慢性腎臓病のフォローアップ検査と治療・1

慢性腎臓病のフォローアップについて、お話ししていこうと思います。

 

慢性腎臓病は徐々に進行して病期のステージが上がっていき、最終的には末期腎不全へと移行していきます。大事なのは慢性腎臓病の進行をできるだけ遅くなるようにすることです。進行を抑えるには現在の治療が有効かどうかを確認する必要があります。病期のステージが変わると主だった治療も変わってきます。

これは腎臓病だけに限らず、心臓病でも同じです。

 

慢性腎臓病に限らず、私たちは生まれたと同時に終末期に向かう電車に乗っています。検査をするのは、駅で降りて、今乗っている電車が特急電車なのか各駅停車なのかを確認するような作業です。もし特急電車であったならば急行へ、さらには各駅停車の電車に乗り変えさせなければいけませんし、乗り心地が悪いようならば快適な仕様に変更しなければいけません。これが検査と、その結果に応じた治療法の変更の意味です。

病期が進んでくれば来るほど、この検査のタイミングは間隔を短めに行う必要があります。

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慢性腎臓病の進行を抑えるというのは、既存のネフロンをなるべく傷つけずに長く働いてもらう、ということです。血液検査で高窒素血症を発見したときには、すでに7580%のネフロンがダメージを受けており、働くことができる残りのネフロンが減少しています。この残っているネフロンを大事に使っていかなくてはいけません。それは慢性腎臓病の犬猫のQOLを著しく損なう進行したステージへ至ることを阻止すること、そこへ向かう時間を遅らせることなのです。

 

腎臓にダメージを与える物質はなるべく避けるようにします。腎臓に強く影響を与える薬はどんなに素晴らしい薬であっても使うことができませんし、健康な犬や猫に使用する場合とは投与量を変えて処方する場合もあります。

脂質異常の治療や貧血治療、血糖や血圧をコントロールしていくことも腎臓病の進行を遅らせることができます。

腎炎のような尿中にタンパクが流れ出てしまう病気では漏れ出るタンパクを最小限にとどめる治療(ステロイドや免疫抑制剤は原因療法になります)を行います。

薬物療法だけでなく食事療法でも進行を遅らせることが可能なことも分かっています。ナトリウムやリンを抑えた食事、たんぱく質を制限した食事は腎臓を守ることができます。

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慢性腎臓病があると、本来腎臓から排泄されるはずの、身体がだるく感じる物質、嘔吐させるように働く物質などが蓄積されてしまい、食欲不振になることがあります。インドール硫酸はこの尿毒症症状を出す物質の代表的なものです。食事療法や薬物療法(吸着薬)によって、これらをなるだけ作らないように、また、できても速やかに腸から排泄させるようにすると、慢性腎臓病の犬や猫が気分良く毎日を過ごすことができます。

 

このように援助してやるのが慢性腎臓病の治療であり、慢性疾患の治療はむやみな延命ではありません。

 

今日は慢性腎臓病の定期検査の必要性と治療の概略についてお話ししました。目的は患者さんである犬や猫の穏やかで快適な生活です。ご理解とご協力をおねがいします。 
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