寒いということ

 

寒さに対してあまりに無頓着な患者さんがいらしたものだから、ちょっと心配になって書いておきます。

ここを訪ねてきて下さる飼い主さんは、たいてい愛犬家だし、勉強熱心な方が多いので、寒さに犬猫をさらしているようなことはないので、むしろ、ここに来ては下さらないような方に向けたお話になると思います。ですから、

「私はそんなことないわ」

とか、話がかみ合わない部分も出てくるかもしれません。

その辺りはご容赦下さい。

 

 

さて。寒いということは、それだけで身体を維持するためのエネルギーを使います。燃やさなくちゃ、温まりませんからね。だから、いつもと同じ用量を食べていて、寒さ対策がなされていない場合は痩せてきます。体が必要とするエネルギーを食事で補うことが出来なければ、体内に貯めておいた脂肪が分解されて、これをエネルギー源として体が利用するからです。そして、体がそのような状態になれば、血糖値もさがり、お腹が空いた、と感じられ、食欲も増すのが普通です。こんな状態が続いていくと肝臓を壊します。

 

元気かどうか、体調がいいのかどうか、これをみるバロメーターを食欲だけに頼っていると、寒さでエネルギー切れになっていて痩せてきているのに、「がつがつ食べて元気いっぱいだ」と誤解することになります。

 

ペットフードのCMでは犬や猫が大喜びでフードの入った食器に走りこみ、それはもう、がっつり食べている、そういうシーンが映し出されます。この子達の昨日の食事はどうだったのでしょうか。悪く考えると、数日間は食事制限をされていたのではないだろうか、と思ってしまいます。このCMをみて、こんなふうに食べるのが普通なんだ、とか、それほどこのフードは美味しいのか、なんて捕らえてしまうのは、早計です。

 

飢えている子とそうでない子を見分けるのは簡単です。食器の中に頭を入れるスピードが速い。頭を縦に振って食べる。フードを回りに撒き散らす。こぼしたものを気にするがそれでも多い方を選んで食べる。食べるスピードが速い。カリカリ咬む音は聞こえずほとんど丸呑みにしている。このようなしぐさは飢えている子の食べ方なのです。これは元気良く、食欲良好、ではないのです。

 

そして、痩せていることと、体の大きさとはまた別のことです。犬種図鑑等に載っている標準体重はあくまでも目安であって、個々の犬の理想体重とは別のものです。同じ犬種でも体の大きさが大きい(大柄な)子と小柄な子がいます。同じヒト、という種類でも180cmを越えるほどの人と150cmに満たない人がいるのと同じことです。その人たちのちょうどよい体重は異なるわけです。だから、うちのわんこがその範囲内にあれば理想的な体つき、ということではありません。

 

痩せているかどうか、の目安は、身体を真上から見たときのフォームです。腰がくびれすぎていないかどうかを見てください。それから、毛が長かったり、もこもこしていたりすると分かりにくいので、触った感じがとても大事です。胸に触れます。肋骨をたやすく触ることが出来る、掌に肋骨のでこぼこがわかるのはやせ気味のしるし。毛の短い犬では、目で見ても肋骨のうねうねが分かるようであればやせすぎです。そしてもうひとつのポイントは背中。背骨の突起がごつごつ分かるようならばやせ気味かやせすぎです。

 

痩せていて、なおかつ食欲が盛んな場合は寒いのかもしれません。居住空間を見直してください。

こちらも参考にして下さい。次号、屋内飼育の犬猫向けの寒さ対策のお話です。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-category-59.html



屋外飼育の愛犬のための寒さ対策はこちら。PDFファイルです。

http://www.heart-ah.com/img/heartnews/heartnews28.pdf

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