腫瘍・総合2

腫瘍のおはなし。その2かいめ。

 

異常な細胞はからだのどこの細胞からでも発生します。

どうしてできてしまうのか。知りたいところですね。あるものは、日光のような刺激ですし、あるものはウイルスです。また、ある程度、遺伝性も素因として関与しているようです。なぜならゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーは腫瘍になる固体が多いからです。腫瘍の種類と犬の品種差に偏りも見られます。(ある腫瘍は、ある特定の品種が抜きん出て多い、というようなことです。)そのほかの要因について、動物では分かっていることはあまりありません。

 

家族の吸っているタバコの伏流煙によるものが影響しているかどうか、食事がどうか、生活習慣はどうなのか。最愛の動物が腫瘍、それも悪性のものに侵されたとき、自分が悪かったからこのような病気になってしまったのではないか、とご自身を責めてしまうオーナーさまがいらっしゃいますが、これらのことはまだ関係が確実になっていません。まぁ、「こういう、たち、だったのだ」と軽く捕らえてください。ご自身を責めるエネルギーを、病気と戦う方に回しましょう。
中村チー・MCT 

チーちゃん。腋の下に悪性の腫瘍が出来ましたが上手く全体を切り取ることが出来ました。今はとっても元気です。

 

腫瘍は大きくなると、血管やリンパ管に腫瘍の娘細胞が入り、その流れによって遠くへお嫁に出かけます。遠隔転移です。実は本家の腫瘍(原発病巣)を取るのはできても、嫁ぎ先の腫瘍(転移病巣)を取ることはできないことが多いのです。それで、とにかく嫁入り前に腫瘍を取り除きたいのです。それも小さいうちにとってしまいたい理由です。もちろん、すぐ近くのリンパ節は、ここに遊びに来ていないかどうかの見極めのために取り除きます。これはこのへんまで遊びに来ていると、たぶんお嫁に行っているのだろう、という予後判断(嫁に行っているのは良くない印です)をするためです。

 

腫瘍細胞は際限なく増えていきます。ですが、小さなうちに切り取ってしまえば、そのまま終わらせることができます。(完治)「小さいのができたけど、様子をみて、大きくなったら病院に行こう」などと思ってらっしゃいませんか。じつはそのようなオーナーさまは結構いらっしゃいます。

 

私たちが「おぉ、育ったな」と感じる大きさ、これはだいたい1cm以上のものです。1cm未満の大きさは取りやすいサイズ。言い換えると完治が望めるサイズです。どうでしょうか。おうちの方にとって、この大きさは「まだ小さい」と判断されるかもしれませんね。たいていの場合、見つけたときにはすでにこのサイズをはるかに超えていることが多いのです。大きくなればなるほど、血管やリンパ管が充実し、転移の心配も出てきます。また、腫瘍を切り取るときに皮膚が足りなくて覆いかぶせることができないと、それに皮膚弁を形成するための余分な手技も入ってくることになります。
モンチ・MR 
モンチちゃん。腫瘍ではありません。しかしこのくらいの年齢になると心配は尽きません

 

そのようなわけで、小さなものであっても、見つけたら様子を見ていないで、できるだけ早く連れてきてください。

 

今回のお話はここまで。

次回は良性と悪性の見極めについておはなしします。

スポンサーサイト

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード