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ウェルネス訪問と健康診断

 今日は(1013日)獣医さんの日、米国にはTake your pet to the vet day(ペットを獣医さんへ連れて行く日)というのがありますが、それの日本版みたいに思ってもらえるといいかなぁ、なんて思います。

 今日は、1か月に1回のウェルネス訪問と1年に1回の健康診断のご提案をしたいと思います。猫さんのことを中心にお話ししますが、わんこも同じです。

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<猫を病院に連れて来てもらうこと>

開院当初、「犬や猫を病院に連れて行くなんてごく一部の限られた人だけ」、という認識が強くありました。猫はたいてい外出自由の飼育方法でしたし、のちの健康を考えて青年期に去勢手術をすることもなかったので、発情期にはけんかし放題でした。そして残念なことに怪我をしても「自分で舐めて治すもの」と言われ病院への来院はおろか消毒一つしてもらえないこともふつうでした。

猫の白血病ウィルス感染症が瞬く間に広まった頃からずいぶん月日が流れ、今はそんな風潮からすっかり変化しました。飼い主さんは猫の習性や行動上の特性を理解してくださっているし、冷暖完備の完全な屋内飼育で、ワクチン接種率も向上してきました。それでもまだ、「ウェルネス訪問」と言われる健康チェックのために病院に連れてきてもらえるまでには至っていません。ペット先進国といわれる米国でも、飼育されている猫で1年以内にウェルネス訪問を受けたことがある猫は半分以下であるという調査結果が出ています。 何も問題がなくても健康全般のことで動物病院に気軽に来院してもらうことが大切です。

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<病院に来るのはいやですか?>

 猫はストレスを敏感に感じ取る動物で、日常生活の変化を嫌います。猫をキャリーに入れ車に乗せて病院に来ることは、猫にもキャリーに入れるのを手伝ってくれる家族にもそして連れてきてくれる飼い主さん本人にも、それこそ関係者ご一同さま全員にとって非常にストレスの多いものだとお察しします。多くの飼い主さんが、「これは病気だ!」が決定的でない限り、猫を病院に連れて来るのは「すごく疲れる」(だからこのくらいでは病院に行きたくない)と感じているでしょう。

猫を病院に頻繁に連れてきたくないもう一つの理由は、猫が病気の症状を隠すので体調不良がわかりにくいという点にあると思います。猫のこの特性は、彼らが生き延びていくためのサバイバル戦術なのです。餌になる側の動物として、猫は本能的に衰弱や病気の兆候を見せたくないのです。猫は「健康で強い」ように行動し、自分自身が弱い動物に見えないようにしています。観察眼を厳しく持っていないと、猫の病気がいのちを脅かす段階に進行するまで、飼い主さんは猫が何かおかしなことになっていることに気づかないかもしれません。 残念ながら、そうなってからは良くて治療が長引くか、悪いと根本療法ができず支持療法だけしかできなくなる可能性もあります。

ですから、「嫌がるから」「疲れちゃうし」「どこも悪いところなんか無いよ」を理由に、病院に来ることをやめてはいけません。病気を早期に発見して診断し、治療や予防策を講じることが大切なのです。

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<定期的なウェルネス訪問が大切>

 猫は口頭で何が悪いのか教えてくれません。猫の日常の健康管理に熱心に関心を持つことはとても重要です。猫は具合が悪いときにそれを隠すという特性を持っています。ですから日常的に猫の健康状態を知っておくことはとても大切です。さらに重ねて病院訪問をすることで、猫がかかりやすい病気にはどのようなものがあるのか、年齢を重ねていく上でどのようなケアをしていく必要があるのかなど猫の健康に関する情報を飼い主さんが事前に知ることができます。病院に来たときはスマホを開かずに、待合室の掲示板その他にご注目ください。とにかく、猫は健康に関しては「秘密にする性質」があるので、 猫の健康を最高の状態に保つには、動物病院への定期的な来院(と健康診断)を、理由を付けて避けていてはいけません。

毎日のわずかな変化では飼い主さんが気づくことができない何かがあるかもしれませんが、定期的な来院でそれを明らかにすることができると思います。来院の 名目は何でもかまいません。「爪を切ること」や「ノミ避けの薬を滴下する」などを目的にして来ていただいて結構です。「近頃気になる何か」を飼い主さんとおしゃべりするうちに新たな発見につながることもあるし、不安に思っていた何かが解決することにも繋がるでしょう。体重測定や身体検査をするうちに猫はますます病院に慣れてくれます。

