アトピー性皮膚炎について・その4

アトピー性皮膚炎についてのお話・4回目です。
今回は環境の中にあるアレルゲンをどのように回避していくか、についてお話していきます。

アレルゲンは目に見えません。そして、相手が誰なのかもわかりません。誰だかも分からない、しかも見えないという敵とどう戦うのでしょうか。並大抵のことではありません。

1、屋外に大量に散っているだろう花粉は避けることができるのでしょうか。
犬はマスクができませんから鼻から入るアレルゲンを防御することはできません。また体表面が毛で被われているため花粉が付着しやすくなっています。「花粉が飛散している時間帯を避けて散歩する」というアドバイスもありますが、飛んでいる花粉は時間がくれば地面に舞い降り、飛散していなくても花粉が沈んだ地面近くを犬は歩くことになります。結局は避けようがないのです。

一方、ずっと屋内にいても完璧に花粉を防ぐことはできません。洗濯物や家族の布団を外に干すわけですし、換気のために窓を開ければ花粉は風とともに屋内に入ってきます。そして何よりも私たちが家の内外を出入りするときに開けるドアからも入ってくるのです。

ため息が出そうです。

2、屋外のアレルゲンを避けるための工夫について。
それでも、なんとか環境中の花粉から犬を守る工夫についてお知らせしましょう。

まずは直接体についてしまいそうな場所での散歩はやめてください。つまりアスファルトの上を歩き、街の中を散歩するのは良いとしても、草むらの中に入ったり、河川敷を自由にさせたりなどはしない。芝生になっているドッグランもやめ、人工芝のところを選択する。というようにです。


散歩に行くのに、レインコートのような表面がつるつるした素材の洋服を着ていくと、体幹部に付く花粉は減らすことができるかもしれません。しかしそれだけでは足や頭には付きますので、散歩から帰ってきたら、足裏も含め体中の毛を拭いてください

全身のシャンプーは被毛についた花粉をしっかり洗い流す効果があります。 シャンプーの頻度は週に2回がアレルギーっ子の理想ですが、どうしても忙しくてできない場合にはそれよりも間隔が開いても(週に1回、2週に1回になっても)仕方がありませんね。

使うシャンプー剤はアレルギー皮膚用の薬用シャンプーを使うようお願いします。アトピーの子たちは皮膚炎を伴っていることが多いので、おすすめするシャンプーはそれぞれ違います。診察をして、処方しています。 市販のシャンプーは被毛の汚れを落とすことを主目的にしていますので、アトピー皮膚炎に間に合うような頻度でこれを使って洗うと、皮膚の脂分が抜け、大事な皮膚バリアーを壊しかねません。

シャンプー方法については以前書いたこちらのブログを参考にしてください。もちろん、この後も行われるセミナーに参加していただくとよりわかりやすいと思います。

そのほか、散歩ではノミやマダニなどを付けてしまう可能性があります。これらはアレルゲンとしてはかなり強力な相手ですので、「付いたから薬で落とす」のではなく、あらかじめ「薬剤を滴下し、ノミ・マダニ予防をしておく」ことをおすすめします。ホームセンターなどでも似たような商品が売られていますが、ノミやマダニを完全にブロックするに値する十分な効果は期待できません。ご面倒でも動物病院にあるものの処方を受けてください。
 

3、屋内にあると考えられるアレルゲンから逃れることはできるのでしょうか。
家庭内で考えられる主なアレルゲンはハウスダストやイエダニ、カビ。そして絨毯やカーペット、ぬいぐるみの中身材料となる繊維性物質。 布団や毛布の材料になる羽毛や羊毛。さらにハエ、蚊、ゴキブリなどの虫。タバコの煙などがあります。

部屋いっぱいに飛散しているこれらのアレルゲンは掃除をこまめにしたり、床をフローリングにしたり、ぬいぐるみを片付けたり、家人に外でタバコを吸ってもらうなど、私たちの生活スタイルそのものを変える必要があります。また掃除に関しては多大な労力を要求されることになります。



4、屋内のアレルゲンを減らす工夫について。
部屋全体にあると仮定されるハウスダストやイエダニはこまめな掃除で吸い取るのが一番です。掃除機のダストボックスも頻繁に新しいものと取り替えてください。またエアコンのフィルターもきれいにしなければいけません。カビ対策として除湿機を用いるのも良いでしょう。空気清浄機を活躍させるのは屋内のアレルゲンを減らすことに効果的です。
ゴキブリやハエ、蚊に対しては、定期的に家中を殺虫剤で燻煙する必要があるでしょう。
絨毯、カーペット、布張りのソファ、ぬいぐるみ などの繊維が好ましくない場合、避けることができるものは片付けるようにしてください。


家族と一緒に夜を過ごす犬もいるかも知れません。羊毛の毛布や羽毛布団がアレルゲンとなる犬は多いようです。私たちが犬に合わせて重たい綿布団に戻ることは難しいので、ひとりでクレート内で寝かせる躾をするべきでしょう。その場合の暖はペットヒーターで、毛布はフリース製がおすすめです。これも数枚用意していただき、まめに洗濯をしてください。
タバコの煙対策ですが、やはり犬のいないところでの喫煙をお願いします。犬のため、ご自身の健康のために禁煙なさるというのも良いかもしれません。
シャンプー後のタオルドライにも気をつけなければいけないことがあります。木綿が合わないことがあるからです。こうなると、シャムワオのような化学繊維でできた布で拭くことになります。 


 


次回は食物中のアレルゲンの回避についてお話することにします。


オーナー様向けセミナーもずっとアトピー性皮膚炎を特集しています。
この機会にぜひご参加ください。
7/24:アトピー性皮膚炎のあらましと特殊な薬
7/31:上手なシャンプーで健康な皮膚に
8/ 7:アトピー性皮膚炎と食事
8/21:アトピー性皮膚炎のあらましと特殊な薬(7/24に同じ)
8/28:上手なシャンプーで健康な皮膚に(7/31に同じ)




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