痴呆症のこと・その3最終回

痴呆症について・その3。最終回です。



<排泄のこと>

年をとってくると、膀胱にオシッコをためておくことも若い頃のようにはいかなくなると思います。つまり、トイレ間隔は短くなるのが普通だと思って下さい。肝臓や腎臓が悪くなると、その代償として多飲多尿になることがあります。また心臓病のために服用する薬の中には利尿作用のあるものもあります。年とともに膀胱も大きくは膨らまなくなるし、ホルモン的または神経的問題から失禁を起こす犬もあります。足腰が不自由になればさっと立ち上がって排泄できるところまですぐに行けなくなるでしょう。


屋内で排泄することのできるトイレ(ペットシーツ)を寝ているところの近くに用意してやったり、部屋にいくつも用意するなどの工夫が必要だと思います。いよいよサークルの中に、ということであればサークル内にペットシーツを敷き詰めることになります。

オムツをすると管理するほうはらくちんかもしれませんが、動きが悪くなることで、関節を固定しやすく、動きを妨げる結果になります。いよいよ動けなくなった、というところまでは、また犬自身が排泄しよう、という意識がしっかりあるうちは、オムツの使用は我慢してもらったほうがいいと思います。


いよいよオムツのお世話になった場合でも、こまめにオムツ交換をして下さい。おむつかぶれの皮膚は不快です。睡眠の質を低下させますから、夜啼きの原因にもなります。また膀胱への神経異常が見つかった場合は、人為的介入で膀胱をカラッポにすることが必要で、そうしないと膀胱炎を起こすため、それによっても睡眠の質を悪化させます。

 




<病気のこと>

痴呆を発症する犬の中には歯科疾患にかかっている犬も数多く見受けられます。咀嚼(そしゃく:ものを噛むこと)行動と痴呆との関係は無縁ではないように思います。歯石から歯肉炎や歯槽膿漏、歯槽骨炎などを発症すると痛いので、睡眠の質は悪くなると思います。一度歯科診察を受け、悪いようでしたら、適切な処置を受けたほうがよいと思います。


やけに静かで寝てばかりいる、とか、寒そうに身体を丸めて寝ている、などは甲状腺機能低下症の症状でもあります。脱毛や被毛がこわばっているなどの皮膚科症状があってもなくても、定期で受ける血液検査のコレステロール値が高くなくても、数回にわたりホルモン値の検査を受けたほうがいいかもしれません。(1回ではわからないこともあるので)ホルモン剤投与で元気になってくれたら、それもいいことです。


高齢になると、複数の疾患を持つことになると思います。心臓、腎臓、高血圧関連では、動きが鈍くなるのも当たり前ですし、関節疾患があれば痛いので動きたがらないでしょう。これらの疾病の管理もできていないと、痴呆による症状を悪化させることになります。基礎疾患についてもきちんと診察してもらい、薬で動きをカバーできるようであれば補助したいですよね。




 

<まとめ>

ざっとこんなところでしょうか。

①散歩をさせること、
②質の良い眠りを提供できるようにすること、
③栄養、ことに
DHAEPAなどのサプリ、
④まめに排泄のチェックをしてやること、
⑤他疾患をチェックすること     などは、
どれも重要なことだと思います。

これ以上の具体的な方法は、個別で違うことをする必要があるかもしれません。


困っていたら、どうぞ一人で抱え込まないで、ご相談にいらしてください。また、どうにも介護に疲れてしまった、出かける用事があるのに出られない、お友達に旅行に誘われたけどあきらめて悲しい気分、なんていうときには、介護入院を引き受けております。病院をうまくご利用下さい。介護するあなたのこころが折れてしまったら、わんこは生きていけなくなります。元気に復活したら、また始めていただけたらよいのです。時には息抜きも必要です。お気軽にお声掛け下さい。

最後まで読んでくれてありがとう。

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