猫の不適切な排尿・3

3、不適切な排尿をもたらす下部尿路の病気

 

さて、猫に不適切な排尿があるとき、ほとんどの猫が特発性膀胱炎(FIC)にかかっている、といっても過言ではないかもしれません。猫の下部尿路疾患FLUTDは特発性膀胱炎FICと尿石症、尿道栓子から成りますが、そのうちFICFeline Idiopathic Cystitis)はストレスと密接な関係があります。

尿道栓子ができると、排尿がうまくいかないため、トイレ以外のところでもいきんで排尿を試みるので適切な場所以外のところでオシッコをしてしまうことになるのですが、一般に「不適切な排泄」と言っているのはストレスの関与した行動学的な側面と関連した排泄形態です。特発性膀胱炎の症状の一つとして認められることがあります。

 

FIC

実際に不適切な排泄(困ったところにオシッコをしてしまうこと)を主訴として来られる場合、結構な割合で特発性膀胱炎(FIC)になっていることがあります。

特発性膀胱炎は膀胱の病気ですが、不安がこの病気の引き金になっています。

 

特発性膀胱炎は、一般的な細菌性膀胱炎と、臨床症状は変わりません。頻尿(少しずつのオシッコを何度もすること)、血尿(赤い血のついた、または混じったオシッコをすること)が特徴ですが、最初はトイレ使用回数の増加に始まり、そのうち、排尿回数は増えるのにトイレ使用回数が減少することになります。これは違うところでオシッコしてしまう、ということを意味します。猫はたいがい柔らかいものの上で排泄することを好みます。お布団やコタツ布団、座布団、洗濯物、枕、ソファーなど。飼い主さんのにおいが付いているようなところで排泄するので、飼い主さんは自分との関係の悪化があるのかと心配してしまいます。

 

ただ、これはストレスが引き金になった膀胱の病気の症状になりますので、飼い主さんとの心理的、感情的な問題だ、と深刻に考えなくてもよいことですし、かえってそのように神経質に考えて猫を見つめる回数が増えたり、必要以上に念入りに愛撫したりするのは、監視され、束縛を受けているように猫は感じるため、良くないことです。

 

尿路結石症、尿道栓子

尿道に結石やそのほかのマトリックスが詰まって、尿道閉塞をおこしている猫も、トイレ以外の場所で排尿するようになります。膀胱内にできた砂粒状の結石が原因となった膀胱炎の症状は、細菌性膀胱炎と同じように頻尿、血尿です。また排尿時に尿道へ流された細かな石が尿道を閉塞させると、尿意を持った排尿異常、排尿困難(オシッコをしたいのに、うまく出せない、充分な太さの尿線がない、オシッコしたのに膀胱に尿の残りがあるなど)が見られますので、あちこちでオシッコを漏らすようなことが起こります。

こちらは心理的背景を原因としません。冬季に多い疾病です。寒いのでトイレに行くのがおっくうになり、排泄までの時間が長引くことで、膀胱内に尿が停滞する時間が長くなるのも関係しているのではないかといわれています。

 

 

さて、次回はこれらの原因の異なる不適切な排尿を、どのようにして区分け(鑑別診断)していき、どのような治療をするのかをお伝えしましょう。

 

 

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