犬猫の減量大作戦

この体型した私が言うのもどうかと思いますが、やっぱり健康的な体型をしていたいですね。由美かおるのようなボディをあの年齢まで維持するというのは並み大抵な努力じゃないな、と感心します。

さて、今日のお話ですが、「犬と猫の減量大作戦」。ま、そこそこの努力で愛犬・愛猫のベスト体型を手に入れようじゃないか、というお話です。肥満はこれこれこんな風に身体に害があります、というのは抜きにして、ずばり、どうすれば痩せられるのか、という方法論です。

さて、若いお嬢さん方ですと、みなさん口々に「痩せたい」って言われますが、「あーた、全然痩せる必要なんかありません。ってか、もっと太ってもいいくらい」という方まで痩せることにこだわりがあるようです。モデルさんみたいに痩せてることはカッコイイのかもしれません。

しかし犬猫となりますと、話がちょっと違ってきます。「ベストな体型がわかりにくい」みたいです。なにせ、毛がふさふさしてると痩せててもふっくら見えます。それから「ころころしてた方がかわいい」って思われているので、「標準+アルファ」を基準にしている方もおられるようです。また品種によっては太って見える、または痩せて見える種類というのもあります。サルキーやボルゾイ、イタリアングレーハウンドなどはちょうど良くても細身に見えますが、フレンチブルはふとっちょさんに見えます。

まずは、愛犬・愛猫が適正体重であるかどうかのボディチェックからですね

難しいことは抜きにして、次の3つのポイントを押さえましょう。目と手でチェック!
 

①真上からみてお腹にくびれがあるかどうか見てください。毛がふさっとしてると分かりにくいかもしれません。そっと触ってみてもいいですよ。コカコーラ体型なら申し分ありません。が。。。もしかしてソーセージ体型やまさかのビヤ樽体型では明らかに太り気味から太りすぎです。


②胸を触って肋骨に触れるかどうか確かめてください。ごつごつした肋骨が浮き上がってはっきりわかるとやせ気味。「あ、これか。波打って堅いものが手に触れる」って解れば大丈夫。何度触っても肋骨の堅さに触れることができないと太り気味か太りすぎ。いや、絶対に解るから、と無理に力を入れて触ろうとしないでくださいね。
 

こんどは胸から尻尾の付け根まで背中を触って行きましょう。背骨の突起に触れるかどうかのチェックです。恐竜の背中みたいにゴツゴツした背骨の突起がはっきりわかるのは痩せすぎ。ちゃんと確認できれば大丈夫。熱心に触って「わかる」のはすでに太り気味かもしれません。もちろんわからないのは完全に太りすぎです。

どうでしょう?解ったかしら?

…というわけで、愛犬・愛猫が太っているかどうかはチェックできました。

さて、太っていたらどうするの?って話です。



①「もっと運動しなくちゃいけない」と思うのはその通りで、私なんかもそのくちですが、実際、太っている犬を散歩で痩せさせようとしてもかなり難しいです。なにせ、途中でへばって歩きません。出かけたはいいけど、帰りは携帯で家の者を車で迎えに来させた、という話もあります。また太っている子に急に激しい運動をさせると心臓や関節に負担がかかり過ぎておすすめではありません。猫も同じ。じゃらしても動かない。そのうち白けた目で「そんなものじゃ遊んでやらないわよ」とふてくされて寝てしまうのがおちです。それに運動に付き合わなければならない私たちにも時間的体力的無理があるっていうもの。この方法は3日坊主の典型的処置なのです。

そこで 「餌の量を減らせばいいんじゃない」というところにたどり着きます。私もそう思いました。3食食べるから太るのだから1食抜けばいい。ところが、腹が減るのですよ。で、次の食事にどっさり食べてしまう。犬も一緒です。常にお腹がすいていれば、がっついて一気に食べ、隣の犬の分までもらって食べちゃったり、お子さんが手にしているおやつなら軽々と横取り。またおうちの人が食べてるおやつにいつも以上に積極的アピールをしてしまいます。当然、愛くるしい目で見つめられたらひとたまりもありません。今日は減量の事は忘れよう。明日がある。。。ということで、餌の量を減らしても収支決済してみれば摂取カロリーは増える結果になっています。

