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長いお休みの僕たちへ

 コロナウイルス感染症で、連日家に居ることになった子どもたち、ギャングエイジの暴れん坊さんでなくても、ストレスが溜まってきているでしょう。大人もイライラしているかもしれません。お家の中でバタバタしているとお隣さんもイラッときています。猫とまったり過ごしている熟年家庭で、お孫さんを預かることになったご家庭では一番の被害者は猫さんです。実は、普段そんなに長い時間住居空間を共有することがなかった一部の猫たちにはストレスが表面化してきています。

 

<ゴジラの乱入>

映画で、ビルが立ち並ぶところに突如ゴジラが現れてビルを踏みつけていくシーンがありますが、子どもたちの乱入というのは、猫にとって生活圏があんな風に荒らされているように想像しています。本来、猫はルーティーンな生活がかき乱されるのが大嫌いで、日常の変化はストレスにつながります。なにせ「寝子」という名前が付いているくらい猫は静かに眠る時間が大切な動物です。本来は攻撃的ではない猫も、逃げ道を塞がれれば防御行動として反撃に出ます。それまで、マイルームは穏やかな世界でした。自分を中心に縄張りができていたのです。子どもたちはその縄張りエリアにずかずか入ってきたゴジラです。

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<ストレスを受けると>

猫にストレスがかかると心も体も調子が悪くなります。身体の不調は病気を発症することになりますし、心の病は問題行動となって出てきます。

「猫は病気を隠す名人」といわれています。野生では、病気であることがわかってしまうと捕食者から標的にされてしまうからです。そのためなかなか気づかれない、また気がついたときは「軽症ではない」段階になっていることが多いです。

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<ストレスから来る身体の不調>

ストレスを受けた猫の徴候は、いろいろです。

・下痢になる、嘔吐する、食欲が減退するなどの消化器症状が出ます。やたら食べるということもあります。

・頻尿、血尿などの泌尿器症状が出る猫もいます。トイレ以外のところで排泄してしまう、排尿痛のために鳴き声をあげる、スプレー行為が頻繁になるということもあります。

・被毛の毛切れ、一部分の地肌が他の部分よりもはっきり見える(脱毛とは違うのだけれどそのように見える)のは過剰なグルーミング行為の結果です。

・鼻水や涙が増すようなヘルペスウイルス感染が疑われるのが、免疫力低下の結果ということもあります。

・慢性疾患があるときは症状の悪化が見られます。 

<我慢をしている猫>

我慢をしている猫は無気力で、家族から遠のいています。または隠れていて、姿を現さない、家庭内引きこもりになっていることがあります。家族との交流がありません。そしていつもより眠っている時間が長く、一緒に遊ばなくなっています。このようにストレスが行動抑制につながるタイプの猫では、物静かになっているためにわかりにくいかもしれません。

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<怒っているように感じられる行動>

逆に反動としての行動が強く出る猫もいます。その場合、家具などへのスクラッチングが増えることがわかりやすい行動のひとつです。突然の音や動きに警戒し、ジャンプで反応します。尻尾をパタンパタン床にたたきつけていたりします。いかにもピリピリと緊張状態が強い様子です。そのほか、じっと行動観察をすると次のような様子が見えてきます。

・耳が頭の後ろの方に向けられていることが多い。耳を平らにしています。

・瞳孔がいつも広がっている。暗いところではないのに黒目が丸く大きくなっています。

・表情が固定されたまま。「怒っている」ように見えます。

・じっと座っていることが多い。頻繁に頭を振るような様子が見られることもあります。

・背中の皮膚が波打ち、小刻みに動く。

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<ゴジラ君を教育しましょう>

ゴジラ君に、正しい猫の接し方を教えてあげないと、猫は攻撃を始めてしまうか(子どもたちに被害が!)、もしくは病んでしまうかという結果になります。どちらにしても、猫のこころの衛生に大変よろしくない状態です。

