椎間板ヘルニア

先週と今週は、椎間板ヘルニアのわんこさんがたくさんいらしたので、ちょいとこの病気のお話をしておきます。いや、うちの子がこうなったらつらいですもん。

椎間板ヘルニアは首からしっぽの付け根まで続く背骨に関係する病気です。「犬のギックリ腰」、なんて表現することもありますが、腰だけじゃなくて、首とか胸の部分でもトラブルはおこります。
そもそも椎間板というのは椎骨と椎骨の間にある薄い軟骨。これが椎骨の真ん中を通る脊髄神経を圧迫して痛みや麻痺を引き起こします。脊髄神経は椎骨と椎骨の間から神経根という神経の集まりを出しています。この太い神経は枝分かれしていき、身体の末端部へつながっています。たとえば腰椎の後ろの方の神経がダメージを受けると、後ろ足の動きが不自由になったり、膀胱の膨らみと排尿をコントロールすることに問題を起こしたり、肛門で便を留めておけなくなるなどの問題が生じてきます。

ある日突然歩けなくなるように思われていますが、そうなる前に症状は出ています。

はじめのサイン

1、立っているときに身体が小刻みに震える。
 身体を支えるのに足の筋肉がしっかりしなくなるためです。
2、階段の前でためらう。
 段差の上り下りにはキック力が必要ですがうまく筋肉を使えません。
3、抱っこを嫌がる。
 抱かれると痛いのです。痛みでキャン!と鳴く場合もあります。
4、歩くことを嫌がる。
 動いたら痛いからです。部屋やケージの隅でじっとしていることがあります。

このような症状が出たら早く病院へ来てください。
さらに進むと歩けなくなることがあります。

進行した時のサイン
5、足がもつれる。
 起き上がる時や、歩いているときにふにゃらけたような歩き方をします。
6、パットじゃ無い場所で足をつく。
 足の甲や指を曲げたところで立ち、これを直すことができなくなります。
7、後ろ足をだらんと投げ出した形で歩く。
 身体の前半分は元気で動くのに、腰から下がぬいぐるみのようになります。

たいていは腰の部分に麻痺がおこるため以上のような症状を出しますが、もっと前の方の神経で問題が起こると前足も麻痺するため全く動けなくなってしまうこともあります。

さて、神経もまた生きています。生きているからには血管があり、酸素を供給してもらっています。この血管が切れて血液供給が無くなると神経細胞は生きていけません。そうなると生命にも危険は及んできます。
もっとも重症な場合は「脊髄軟化症」で、トラブルのあと徐々に元気や食欲が失せ、1週間程度で亡くなってしまいます。

治療法ですが、早期のうちなら、内服薬の投与で痛みを鎮め、運動制限することで回復してきます。また軽度のマヒであれば、静脈内に鎮痛消炎剤を点滴する方法を幾日か連続して行うと、神経の異常も戻って来ます。重度のマヒで、つねっても痛みを感じないほどになると、再び歩くことを目標にして手術という選択になります。やはり重症度により回復に大きな差が出ますし、回復までにかかる費用も異なります。もちろん、術後のリハビリはなかなか根気のいる訓練です。

そうならないようにお願いしたい事があります。ことに、好発犬種のダックス、コーギー、ビーグルを飼育のオーナーさん、次のことには注意してください。

守っていただきたいこと
1、適正体重の維持。
 太っちゃあ、いけません。腰にふたんがかかります。
2、段差の上り下りの禁止。
 階段や玄関の上り口、ソファやベッドなどの段差があるところを自由に上り下りさせてはいけません。
3、飛びつきグセの中止。
 ジャンプしておねだりするという習慣をつけさせてはいけません。
4、足裏のお手入れ。
 フローリングの床で滑らない様に、爪は短くし、足裏のパットの間からはみ出した毛はカット。お手入れもしっかりしてください。

みなさんの愛情に期待しております。




 
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