世界避妊手術の日

2月の最終火曜日は「世界避妊手術の日」です。犬や猫の避妊手術や去勢手術について知っていただきたい日です。

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 「避妊手術、去勢手術、しようか、しないでおこうか」、悩んでおられる飼い主さんはいっぱいいらっしゃいます。まだやっと成長しきるかどうかの時期に手術するかどうかを決めなければいけないのですから悩んで当たり前です。ワクチンが一通り終わって、トイレトレーニングができて、お散歩デビューも果たし、「ついこの間まで赤ちゃんだったのに、もう手術?」なんですからね。それから、「痛いんだろうな」、「手術は怖いな」という気持ちも入ります。

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新しい避妊手術パンフレットが出来上がりました。ワクチンの時に口頭で軽くご説明したり、子犬ちゃんの冊子でご案内はしていますが、ご家族皆さんお揃いでご来院くださっている時ばかりではないですし、ご家庭で話し合われるには資料が少ないかな、と思いました。でも、紙面の都合で要点だけ書きました。詳しくは院内の掲示板や、待合室に流れているTV、またスタッフ誰でもいいですのでお声がけください。それから診察室でも、お気軽に「どうしよう」「こんなところが心配なの」など、悩んでいることをお伝えください。手術の意思があるときだけお話しいただくのではなくて、「まだね、悩んでる途中なの」というのもお話しくださって結構なんですよ。

掲示板用の新しい資料です。

[お隣さんはどうしているのかな?どのくらいの割合で手術を受けているのかな?]
犬では約半数が、猫では8割近くが手術を受けています。
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[みんなはいつ頃手術を受けたの?おすすめはいつ頃?それを過ぎたら手術を受けられないの?]
6か月から9か月齢で手術を受けているお友達が一番多いです。手術はその時期を過ぎても受けられます。
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[どうして6か月齢なんていう小さい時に手術を受けるのがいいわけ?]
乳腺腫瘍の発症と避妊手術をした時期に関連があることがわかっているからなんです。どうせ手術をするなら乳腺腫瘍の予防までできた方がいいよね、ということで「遅くても2回目の発情が来る前までに」になりますが、2回目以降の発情が来た後でも子宮蓄膿症は予防できますので、いちばんおすすめの時を過ぎてしまっても手術ができないということではありません。
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[そもそも、避妊手術や去勢手術は必要な手術なの?]
実は避妊手術や去勢手術で病気の予防や問題行動発生の予防もできます。それで手術を受けてもらった子たちは健康で長生きできるし、こまったちゃんにならずにすむのです。
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[性ホルモンに関連した病気にはどんなものがあるの?]
男の子に多いのは前立腺肥大症や精巣腫瘍ですし、女の子に多いのは子宮蓄膿症や乳腺腫瘍です。そのほかにも性に関連した病気はいろいろあります。
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[性ホルモンに関連した問題行動というのはどんなものをいうの?]
猫では、女の子が発情期に激しい声で鳴くとか、男の子が年頃になるとふらふらっと出て行ってしまうこと、攻撃性が高まることや尿スプレー(かけしょん)をすることなどがあります。犬の場合、女の子は発情期に陰部出血があることや食欲が不安定になること、偽妊娠(想像妊娠でお乳が腫れてしまう)があります。男の子は攻撃性、尿スプレー、マウンティングなどです。
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[避妊手術や去勢手術にはマイナス面はないの?]
残念ながらいい面ばかりではありません。麻酔のリスクもありますし、縫合糸が体に合わなくて反応を起こすこともあります。発生率からすると極めてまれです。残念ながら術後しばらくするとじわりじわりと体重が増える肥満問題は、わりと一般的です。
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避妊手術、去勢手術の実施はご家族でじっくり話し合って決めてください。
それから、手術が終わったあとも気を付けなければいけないこともあります。肥満問題は必ずと言ってもいいくらい発生してしまいます。誰かが抜け駆けして甘ちゃんになっていると肥満は加速してしまいます。
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今日は新しい「避妊手術と去勢手術のパンフレット」のご紹介でした。

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World Spay Day 世界避妊デー

 今日は世界避妊デー。

http://www.worldspayday.org/whyworldspayday/

望まない赤ちゃんを作らないように、不妊手術を受けませんか?



屋外で過ごす猫、飼えないけれどかわいいし、食事がないなんてかわいそうだから、時間になると餌をやりに行きます。

そんな、猫好きさん、実はその行為が不幸な子猫を増やす第一歩になってしまいます。

おうち猫さんには不妊手術をしていても、おそと猫さんにまで手術をするだけの経済的なゆとりはない。

その通りだと思います。

でも、そのままにしていると栄養状態の良くなった猫さんは子供を産みます。

そして瞬く間に増えてしまいます。猫算、ってやつです。

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猫さんどんどん増えるの図
 



おそと猫の避妊手術や去勢手術もおうち猫の手術と同じです。

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不妊手術についてのパンフレットもあります
 

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おそと猫のお食事仲間さんで検討してみてはいかがですか



 

