FC2ブログ

猫の健康に関するお願い

 2月22日今年の「猫の日」が終わってしまいましたが、今週火曜日は「ワールドスペイデー」。スペイは避妊手術のことです。今日は外猫の集団管理と家庭猫の個別管理について、思うところをお話しし、沢山の「お願いごと」もこの機会にちゃっかり書いてしまいます!

 そとねこ

<外猫さんの不妊手術>

当院では外猫の集団管理としての繁殖抑制を目的とした「外猫不妊手術」を行なっております。「どうぶつ基金」さんが行なっている「さくらねこ活動」にも協力しています。これは生まれてもすぐに生涯を閉じなければならないような不幸な子猫ができることを無くす一つの手段でもあります。最も正しい方法が何なのかはまだわかりません。外猫の不妊手術は一般の飼育猫が受ける不妊手術と同じですが、依頼される団体さんや個人の方のボランティア活動に敬意を払って、負担が軽くなればとの思いから手術料金を一般の猫よりも低額に設定しております。(どうぶつ基金さんのチケットをお持ちの方はまた違います。)
外を自由に飛び回っている猫たちのことですから、ノミなどの外部寄生虫を持っていることがあり、お預かりしているとき院内でノミを飛ばされては困りますので、外部寄生虫駆除は必ずお願いしていますが、それ以上の猫にとって有益な獣医学的な介入はしていません。(手術にまつわる抗菌薬の投与は、たまたま外傷を伴っていた場合には有効に働くでしょう。)

猫白血病や猫免疫不全ウィルスの感染症検査と、3種混合ワクチン接種は、ご依頼があった場合にお受けしています。ご依頼を受けるのは、今後、飼育ボランティアさんが人慣れさせ、譲渡会を通して家庭猫になる候補生として成長させていく猫なのだろうと思います。

「餌やりさん」とお呼びしていますが、公園などで定期的に食事やトイレなどを管理してくださっているボランティアさんもおられます。一部の猫は手術後同じ場所に戻り、ボランティアさんにより手厚く面倒を見てもらえる猫たちです。しかし外で暮らす猫たちの生涯はあまり長くなく、およそ5年程度と言われています。それはいろいろな感染症にかかってしまうことにも原因はあるかもしれません。この猫たちに集団予防としてのワクチン接種は望ましいことかもしれませんが、それが出来るほど余裕のあるボランティアさんはなかなかおられないだろうと思います。一度でもワクチン接種をしておけば感染の機会が減らせるのかもしれませんが、現実的には難しそうです。

それから、この後会うことはほぼないだろうと思われる猫たちもいます。そんな猫も含めて、このあと元気に生きていけるといいなぁと思ってお別れします。

 そとねこ2

<新しい家族を迎える>

一方、手術をしてお別れするのでなく、外猫を保護して新たに飼育くださる方もいらっしゃいます。たくさんいらっしゃいます。子猫はある程度生育すると、お母さん猫が「もうこれ以上あなたの面倒は見ませんよ、元気に独り立ちしてちょうだいね」ということで居なくなって、はぐれてしまうことがあります。自宅または勤務先近くで出会ったこうした猫を、縁あって家族として迎え入れてくださるケースは、とても有り難いことです。まだ独立するには忍びない月齢の猫もいますから。

中には散歩中の犬が気に入って連れてきたという猫や、散歩に出る先住猫がパートナーを呼んで来たということもあります。彼らの感性に響いた友達だったのでしょう。飼育している家族が気に入って紹介してくれた友達を新しい家族として迎え入れてやらない理由は見当たらないですよね。迎え入れていただけて有り難いこと、この上ありません。そして、友達を連れてきてくれた犬や猫さん、グッジョブ!です。君たちにもありがとう。

そのほか、成猫になってからでも家族にしてもらえることがあります。事故などで公共の場所に伏していた猫を温かく保護してくださり、健康回復後も面倒を見てくださることになったというような場合です。重ね重ね有り難いことです。

虐待を見て、思わず「うちの娘になるんだ!」とばかりにお姫様を奪ってきてくれた方もおられます。

新たなご縁のために譲渡会に出かけてくださる方も、ペットショップで電撃的な出会いを果たした方もいらっしゃいます。

こんな感じで、猫との出会いは非常にバラエティ豊かですが、どの猫たちもすてきなご縁のおかげで「家庭猫」としての地位を得ることができ、この後、「家庭猫」として新たな人生を歩み始めることができます。それは少しばかりの自由と引き換えに、個体としての健康管理を受ける権利を手にしたということにもなると思います。

