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猫伝染性腹膜炎2

 猫伝染性腹膜炎のお話し、続きです。
ネコ伝染性腹膜炎は、ネココロナウイルスの感染によって引き起こされますが、現在猛威を振るっているヒトの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすコロナウイルスと、猫伝染性腹膜炎を引き起こすコロナウイルスは異なるものです。

猫伝染性腹膜炎の影響を受けやすい猫

猫伝染性腹膜炎はあらゆる年齢の猫に発生する可能性がありますが、若い猫によく見られます。診断された症例の約80%は2歳未満の猫で、多くの症例は412か月齢の子猫で見られます。猫伝染性腹膜炎は猫コロナウイルス感染が容易に広がる環境であるため、多頭飼育や繁殖世帯で飼育されている猫にもよく見られます。混雑した環境(猫密度が高い)は猫ストレスの原因のひとつで、免疫応答を損なうので病気の発症の要因となる可能性があります。(遺伝学も疾患への感受性に役割を果たすことができるという証拠があります。)
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血液検査だけで分かるわけではありません。

猫伝染性腹膜炎の診断

猫伝染性腹膜炎は、猫伝染性腹膜炎の診断に特有の臨床的兆候がなく、診断を確認する簡単な血液検査もないため、対処が非常に難しい疾患です。疑わしいと思うのは次のようなときです。

1)猫伝染性腹膜炎でよく見られる症状が出ている
2)猫の疫学的な条件が一致する(2歳未満、または高齢、多頭飼育の中に居る、繁殖場で生まれ育ってきた)。
3)日常的な血液検査での所見は
  •  リンパ球の数が少ない
  •   好中球が多い
  •  貧血
  •  グロブリン値が高い(TP↑ALB↓A/G↓
  •   肝臓酵素が上昇している(ALT↑ALP↑
  •  ビリルビン値が上昇している(BIL↑:黄疸)   
です。ただし3)の血液検査の変化は猫伝染性腹膜炎にだけ見られものではなく、他の疾患でも発生しますが、適切な兆候と組み合わせて複数の変化が見られる場合、猫伝染性腹膜炎の診断はより可能性が高くなります。これらの異常の多くは、疾患の初期段階には存在しない可能性があります。(のちになって出てくることもあるので、継続した血液検査が必要になることがあります。)最近では
  • 血清アミロイドA(SAA)
がFIPのときの炎症反応を反映して高くなることも知られているので、検査項目に追加しています。
腹水や胸水ある場合は、穿刺して体液サンプルを採取し、細胞とタンパク質の含有量を分析します。この検査はかなり診断に対して有用になります。場合によってはタンパク質の分類を検査します。(グロブリン濃度が高いと感染陽性が濃厚です。)

血液でコロナウイルスに対する抗体を探すのは限定的な価値しかありません。猫が猫伝染性腹膜炎ウイルスに感染していようといまいと、猫コロナウイルスに対する抗体が発生していて、抗体検査では猫伝染性腹膜炎ウイルス株を区別できないのです。(完全に健康でも検査結果は陽性に出てきます。)そして抗体価はほとんどがグレーゾーン部分に入ってきます。
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総合的な診断です。

猫伝染性腹膜炎の診断の確認

猫伝染性腹膜炎の診断を確認するのに最も適した検査は、影響を受けた組織から生検サンプルを採取することです。手術により採取します。典型的な猫伝染性腹膜炎の炎症が見られます。これでも猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染を示唆するというレベルです。確定診断は、損傷した組織内にウイルス自体の存在を示す「免疫組織化学」と呼ばれる方法にゆだねられます。

けれど病状が深刻な猫では検体採取のために手術することができないし、また飼い主さんも希望されないこともあって、たいていはウイルスの存在をもって証明することになる「確定診断」はつきません。「限りなく陽性」で終わります。グループ内の他の猫への影響を考えた場合、死後の病理解剖検査(免疫組織化学を使用して)で陽性を確認する必要があるかもしれませんが、ほとんど行なわれません。

ウイルス自体は、PCR検査(連日の報道で名前が知られるようになりました。ウイルスの存在を見つけ出す分子技術です)を使用して検出することもできます。たとえば、猫伝染性腹膜炎の典型的な特性を持つ液体貯留があるとき、腹水や胸水のサンプルがコロナウイルスのPCR陽性であるとき、猫伝染性腹膜炎が根本的な原因であることを強く示唆することになります。けれどPCRでも異なるタイプのコロナウイルス(猫伝染性腹膜炎ウイルス株と猫腸炎コロナウイルス株)を区別できないため、決定的なものではありません。
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ウイルスをやっつける薬が見つかりましたが実用化には至っていません。

猫伝染性腹膜炎の治療

猫伝染性腹膜炎は診断だけでなく、治療が難しい状況も続いています。つまり不治で致命的です。支持療法(輸液療法、抗炎症薬)は、状態を緩和するために行ないます。インターフェロン療法は免疫系や炎症の調節などに作用する効果を期待して使います。

ヒトの新興ウイルス感染症に使用されている新しい抗ウイルス薬が、猫伝染性腹膜炎に対しても有効な可能性があることが示されています。最近ではCOVID-19の情報の中で登場しているので名前を聞いたことがあるかもしれません。核酸アナログ製剤であるGS-441524のプロドラッグであるレムデシビルがそれです。ウイルスに、複製に必要な核酸に類似した偽物を取り込ませ、ウイルスの増殖を抑える仕組みです。(プロドラッグというのは、体内に入ってから有効成分が分解されないように化学構造を変換した薬です)これまで、様々な研究をされてきても何一つ有効な答えが見つからなかった中で、一筋の光が差してきたような感じです。けれど現実的な実用段階に至るまでにはもう少し時間がかかりそうです。現時点では、猫に対して安全であることを証明された正規の研究報告が出ていません。海外薬は出ていますが、個人輸入して使用するのは推奨されません。(なお、現在海外で使われている動物用薬の治療方法は12週間、毎日、11回皮下注射する方法で、現実的ではないように思います。
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ワクチン開発には困難があります。

猫伝染性腹膜炎の予防

猫伝染性腹膜炎のワクチンを入手できる国も有ります。ただしこのワクチンは16週齢以上の子猫にしか接種できません。このようなワクチンを使用する主な兆候は、特に猫伝染性腹膜炎の病歴がある飼育世帯ですが、子猫にワクチン接種できるまで(16週間)、ほぼ常に猫コロナウイルスに曝されているため、ワクチンの価値はないだろうとされています。
コロナウイルスは特殊な免疫システムが働くため、ワクチンを作るのも難しいとされています。それは抗体依存性感染増強(ADE)が起こりやすいからです。これはウイルスなどから身体を守るはずの抗体が免疫細胞などへのウイルス感染を促進させてしまう仕組みです。この結果、ウイルスに感染した免疫細胞は暴走し、症状を悪化させてしまうのです。猫コロナウイルスに対する抗体を持った猫がもう一度同じウイルスに感染すると重症化することが有るのですが、それはこのようなことが起こっているからだろうと推測されています。どのような条件でこのようなことが発生するのかは分かっていません。
ワクチンの開発に対しては抗体が関連する免疫(液性免疫)を発動させることなく、免疫細胞に主導権を持たせた免疫が獲得できるように作られる必要があるといわれています。

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元気でいるためにできること。

発症リスクを軽減するには

猫伝染性腹膜炎は一般的な家庭猫ではあまり見られることではありません。発生リスクを減らすためには、
  猫の数が多くないところから入手し、

  少ない頭数で、

  新規の導入を行なわず

  安定したグループで飼うこと

が必要です。なお
⑤ トイレと食器や水食器は離して設置し
  毎日トイレ掃除をし、
  良好な衛生状態を維持してください
  すべての猫にストレスがないように環境を整え、
  予防医療(ワクチンその他)の実施を心がけてください。
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飼い主さんの体調不良のときには、
猫の世話をお願いできる方を探してください。
新型コロナウイルス感染症が疑われるときは
できれば猫とも離れてお過ごしください。

さて、今週はニューヨークから2頭の飼い猫でCOVID-19の感染が見られたというニュースが入ってきました。1頭は家族に感染症状は見られなかったため屋外で感染してきたかまたは家族が不顕性感染であった可能性がありそうです。もう一頭は感染していた飼い主からの感染が疑われています。2頭とも呼吸器感染が有り、動物の検査機関でPCR検査を受け陽性が確認され、追って国立獣医検査機関(National Veterinary services Laboratories : NVSL)で再検査され再度陽性が確認されています。

米国疾病対策予防センター(CDC)の推奨しているペットの扱いについて、以前のWSAVAの提言と重なる部分もありますが、載せておきます。
<家族もペットも健康で症状がないとき>
・うちの子を他の人に触らせない
・うちの子を外で他の動物と接触させない
・犬の散歩は2mの距離を守る
・人が集まるところやドッグランには行かない
<自分や家族の誰かが感染してしまった>
・感染者ではない人が動物の世話をする
・感染者はペットと濃厚接触しない
・どうしても世話を変わってもらえないときはマスクをし、手洗いをしっかりする
・うちの子が誰かと接触しないようにする

現在の日本では感染が疑われても犬や猫のコロナウイルスPCR検査を受けることはできません。IDEXXラボラトリー(検査機関の名前です)でも検査できません。
・犬呼吸器パネル→犬コロナウイルスが含まれますが新型コロナウイルスを調べるものではありません
・猫の上気道呼吸器疾患/結膜炎パネル→コロナウイルスは含まれていません。
・猫伝染性腹膜炎パネル→猫コロナウイルス、FIP、FECVで、新型コロナウイルスを調べるものではありません。

GWが始まりました。みなさま、お家にいるばかりで退屈かもしれませんが、それこそがご自愛の道です。お休み明けに元気でお目にかかれますよう、犬猫といっしょにお家遊びを楽しんでください。





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猫伝染性腹膜炎1

 猫伝染性腹膜炎について

ネコ伝染性腹膜炎(FIP)は致命的な病気です。

ネコ伝染性腹膜炎は、ネココロナウイルスの感染によって引き起こされます。ただ、注意していただきたいのは、現在猛威を振るっているヒトの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすコロナウイルスと、猫伝染性腹膜炎を引き起こすコロナウイルスは異なるものです。やや専門的な話になりますが、猫に影響を与えるコロナウイルス(猫コロナウイルス:FCoVと呼ばれます)はアルファコロナウイルスで、ヒトに新型コロナウイルス感染症を引き起こしているSARS-Cov-2コロナウイルスはベータコロナウイルスです。そしてFIPを引き起こす猫コロナウイルスはヒトに感染することはありません。

