犬の痴呆症の管理・その1

痴呆のこと、お話します。異例の平日UP。3日連続でおはなしします。定例日曜更新のシリーズ「肝酵素」はいつも通り日曜日の朝にUPします。



<はじめに>

昼夜逆転、夜啼き、徘徊、異常食欲、旋回運動などは痴呆症でよくみられる症状です。どの症状も飼い主さんを困らせ、こうしたことが長く続いたり、飼い主さんの睡眠が妨げられるほどになってくると、介護する人を疲労困憊へと導いてしまいます。飼い主さんが疲れないで、無理なく老犬介護を続けるためにはどうしたらよいか。これが最終的には、介護してもらう愛犬をいい状態で生活させるうえで、大切な問題なのではないかと思います。

 

さて、人には「特別養護老人ホーム」とか「デイサービス」そのほか、介護が必要な方のための施設もありますが、動物にはそれがありません。どうしても家庭介護になります。また、専門のスタッフといっても、老犬介護に秀でた動物看護師がすべての動物病院にいるわけでもありません。どこに相談したら良いのかさえ分からないのも実情でしょう。個人で「どうしたら良いものか」悩んでおられる飼い主さんも多いのかもしれません。

 

かくいう私も、介護について専門的に学んだわけではありません。獣医学の分野では、まだおぼろげながらの学問です。それで、経験からのアドバイスになるかもしれません。もっと良い方法をご存知の先生も居られるでしょうが、私なりの考えを思いつくままにまとめてみました。

 

症状により対処法が違う、ということは無いように思います。すべての根幹が「痴呆」であり、そこから派生した問題だからです。そして、今は発生していなくてもいずれは出てくるかも知れない問題でもあるでしょう。すべてをひっくるめてお話しすることにします。


 

<散歩のこと>

さて、同居する飼い主さんが夜ぐっすり眠るためには、愛犬を昼間動かせ、疲れさせて、夜は寝かせる方法をとるのが一番なのではないかと思います。そこで、おすすめするのは散歩です。散歩というと、排泄を主目的においてらっしゃる飼い主さんが多く、「うちの子はもう、ほとんど歩けないし、オシッコも屋内に作ったペットシーツでできちゃうし、散歩は要らない」、と考えていらっしゃる方もおられます。散歩の目的は幼犬期であれば社会化が、成犬期であれば運動が、その目的の大半を占めると思いますが、どの期にあっても気分転換も大きな目的になっています。太陽の光を浴びて歩くこと、これは私達にもとても大切なことです。メラトニン分泌をさかんにすると、体内リズムがうまくできます。そして足の裏の刺激は血行を良くさせますから、脳にまで血が良く巡ります。


1回の散歩で沢山歩くことはできません。もし可能であるのならば1日に数回、短い時間でも良いので、静かで平らなところをゆっくりと歩かせると良いと思います。

もし、もう歩けなくなってしまった犬なのであれば「カート」に乗せて外の空気を吸わせ、太陽を浴びさせ、外の音を聞かせる、そんな風でもいいと思います。外の雰囲気、外界の刺激を感じてもらえば。

老犬になればどの子も心臓は大なり小なり悪くなってくると思います。僧帽弁閉鎖不全症はほとんどの老犬がなってしまうでしょう。たぶんあなたの犬に特別に降りかかった災難ではありません。肺水腫の既往歴がなければ、運動禁忌ということもありません。無理のないように軽い散歩を行って下さい。


適度な運動は関節疾患の犬でも関節が固定してしまうのを防ぐことができます。運動によって筋肉が維持されるのです。骨、関節、筋肉、神経で運動ができることを忘れてはいけません。動かなくなると筋肉は萎え細くなります。そうしたら動きたくても動くことはできなくなります。関節症があっても無理のない程度の散歩はお願いしたいと思います。

とにかく、人と同じではないかと思うのです。「自分の好きなときに、自分の好きなところへ歩いていけること。」これは痴呆を遅らせる手立てになるだろうと。

そんなわけで、お散歩はとても大切で、ぜひとも実施していただきたい、介護の一歩です。

写真も何もなくて、文ばかり長くてごめんなさい。明日に続きます。

スポンサーサイト

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード