犬猫の減量大作戦その2

本日は、少々耳の痛い話かもしれません。まず、次の質問に答えてみてください。


(  )コロコロしていると可愛いと思う。
(  )1食でも食べないでいると心配になる。
(  )おやつはほぼ毎日与えている。
(  )食事量は決めていない。
(  )ドライフードを食べ残すと缶詰やレトルトなどをトッピングする。
(  )今のフードの食べが悪いと、次は別のフードを探す。
(  )散歩は歩いて近くをぐるっと回るだけ。
(  )汗をかくほどの運動をさせることはない。
(  )避妊手術または去勢手術をしたが食事は変更していない。
(  )つい食事中に人の食べ物を分けて与えている。 


どうでしょう?いくつくらい当てはまるものがありましたか?
◯の数だけ、危険はいっぱいです。

さて、今日は「太ると体にどんな変化が起こるのか」についてお話したいと思います。

肥満は体のあちこちに悪影響を与えます。
1、関節や靭帯
 みなさんも御存知の通り、重くなった体重が負担になって、関節炎椎間板ヘルニアを引き起こします。また、膝の関節の中にある前十字靭帯の断裂も起こしやすくなるのです。さらに、もともと股関節の浅い犬では何かの拍子に股関節脱臼を起こすこともあるでしょう。

2、心機能
 肥満になると体が大きくなります。皮下脂肪も内臓脂肪も血管で心臓とつながっています。巨大化した体の隅々にまで酸素を供給するため心臓はしっかり働かなければならなくなります。その分、心臓には負担がかかるようになります。特に夏の暑い日には代謝が亢進していますから、酸素要求量も高まります。肥満の犬はハアハア、苦しそうに見えますね。太っちょさんには夏は辛いのです。

3、肝機能
 小腸から吸収された栄養素は血管やリンパ管を通って肝臓内に入ります。循環している血液の中では血糖値を一定にするよう働きかけがありますから、余分な糖分はぎゅーっと固めて脂肪というかたちに変えて肝臓内に保存されます。そして食事をしていない時間でもすこしずつこれを分解して、血液中に小出しにしていきます。こういう作り替えの仕事を延々と繰り返す肝臓ですが、脂肪を燃焼させている時より、栄養が入ってくる時の方が多くなると、蓄える方ばかりになります。こうして肝臓は脂肪だらけ(脂肪肝)になります。余分な脂質代謝をしいられる肝臓にもやはり負担がかかっています。高脂血症と肝酵素値の上昇はここ数年の健康診断で大変増えてきています。犬もメタボな時代です。

4、膵機能
 膵臓は食べ物を消化する酵素を作り、十二指腸へ膵液を分泌しています。常に食べてばかりですと、休む間もなく働くことになります。また、血液中の糖分が細胞で利用されるためにインシュリンは不可欠なホルモンです。このインシュリンも血糖値を一定にするように働いています。しかし、必要以上に高血糖が続くと、これ以上分泌できない状態(枯渇)になってしまいます。こうして糖尿病が発症します。肥満と膵炎、肥満と糖尿病は昔からよく知られた関係です。

5、繁殖能力
 肥満により、精巣機能は低下します。どうしてもこのお父さんの子どもが欲しい、ということ以外は健康に関係ないように思われますが、バランスの悪い体型はさらに悪化してきます。

6、妊娠と出産
 一方、女の子の受胎率も低下します。また、肥満ですと、産道の周りにもしっかり脂肪が付きますから胎児の通り道は狭まって難産になりやすくなります。

7、手術のリスク
 お腹の中にたっぷりと付いた脂肪には細い毛細血管が張り巡らされています。ここは出血しやすいくせに、止血はしにくいところです。手術を普通以上に手間取らせたり(麻酔時間の延長)、出血量を増加させたりなど、手術に悪い影響を及ぼします。

8、体温維持
 脂肪組織は温度が上昇しにくくなっています。しかし、その逆もあり、一度上昇した温度は低下しにくいのです。それで環境に応じた温度調整がしにくく、クーラー病になり易いのに、一歩では熱中症になり易いという傾向があります。

9、腫瘍
 脂肪腫は肥満傾向の犬に多発します。


以上のように、太っているというのは、いろいろな病気の予備軍であることは間違いありません。 「うちの犬はまだ、びっこを挽いていないから大丈夫」なのではなく、ある日突然、腰がフラついて歩けなくなったり、片足ケンケン状態になるリスクが適正体重の犬に比べ非常に高い、ということです。やはりそうなる前になんとか回避しておく方が良いでしょう。

6月12日土曜日午前10時から約1時間程度、肥満にサヨナラ、減量大作戦についてセミナーがあります。実際にどうすれば今の体型から健康美へとチェンジ出来るのか。ぜひセミナーにご参加いただき、実践してください。



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