今日は猫にだけ感染する猫コロナウイルスについてお話しします。(猫コロナウイルスと猫伝染性腹膜炎ウイルスは同一ではありません。コロナウイルスグループの中に猫伝染性腹膜炎ウイルスが入るという認識でいてください。)
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原因

猫ではコロナウイルスの感染はよく見られますが、ほとんどの場合は軽い下痢以外の問題は発生しません。まれに、ウイルスが強毒の性質に変異(変化)し、この変異したウイルス株が猫伝染性腹膜炎の原因になります。

感染した猫では、ウイルスが全身に広がり、さまざまな異なる兆候を引き起こす可能性があります(腹部に体液が蓄積する腹膜炎を含みますが、他の猫では体液が胸腔に蓄積することがあります。他のウイルスでは脳、目、肝臓、腎臓などに影響を与える炎症を引き起こす可能性があります。
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猫はどのようにコロナウイルスに感染しますか?

コロナウイルス感染症は多数の猫が一緒に飼育されている施設で発症しやすく、かつ広まりやすい傾向があります。飼い猫の感染率2540%に対し集団飼育猫では80100%です

猫がウイルスを口から入れてしまうと感染が起こります。ウイルスは主に腸管に感染し、そこで増殖します。猫コロナウイルスは糞便中に放出され、環境内でしばらく(数日または数週間)生きています。

注)体外に出た猫コロナウイルスも、新型コロナウイルスの特性として現在知られているような一般的な消毒剤(台所用洗剤や石鹸、アルコールなど)によって容易に破壊できます。消毒については今日のお話の最後に。

ウイルスと猫の関係は複雑です。猫の中には猫コロナウイルスに持続的に感染したままで、糞便中にウイルスを排出する猫がいます。不顕性感染といわれるタイプです。また、ウイルスに感染し強い免疫を発達させ、将来の感染から身体を守れる猫もいます。そのほか感染してウイルスを排除することができても、のちに再発性の感染症にかかる猫もいます。

ほとんどの場合、猫コロナウイルスによる感染は、腸炎症状の軽い下痢を引き起こすか(下痢になるのは若い猫で見られる可能性が高いです)または全く症状を示さないため、猫コロナウイルス感染を特定する診断はほとんど行われません。
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猫コロナウイルスが猫伝染性腹膜炎を引き起こす?

猫コロナウイルスによる感染は通常、腸管だけにおこります。この腸の感染を引き起こす猫コロナウイルス株は、ネコ腸内コロナウイルス(FECV)と呼ばれることもあります。

猫コロナウイルスに感染しているとき、猫の身体の中でウイルスの突然変異が起こることがあります。それまでは軽い下痢かほとんど症状を現さなかったものが、突如、病気を発生させる凶暴性をもったウイルス株に変容します。この凶暴ウイルス株が猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)です。猫コロナウイルスの猫伝染性腹膜炎ウイルス株は猫腸コロナウイルスとは異なり、腸で増殖せず、免疫系の重要な細胞の1つであるマクロファージに感染します。良好な免疫応答ができないとウイルスが全身に広がります。猫コロナウイルスに感染していて猫伝染性腹膜炎ウイルス株が出現したとき、猫が猫伝染性腹膜炎を発症するか、健康を維持するかは、その免疫反応の質に依存します。強い免疫反応(特に「細胞性免疫」と呼ばれる種類の免疫)があれば猫は感染を抑え、症状の発生を防ぐことができます。

猫伝染性腹膜炎の多く(またはほとんど)のケースで、ウイルスは猫の糞便から排出されません。
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猫伝染性腹膜炎の臨床症状

猫伝染性腹膜炎はいろいろな症状を示しますが、どれも猫伝染性腹膜炎に独特のものではありません。そのため症状から猫伝染性腹膜炎を診断することができません。複雑な検査が必要です。

初期の兆候は、熱が出たり下がったりし、だるそうに寝てばかりで、食欲不振になっていることが一般的です。数日間(はっきりわからないので、もしかすると数週間とか数か月ということもあるかもしれません)そのようなぐだぐだした様子が続いた後に、他の兆候が発生します。

次に出てくる症状で私たちは「ウエットタイプ」とか「ドライタイプ」としています。実際には両方の混在ということも少なくありません。
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「ウェットタイプ」

ウエットタイプでは、お腹(腹腔内)に液体が溜まります。腹水のためにお腹は大きく膨れます。胸の中(胸腔内)に液体が溜まることもあります。それは呼吸困難の症状をもたらします。お腹と胸、両方の場合もあります。猫伝染性腹膜炎による感染は「血管炎」が発生するため、血液から腹部または胸部に液体が漏れ出し液体がたまります。腹部に体液の蓄積が発生したことがこの病名の由来です。貯留した液体は透明な黄色でタンパク質に富むため、採取するときにとろっとした感じがあります。けれど他の病気(肝臓の病気や腫瘍など)でも同じような液体の貯留が発生しますので、腹腔または胸腔に液体が溜まった病気がすべて猫伝染性腹膜炎という診断になるわけではありません。
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「ドライタイプ」