こんなときこそ、ゴジラ君たちに愛猫教育をして欲しいのです。

<共感から動物との絆を作れる>

幼稚園の年長さんくらいになれば、自分以外の人がどんな考えを持つとか、どんな感情を抱くかということを理解できるようになります。それで、猫が怖がっているサインを見せたときには、猫がそのような状態であることを伝えてあげてください。そして「怖がっているとき、どうしたいと思うかしら?」などの言葉がけで、彼らが自分からとるべき行動を導き出せるようにしてあげてください。それから「居心地がいい」ことがどんなことなのか、「痛い」というのはどんなことかなどについても答えを導き出して欲しいと思います。猫も自分たちと同じように感情を持っているという「共感」が持てると、さらに動物を愛しく思うようになるでしょう。子どもの頃はヒューマンアニマルボンドの基礎を築いていくときです。

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大人向けの書籍ですが、待合室に置いてあります。

<接し方を教えてあげて>

言葉で理解できても、実際に猫とどう接したらいいのかわからない子どもたちもいます。大好きだけれどぎゅーっと抱きしめてしまう、尻尾をつかんでしまうというのは、正しいふれあい方がわかっていないからです。

今、ストレスを抱えている猫を使って抱かせてあげるのは無謀ですから、ぬいぐるみを使うなどして教えてあげてください。やさしく触れること、抱くときの注意、乱暴に扱わないようにすることなどです。猫は顔周りの、自分でグルーミングすることができない場所を撫でてもらうのが好きです。頬や頭頂や顎の下など。強くない力でそっと撫でる方法を教えてあげてください。

叩く、追いかけ回す、待ち伏せして驚かせることは絶対にしないように。排泄中や睡眠中、食事中は彼らをそっとしておくように、決して邪魔しないように伝えてください。

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アニマルプラネット「猫ヘルパー」でおなじみの
ジャクソン氏の本もあります。
来院のたびに参考になるところを
めくってもらうのもいいと思います。

<愛撫誘発性攻撃行動がある>

猫を撫でるときは毛並みに沿って撫でることを伝えてください。それでも猫は、はじめはごろごろ言いながら撫でられていたくせに、突然キックして噛みついてくることがあります。「猫は頭から尻尾までを何度も撫でられるのが好きじゃない」と伝えてください。愛撫誘発性攻撃行動を起こされると私たちもがっかりしますが、撫ですぎで猫パンチを食らうと子どもたちも傷つく可能性があります。

<大人が気をつけること>

「触っちゃだめ」「静かにして」「あっちに行って遊びなさい」と行動を否定するだけでは学ぶことができません。子どもが猫に優しくできるように見守り、指導してあげてください。猫にはやさしく接すること、大きな声を上げないこと、動きをスローモーションにすることなどを特に伝えてください。愛情を持って名前を呼ぶように教えてあげてください。猫は猫のかたちをしていますが、彼らの友達であることを、心を持つ仲間であることを教えてあげてください。おもちゃではありません。

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きっと猫の気持ちが分かるようになります。

<ボディランゲージがわかるともっと楽しい>

猫を相手に「やっていいこと」「やってはいけないこと」だけを単に伝えるだけでは動物にやさしい子どもを育てることができないと思います。「猫ちゃんはどんな気持ちかしら」を考えることができる子どもになって欲しいのです。今の猫の気持ちが分かるのがボディランゲージです。「こんな風にしているときは気分のいいときなんだよ」、「こういう行動をとっているときは君を友達だと思っていないときだね」などと解説してあげること、猫の行動に興味を持って猫への理解が進むと思います。

 

新学期が始まるまで、あと2週間くらいになりましたが、これを機に猫学を学んでくれる子どもたちが出現してくれると嬉しいです。

それから、もし、猫にストレスがあると感じられましたら、動物病院に連れてきてください。病状と共に現在の環境もお伝えいただくと、病気に対する私たちの理解が進みます。よろしくお願いします

 

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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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