全身麻酔下で安全に手術が行われます。

術後の痛みを軽減する鎮痛剤が投与され、1日入院でお帰りできます。

2週間の効果がある抗生物質のお注射をしますから、帰った後にお薬を投与する必要はありません。

「増えては困る」を解決するだけでなく、他の病気に対する予防効果もあります。

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オスの去勢手術も猫増加をストップさせられます
 

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メス猫さんは穏やかな生活が得られます
 

おそと猫さんをニュータードして地域猫さんにしてあげませんか。

安全で取り扱いの簡単な捕獲器の貸し出しも行っています。

料金についてはご相談ください。 




















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避妊手術・去勢手術をおすすめする理由

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2月は避妊や去勢の手術について知っていただく月間です。避妊手術や去勢手術は望まれない子供を増やさないようにコントロールするだけでなく、毛がふわっふわしたあなたのお友達を幸せで健康にするのにも役立っています。



こんなネット向けのポスターがあります。
AAHAはアメリカの動物病院協会です。
こちらでは2月は避妊手術や去勢手術の推進月間になっているようですね。
避妊手術や去勢手術を私たち獣医師はすすめているのですが、それはどうしてでしょうか。今日は私たちが不妊の手術をすすめる理由についてお話します。

 
そもそも避妊や去勢の手術は「繁殖しないこと」つまり「子供をつくらないこと」を目的に行われてきました。その後「子供をつくらないようにする」目的は手術をしなくてもホルモン注射などの内科的な方法でも達成できるようになりましたが、この方法には副作用があるため、ある種の治療を目的とするのに用いることを主とし、繁殖しないことを目的とした使用はされなくなりました。そして現在は避妊手術や去勢手術が再び、いえ、前以上に行われるようになりました。それは避妊手術や去勢手術には「繁殖防止」目的以外にもいろいろな面で利点があることが知られるようになったからです。
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まず、避妊や去勢手術をすると「発情をなくす」ことができます。それにより「発情で誘発されるホルモン由来の問題行動をなくす」こともできるようになります。例えばオスの優位性行動を抑えるのでしつけがしやすくなるとか、尿マーキングをコントロールするとかいったことです。もちろんこのほかにも、発情のためにふだんなら抑制できていた行動を抑えきれなくなり発作的に動いてしまう(性衝動といいます)こと全般をやめさせることができます。優位行動や尿マーキング、性衝動などは、人との共存生活をするために好ましくないことなのでこれらが無くなるとわたしたちにとって都合が良いのです。
 
さらに「繁殖させない」ことにも利点はあります。交配には感染症のリスクもありますし、雌性動物にとって分娩というのは100%安全なわけではなく、出産は命がけの行動です。またその後の授乳、育児にも身体的、精神的負担があります。
 
そして、「性ホルモン由来の病気を予防する」というのは彼らにとっての大きな利点です。多くの獣医師たちはこの利点を強調し、手術をすすめています。犬も猫も長寿になった結果、高齢になってから生殖器系の病気にかかることが増えてきました。乳腺腫瘍、卵巣の病気・腫瘍、子宮蓄膿症をはじめとする子宮の病気・腫瘍、精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの病気は避妊手術や去勢手術をしておくと予防することができます。

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「発情がおこるのは動物として当然のこと。自然が一番。人の勝手で手術をするなんてかわいそう。」という意見も聞かれます。こう言われると「その通りだ」とうなずかれる方が多いと思います。しかし犬や猫は野生動物ではありません。人と共存している動物です。片方に強い「我慢」があるのは共存の意味がありません。双方ともに楽しく暮らすためには、私たちが「動物行動学」に基づいて犬や猫に無理な生活パターンを押し付けないようにする義務があるのと同様に、動物にも家庭内のルールに順応してもらう必要があります。避妊手術や去勢手術は野生動物(ワイルドアニマル)から家庭飼育動物(ドメスティックアニマル)になった犬や猫たちに新たに求められるものです。そしてこれは決してかれらにとって「人の都合だけで痛い目にあわされること」だけではありません。発情のために湧きあがってきたけれども自由に交配することができない苛立ちは残ります。また家庭愛玩犬として精神的な成熟がない犬に妊娠や出産、授乳などの育児行為は打ち勝つのに難しいできごとになるでしょう。高齢になって発症するさまざまな病気もまた彼らを苦しめることになります。避妊手術や去勢手術によってこうしたことから解放されます。

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そうはいっても病気のために行う手術には「病気から救う」ためにやむを得ない部分があるわけですが、健康体に実施する手術です。「やった方がいいのならやってしまおう」という簡単な気持ちでは好ましくありません。高齢で生殖器の病気になってから実施する手術に比べると若くて健康な時に済ませるほうが明らかに低リスクですが、手術には必ずリスクが伴います。決して安易に結論づけることなく、ご家族で十分話し合われ納得されたところで、動物の体調の良いときを選んで手術に踏み切ってください。
 
 
追記
ジョージア大学で1984年から2004年にわたって行われた大規模調査(調査頭数4万頭以上)によると、避妊や去勢の手術を行った犬の方が寿命が長い(平均寿命:手術済み9.4歳VS未手術:7.9歳)という解析結果になったそうです。病院に連れてこられた犬を対象にしているため平均的な犬の寿命より短い結果にはなっていますが、手術の有無によって年齢差が現れていることが分かります。

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〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
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オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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