ウエットタイプではない感染は、長期にわたる炎症を引き起こし、体内のいろいろな場所の血管周囲に発生します。こういう変化は、「液体がしみ出す」に対して「細胞が集まる」反応になります。「炎症性肉芽腫形成」といいます。目や脳に出ることが多く、そのほか肝臓、腎臓、肺、皮膚を含む体内のほぼすべての組織に影響が出ます。そのため、目の中の出血や濁り(ぶどう膜炎として知られています)、ふらふらした歩き方(神経学的な徴候です)や、肝臓や他の内臓の病変で発生する可能性のある他の漠然とした疾患の兆候(黄疸)など、幅広い兆候が観察される場合があります。ただし、ぶどう膜炎も、ふらふらした歩行も、黄疸も猫伝染性腹膜炎に限った症状ではないため、他の疾患との鑑別が必要です。

猫伝染泥腹膜炎で局所に限局されたケース(ドライタイプで目の症状が出ているというケースなど)では、猫がウイルス増殖を抑えるのに役立つ部分的な免疫反応を起こしたと考えられています。滲出液の発生を防いではいるものの、病気の発生をくい止めるには不十分な免疫応答です。

ドライタイプとウエットタイプの両方の疾患が組み合わさった兆候が現れることがあります。

症状発症からのスピードは速い

いつから始まったのか分からないくらいののろさで発症した病気も、いったん症状が出始まると、時間とともに徐々に悪化するし、その時点からの悪化のスピードも早まります。安楽死という言葉が頭をよぎるようになるまで数日(または数週間という単位)になることさえあります。

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消毒薬について
「ヒトと動物のコロナウイルスに対する消毒薬の研究」という論文からは
①62~71%エタノール
②0.5%過酸化水素水
③0.1%次亜塩素酸ナトリウム
が有効とされており、これらはウイルスを1分以内に不活化させるそうです。
④加熱(56℃30分以上)は不活化のために効果的だそうです。(マスクの消毒に熱湯消毒は良さそうです。)ただしこれらも有機物の存在によって変わってくるそうです。
SARSコロナウイルスに対する消毒法は国立感染症研究所によると家庭で使用する一般的な消毒薬として、
⑤70~80%エタノール
をあげていますが、現在なかなか入手困難です。
⑥界面活性剤をぬるま湯で溶かしたもの
 (台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)
が現実的かもしれません。これは1リットルのぬるま湯に5~10㎖程度の台所用洗剤を加えた物です。成分としては
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、または
・硫酸エステルナトリウム
を16%以上含むものです。

注:③0.1%~0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液について
ノロウイルス対策としてキッチンハイターを用いた消毒法があります。便や吐物など直接ウイルス排泄があると考えられる床には0.1%で、トイレの便座やドアノブ・手すりには0.02%が推奨されています。これはコロナウイルスにも有効です。ただし金属に対しては腐食してしまう可能性があるため注意が必要です。花王のHPに薄め液の作り方が出ています。参照ください。私たちはパルボウイルス感染症が発生したときによく利用していますが、濃度が濃すぎるのはいけません。ご注意ください。
https://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_107.html
なお、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは異なります。ご注意ください。



以上を状況により使い分けていただくと、アルコール欠品でも身近なところに消毒液は豊富にあります。ご安心して実行ください。






















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猫免疫不全ウィルス感染症の検査

 今日は世界エイズデー。ネコのエイズとして知られるネコ免疫不全ウィルス(FIV)感染症について、特に検査の解釈のことを中心にお話しします。

 

<ネコエイズは怖い病気?>

ネコ免疫不全ウイルス(FIV)に感染すると、ウィルスが免疫系を攻撃し、他の多くの感染に対して防御が甘くなります。FIVに感染した猫は何年も健康そうに見えるかもしれませんが、最終的にはこの免疫不全に苦しみます。ですが、ネコ白血病ウイルスやコロナウィルスなどに感染していない限り、通常の寿命を生きていくことが示唆されています。

 

<感染経路>

感染リスクの高い猫は外出をするオス猫です。FIVの主な感染経路は咬傷によるものです。ほかの猫に好意的で攻撃性の少ない接触、つまりグルーミングや食器の共有などは、ウイルスを広めるルートではないようです。同居猫がけんかをしない安定した家庭にいる猫は、FIV感染のリスクはほとんどありません。まれに、胎児が産道を通過するとき、または新生児子猫が感染した母乳を飲むときに、感染した母猫から子猫に感染が伝染します。性的接触は、FIVを広める経路ではありません。

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<症状は?>

感染の初期段階で、ウイルスは近くのリンパ節に運ばれ白血球の中で増殖します。その後ウイルスは全身の他のリンパ節に広がり、一時的なリンパ節の腫脹を引き起こします。このときにたいていは発熱しますが、この段階では気付かれずに過ぎてしまう可能性があります。もしくは咬まれたことによる細菌感染からの発熱だと思われて終わることもあるでしょう。

感染した猫はほぼ健康な状態で、時折不都合な事象が繰り返されたりして、徐々に悪化していきます。悪い徴候は感染後何年も現れないのが普通です。病状が悪くなって来院され検査を受けてはじめて、陽性結果を知り驚かれる患者さんも多いです。

免疫不全兆候は全身のどこにでも現れ、そのため症状は様々です。毛並みが悪い、食欲不振、発熱を繰り返す、歯肉炎や口内炎がある、目がおかしい(ぶどう膜炎)、慢性の皮膚炎がある、上部気道感染が慢性や再発性におこる、持続性の下痢がある、膀胱炎を繰り返すなどです。そのほかあまり知られていませんが、発作や行動上の変化などの神経学的な症状も出る可能性があるし、血液学的な問題(貧血など)を起こすこともあります。自然妊娠ののち流産を起こすメス猫もいます。腫瘍になりやすい傾向もあります。 

