アレルギー用の特別療法食

 9月に入っても昼間の暑さは一向に衰える気配をみせませんね。夏休みの最終日、日曜日と重なっておりますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 

これだけの高湿度と高温が続きますとアトピー関連の皮膚炎の症状はなかなか沈静化しませんね。でもあと1ヶ月の辛抱です。たいていは9月のお彼岸が過ぎると潮が引くようにスッキリしてきますから。

 

さて、今日はアレルギー用の特別療法食についてのお話です。

 

アトピー関係のわんこを持つおうちの方には、

①環境をクリーンにしてください、

②お散歩ではむやみやたらと草むらに入り込まないようにしてください、

③こまめに適切な薬浴剤でシャンプーしてください、

④保湿剤を上手に利用してください、

⑤ノミやダニの寄生予防滴下剤を使ってください、

⑥薬は正しく投与してください

など、それはそれは多大なケアをお願いしているわけですが、食事関連アレルギーの有無に関わらず、

⑦食生活に気を使ってください、

というお願いもしています。

 

ほんとにお願い事が多いですよね。アトピーっ子たちの管理はほんとにおうちの方のお力のおかげ。これで維持できているようなものです。

 

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アレルギーはコップに入れた水がこぼれるのに例えられています。いろいろなアレルゲンが身体にはいってきてこれ以上は許容できないよ、ということになると症状を出す(水がこぼれる)し、各個体によって生まれつき持ち合わせたアレルギーを受け入れる許容量(コップの大きさ)が違うのもそんなことで説明がつくと思います。ハウスダストやイエダニ、花粉などはどんなに頑張ってもこれらをゼロにするのは至難の業ですが、口から入る食事由来のたんぱく量は調整が可能です。アレルギーテストをしてあって、小麦がだめ、とか大豆がだめとかいうのが分かっていればそれは一切口にしないことがいいわけですが、検査を実施していないと何が大丈夫で何がいけないのか、分かりません。それで処方食の登場です。

 

 

 

食物性アレルギーの原因となるアレルゲンにはフードに含まれるたんぱく質があります。食物性アレルギーでは、わんこが日常食べているたんぱく質に対し、最もアレルギーを発症しやすいといわれています。よく使われているチキンやビーフはアレルゲンとなることが多いわけです。それで、それらを蛋白源として使用しないで、口にすることが無いたんぱく質を栄養源に使おうではないか、という動きがありました。これらが「アレルギー用処方食」です。一般的に、この新奇たんぱく質として使われるのは「ダック」(アヒルです)「シカ」「七面鳥」(ターキー)「なまず」(キャットフィッシュ)です。しかし、これらを原料にして作られたフードでもアレルギー反応をうまく抑えることができないため、たんぱく質を加水分解して小さなかけらにし、アレルギー反応が極力起こらないように処理したフードが登場したのです。

 

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たんぱく質は約20種類のアミノ酸で構成されています。この分子量が大きいまま吸収されると、体が「異物」と認識し、アレルギー反応が起こるのです。そこで、このアミノ酸が20も連なったたんぱく鎖をいくつかに切り離し、分子量の小さなものにしておきましょう、という「加水分解」を施した処方食が作られています。この作業は酸や酵素で行われるわけですが、フードを作る段階でたんぱく質の消化を工場で人工的に行っている、こんな感じです。

 

食物性アレルギーと診断できたら、アレルゲンを摂取しないことは大変重要なことですが、フードの中にはこうしたたんぱく質源のほかに、アレルゲンを起こすとして良く知られている「小麦プロテイン」や「コーングルテン」など、植物由来のたんぱく質も存在するわけです。それでいくら「新奇たんぱく質」によるアレルギー用処方食にしていてもアレルギーが治まらない、ということがあったのです。

 

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このフードをずっと続けていく、という方法でも栄養素はバランスよくできていますから大丈夫ですが、除去食試験によって大丈夫なたんぱく質を探していくこともできます。

 

食物性アレルギーが確定していないのであれば、治療をし、ハイシーズンが過ぎたところでアレルギー用処方食にレベルを落としても、維持できる場合があります。

 

しかし、一度アレルギーであることが判明したのならば、お肉たっぷりの食事やおやつなどはすぱっとあきらめていただく方が、痒みやアレルギー性の下痢症などをコントロールしやすいことは言うまでもありません。

 

また、近年、アトピー性皮膚炎にストレージマイト(倉庫に発生するダニ)が関与しているといわれています。1ヶ月で食べきるサイズのドライフードを購入し、紙袋から密閉容器に移し替え、乾燥した冷蔵庫で保管すると良いと思います。

 

少々長くなりましたが、今回のお話はこのへんでおしまい。

早く痒みがなくなりますように。

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