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高脂血症・2

 健康診断の血液検査で、「高脂血症がある」といわれたとき、についてお話ししています。2回目です。

 

<再検査・追加検査>

健康診断で高脂血症が認められた場合、12時間以上絶食にしてもらい、再度検査をします。前回と同じ項目です。

「リポ蛋白電気泳動」という脂質代謝異常を調べる検査を実施することもできます。外部の検査機関に委託しています。ただ、この検査の意義については意見が分かれています。

カイロミクロン検査をしてみることがあります。といっても、検体を一昼夜そのままにしておくだけです。乳びになっていた血清が生クリームのような上澄みの層と、透明な血清の層とに分かれるかそのままなのかを見ていきます。これで陽性結果が出ると高カイロミクロン代謝障害が疑われますし、陰性であった場合はVLDLの停留がある可能性があります。

ただ、これらの検査と(もしくはこのような検査はさしおいて)必要だと思われるのは、高脂血症を引き起こすさまざまな基礎疾患に対する検査、例えば内分泌学的な検査や、(ネフローゼ症候群が疑われるときは)尿検査です。

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 <高脂血症改善のための食餌療法>

「自分の皿から摂取した以外に身体に脂肪が入ってくることはない」という名言を前回お伝えしました。食餌中の脂肪の量と種類は高脂血症に関係します。二次性の病気の疑いがなければ、まずは食餌療法で様子を見ることにします。低脂肪高繊維食が高脂血症のときにおすすめする食事です。

脂肪含有量が乾物量で12%未満の食餌が推奨されます。また食物繊維、とくに可溶性繊維に富む食餌も推奨されています。食物繊維は腸管内でコレステロールに結合して、吸収を減少させることが知られています。また胆汁酸と結合して消化管からの排泄を増加させます。こちらは乾物量として10%以上あることが推奨されています。

もう一つ重要なことがあります。どんなに「これっぽっち」であっても、おやつは禁止です。

(注意)二次性の高脂血症の場合、原因となっている一次疾患の治療を同時にしないといけません。

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<フォローアップの再診>

食餌療法で様子を見てから1ヶ月くらいしたらフォローアップのために再診にいらしてください。もちろん、食後12時間以上経過してからお越しいただきます。体重やボディコンディションスコアなどをチェックし、再度血液検査を行ないます。

高脂血症のための食事をとったからと言っても体重が減ることはないかもしれませんが、血液検査の結果にはしっかり反映されるはずです。そしておやつの結果も、(たとえ少しであっても!)反映されてしまいます。

高脂血症の結果として急性膵炎を発症させてしまわないかどうか、というのも心配事なので、一緒に調べていきます。

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<治療目標に届かないときもある>

頑張っているのにも関わらず、治療目標に届かないことがあります。そうしたら内科的な薬物療法にはいります。

いくつか有効なお薬があります。

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<高脂血症はそのままにしておいてもいい?>

高脂血症は肥満の証明になる検査、肥満の程度のバロメーター。そんな風に思ってらっしゃる方も多いです。それで「痩せさせられないからしょうが無い」になっておしまいになっていることもあります。ちょっと寂しいです。

高脂血症により隠れた病気を探す一つの目安になっていますから、怪しいと思われる病気があれば追加検査で明らかにし、そちらの治療が進むと高脂血症は改善させることもできます。また愛犬の様子も明るく快活に変わってきます。

それから高脂血症自体に二次的に膵炎を発症させるリスクがあるので、改善に向けてアクションを起こして欲しいです。特別な処方食や生活習慣の改善、ときには内服薬の投与によって治療が可能です。

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<予防することはできたの?>

そうなのです。お気づきの通り、適正な食生活により、高脂血症を予防できることは言うまでもありません。でも、脂質代謝異常や肥満などは遺伝子によるところもあり、同じように注意していても高脂血症になる犬とならない犬が出るわけです。

<いっしょに頑張りましょう>
食餌療法ですが、がんばったちゃんには必ず結果が出ています。今度こそ、減量大作戦。動物病院の方法にチャレンジしてみませんか?一般の食餌を使って量を減らす、ライトフードをさがす、運動を増やすなど、これまで多くの方がやってきた方法ですが、うまくいっていません。おすすめしたい処方食は科学的に研究され作られています。遺伝子学的に高脂血症になりやすい体質だった系統の犬にも、2ヶ月ほど継続して食餌を食べて貰っているうちに、体質まで改善されてくるという結果が出ています。これらの処方食は少々値が張りますが、本気で取り組むのにふさわしい強い味方になってくれます。あなたとあなたの犬のために応援しているのは、当院のスタッフだけでなく、処方食メーカーの動物栄養学に詳しいスタッフたち、もちろん研究所の人たちも!また、これまでに減量に成功した飼い主さんも、です。

 

2回にわたり、高脂血症のこと、お話ししました。これでおしまいです。

 

 
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