- 2011-01-30 :
- 猫の泌尿器症候群
頑張った猫ちゃん「ニャム君」
さて、今回も先月の頑張った猫にゃんのご紹介。「ニャム君」です。長い長い入院になってしまいましたが、それゆえにスタッフからの人気もかなり高いにゃんです。彼は、ほとんど病院の猫と同じくらいの態度でいますね。
↑以前受けた外傷のためちょっと歯のズレがあるのがチャームポイントのニャム君
さてニャム君が来院したのも先週のブンタ君と同じころ。ブンタ君と同じFLUTD「猫の泌尿器症候群」でした。尿路は不完全閉塞で決して腎臓を悪くするタイプではありませんでした。けれど膀胱内の細かな石が微妙に大きくて、カテーテルというおしっこの管を通して何度も膀胱洗浄を行いましたが取りきれません。食事療法でもガツガツ食べるタイプの猫ではないため石は溶けません。石を溶かす特別な薬も投与しましたが、こちらもうまく反応しないのです。いつも膀胱が大きめで、そのうち「おしっこしたい」という気持ちにもならない状態になってしまいました。これ以上は内科療法では解決になりません。
それでおしっこの通り道の太いところで切って、新しい出口をお尻に作る「会院尿道ろう」という手術をすることになりました。猫の尿路は細く、手術も繊細でたいへん神経を使う手術です。けれど術後はめきめき回復し、おしっこは順調に出るようになりました。ニャム君の尿道は、体重が10kgもある中型の犬並みの管を入れることができるほど太くなりました。
↑手術後はこんな様子です
そして不思議なことに手術前まであまり好きではなかった処方食も大好きになり、毎日カリカリ音を立てながら食べられるようになりました。お尻シャンプーは時々してもらっていましたが、久しぶりに全身のシャンプーをしてもらえた日にはとても気持ちよさそうにしていました。
これからは再発防止の食事を食べ、新しく作った尿道口がきれいに保たれているかを定期的にチェックするだけで心配は要りません。こうしてニャム君は新人看護師が始めて入院担当した忘れがたい猫にゃんとなりました。もちろん新人看護師も先輩看護師のアドバイスを受け立派に成長したのは言うまでもありません。
↑そして最終的に傷があがるとほとんど女の子のお尻になります