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新型コロナウイルスとコンパニオンアニマル・WSAVAの提言から

 2020年2月18日、WSAVA世界小動物獣医協会から、新しいコロナウイルスとコンパニオンアニマルというタイトルで、メンバー向けのアドバイスがありました。

昨年12月に中国で発生したコロナウイルスの大発生は世界中で大きな懸念を巻き起こしており、飼育者がウイルスを運搬する恐れがあるからと動物を放棄したり殺害したりという報告もみられました。メンバーは動物の福祉を心配しています。

ウイルスが人や動物に広がっていることについての多くの疑問は未解決のままですが、WHO世界保健機関によると、「COVID-19は人の間で感染する可能性はありますが、現時点では動物が感染やウイルスを拡散したという証拠はありません」という見解を示しています。

WSAVAは、伴侶動物の飼育者さんのの恐怖と混乱を和らげるよう、わたしたち獣医師に提言をしました。

このウイルスはペットを介して伝染する可能性は非常に低いです。決してパニックにならないように。」そして次のようなアドバイスを飼い主さんに提供するよう勧められました。

・ご自身が健康体でいる場合はペットを飼育してください。

・猫は常に屋内で保管してください。

COVID-19感染により家族や友人が入院した場合は、ペットを家の外で世話するように手配してください。

・疑問や心配があるときにはいつでも獣医師にご連絡ください。

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以下は詳細な緊急提言の中からの抜粋です。

 

コロナウイルスはコロナウイルス科に属します。アルファコロナウイルスとベータコロナウイルスは通常哺乳類に感染し、ガンマコロナウイルスとデルタコロナウイルスは通常鳥類と魚類に感染します。軽度の下痢を引き起こす可能性のあるイヌコロナウイルスと、ネコ伝染性腹膜炎(FIP)を引き起こす可能性のあるネココロナウイルスは、どちらもアルファコロナウイルスです。SARS-CoVMERS-CoV、そして今回のCOVID-19はいずれもベータコロナウイルスです。

★現在、ペットや他の家畜がこの新しいコロナウイルスに感染しているという証拠はありません。さらに、ペットやその他の家畜が新しいコロナウイルスの感染源になる可能性があるという証拠もありません。(これは急速に進化している状況であり、情報が利用可能になり次第更新されます。)

★飼い主さんが新型コロナウイルスに感染したときはペットや他の動物を扱わないでください。COVID-19によりペットが病気になるという報告はありませんが、いくつかのタイプのコロナウイルスは動物に病気を引き起こし、動物と人の間で広がる可能性があります。病気が伝染する可能性からペットを守るために、動物の周りにいる場合やペットの世話をしなければならない場合は、詳細がわかるまで動物との接触を避け、フェイスマスクを着用してください。

★新型コロナウイルスに感染した人の周りにいたペットの具合が悪くなった場合は、動物病院に電話して、「新しいコロナウイルスに感染した(かもしれない)ペットを連れていきたい」ことを知らせてください。クリニックのスタッフと話し合うまで、動物をクリニックに連れて行かないでください。COVID-19に感染した人と動物が接触した可能性があることを伝えてください。

★ペットが新型コロナウイルス感染の人と接した場合について。ペットが感染する可能性があるかどうかはまだわかりません。また、ペットがこの新しいコロナウイルスで病気になる可能性があるかどうかもわかりません。ペットが他の人に病気を広めることができるかどうかも分かりません。(ただしこれは急速に進化している状況であり、情報が利用可能になり次第更新されます。)

★ウイルスに感染した人と接触したペットの心配事項。このウイルスは動物から発生したように見えますが、今では人から人へと広がっています。人から人への広がりは、主に感染した人が咳やくしゃみをしたときに生じる呼吸器の飛沫を介して起こると考えられています。現時点では、このウイルスがどの程度簡単に、または持続可能に人々の間で拡散しているかは不明です。重要なのは、これまでに「犬と猫がCOVID-19に感染する可能性がある」というデータはでていないことです。

COVID-19でペットや他の動物が病気になるという報告はありませんが、いくつかのタイプのコロナウイルスは動物に病気を引き起こし、動物と人の間で広がる可能性があります。さらに詳しく知るまで、動物の周りにいる、またはペットの世話をしなければならない場合は、動物との接触を避け、フェイスマスクを着用してください。ただし、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、病気の蔓延の可能性からペットを保護するために、ペットに近づかないでください。

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さて、飼い主さん向けの提言の他、私たちにもワクチンに関する注意が示されました。日本は犬のコロナウイルスワクチンが利用可能で、腸のコロナウイルス感染症から保護することを目的に使用しています。(呼吸器感染の保護目的には認可されていません。)しかし、新型コロナウイルスに対して何らかの保護作用があるかもしれないという希望から(交差防御目的では)使用しないように、とのことです。なお、猫のコロナウイルス感染症に対するワクチンはありません。

 

 

今日は緊急にWSAVAからの提言についてご紹介しました。(WSAVAの本文中では2019-nCoVとなっていましたが、COVID-19と書き換えてあります。)

とにかく、新型コロナウイルスに犬や猫が感染する可能性は今のところ示されていません。犬にも猫にもコロナウイルス感染症はありますが、それぞれ種特異性で、犬には犬の、猫には猫の、人には人の、という境目があり、それは今のところ破られてはいません。

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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