③「おやつがいかんだわね」と思って止められる方、そしてこれで成功される方は、それまでよほどたくさんのおやつ三昧生活を犬猫に提供していた飼い主さんに限られます。実際に呆れるくらいの量を与えられていた愛犬が全くのおやつなし生活に戻るとかなり緩やかですが痩せてくる場合があります。愛犬のストレスはかなりあったのだろうと思うのですが、確かに微妙に効果はあると思われます。

出し惜しみしているわけではありませんが、肥満と診断した犬猫を持つたいていの方にアドバイスを受けるようお勧めしているのですが、「上記3つの方法で自己流にやってみるからアドバイス不要」とお断りされることが多いので、まず身近な方法についてお話してみたのです。

結論からいうと成功率はかなり低いです。

で、次の方法が私たちのお勧めするプランです。

④低カロリーの処方食を中心にした減量プログラムです。概要を説明します。

カロリーの少ない食事(減量のための特別療法食)に変更し、1日に決めた量を与えます。おやつは止めるか、おやつ習慣のある子では別の種類の減量用処方食をおやつ代わりにし、それも含めた1日給与量を守っていただきます。最初の設定は緩やかな減量にして犬猫が「量が足りない」と感じさせないようにしていきます。すこーし体重が減って来ると動きやすくなるので散歩の距離を伸ばします。つぎに第2段階の食事量に設定しなおします。初めより少なめでも胃が慣れてきているため少なく感じないはずです。こうしてうまく循環していきます。成功したら維持量で気を抜かずに継続します。リバウンドを防止するためです。

⑤猫では減量用処方食を入れた食器を部屋のあちこちに置くようにします。動かざるもの、食うべからずの原理です。これはハンティングをして獲物を得る、という猫の本来の姿でもあるので、食事を探すことで楽しい欲求が満たされ、ねこのストレス発散にもなる方法です。屋内飼育の猫の場合、動かない子は徹底的に動きませんから、必要な行動をとるのに動かなくてはならない距離を延ばすしか運動させる方法はありません。ネズミや羽のついた猫釣り棒にジャンプしたり、ころころボールやミラーに反射する光を追いかけて走りまわっているうちは大丈夫。遊ぶ時間を増やしてください。もちろん食事の1日の基準投与量はくれぐれも守ってください。

しかし、一人で取り組むのは絶対にうまくいきません。家族の協力が必要です。家族全員で取り組んでください。 だれか抜け駆けしてこっそりおやつを与えていると、やけにその人のところばかりに近づいていくので、愛犬の行動で「おれはやってないぞ」とお父さんが言っても気配ですぐにわかってしまいます。

それでもたいていは家族間でうやむやになってきます。痩せてきているかどうかをきっちりモニターする必要があります。2週間に1回の肥満外来をご利用いただくと良いかと思います。同じ時間帯で(排便排尿を済ませた後、というタイミングで)、同じ診察台の体重計で測定することで機械によるブレをなくすことができます。そして、成功の喜びをスタッフ全員と共有することができると達成感もひとしお。もちろんうまくいかなかった場合についてもさらなるアドバイスを受けることができます。


ざっとこんなところでしょうか。
…というわけで、もし、「減量大作戦、今年こそはチャレンジしてみようかなー」と思われたみなさんをハート動物病院はスタッフ全員で応援いたします。
5月15日(土)、6月12日(土)は午前10時から、同タイトルでセミナーを行います。困っていらっしゃるお友達がいたらお誘いの上、お越しください。ハート動物病院に診察でお越しになっていらっしゃらない方でも聞くだけは無料です。いらしてください。

なお、この期間中はホールの陳列棚はすべて減量関係のフードです。関心のある方はお気軽にスタッフに声をかけてください。特別療法食の処方をいたします。
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