家族に向けられた攻撃性行動・2

問題行動・家族に対する攻撃性・その2

 

人に向けられた、犬の攻撃性は優位性行動によるものです。優位性行動についてまとめてみました。

 

犬の社会は、グループ内の安定を司るために順位ができています。この、犬の社会の中で誰が優位に立っているのか、というランク付けがはっきりしているとグループの中は安定しているのです。犬はボディラングェッジ(体位・体勢・姿勢)で優位を表現しています。このようにして、無駄な闘争が起こらないようにできているのです。

 

優位性はすなわち攻撃性である、ということではありません。グループのトップを「アルファ」をいいます。このアルファはグループの中で一番先に食事を決めたり求愛相手を決めたりすることができる存在です。誰がそのグループの中でアルファになるのかを巡って、一度はグループの中で争いは起こります。相手に敵意を見せるのが攻撃性です。優位性が高まれば攻撃性は弱まります。強弱が明らかな場合、無駄に攻撃を仕掛ける必要はないですから。攻撃性は優位性のひとつの局面なのです。犬を家畜化する段階で、攻撃性のメカニズムは低めてきました。犬に行動抑制をかけることで、犬は攻撃性を低下してきたのです。行動学の本の1ページめはどれもみな「ひと、オオカミに会う」から始まっているのですが、このような行動変化はオオカミにはおこっていません。家畜化された犬にだけおこっていることです。

 

ここで、葛藤による攻撃行動と、真の優位性攻撃が違うことをお知らせしておきます。家族がとんちんかんなために、犬が誤解している場合の攻撃行動は別物です。明らかに犬が嫌がっているのに飼い主がそれに気づかず繰り返す行動により、痺れを切らして攻撃する、というパターンはこころの葛藤、混乱によるものです。

 

さて、優位性のある犬の特徴をお伝えしておきます。非常に頭がいいです。学習能力に優れ、何でもすぐに覚えます。しかし、レスポンスは遅いです。それで、飼い主から「分かっていない?」と思われることもあります。その考えは違います。彼らは分かっているが、反応したくないから、わざと反応しないのです。ですから命令に対しては70%程度聞くのですが、あとは分かっているけど「やってられねーよ」的な反応です。私たちは診察や検査、治療のために彼らを押さえたりしますが、こういった行為を受けることを極端に嫌います。押しが強く、主張の激しいタイプです。相手が向かってきた場合、必ず攻撃します。服従姿勢はとりません。非常に冷たそうに見えます。独立心が強く、ひとりでも大丈夫な犬です。自信を持った強い姿勢で縄張りを持っています。けんかの相手は限られています。優位性の強い犬に対してだけです。

 

優位性行動を起こすときの態度ですが、からだは直立していて、頭の位置は高くなっています。唸ります。唇は上方に引っ張られ、歯茎を見せます。興奮すると毛が逆立つように見えるかもしれません。人の上にかぶさってくるようなかんじです。飛び掛るように突進し、攻撃をしてきます。マウンティングします。

 

こうした優位性行動は子犬のころにすでに見られることが多いです。成犬になり、これがマックスに達します。そして時間とともに悪化します。前兆として、ハンドリングするときに気に入らないところを触ると噛み付いてきます。たいていはリードを付け替えるために触った首や顔まわり、手足などです。優位性攻撃はグループ内の(家族の)ひとりに対して向けられます。老人や女性、子供が標的になります。「せっかち」という言葉が適切かどうか分かりませんが、「欲しい。今すぐ欲しい。こうして欲しい。早くよこせ」というタイプです。

 

次回は治療について書いてみようと思います。

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