糖尿病・5

糖尿病のこと。5回目です。

食事療法のまとめをしておきます。

 

一般に糖尿病のための処方食は「高繊維食」です。前回お話ししたように、急激な血糖値の上昇を防ぐことを目的としています。けれど、「うちの子、病院でもらった食事は食べないのよ」という声も聞かれます。本当に処方食を食べなければいけないのでしょうか。

 

食事と血糖値の問題に関して、一般的に言えることになりますが、正常な動物であればインシュリンは分泌されるので、食事を食べても血糖値は120mg/dl程度に抑えることができるのです。一方糖尿病の動物ではインシュリンが存在しないため(インシュリンが効果的に作用しないため)食後の極端な高血糖がおこることがあるのです。そう。高線維低炭水化物食はこうした意味から理想的な食事になります。

 

よくあることなのですが、尿糖が出ているとカロリーが多すぎるだろうと、飼い主さんが勝手に食事量を減らされます。また痩せてきているのだから、もっと沢山食べさせなければいけないだろうと考える方もいらっしゃいます。高血糖の時間が長すぎると尿糖は出現します。また糖分が尿に出て行ってしまえば身体に残らないので痩せてきます。こうした場合は、インシュリン量を増やす必要があります。ボディコンディションを(3/5)に維持することが大切です。

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チュータ君です。うまくコントロールできています。

もし痩せているのならば、無理に高繊維低カロリーの食事にしなくても、いわゆるメインテナンスタイプの食事でかまいません

また確実に一定のカロリーを得るためには嗜好性も大切です。投与するインシュリン量が一定ならば運動量も、食事量も一定にすることが望ましいことです。

 

猫の食事療法で気をつけなければいけないことのひとつは、食事選びです。猫で糖尿病を発症するのはたいてい去勢されて肥満になっているオス猫です。そこで痩せさせなければいけないと思い、カロリー制限食、たいていは老猫用のダイエット食を選択されるのです。ところがこれは炭水化物の含有量が比較的多いので食後急激な高血糖を起こしやすいのです。また、せっかく高線維食を選んでも、猫が好まない。食べない。それでも「病気になってしまったのだから」とやっ気になってこの食事を継続してしまう。こうしたパターンでは、脂肪肝を発生させてしまいます。この場合は特に高線維食でなくてもよいので、とにかく何か、たべさせるようにしてください。また目標体重にするのに、3ヶ月くらいかかってもいいぞ、というゆったりした心構えも必要です。急いてはいけません。糖尿病との付き合いは長くなります。
 
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実はチュータ君はお餅ねこさん。こんな体型ですが血糖値はエクセレント!なのです。

まとめとして、

①一定の体重を維持することが一番大切である、ということ。

②理想は高線維食だけれども、食べないのでは意味がない、ということ。

③痩せるために選ぶ低カロリー食は糖尿病には向いていないかもしれない、ということ。

④猫には高蛋白食の糖尿病用処方食がある、ということ。

以上です。

次回はインシュリンの効きが悪いのだけれど、という心配な場合のことをお話しする予定です。

 

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