アトピー性皮膚炎について

アレルギーとか、アトピーというお話をする前に、どうしても理解していただかなければ始まらないことがあります。
免疫の仕組みについてです。難しい内容ですが、できるだけわかりやすくお伝えしようと思います。

体は皮膚を隔てて、自分自身(自己)と自分ではないもの(非自己)、の境目があります。皮膚ではない特殊なところは別の組織になっています(眼→結膜など。鼻→鼻粘膜。気管支→上皮組織。胃腸→上皮組織)が、どれも同じように体の中と外を隔てた膜です。

体の外から異物が入ってくると体はそれを攻撃して寄せ付けまいとする仕組みがあります。外部のものに病原性があるとき、とっても良いシステムになります。免疫です。病原体を排除して病気にならない仕組みが発動するのです。

ワクチンのお話をしたときに、野球部員を例にとってお話しました。今回も野球部員に登場してもらいましょう。
体の中と外を隔てている皮膚に例えられるのは学校の敷地まわりに作られたフェンスとしましょう。対外試合に来てもらった他校の野球部員はワクチン。外から入ったなるい病気のもと。こうして病気と戦う力をつけていきます。

さて、他校の文化部の生徒がやってきました。自校の生徒ではありませんが、戦いに挑もうと思ってきたわけではありません。好意的に受け入れても問題はないはずです。しかしフェンス近くで力比べをはじめてしまいました。相手はグローブもバットも持っていませんが、野球部員はすっかり勘違いして、フェンス前で豪速球を投げて試合に挑もうとしてしまいます。文化部の生徒さんですから、それに対して投げ返したり打ち返したりは一切ないのですが、それでもしつこくボールをぶつけていきます。
こういう、 誤りから生じた過剰防衛的反応がアトピーです
そして投げられたボールによってフェンス付近はすっかり荒れてしまいました。
このようなことが皮膚で起こると、アトピー性皮膚炎になります。


一方、学校内の仲間を外部の怖い人たちと勘違いしてしまうことがあります。そして仲間を攻撃。校舎の中で大暴れし、自校の建物を破壊してしまうほどになります。
こちらの誤解は戦う相手を間違えた誤爆で、自己免疫疾患です。攻撃の対象になるのは、赤血球や血小板などの血液細胞が多いのですが、そのほかに脂肪組織が狙われることもあるし、肛門周囲の組織であることもあれば、腎臓やすい臓などの重要組織がターゲットになってしまうこともあるのです。

このようにアトピーは正しい免疫や間違ってしまった免疫病と、紙一重です。
 

こうした免疫の異常は常に緊張状態にある体に起こりやすいようです。
アレルゲンと呼ばれる病原性を持たない非自己がたくさん体に入ってきているとか、何らかのストレスを感じているなどです。

樹木や雑草などの花が咲く春~夏~秋にかけては飛散している花粉量も多く、またイエダニなども活発に増殖する時期なので、環境内にはアレルゲンがたくさん飛ぶことになります。それで、アレルギー性疾患を起こしやすくしています。


アトピーは免疫バランスの崩れた状態です単に痒くなっている皮膚をもとに戻せばいい、というものではありません。そうした敏感になっている免疫機構を常に落ち着いた状態にしてやることが大切です

そして、アトピーは症候群ですひとつのことだけが起こっているのではなく、複雑にいろいろな要素が絡み合って、症状を発しています。皮膚だけでなく目や耳、お腹にも異変があるということは多いのです。ですから、総合的に診て、体まるまる一つを治すようにしていかなければなりません。



続きは次週。

6月26日より7月8月9月まで、オーナー向けセミナーはアレルギーに関するものを中心に開催する予定です。お気軽にご参加ください。
6/26:アレルギー性皮膚炎について
7/10:アレルギー性皮膚炎と食事について
7/17:アレルギー性皮膚炎とシャンプーについて
7/24:アレルギー性皮膚炎と特殊な薬について




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