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ペットメモリアルデー

 今日はWorld Pet Memorial Day です。忘れられない動物たちのことをしっかり思い出してあげましょう。

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<トラちゃんのこと>

私の忘れられない猫さんのひとり、トラちゃんのことをおはなしします。
トラはひとり暮らしのおじいちゃんに飼育されていた猫です。赤トラ白ぶちのとても体格の良い猫さんでした。今みたいに屋内飼育なんてことはなく、日中のほとんどを屋外で過ごす猫でした。
1年に2回か3回来院されていました。1回はワクチンです。そしてもう1回~2回は咬まれた傷のために。当時はまだ猫免疫不全ウィルスの猫も市内にあまりなく、怪我をして帰ってきてもウィルス性の病気を心配する必要はありませんでした。ばい菌が身体に入ってお熱が出さないようにする治療、傷を消毒したり、ときには膿のために腫れ上がったところを排膿させるといった、洗浄したり傷周りをきれいにしたりの抗菌療法で十分でした。2週間効果が持続する抗菌薬の注射もありませんでしたから、家で薬を投与してもらいました。今思うと、薬の匂いがぷんぷんするトラは元気で快復力もあったし、ちょっとの傷ではへこたれず食欲も旺盛でしたので、重症化することもなく、すぐに治ってくれていました。

おじいちゃんもお歳を召され、しばらくお顔を拝見しない年がつづいたある日、「前から調子が悪かったけど、おらも病院通いで、こいつを連れて来れんじゃった」といっていらっしゃいました。おじいちゃんも痩せてしまっていましたが、トラも痩せ以前に比べると一回りも二回りも小さく変化していました。検査すると、血糖値が高く、尿には糖のほかケトン体も検出され、身体は酸性化しているのがわかりました。「糖尿病」を未治療のままにしていると「糖尿病性ケトアシドーシス」という病状になります。猫にはとても辛い状態です。緊急の治療で血糖値を下げ、点滴で酸性に傾いた身体を元に戻し、一命は取り留めました。が、問題はそのあと。おじいちゃんではインスリン注射は難しいし、誰かお手伝いしてくれる同居の家族もいません。食事をコントロールするだけしかできませんでした。そんな細々した管理でも数年は悪化することなく経過でき、おじいちゃんが入院で留守にするときは、トラも病院で加療するなどしていましたが、標準的な治療には至りませんでした。おじいちゃんの連れはトラしかいなかったので、トラを病院の子として引き取って治療していくのはおじいちゃんからトラを引き離すことになってしまうのでできませんでした。いろいろ心残りのあるトラちゃんでした。

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<飼い主さんと伴侶動物>

飼い主さんが病気だと、どうしてか飼育されている動物にも異変が起こることがあります。飼い主さんの低迷している気を動物が吸収してくれるのでしょうか。長くこんな仕事をしているとそういうケースが多々あります。
入院中に病態が悪化したのでご自宅にお電話して面会に来て貰うことになったけれど、なかなかご家族がいらっしゃらないことがありました。この時、おばあちゃまも具合を悪くされて入院していたとかで、どうも病院を間違って大慌てでおばあちゃんのご面会に行かれていたのでした。おばあちゃまもわんこも、二人そろって元気になって退院できて、それからは「あのときは・・・」の笑い話になりました。でもこんな事例ばかりではありません。

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<みんなが元気なのが一番だけれど>

お一人で犬や猫を飼育されているとき、またほかのご家族がいそがしくてあまり動物のお世話に関わっていないようなとき、中心になって動物の飼育をしてくださるご家族さんにご病気があると動物の管理が大変なことがあります。飼い主さんが入院している間、犬猫のお薬を与えるのにお預かりすることがあります。動物の日常の一コマを見せてもらえるし、動物とも仲良しになれるし、闘病中のご家族さまには申し訳ないのですが、私たちは楽しく過ごさせてもらっています。安心してご静養いただければと思います。いざというとき誰かにSOSが出せるようになっているといいですね。
親戚の方が飼い主さんと連絡が取れなくなって、お家に行ったときに飼い主さんがお亡くなりになっていた事がありました。犬の薬袋から当院と連絡を取っていただけ、親戚の方にはわんこの現在の病気のことをお知らせすることができました。そして今後の犬のことを話し合ううちに、そのまま養子として迎え入れていただけることになりました。ありがたいことです。

「家で猫を飼っています」という車に貼るシールがあるそうです。万が一交通事故に遭ったときに、ご自宅に猫がいることを知らせてくれるものだそうです。みんな元気なのが一番だけど、まさかのときのヘルプ体勢があると動物には安心です。
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<悲しみを乗り越えて>

「ペット」から「伴侶動物」や「コンパニオンアニマル」といわれるようになって久しいです。動物たちはしっかり家族の一員としての立場を確立しました。それだけ身近で密な関係になってしまったから、動物が突然具合が悪くなったときや、病気が重篤だと知ったとき、そして速すぎる死が来るかもしれないことを知ったとき、私たちはうまく受け入れられません。どうしたら「治る」のか「元通りになる」のか奔放します。けれどそれを受け入れていくこともまた、愛する動物から課されています。「おどろきの日」が来ても動物と一緒に頑張れる、決してエゴにならない、動物目線で考えられるようにならなくてはい
けないと思います。そしていよいよ「お別れの日」が来ても悲しむだけの毎日を過ごすことなく、乗り越えることができたらいいと思います。

小さな家族が虹の橋へ向け旅立っていったばかりの方もいらっしゃると思います。お仕事をしていなかったら毎日泣いているでしょう。あれを見てもこれを見ても、至る所に一緒に暮らしてきた思い出があるのですから。わびしくて、虚しくて、寂しくて。けれどまぶたを閉じていてはもったいないです。目をしっかりと開けて見ていかないと、ほかにもある素晴らしい人生のシャッターチャンスを見逃してしまうかもしれません。残ったものを大事にしてみてはどうでしょうか。一緒に過ごしてきた彼らは飼い主さんが長く悲しんでいてくれることを望んではいないはずです。笑顔で思い出して、
元気で暮らしていることを報告することがいい供養になるような気がします。
待合室にはいくつかのスピリチュアルな本もご用意があります。貸し出しも可能です。辛い気持ちに答えが見いだせる一節を見つけられるかもしれません。

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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