<ウィルス検査>
FIVは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査などの手法を使用して検出できます。病院で行なわれるスクリーニング検査は抗体を用いたELISA法です。血液中にFIVウイルスに対する抗体が存在するかどうかを濾紙に発色させて陽性かどうかを見ていきます。

PCR検査は、ウイルス遺伝子を検出する検査です。PCR検査は猫が作り出したFIV抗体の検出ではなく、ウイルスのDNAを検出することによって、血中にFIVウイルスが存在することを確認する検査です。ELISA法は感染症の理想的なスクリーニング検査ですが、特定の状況がある場合(移行抗体があるかもしれない子猫の感染の確認や、FIVワクチンを接種したことがある猫の感染の判定など)には、PCRの検査が理論的に優れています。PCR検査はELISA法で判定が困難な場合に外注で依頼している検査です。日常的には行なっていません。

検査の必要性ですが、ご自身の猫の健康を維持すること、ほかの猫への感染拡大を防ぐことが2大目的です。

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<こんな猫におすすめ>

  一度も検査を受けたことが無い猫。

  病気になっている猫。(過去に実施され感染が無いことを確認してあっても、その後の感染を除外することはできません。)

  新しい猫を養子として迎え入れるとき。(先住猫が居る場合一緒にできるかどうかをみるために。)

  感染しているかもしれない猫との接触が考えられるとき。(自由外出で目が届かない場合に。毎年の検査が理想です。)

  FIVワクチンの接種を検討しているとき。(どちら由来の陽性なのかをはっきりさせます。)

 

<陽性結果がでたとき>

猫は感染を完全になくすことはほとんどないため、検査結果が陽性に出る(抗体が存在する)ことは基本的にFIVに感染していることを示しています。

ただし、偽陽性の結果が生じる可能性はあります。猫の生い立ちや臨床症状などから鑑みて検査結果と合致しないような場合は、PCR検査を使用して結果を再確認することをお推めしています。

6か月未満の子猫では解釈が異なります。感染している母猫は、授乳中の子猫にFIV抗体を移します。そのため、感染した母親から生まれた子猫は、出生後数ヶ月間、陽性の検査結果を示すことがあります。でもこの子猫が実際に感染していることにはならないかもしれません。それで感染状態を明らかにするために、FIV陽性という結果が出た6か月未満の子猫は、少なくとも6か月になるまで60日間隔で再検査する必要があります。もしくは母猫からの移行抗体の影響を全く受けなくなる6か月齢まで待ってから検査をするということもできます。子猫の時に陽性だったのに数年経ってから検査したら陰性になったというのは、感染が免疫力によって陰転したのではなく、子猫の時に親からもらった移行抗体をキャッチした可能性があります。

検査結果を正確に解釈するために、猫のFIVワクチン接種履歴を知ることは不可欠です。FIVワクチンは、ワクチン接種された猫にFIVウイルスに対する抗体を産生させますが、FIVウイルスに対する抗体は、FIVの自然感染に反応して猫が産生した抗体と区別することが困難な場合があります。この場合は一般的なELISA法は有用ではありません。今は「差別的ELISA」と呼んでいる新しいテストができました。この検査ではFIV、ワクチン接種後に産生される抗体とFIV感染後に産生される抗体を区別できるとされています。それでも正確に知りたい場合はPCR検査を受けることをおすすめします。

大切なことを言っておきます。陽性結果は「死の宣告」を示すものではないことをご理解ください。最初にお話ししたように、FIVの感染があっても複数のウィルス感染が無ければ寿命を全うできることもできるくらいです。前向きに捉えてください。

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<陰性結果がでたとき>

陰性の検査結果は、猫の体がFIVに対する抗体を産生していないことを示しています。ほとんどの場合、これは猫が感染していないことを示唆しています。

ただし、通常検出可能なレベルの抗体が血流に現れるには、感染後812週間かかります。そのため、この期間に検査を実施すると、偽陰性の結果が生じる可能性があります。したがって、FIVに感染している猫または未知の猫の咬傷などによる未知のFIV状態の猫と接触した猫は、検査を受けたときに陰性であっても、最新の暴露(感染したかもしれない事件が起こった日)から最低60日後に再検査する必要があります。これにより、猫の体がウイルスに対する抗体を開発する時間ができます。

ごくまれに、FIV感染の後期にある猫は、免疫系が非常に損なわれているため検出可能なレベルの抗体を産生しなくなり、FIV抗体検査で陰性となる場合があります。

 

<治療と管理>
残念ながら、現在、FIVに対する決定的な治療法はありません。何らかの症状を出したときに、ひとつひとつ、その病態に対する処置を行ないます。例えば口内炎なら口内炎の治療です。猫の寿命を予測することは不可能ですが、FIVに感染した猫でも適切に管理すれば、表面上は通常の生活を送ることができます。もしFIVに感染した猫が感染の結果として1つまたは複数の病気を発症した場合や、持続性の発熱と体重減少が存在する場合、一般的な予後はあまり良好ではありません。

FIVに感染した猫には去勢手術(避妊手術)を行ない、屋内だけで飼育し、近隣の他の猫がFIV感染しないよう、FIVの拡大を防いでください。栄養的にバランスの取れた食事を与え、生の肉や卵、低温殺菌されていない乳製品などの調理食品は食品媒介細菌や寄生虫感染症のリスクがあるため避けてください。そしてストレスのない生活を提供するようお願いします。

