嘔吐のおはなし・その2

 「嘔吐」についてのおはなし。2回目。

 

嘔吐についてご相談をうけます。なかでも多いのは深夜から明け方にかけての嘔吐です。吐物の形状ですが、食べたものがある程度こなれた状態のものから、水分が混じってどろどろの粥状になったもの、それから黄色い液状のものまでさまざまです。深夜、動物が近くにいると吐く動作をみることもありますが、お家の方がしっかり寝入っていて夜間の行動を見ていない場合は、朝起きたときに吐いた跡を発見することになります。それでもたいていの場合は食欲があり、食事を普通に摂取できます。

草を食べて吐く、というのもよくあるご相談です。食事も食べるし、元気も良いのだけれど、お腹が空いているような時に草を食べ、透明な液体と一緒に草がそのままの状態で出てきます。

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これらの状態は軽く胃炎を起こしているような時に多い症状です。病院に行こうかな、行かなくても大丈夫かな、と悩むところだと思います。

 

もし、次のような状況であれば、少し「様子をみてもいい」かもしれません。

①季節が真夏や真冬ではない。

②幼若、または高齢ではない。

③慢性疾患にかかっているとか、常に飲んでいる薬があるわけではない。

④近頃何らかの病気にかかったわけではない。

⑤ほかに気になる症状(下痢、皮膚の赤み、耳の痒みなども含めます)はない。

⑥家族が忙しくはなく、充分に動物を観察する時間が取れる。

 

「忙しいから病院に行けない、様子をみてもいいか?」というのはこの用件にはあてはまりません。「家で観察できるならば少し様子をみても良い」、ということです。観察できる状況でないのならば診察を受けた方がいいのです。

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さて、それでも、このまま「様子を見るだけ」というのはよろしくありませんので、家庭でできる胃腸の休め方をご紹介しておきます。

 

①半日または1日程度、食べものを止めてみる。おやつも中止です。ことに消化の悪いジャーキーなどはねだられても与えてはいけません。

②食事の再開時は、1日量はいつもの1/2から1/3程度で、数回に分けて与えます。1日量の1/6くらいが1回の投与量になるでしょう。消化に悪いもの、脂肪分の多い缶詰は与えないでください。

③嘔吐がなければ、食事量を少しずつ増やしてください。与える回数は数回です。

④こうして57日してもだいじょうぶなら、投与回数は減らしていき、いつも通りの2回食にもどしてください。

⑤このように与えていても嘔吐するようでしたら、病院へ来てください。

また、前回お話しましたように「嘔吐」の原因としては「心因性」のものがあります。もし、ストレスとして思い当たる節があるのであれば、原因を取り除いてください。

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追記

動物によっては「家族以外の人」の来訪を好ましく思っていないことがあります。動物と接するのになれていない子供などは、大声をあげたり、急な動きを見せて、動物を不安にすることがあります。慣れない人に触られる、抱かれる、というのもストレスがあります。じっとなすがままでも我慢してそうしている可能性があります。

このようなときに「クレート」は便利です。動物の緊急避難先であり、安全圏です。家の中で「クレート」という「檻」の中に閉じ込めておくのは抵抗がある、という方もおられるかもしれませんが、そこが彼らの安心できる「個室」、「マイルーム」であると考えてください。これは甘えん坊さんにとって「自立訓練」のひとつでもあります。災害時の避難先でも「クレート」内で飼育されることになるので、こうした空間に入ることに慣れさせることは大事です。

 

今日のお話はこれでおしまいです。

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