- 2009-10-25 :
- 骨・関節・筋肉の病気
歩き方がぎこちないんです
朝夕めっきり冷え込んできました。
この時期に相談が多くなるのが
「びっこを引いてるみたい」
「なんだか歩き方がおかしい」
「寝ていることが増えてきた」
という、歩き方に関する問題です。
こうした訴えを起こしているのはたいてい高齢のワンちゃんたち。
はは~ん、と思ってこんな質問をしてみると、たいていこれらにも「そうなんですよー」っていう答えが返ってきます。
「横になっていて立ちあがるときに、ヨッコイショという感じで、シャキッと動かない」
「ジャンプして登っていたところに登れなくなった」
「飛び跳ねるようにピョンピョン歩きをする」
こうした症状は関節炎の症状です。
また、歳をとって筋肉の量が減ってくると、こんな症状も付帯しておこってきます。
「立っている時に後ろ足が小刻みに震えている」
うまく歩けないと、「骨折か脱臼かねんざか」なんて心配されてくる方が多いのですが、歩くことには骨だけが関与している訳ではありません。
骨と骨をつなげている関節・骨を支える筋肉や腱・脳からの指令を伝える神経・足からの情報を脳に伝える神経など、いろいろな器官が総合的に働いて「歩く」という動作をさせています。その中でも関節はやっぱり大切な部分です。
TV通販では膝ベルトなんて紹介していますよね。また、コンドロイチンなどもご存知の方が多いのではないでしょうか。私たちも加齢によって肩の関節がうまく回らなくて「40肩」なんていってますし、階段も下がってくる時に膝が痛みます。犬も同じように関節液が減ってきて痛むのです。
足が痛むままにしておくと、歩くこと自体を嫌がるようになり、関節が固定されて、使わなくなった筋肉は早いスピードで萎えてきてしまいます。そうすると本当に歩けなくなってしまいます。動けなくなってからは人でも犬でも同じ、痴呆症が進行していくだけです。排泄の世話は大変です。とにかく、早いうちに治療を開始し、QOLの高い生活が得られるようにしておきましょう。
関節炎についてのセミナーを10月31日土曜日午前10時から予定しています。お気軽にご参加ください。