ワクチンのおはなし・その2

 ワクチンのおはなし2回目。

 

ワクチンというと「病気にならない注射」と思われているようですが、ワクチン接種を受けたら愛犬愛猫をすべての感染症から守れる、というわけではありません。ワクチンは「病原体がどういうものなのか」という情報を動物の身体の中に注入し、「こういう敵がくる場合がある」ことを提示し、「その敵が侵入してきた場合の武器を備える」よう記憶させるものです。ここでいう「闘い」とは免疫のことです。自身の免疫力(抗体)がなければ相手(抗原)の情報を入れても相手に勝つことができません。

 アデノウイルス 


ワクチンをうったのに病気になるケースとして、「呼吸器感染症」があります。猫のヘルペスウィルス感染症がその例です。免疫が短期間しか得られないのです。病気を完全に予防することは出来なくても、罹患率(病気になる確率)も低下させますし、重症度も下げます。また排出されるウイルス量も減少させるので、ワクチン接種の意義はあります。

 
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ワクチンの有効性を左右する因子は、そのほとんどが動物側の問題です。年齢、栄養状態、遺伝、ストレス、ほかの感染症があること、妊娠していることなどです。ですから、高齢であるとか、栄養状態が芳しくないとか、ほかの病気にかかっているとか、病気上がりだとか、外科手術後間もないときであるとか、妊娠しているような場合は、改善できることを改善してからワクチン接種をした方が有効です。こうした場合は免疫力も衰えているわけですので、有効性だけでなく安全性を考えた上でも、接種時期について検討するほうが良いのです。

 
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ワクチンが全く有効に働かない例として、「親譲りの免疫」の存在が上げられます。「移行抗体」とか「母体由来抗体」ともいわれるこの免疫がある状態ではワクチン抗原は中和されてしまい、接種個体の体内で独自の抗体を作り出すことができません。この「親譲りの抗体」は母親がもともと保有していた抗体の値、誕生後に接種した初乳の量などによって大きく変わるため、個体差があります。この免疫が充分に下がって、ワクチンが有効になるぴったりの頃、を見極めるのは難しいことになります。そのために幼少時には有効な免疫を得るために繰り返しワクチン接種をする必要があります。それでも親の免疫は切れたけどワクチン接種による免疫が始まらない、そういう「免疫ギャップ」(無防備な期間)はどうしても存在することになります。そのため、子犬子猫の時期は外部との接触をなるべく避けていただきたいというわけです。

 

 

今日のおはなしはここまでです。

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