家庭猫の健康管理についてはいつもお伝えしている通りです。

 うちねこ

<病気の予防は不妊手術代に勝る!>

さて、多くの動物病院と同じように、当院でも個人の方の不妊手術依頼は日常的によくあることです。冒頭にお話ししましたボランティアさんによる不妊手術は100%が外猫になります。が、ときに、個人の方の依頼の中で外猫といいつつも飼育猫であることがあります。「飼っている猫」か「のらの猫」なのかは自己申告です。やけに人になついている外猫さんだと思いながらも申告通りに割引料金で手術をさせていただいております。でも、もし個人飼育の猫であれば、そのままお別れになってしまう猫ではないので。健康管理のために飼育のことや一次予防としてのワクチン接種のお話しなどさせていただき、猫を病気から守ってやりたいです。このあとお別れして、一生会わない猫になるわけではないので。
個人の不妊手術依頼の場合も、できれば「手術だけおねがいします」じゃなく、「猫を健康に飼うためのお話し」なんかをさせてもらえるとうれしいです。「初めて猫を飼うわけじゃない、もう先住猫もいて、長いこと猫を飼っているわよ」なんて場合でも、「あのね、あのね」でもう一度ワクチンなどのお話しをさせてもらえると「えっ!イマドキはそういう風に変わっていたの?」なんてこともあるかもしれないので、情報のアップデートに少しお時間を割いてもらえるとうれしいです。

さて、不妊手術は生涯に一度だけ行なう手術ですからそれは少しでもお安いところで済ませたいと思われるのも間違いありません。けれど、もし、病気予防のことを知らないで、「外猫」「もう会うことのない猫」として来院されてしまいますと、残念な結果になってしまうこともあります。病気予防についてお知らせするチャンスがないからです。不妊手術で割引になる価格は一時的なことにすぎず、ワクチン接種の必要性やそのほかの病気予防措置を知る機会がなく病気になってしまったときに、知っていれば発生しなかった診断や治療の料金が不妊手術の差額を超えて発生してしまう可能性があるからです。これでは猫も残念ですが、ご家族のお財布にも残念な結果になってしまいます。例えば、ワクチン接種をせずに上部気道感染症にかかってしまったときの治療費用は完治するまでの合算で、猫の一生の半分から1/3分のワクチン代になってしまいます。(ワクチンってコストパフォーマンスがものすごくいいのです!)それから下部泌尿器疾患のうち、ストルバイト結石による完全尿道閉塞は食事だけで済む予防法です。これを知らずに内科的な、ときには外科的な治療が必要になるのですが、この場合は一生分のフード代でも足りないだろうと思います。(なんて無駄なことを!そしてなんて悲しいことでしょうか!)
例に挙げた病気は、対岸の火事のように思うかもしれませんが、普通に診察していてよく見られる疾患です。飼育してくださる方が知らないから猫が病気になってしまうという不幸なことは、避けなければいけません。


うちねこ2 

<お願い>

今後出会うことがない猫であれば仕方がありませんが、もし、手術のときは「のらの猫」だったけれど、その後「うちの猫」として迎え入れることにした、ということであれば、前回手術の差額についてお支払いをお願いすることはありませんので、お申し出いただけたらと思います。今度は家庭猫の健康を守ることについて、予防すればかからない病気のことについて、病気になる前にお話しさせていただきたいと思います。

そして病院で手術をされてからも、手術だけでおしまいになる関係にならない、継続して猫の健康のことを気づかう飼い主さんであって欲しいと思います。動物病院ではいろいろなときに猫の健康管理に関する情報を発信しています。今はネットでもそうした情報は受け取れますが、本当に正しいことでしょうか。そして「うちの飼い方」「うちの猫」にフォーカスできる細かくて適切なアドバイスをもらえるのは密な関係を築けた飼い主さんと動物病院の関係があるからです。何か心配していることで来院しても、別件の「これって普通?」が軽く相談できることが大切だと思います。その一つがキャットフードを動物病院で購入することなのかもしれません。ネットで購入するよりも不便と不評ですが、プラスアルファの何かを見つけ出せるのも、飼い主さん次第だと思います。

とにかく、予防できるのに予防してもらえずに病気なってしまう不幸な猫を作らないようにしてほしいです。お願いします。
とらねこ


重ねてお願い。猫の診療は猫のことをわかっていらっしゃる方にご来院いただくか、もし出来ない場合も、メモやお手紙、写真や動画などで心配していることを具体的にお知らせいただける状況でお連れください。(これが主訴や稟告をお伺いするということになります。)出来ればこちらからのご質問にお答えいただけるご準備も取っていただけると診療の大きな手助けとなります。(これが問診にお答えいただくということになります。)また来院されていない猫の診察は出来ません。(これが身体検査に相当します。)この3つの段階があって診察になります。よろしくお願いします。
スポンサーサイト



テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード