猫のストレスに対処する・予防する

 猫のストレスについてのお話、つづきです。

本来、家の中と外を自由に動き回っていた猫ですが、屋内でだけ生活させるようになってきて、猫は本来の行動ができすにストレスを持ち、困った行動を示す猫も増えてきました。猫のストレスについてお話を続けています。

今日は一般的な行動療法と、予防方法についてお話しします。

個々の困った行動とそれに対する治療は次回からのおはなしのときにします。

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一般的な行動療法(環境エンリッチメント)

猫のストレスの主な原因がわからない場合でもすべてに対応できる方法です。

·         あなた自身を落ち着かせて

猫がいる環境ではいつも穏やかな声で話してください。80代のおじいちゃんやおばあちゃんになったような気分で接します。声のトーンを下げ静かにゆっくりと。猫は感受性が豊かなので、あなたの感情やあなたの声にセンシティブに反応します。

·         静かな部屋でゆっくりとマッサージして

やさしくなでなでするのはストレスを回避します。これはあなた自身の緊張を緩和するのにも役立ちます。静かでリラックスした状態の時間を作り出します。ただし、「こうしよう!」と意気込んで、この状況を作るためにいやがる猫を無理矢理膝の上に抱きかかえるのはよくありません。

·         おもちゃを使ってあなたの猫と遊んで

1日に15分くらい、猫とだけ遊ぶ時間を作ってください。狩猟行動を模倣した遊びが好ましいです。(獲物を狙うのは猫です。追いかけっこして猫を獲物の役に回すことのないように!)

·         フェロモンを使ってみて

猫のフェイシャルフェロモンは猫が物体(または人間)に頬をすりすりしたときに出てくるフェロモンです。フェリウェイは、このネコフェイシャルフェロモンを模倣した製品で、猫に落ち着いた気持ちを促進させることができます。

·         音楽を流してみて 

柔らかな音楽を流すのもいいですし演奏してみるのもいいと思います。空間に静かな雰囲気が加わります。

 

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ストレスの予防

猫のストレス問題は生活の中で慢性化しわかりにくくなっています。はじめからストレスを作らないように予防した生活を提案することができます。一般的に言われている「動物福祉の5つの自由」がストレスを考える上でとても参考になります。これらをまず満たしてやることがストレスの回避になります。

  飢えと渇きからの自由

適切な食べ物が有り、いつでもきれいな水が飲める状態であること。これは同居猫が居て、食事や水飲み場へのアクセスが不自由になっているとストレスは発生してしまいます。必要とするときに、邪魔にされず自由に行けることが重要です。

  不快からの自由

清潔で快適な居場所が用意されること。きれいなトイレを使えることもそうです。

  痛み、けが、病気からの自由

体調不良があれば適切な獣医療を受けることができること。体調不良を早期に気づいてもらえることも含まれます。高齢になって関節痛があるなど、猫はひた隠しにするためわかりにくいのですが、ぜひ理解してあげてください。

  恐怖や苦悩(精神的な苦痛)からの自由

安心できる環境にいること。

穏やかな家庭を維持されることは猫にとって幸せなことです。猫は肯定的であろうと否定的であろうと一緒に暮らす人間の気持ちを汲んでいます。住む家の雰囲気が静かで穏やかであると受けるストレスは少なくなります。

日常生活をできるだけ一定にするよう考えてそのプランに従うようにします。ほとんどの猫は、いつ何が起るのかを知っていると、安心します。緩やかなスケジュールに従い、急な変更を避けます。(スケジュールを設定しても、あなたの猫が退屈になるようにはしないでください。日常の中でおもちゃを用いた遊びを提供してやってください。)

  正常な行動を表出する自由

動物本来の行動を示すことができることはとても重要です。猫は優れたハンターなので、襲いかかり、襲撃し、獲物をキャッチする行動を日常的に行いたいのです。屋内飼育の猫はこれらのニーズを満たす機会がありません。鳥の羽がついた「猫釣り棒」や、部屋中を走り回ることができるようにネズミを模倣したおもちゃなどを使って「獲物を狙い仕留める行動」を屋内で再現できるようにします。おもちゃを使って遊ぶと狩猟行動に対する欲求を満たすことができます。あなたにとっても猫にとっても一緒に遊ぶ時間はストレスに対して治療になります。こういう遊びを通して運動すると、猫は免疫システムの強化につながり、より健康的になれます。運動そのものは私たちにとっても沈着した負のエネルギーを解放させてくれます。

鳥など外の景色を見るための高い台など適切な場所を提供することも必要です。 気晴らしでにもなるし、退屈しのぎになります。

それから猫は爪研ぎする必要があります。爪とぎは筋肉に良いのと、自分の領域をマーキングすることができ、緊張を解放させる手段にもなります。

猫が隠れて待機できる場所を提供することも重要です。自然界で、猫は獲物を狙う前に物陰に潜んでいることを忘れないでください。

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  退屈を避けるための工夫のご紹介

o    思いがけない場所から何かが出てくるのを好みます。ベッドの下、ソファの後ろ、カーテンの陰などにドライフードを入れたペットボトルや蓋付きで手が入るくらいの穴を開けたプリンカップなどを仕掛けておきます。いつも同じ場所に同じ物を置かないように気をつけてください。獲物探しの行動になります。

o    新しいダンボール箱や紙袋(持ち手の部分は切り取って与えてください)を定期的に提供してください。猫は箱が大好きです。また前の物に飽きた頃、新しいものを発見すると興味津々でまた新しい袋に入って喜んでくれます。

 

愛は強力なストレス緩和剤

飼い主さんが猫のストレスを減らすための措置を講じると猫もそれに応えて変化します。それは飼い主さんのストレスも減らします。愛は伝染性があるみたいですね。あなたが無条件の愛を猫に与えると、お互いがHAPPYになります。「癒やしを求めて」猫を飼育するのではなくて、「一緒に暮らす家族」の感覚を忘れて欲しくないと思います。猫の方は「私の世話をする役目をあなたになら任せてあげてもいいのよ」と思って同居しているくらいの感じなのですから。

人生にはストレスはつきものです。けれどこのようにしてうまくストレスと回避していくと幸せになれるように思います。

今日も明日も、幸せな日でありますように。

   
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