犬家

★いつだったか忘れちゃったけど、はがきは間違いなく持っているわよ、というあなたもすばらしい愛犬家

★すっかり忘れちゃったけど、ワクチンのことを気にかけているあなたもちゃ~んと愛犬家

★今回、この記事を最後まで読んでくださったあなたは間違いなく真の愛犬家です。

今年もワクチン接種をお忘れなく。

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ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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