ワクチン接種について~犬のワクチン~

今年の愛犬のワクチン接種予定日はご存知ですか?そろそろ…かもしれませんね。さて、ハートでは…

年に1度の混合ワクチン接種時に血液検査(血球検査と生化学検査)を無料で実施しています。

結果は15分~20分程度で出ますが、後日愛犬や愛猫を連れていないときにゆっくりと結果説明を受けることもできます。

ワクチン接種は愛犬・愛猫の体調の良い日を選んで、できれば午前中のお腹がすいているときにお越しください。

ワクチン接種は狂犬病予防注射と違って、任意の犬の予防注射です。けれど愛犬の健康を考えるとぜひ受けていただきたいコアな病気予防です。感染し易くて、しかもかかると死亡率も高い怖い病気だからこそ、ワクチンで予防できるようになったのです。これらのワクチンができる前の病気全盛だった時代、どれだけワクチンを待ち望んだことかしれません。

当院では年に1回の接種日が4月から5月になっている愛犬が大勢います。今回は犬のワクチンについて、お話をしようかと思います。少々長くなりますが、読まずにやめる前に、タイトルくらいは目で追ってくれませんか?

1、ワクチンのしくみ

ワクチン「病気にならないようにする注射をうつこと」。けれど、もう少し詳しく言うと「弱らせた病原体を投与し、犬・猫の身体に免疫をつけること」なのです。

身体にはもともと病気と闘う力が備わっています。けれどすべての闘いに勝てるわけではない。強的な相手には負けてしまいます。それで強敵の毒素や力を弱めて、先に相手の情報を身体に読み込ませておきます。いざというときはこういう相手が襲ってくるよ、という準備をさせておくのがワクチン、ということになります。野球部でいえば、本試合の前の練習試合って、感じでしょうか。もちろん野球部員は免疫に関与する細胞群ですね。ちなみにマネージャーさんも液性免疫に相当しますね。

 2、ワクチンで予防できる病気

①犬ジステンパー は最も恐ろしい犬の伝染病として古くから存在していました。嘔吐・下痢・食欲不振・発熱を主とする消化器型と膿性鼻汁や咳を主とする呼吸器型、チックや麻痺・てんかん様けいれん発作を主とする神経型があります。死に至る病気です。散発的に発生がみられます。

②犬パルボウイルス感染症は嘔吐・血便・白血球減少を起こす病気です。約30年ほど前から日本でも発症がみられるようになりました。伝染力の強い死に至る病気です。散発的に発生がみられます。

③犬アデノウイルス感染症は2つの型の違う病気を引き起こします。Ⅰ型は伝染性肝炎を、Ⅱ型は犬伝染性咽頭気管炎をおこします。Ⅰ型は致死的病気です。Ⅱ型は他のウイルスや細菌と混合感染しケンネルコフという病気をひきおこします。時折発生がみられます。

④犬パラインフルエンザはケンネルコフの原因となる感染症です。子犬での発症が多く、慢性化すると生後6カ月くらいまで咳が続きます。

⑤コロナウイルス性腸炎はパルボウイルス性腸炎とよく似た症状を発症します。

⑥レプトスピラは人獣共通の病気です。発熱、黄疸、腎不全などを起こし、やはり致死率の高い病気です。

3、ワクチン接種の時期(子犬の場合)

ワクチン接種をしても親からもらった免疫(移行抗体)があるとこれがじゃまをして自分自身の免疫を作ることはできません。つまり親譲りの抗体があるうちに注射をしても無効なのです。では親からもらった免疫はいつごろなくなるのでしょうか。たいていは生後60日から100日あたりで無くなるようです。それで60日ころから接種始めて30日くらいの間隔、つまり、60日、90日120日というふうに3回の接種をし、どんなに早くても最終を100日以降に予定します

それでも生後60日で接種した5日後の65日齢に移行抗体が無くなってしまうかもしれません。次の接種予定日までの25日間は免疫の無い空白期間です。この時期に伝染病に感染してしまうことが無いわけではありません。子犬を野外に連れて出て感染症の疑いが持たれる犬と接触させたり、遊び疲れさせないようにお願いするのはこのためです。

4、ワクチン接種の時期(成犬~老犬の場合)

子犬の頃に接種したワクチンは約1年程度で効果が薄れてきます。身体に作られた抗体の力が下がってくるのです。対抗試合をしないでいると、試合のコツを忘れてしまうので、本試合で負けてしまうと考えてください。1年ごとの追加接種で、常に病気と闘える力を備えておくことが大切です。また、ワクチン注射は3年ごとで大丈夫、というワクチン3年説も出ていましたが、ワクチンの種類によっては1年でも危うい、と言われているものもあります。決して自分の都合の良いように解釈しないでください。

老犬になってからは、なおさら病気に対する抵抗力が衰えてきます。ワクチン接種の時期を他の病気で逃してしまうこともあるかも知れませんが、体調が戻ったところで追加接種をしておくとその後も安心です。

