腎泌尿器病のセミナー

金曜日から連続3日、合計18時間の過酷なセミナーが終わりました。

 

今回の勉強内容は「腎泌尿器病」。「腎泌尿器病」というのは「腎臓」につづいてオシッコが流れる通り道「尿管~膀胱~尿道」の病気を全部ひっくるめたものです。2005年にテネシー州立大学のDr.バージェスの講義を受けてから早くも4年が経ちました。同じ系統の病気について、大体このくらいの周期で新しい情報を組み込んでいかないと、世界標準の間違いのない診療を行うことはできない、ということなのでしょう。私たちは『アップデートする』と表現しています。もちろん、不得意分野ではなかなかアップデートどころか、フォローアップすらおぼつかない分野もでてしまいますが。(そこは、紹介で専門医にゆだねるのが、究極の一次病院!って、ね。454

 

さて、今回のセミナーはシェリーロス先生から講義を受けました。前回と内容の重複が少ないので、充分頭が重たくなった気がします。

JAHAセミナーシラバス 

初日は輸液療法について。腎泌尿器の専門医がこの分野を担当するのは意外に思われるかもしれません。実は腎臓が毒素を排泄する器官であることはみなさん良くご存知ですが、体内の水分や電解質、酸塩基平衡(体がアルカリ性なのか酸性なのかのバランスのことです)を一定に保つ仕事もしていることはあまり知られていません。たかが点滴。でも輸液剤の種類によってその働きは違うし、間違った輸液剤を投与しても効果は得られませんから、数ある中から選んで投与するのです。今回は脱水の時、水分過剰の時、電解質異常が見られる時など、日常遭遇する異常時の輸液剤の選び方、投与方法などについて勉強しました。新しい発見もあります。319

 

2日目。午前は血液透析について。まだ日本では一部の先生が実施されているくらいで、まだメジャーな治療法にはなっていません。しかし、この治療法が導入できれば急性腎不全(尿毒症)の患者さんの生存率を明らかに上昇させることができます。機械の性能もだいぶ上がってきました。あとは経済的な問題だけです。(だけど、ここがいちばんキビシイ260

JAHAセミナーシラバスとノート 

 

 

2日目午後。もっともしんどい時間。後ろのほうからは寝息が聞こえてきます。261この時間帯に急性腎不全と慢性腎不全の末期とを鑑別診断する、という重要なことを勉強しました。一方は将来のある病気70、そしてもう一方は悲しいかな、無理をしてもオーナーさまに負担をかけるだけの病気43、ときています。ここは予後を判断するためにしっかり勉学に励まなくてはイケナイところ。ねぇ、センセー、寝てちゃダメだってば!であります。

 

 

そして元気を振り絞って3日目の午前午後。みんなの注目が最も高い最新の慢性腎疾患の管理方法についてです。幸運にも、隣席に力強い味方、M先生をお迎え出来まして、疑問点は即刻解決できてしまう、という家庭教師付き461的状態でした。お仕事の都合でここだけしか講義を受けられない先生もあり。さすがの日曜日で会場は満員です317

私の師匠、W先生も日本でただ一人の『国際獣医腎臓病研究グループ・IRIS』のメンバーでありますが、彼らのグループが現在、慢性腎臓病にどう取り組んでいけば良いのかの考え(ガイドラインと私たちは呼んでいます)を系統立てて発信しています。慢性腎不全の管理方法はとても進歩しています。IRIS推奨の方法で管理していくと腎不全の犬・猫は高いQOLを維持しつつ、生存期間も延長しています。266昔は「どっちみち死んじゃうんでしょ。かわいそうだから長引かせたくないわ」と治療を拒まれるオーナーさまもいらっしゃいましたが、今はQOLや生存期間の改善を理解していただけて、治療に協力いただけるオーナーさまがほとんどになってきました。期待に沿えるように、また明日から頑張らねばいけません。420

 

長い文章、お読みくださいましてありがとうございます。466

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