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<定期健康診断も大切>

健康診断では身体検査のほかに血液検査を行います。血液検査で、健康状態や猫の全身と臓器の機能について有益な情報を得ることができます。血液検査は、毎年の健康診断の重要な部分です。一般的な血球検査と血液電解質検査、血液生化学検査のほかに内分泌の検査や膵臓や心臓に関係する検査なども実施できます。同じように(もしくは少々多めに)採血した血液でできるので、猫に余分な負担はかかりません。年齢によっては血圧測定も行ないます。超音波検査やX線検査などの画像検査はさらに多くの情報が得られるので、病気が深刻な問題になる前に病気を発見することができます。尿検査は高齢猫に多い腎臓病をより早い時期に発見するために有用ですが、持参していただいた尿で実施する場合は全く猫に苦痛はありません。家庭で尿を採取することができない場合は、こちらで採尿いたします。

ウェルネス訪問では基本的に身体検査が主体で、身体検査は猫の健康についての全体的な考えを示しますが、健康診断で実施する血液検査は特定の病気をよりよく見つけ出すことができます。

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<どうしても病院に来なくてはいけない!というときの臨床徴候>

 猫は変わりない日常生活が好きで、日常のルーチンなスケジュールから外れることを嫌います。猫が病気になったときに飼い主さんが最初に気づく徴候の一つが「日頃の行動の変化」です。もし猫にいつもの活動や行動と違うところが現れたら猫を病院に連れて病院に来てください。

·         ・食欲に変化がある(増えている、減った、無くなった、特定のものしか食べない)

·         ・別の場所で寝る(寝ている時間が増えているときも!)

·         ・隠れている(姿を見せない)

·         ・息づかいがおかしい(呼吸が速い、呼吸が浅い、一生懸命呼吸している)

·         ・トイレ習慣の変化(いつもと違う場所で排尿する)

·         ・排泄物の異常

·         ・通常とは違う行動が見られる

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<病院へ来るストレスを少なくすることができる?>

 猫がキャリーと良好な関係を築けるようにするために「キャリートレーニングとハンドリングトレーニング」が必要です。以前のブログでお話ししました。こちらです。

 http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-1073.html

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-1072.html

これらは日常の訓練事項ですが、トレーニング前に猫に異変が起こった場合は、猫をキャリーに入れて連れてきていただく必要があります。とにかく猫をキャリーに入れる準備ができるまで、キャリーを片付けた場所から取り出さないでください。猫はとても賢いので、キャリーが家を離れることを意味することを知っています。ほとんどの猫は、キャリーを見た瞬間、身を隠します。「明日病院に行こう」と思って前の晩にキャリーを支度していると、翌朝にはたいてい姿を隠しているはずです。

キャリーに入らなかった場合は、洗濯ネットや目の粗い座布団カバーに潜ませて、病院に連れて来てください。猫は怖がるとジャンプして走りまわる傾向があります。ほえる犬がいる可能性がある待合室は、猫が飼い主さんの膝の上に座って静かにできる場所ではありません。びっくりして飛び上がってしまわないように、専用の袋が必要です。

 待合室がとても賑やかなとき、他の犬や知らない人の話し声から猫は大きなストレスを受ける可能性があります。これを避けるために、到着した猫はすぐに診察室に通してあげます。けれど、スタッフがほかの仕事に奔放していて待合室の状況を把握できない場合もありますので、もし騒々しい待合室から猫の避難を希望される場合はスタッフに申し出てください。私たちは病院訪問中の猫をより快適にする方法も学んでいます。CATvocateとして、猫とそのご家族にとってより良い病院環境を提供したいと思います。猫は愛らしくて、ユニークで、面白いキャラクターです。私たちができる限り一番良い世話をすることは私たちの責任です。

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さて、明日からで結構です。獣医さんの日のことを思い出して、犬や猫を病院に連れて来てください。できればこの日が「国民の祝日」として認められて、みんなが動物病院に来る犬や猫を祝福してくれる日が来るといいなぁ~なんて思います。あなたの犬や猫はそんなVet Dayを祝おうとは思わないかもしれませんけどね。でも、1か月に1回くらいの定期的な来院、そして1年に1回くらいの健康診断で、犬や猫が「健康で幸せな子」になる最高のチャンスをもらえることは間違いないです。

いつも犬主体になっているので、今回は来院回数の少ない猫に焦点を絞った書き方をしました。わんこもぜひ、来てください!

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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