 5、ワクチンの副反応

ワクチン接種によって、期待していた効果とは別の異なった症状がもたらされることがあります。軽い発熱や一過性の嘔吐、下痢、元気や食欲の喪失などが主な副反応です。かわいい愛犬にこのような症状がみられるとワクチンを接種するのが怖くなるかもしれません。けれど、ワクチンで予防している感染症は、はるかに激しい症状で、闘病期間も長いですし、死んでしまうことすらあるわけです。もし副反応が軽いのであれば、ワクチンによって得られる効果ははるかに副反応を上回ります

最も多いワクチン反応はアレルギー性の副反応です。ワクチンを製造するうえで、培養液、培養細胞成分、抗生物質、安定剤、防腐剤、アジュバントなどが混入または添加されます。これらに対して身体が望ましくない免疫反応を起こすことがあります。過敏症反応と呼んでいます。急なショック状態(脱力や貧血、低血圧、ふるえ、けいれん、よだれ、呼吸異常、尿失禁など)を示すアナフィラキシーショックは重篤な副反応です

よくみられるのは、接種後しばらくしてから目や唇の周りが腫れてくる(ムーンフェイス)ことです。ときに痒がって顔を掻く動作も一緒にみられます。ムーンフェイスは軽い反応です。

すべての薬がそうであるように、ワクチンにも必ず副反応というリスクがあります。

6、副反応を起こしたことのある犬のワクチン接種

アナフィラキシーは命にかかわる重大な反応です。ワクチン接種はお勧めできません。

しかし、軽いアレルギー反応でしたら、アレルギーの薬と併用することで副反応を抑えることはできます。ワクチン接種をしなかった場合の方がリスクは高くなると思われますので、副反応を抑えながらワクチン接種をすることをお勧めしています。

月曜日、火曜日、水曜日、金曜日の朝から夕方までお預かりして、抗アレルギー剤を同時投与し、院内で様子観察する方法をとられている飼い主さんもあります。アレルギー反応が心配な場合は遠慮なくスタッフに言ってください。

7、ワクチン接種をお勧めできない場合

①妊娠、授乳中のおかあさん犬であるとき。子犬が自立してから接種しましょう。

②重い病気の治療中であるとき。治療が済んで様態が安定したら接種しましょう。

③興奮状態で飼い主さんがなだめてもしずまらないとき。後日、安静状態になったら接種しましょう。

④免疫抑制剤や免疫抑制効果のある薬を投与しているとき。薬の投与が不要になってから、または安定してからにしましょう。

⑤1年以内に激しいてんかん様発作をおこしたことがあるとき。抗てんかん薬で発作が安定していれば大丈夫です。

⑥明らかな栄養障害が認められるとき。まずは栄養状態を改善させてからの接種をおすすめします。

⑦家に来て間が無いとき。1週間以上経過して、新しい環境に慣れていれば大丈夫です。

⑧1週間以内に移動する予定があるとき。旅行や新しい飼い主の家に養子に出る予定があるような場合は予定を延期するか実施後、安定してから接種してください。

⑨他のワクチン、狂犬病予防注射を接種してから間が無いとき。不活化ワクチン接種後1週間、生ワクチン接種後1カ月間は他のワクチンの接種はおすすめできません。

以上の場合はワクチン接種を延期し、時期を見て再評価して接種することをおすすめします。

8、ワクチン接種後の注意事項

①ワクチン接種後は15分くらい病院内に居てください。命にかかわるような副反応は80%が接種後15分以内に発現するのです。たいていは注射後お会計までに10分くらいはかかると思うのですが、その後もすぐにお帰りにならず、院内またはお車あたりで時間を見計らってもらえると助かります。欲を言うと30分です。混合ワクチン接種時に実施している血液検査の結果を待ち、当日説明をうけられるとちょうど良いころ合いかと思います。

②もし、徒歩で来られた場合は帰りはお車でお願いします。ワクチン後、興奮することは発熱につながります。どうにも車に乗ることができないのであれば、猛ダッシュするのは止めさせてください。静かにのんびり歩いて帰ってください。

③帰宅後も安静につとめ、愛犬の様子をよく観察してください。接種当日は発熱したり、顔が腫れたりということがあるかもしれません。

④注射当日から最低3日は安静にし、激しい運動やシャンプーは避けてください。できれば7日ころまでです。日常的な散歩は良いですが、走ったり、ドッグランに連れて行ったり、ということはやめてください。

さて、今年のワクチン接種の予定日はいつだったでしょうか?

★はっきり覚えていらっしゃるあなたはかなりの愛犬家

★おぼろげながらも前回のワクチン日が春夏秋冬のどの季節だったのかわかるあなたもしっかりした愛犬家

★いつだったか忘れちゃったけど、はがきは間違いなく持っているわよ、というあなたもすばらしい愛犬家

★すっかり忘れちゃったけど、ワクチンのことを気にかけているあなたもちゃ~んと愛犬家

★今回、この記事を最後まで読んでくださったあなたは間違いなく真の愛犬家です。

今年もワクチン接種をお忘れなく。

スポンサーサイト

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード