痴呆のこと・その2

痴呆症その2。続きです。



<寝室のこと>

よいコンディションで居るために、睡眠環境の管理は欠かせません。それまで屋外で過ごしてきた犬にとっても、ある程度の年齢が来て、痴呆が入るほどになったら、屋内で温度管理をしていただきたいと思います。


ベッドはやわらかいものが良い、と思われるかもしれません。確かに硬いところよりも良いのですが、おすすめは特殊なマットです。寝ダコができないように、帝人ファイバー株式会社が、愛犬を研究して出来上がった製品です。私達もそうですが、質の良い睡眠は脳に良い影響を与えます。

「タフィーマット」または「ホームナース」という名称で、通販で購入が可能です。


痴呆が進行し、ぐるぐると旋回運動を行ったり、部屋の隅に入り込んで後戻りできなくなったりしてくると、愛犬のために一般の部屋を開放して提供するのは難しくなってきます。また何もない部屋を一部屋そっくり、犬のためだけに使うというのは、日本の住宅事情からしたら無理なことです。それで、通気性は悪くなるのですが、お風呂マット3枚~4枚程度を立てかけて繋いで柔らかな壁を作ってもらいます。囲いのようなもの、サークルです。エンドレスケージといいます。この中をうろうろしながら、最後は疲れて眠ってしまう、というものです。


また愛犬によって、眠りにつきやすいからだの姿勢があるようです。いつも右を下にして寝る、とかそういったものです。この姿勢を覚え、バスタオルなどで抱き枕のようなものを作ってもらい、身体を支えるようにあてがってもらい、動きを止めて、そうした体勢を作り上げて寝付くまで待っていてもらうのも良いかもしれません。根気のある飼い主さんでないと、できないことかもしれませんが。


冬は湯たんぽやヒートマットで局所を暖めてもらうのも必要なことです。掛け布団が必要な犬もいると思います。適時対応してもらえばありがたいです。

温度には敏感になってもらい、夏冬エアコンを適温にしていただくことは言うまでもありません。

寝ていたかと思ったら、すぐに起きてないている、ということがあるかもしれません。どこか痛いとか、排泄したいとか、姿勢が好ましくないとか、いろいろ事情があるのだと思います。それらを観察し、思い当たることがあればそれらを排除してみて下さい。


 

<食事のこと>

老犬になってくると必要なエネルギー量(カロリー)は減ってきます。また高血圧や、心臓病、腎臓病等の問題から塩分(Na)は少なく、蛋白質も必須アミノ酸がきちんと入っていて必要以上は蛋白質の含まれないもの、ビラミン類が豊富なものが推奨されます。一般の老犬用フードを用いてもらうか、もしくは動物病院で病気別の管理食を処方してもらうと良いと思います。言わずもがなですが、ジャーキーを主にしたような、人でいえばジャンクフードを主食にしていたり、肉類などに偏った食事では脳の健康は維持できません。


老犬用のサプリメントがいろいろ出ています。痴呆の進行を抑えるため脳に良い物質となると、おすすめはDHAEPAです。また抗酸化物質や消化を良くする酵素、関節によいとされるコンドロイチンやグルコサミン、ヒアルロン酸、 コラーゲンなども高齢の犬には向いています。


生活のリズムを整えるためにも、食事は定時に与えることをおすすめします。痴呆になるまでは12回の食事が一般的で、たいていの方はそのように食事を与えてきていることだろうと思います。痴呆が進んで、何度も鳴いてせがむようになると2回ではうまくいきません。時間的な余裕があるのであれば3回とか4回に増やしてもらうといいと思います。子犬の時期に戻ったような管理方法になります。


食事の量は現在の体重を維持できる量、ということになります。運動量により掛ける係数が変わってきます。与える食事(総合栄養になっているドライフードまたは缶フード)から栄養計算ができますので、個々の犬の適量は栄養士のいる動物病院で相談してもらえばよいと思います。

欲しがるからといって、それに任せて与えていては、老犬は消化酵素も減少していますから下痢をすることになってしまいます。これでは管理するのに不都合です。自分で自分の首を絞めるような行為はやめておいたほうが得策です。



本日はここまで。さらに明日に続きます。明日で最終回です。

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