FIVに感染した猫は、少なくとも半年に1回くらいの割合で診察にいらしてください。歯肉、目、リンパ節に特に注意を払いながら、身体検査を行います。身体検査のほか血球数、血清生化学検査、や尿検査を実施します。これは健康な猫が受ける検診項目と同じです。多くの場合、体重減少は悪化の最初の兆候になります。ご家庭では食欲と体重減少に注意を払ってください。FIVに感染した猫の健康と行動の観察は、感染していない猫よりも重要です。猫の健康上の変化を気にかけ、おかしいと感じるところがあれば、検診予定日が来ていなくても診察にいらしてください。

一部の抗ウイルス療法は、口内炎(口腔の炎症)を伴うFIV感染猫に有用で、環境に放出されるウイルスの量を減らすことが示されています。体内のウィルス量を測定することはできませんが、少なくとも口内炎の症状緩和になるように思います。FIVの効果的な治療の開発は、まだ研究の途上にあります。

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<予防、新しい猫の同居に際して>
FIVのワクチンが開発されていますが、ウイルスのすべての株に対する有効性はまだ決定されていません。ですから、FIVの感染を防御するのに大切なことは、感染している猫と接触しないようにすることです。うちのかわいい猫ちゃんを保護する唯一の確実な方法は、ウイルスへの暴露を防ぐことです。猫に噛まれることは、感染が伝染する主な手段であるため、猫を屋内に入れ、噛む可能性のある感染した猫から遠ざけてください。屋内飼育猫が感染する可能性を減らすには、感染していない猫だけを家に持ち込み、感染していない猫だけを飼うことが理想的です。場合によっては、家庭内で感染してしまった猫と感染していない猫を分けて飼育することになるかもしれません。子猫の新規導入の時は、検査しても正しい結果が反映されない期間のことを考慮して、しばらくは先住猫と別に飼育することをおすすめします。

残念ながら、FIVに感染した猫の多くは、他の猫と何年も一緒に生活してきてから診断されます。そのような場合、家庭内の他のすべての猫を検査する必要があります。FIVは主に咬傷によって伝染するため、安定した社会構造を持つ家庭(つまり屋内猫同士は仲良しさんであるとき)は、感染した猫から感染していない猫への伝染は、外に出てけんかをしてくる猫に比べ少ないです。

FIVに感染した猫が家庭内にいる場合は、新規の猫に感染の機会を与える可能性があります。また、新しい猫の導入がストレスとなり、日和見感染的に新たな病気を発症する可能性もあります。できれば新たな猫を家に持ち込むのは避けたほうがいいでしょう。

なおFIVはほとんどの環境で数時間以上は存続しません。しかし、前にFIV陽性猫が住んでいた環境(今は猫が居ない)に、改めて猫を導入する場合はFIVや他の感染症の伝播を最小限に抑えるために、消毒を行なってから迎え入れてください。食器や水食器、寝具、猫用トイレやおもちゃは洗浄し消毒をするか、または新しいものに交換してください。家庭用漂白剤の希釈溶液は、優れた消毒剤です。新しい猫や子猫は、家に入る前に他の感染因子に対する適切な予防接種(混合ワクチン)を受ける必要があることも念頭に置いてください。

FIV感染から保護するためのワクチンはありますが、猫のコアワクチンとは見なされていません。推奨される接種方法は、2回~3回のコアワクチン(3種混合ワクチン)が済んでから、初年に1か月間隔で3回、その後も1年に1回の追加接種をしていく方法です。勝手な思い込みで数年に1度接種をしてみたところで予防にはなり得ません。またワクチン接種された猫が確実にワクチンで保護されるわけではないため、ワクチン接種された猫であっても、曝露を防ぐ(感染猫との接触を避ける)ことが重要です。

 

<ヒトの健康への懸念>
FIVHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に似ていて、人間のAIDS(後天性免疫不全症候群)に似た病気を引き起こしますが、ネコだけに感染するウイルスです。FIVがヒトに感染したり、病気を引き起こしたりするという証拠はありません。

 

 猫のウィルスチェックは、子猫を飼い始めたときにすぐ実施したいと思うかもしれません。けれど偽陰性や偽陽性の出やすい時期があることを考え、早期に実施した場合は後日再検査の必要性が出ることもご承知置きください。

猫の世界からFIVを無くすことができるのは、陽性になった猫を外に出さない、感染の輪を広げないことにあります。陽性判定の出た猫では、「だって外に出たがるんだもの~外じゃないとトイレができないし~」の気持ちもわかりますが、去勢手術により出たい気持ちにブレーキがかかります。ぜひ出さない方向に重きを置いた対処法にご協力ください。

師走に入りました。ご多忙とは思いますが、ご自身のおからだも大切になさってください。

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猫免疫不全ウィルス感染症

今日は猫免疫不全ウィルス感染症についてお話しします。ちょっと長いです。

 

<病原体は?>

猫免疫不全ウィルス感染症は猫免疫不全ウィルス(Feline Immunodeficiency virus : FIV)の感染により起こる病気です。猫エイズとも呼ばれています。有効な治療法のない怖い病気です。

猫免疫不全ウィルスはレトロウィルス科に属しています。このレトロウィルス科には猫白血病ウィルスも仲間として入っています。(もう少し細かい分類は違います)このウィルスは1986年にアメリカで初めて分離されました。

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<感染は?>

猫免疫不全ウィルスは主に猫同士のけんかによる咬まれ傷によって感染します。唾液中に含まれるウィルスが傷を介して移るのです。そのほか性行為によって、また母猫から子猫への感染も頻度は低いかもしれないけれど、あるでしょう。

2008年に鹿児島大学の遠藤先生たちが全国で行った調査によると、地域差はあるものの「最低週に1回外出する猫」1770頭のうち23.2%の猫が猫免疫不全ウィルスに対する抗体を持っていました。調べられた猫のうち、1175頭は「けがをしていたり、食欲がなかったり、やせていたり、鼻水を出したり、目やにが出たり、呼吸が苦しいなどの症状をもって病院に連れてこられた猫たちで、716頭はけんかによる咬まれ傷がありました。この調査からわかることは「自由に屋外に出て行ける猫は、屋内だけで過ごす猫の20倍以上の高い感染率になる」ということです。そして「オス猫はメス猫の2倍も感染している」こともわかりました。

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<5つの病期と症状>

猫免疫不全ウィルスに感染したときの症状は、感染後どのくらい経過したかによって異なります。

    感染してすぐは・・・

熱が出たりリンパ節が腫れたり、下痢になったりします。血液検査でも貧血や白血球減少などがみられるくらいです。これらは特別な症状ではないのでほかの病気と区別がつきません。感染して数週間から数ヶ月くらいこのような症状が出ます。それでもこうした症状が強く出てこない場合は、なんとなくだらだらしているくらいで知らないうちに過ぎてしまいます。この感染したてのころは抗体検査をしても検査に現れません。(感染後、抗体が陽性になるのは30日から60日くらい過ぎてからです。)

この時期を急性期と呼んでいます。

    そのあと・・・

症状はまったく無くなります。症状がないので病気のように見えません。体調も良いのでけんかもできますから、ウィルスをほかの猫に広めることができる怖い時期です。数ヶ月から数年続きます。

抗体検査をすると陽性に出ます。飼い主さんは猫の体調が良いので、血液検査をして病気を確認しようなどとは思わないでしょうし、まさか猫免疫不全ウィルスの感染を受けていようとは夢にも思っていないかもしれません。感染猫は猫免疫不全ウィルスを一生涯持ち続けます。

無症状キャリア期と呼んでいます。

    それから・・・

全身のリンパ節が腫れてきます。けれどほかの症状ははっきりわからないことが多いです。検査をすると抗体は陽性に出ます。

持続性リンパ節腫大期と呼んでいます。

    症状が出始めます・・・

その後、免疫異常による症状がじわっと出てきます。口内炎や歯肉炎、鼻風邪や下痢などです。注射や薬でコントロールも可能な時期です。なかなか治りが悪いこれらの病状に「もしや、エイズかも!」と心配になるのがこの頃です。検査でその心配が的中してしまうのがこの時期です。

エイズ関連症候群期と呼んでいます。

    いよいよです・・・

免疫不全による症状が出てきます。検診で血液検査を実施すると赤血球や白血球が減少し、貧血やそのほかの血球減少症を発症ししているのが判明します。カンジダ症や疥癬症、毛包虫症などの皮膚病にもなりますし、腫瘍を発症することもあります。脳炎で神経症状を出すことも有り、看病するのも辛くなってきます。

後天性免疫不全症候群期です。

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<簡易レトロウィルス検査>

猫が猫免疫不全ウィルスに感染していないかどうかはレトロウィルス検査の簡易キットを使い、病院内で調べることができます。猫白血病ウィルスも同時に調べることができます。

特にこの検査を実施した方が良い猫たちがいます。

    状態の良くない猫

病状が悪い猫、猫免疫不全ウィルス感染症に特徴的な症状をだしている猫(けんか傷があるとか、口内炎がある猫たち)、そのほか猫エイズ陽性の猫と接触したことがはっきりしている猫です。

このような猫ではためらうことなく、レトロウィルス検査をうけることを承諾してください。以前の検査で陰性であっても、その後の生活が感染を疑わせるものならば再度受けてください。

    多頭飼育で暮らす猫

多頭飼育ですべての猫の感染状況が明らかでない場合は、陰性猫と陽性猫を分けるために検査が必要です。感染猫が1頭混じっていると一緒に暮らす猫みんなが感染の危険にさらされてしまいます。

    新しく飼育する猫 

新たに猫を迎える場合は成猫でも子猫でも検査を実施しましょう。

    猫白血病ワクチンや猫免疫不全ウィルス感染症のワクチン前

初めてレトロウィルス感染症関連のワクチンをうけるときは事前に検査を受けてください。ワクチン接種をするとワクチン由来の抗体が陽性になるため、それまでに感染したことがあるのかどうかが判明つかなくなります。

    感染リスクのある猫

屋外に自由に出入りすることができる猫は、もしエイズワクチンを接種していないのであれば、定期的に検査を受けましょう。年に1回くらいが理想です。

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<子猫の検査と評価>

子猫の検査を実施したとき、陽性になることがあります。お母さん譲りの抗体なのか、自然感染して自分で作り上げた抗体なのか判断に困ります。30日くらい間を開けてもう一度検査を行います。これで陰性なら、お母さんからもらった抗体が消失した、感染はなかったと判断します。

 

<成猫の陽性結果>

ワクチン接種をしたことがある場合、陽性に出ます。けれどワクチンを接種したことがあるかどうかわからないとき、ワクチン由来の抗体なのか、感染による抗体なのか判断がつきません。このようなときは、病院での簡易検査ではなく、感染を確認することができる外部委託検査を実施します。

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<治療のこと>

ウィルスの感染数を減らし生存期間をのばす治療が望まれます。しかし猫インターフェロンも希望をかなえられるほどの効果は得られません。対象療法を行います。

 

<予防ができます>

幸い日本では猫免疫不全ウィルス感染症のワクチンがあります。もし屋外に自由に出るような飼育をするのであれば、必ずワクチン接種をしておいてください。

基礎免疫は3週から4週の間を開けて、3回接種します。子猫もおとな猫も同じです。その後追加免疫は1年に1回です。

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<猫エイズに感染しているとほかのワクチンはうてない?>

免疫不全状態の猫ならば、なおさらのこと、感染症の予防をしたいものです。猫の3種混合ワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンの2つの種類があります。不活化ワクチンでしたら予防注射ができます。予防しましょう。

 

<おわりに>

12月1日は世界エイズデー、エイズの日です。
猫にも猫エイズと呼ばれる猫免疫不全ウィルス感染症があります。怖い病気ですが、ワクチン接種で予防ができます。
この機会にぜひ知ってください。

猫エイズで苦しむ猫がいなくなりますように。    合掌 

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猫ウィルス性鼻気管炎にかかったときの注意

 厳しい寒さが続いています。

この寒さで「くしゃみ、鼻水」などの風邪のような症状を示す猫さんが増えているかもしれませんね。

ウィルス性鼻気管炎の発症です。

ヘルペスウィルス感染症については前にお話ししました。

 http://heartah.blog34.fc2.com/?editor

今日は、かかってしまったらどんなことに注意したら良いのかについてお話ししようと思います。

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まずはおさらい。

「猫のインフルエンザ」とか「猫風邪」という、やさしい病名で説明してくださる先生もいらっしゃるでしょう。「ウィルス性鼻気管炎」というのが一般的な病名です。

原因は「カリシウィルス」や「ヘルペスウィルス」の感染です。

症状は「40℃前後の発熱、なみだ目、くしゃみ、鼻水、鼻汁、鼻つまり、よだれ」などです。鼻がつまったために「口を開けて呼吸をする」こともあります。高熱があると「食事が食べられなくなる」こともあります。またひどくすると肺炎を起こしますから、「呼吸が荒くなり」「元気が著しく低下する」ことになります。

 

治療は二次感染防止のための抗生物質、抗ウィルス・免疫強化を目的としたインターフェロン、そのほか症状に応じて補液やビタミン剤、抗炎症薬などの投与が主なものです。

しかし病院で治療するだけで病気がスッキリ治るものではありません。おうちでもケアが必要です。

そこでおうちの方に協力していただきたいことをあげておきます。 

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 1、外出させないでください。

 寒さは病気を悪化させます。「外出しないとストレスになる」とおっしゃる方もおられますが、出られない精神的なストレスよりも、出て行った場合の身体的ストレスの方が大きな問題になります。

2、暖かくしてあげてください。

 ウィルスは寒くて乾いた環境でさかんに増殖します。室内を暖かく、湿度のある状況にしてください。

3、同居の他の猫さんとは隔離してください。

 直接の接触だけでなく、くしゃみからの飛沫感染もあります。近距離にいる猫さんに病気がうつってしまいます。

4、工夫して食事を与えてください。

 鼻がつまると、においがしなくなり、食欲も低下します。体温程度に温まった水分の多い食事が一番食欲をそそるにおいを発します。こんな食事に近づけるよう用意してあげてください。お魚の水煮(アラ煮で結構です)などがおすすめです。パウチ食を湯煎であたためていただくのもありがたいです。ただパックを開けるのではなく、ひと手間かけてください。
 それでも自分から食べられないとか、食べる量が不十分だとかいう場合には処方食の給餌をしてください。流動食タイプになっていてポンプで口に入れることができます。

5、病気の子を看病した後は手を洗ってください。

 おうちの人の手を介して別の猫さんに病気をうつしてしまう可能性があります。眼やにやよだれで汚れた顔を拭いていただいたり、点眼処置をしていただいたりすると、眼やにやよだれの中のウィルスに触れることになります。市販の塩素系漂白剤を50倍に希釈した液を利用していただくと良いと思います。
 なお、猫さんのインフルエンザは人にも犬にも感染しませんのでご安心ください。

6、治ったらワクチン接種で次からの感染予防をしてください。

 一度感染しても生涯の免疫が得られるわけではありません。今後、同じ病気にかからないように定期的にワクチン接種をし、予防を心がけてください。

 

 <付記>
市販の塩素系漂白剤の成分は次亜塩素酸ナトリウムで、5%または6%のものが多く売られています。50倍希釈液は、キャップ2杯(10ml)の原液を500mlのペットボトルの水に加えると簡単に作ることができます。

<付記>
猫さんおひとりさま用のこたつを作ってもらうと、家の人が外出している昼間や寝静まった深夜に部屋のエアコンを切っても暖かく過ごすことができます。
ダンボール箱を横から出入りできるようにします。天井部分は閉じるかたちです。床部分にペットヒーターをおき、上にフリース素材の布を置きます。箱全体を毛布や夏掛けの薄い布団でくるんでください。出入り口は布が垂れますが、猫さんは布をくぐって出入りすることができます。


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