涙のおはなし1・涙の成分ほか

こんにちは。

GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。

 

故郷に帰ると、いくつもの懐かしい思い出がよみがえってきますね。たまにしか行けない墓参をし、美しい田舎の風景に見とれ、遅れてきた春の山野草の味に舌鼓を打ち、久しぶりに会った親戚とのおしゃべりも弾みます。

 

さて。悲しいとき、悔しくてしかたが無いとき。嬉しいとき、すごーくおかしかったとき。キレイなものにふれたとき、こころがとても動かされたとき。涙が出てきますね。

 

今日は、涙のお話をしてみようかと思います。ちょっと目に関係するお話が続いていますね。

 

涙の成分は、①水性のもの、②油性のもの、③粘液性のもの、の3つから出来ています。ちょっと詳しく言うと①は涙腺から、②はマイボーム腺から、③は結膜から出ています。②の油性の成分は①の水性の成分が蒸発してしまうのを防いでくれていますし、③はいわゆるムチンで、涙がそこにとどまるのを助けてくれます。

 

涙、というとほら、涙腺、って思っているでしょう。それから、涙そのものは水性のように思いますよね。でも目の付属組織全体の働きによって、涙は複合的に出来上がっています。正常な瞬きがされると目全体は潤い、余剰のものは涙湖と呼ばれるところにプールされ、さらに過剰なものは鼻へと流れ出ます。
いっぱい泣くと鼻水が出てきてしまってかっこ悪いですよね。きれいな女優さんが上手に泣くシーンは目からあふれ出すだけで、鼻水にはなりません。だって興ざめしてしまいます。

 

涙が不足すると目はからからに乾いてしまいます。涙で潤いがなくなった目が最もダメージを受ける場所は角膜です。このような病態になったものが「乾燥性角結膜炎」です。通称で「ドライアイ」と呼ばれています。私たちは「KCS」と略して呼ぶことが多いです。「KeratoConjunctivitis Sicca」の略です。

これは悲しすぎて涙が枯れ果ててしまったから起こるのではありません。
一般には「涙液が減少するために起こる角膜と結膜の炎症を主徴とする眼疾患」と定義されています。「涙液の減少」というと
「涙」の量的不足、と思われますね。でも、涙が足りないから潤わない、だけでなく、質的な不足が生じても発症することがあります。だから前述の①②③のうちどれかが欠けていても「立派な涙」ではないので、この質的不足はドライアイにつながります。

 

ところで、涙の成分を作るところの異常で、「立派な涙」が作られなくなってしまうわけですが、涙の産生に関して、この組織は神経支配を受けているので、脳神経からの伝達経路に問題が生じても涙が出なくなってしまうことがあります。

ですから、眼の組織、眼の組織と関連する神経組織のどちらもが涙の産生に関わっているので、原因はいくつかあることになります。

すこし難しい表現をしてしまったような今日のブログです。ごめんなさいね。
要は「涙の量が不足することで起こる目の病気がある」「涙の成分が十分でなくてもその病気は起こる」「神経的な問題で涙が出なくなることもある」ということです。

 

次回は典型的な犬の「自己免疫性の乾燥性角結膜炎」についてお話しましょう。

 

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