猫のキャリートレーニング

 「うちの猫ちゃん、病院がだいっ嫌いだから、病院には連れて行かれないわ」

って、がっかりするお言葉を頂戴することがあります。

 

そうです。たしかに。猫さんにとって、通院はかなりのストレスです。

まず、キャリーが嫌い。それから、ぶーんぶーんという異音のする車も嫌い。そして天敵ともいえる犬の臭いがする病院も嫌い。知らない人なのにキャリーの窓から覗き込んでくるおよその患者さんも嫌い。見慣れない人の集団である獣医さんも動物看護師さんも嫌い。診察?検査?注射の治療?そんなのも、みんな、大嫌い。

ですよねー。

 

でも、猫さんが快適な生活を送って、元気で長生きしていくためには、時々病院に来て、定期的なケアが必要なのです。

まずは、キャリーを「私の安全な場所」として猫さんに認識してもらいましょう。それで通院のストレスをひとつ無くしてもらおうではありませんか。ということで、今日はキャリートレーニングのお話をします。

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まずはキャリーについてです。

おすすめのキャリーは前にもお話したように、上下分割が可能なキャリーです。大きさは猫さんが「伏せ」の姿勢をして前足の先から尻尾の付け根のところまでの長さがあるのがいいです。上下分割式は、わりとゆとりの大きさです。これだと猫さんが窮屈ではないので、入りやすいと思います。

トンネルタイプのものは猫用キャリーとして一番普及しているのですが、成長するとちょっとサイズが小さくなってしまうかもしれません。特に男の子ではそれが顕著です。また、これには出入り口が1つしかないものと、前後ろの2つあるものがありますが、2ドアのものが良いです。

 

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次はキャリートレーニングの方法です。

①トレーニング開始1週間くらいは、上下分割式のものは、とにかくキャリーの下部分だけを取り外して、部屋に置きっぱなしにします。トンネル式のものはドアを開けっぱなしで置いておきます。慣れてきたら上下分割式のキャリーは上の屋根をつけてみてください。

②大好きなおやつとか、食事をキャリーの中に置きます。入ったり出たり、自由にできるようになるまでそのまま継続です。入った時にはすごくほめてやってください。また、おやつはここでしか与えないでください。他の場所でも与えてしまうと、嬉しさは減ってしまいます。なお、おでぶさんにならないように、おやつの量は気をつけてください。

③キャリーのなかに15分くらい居られるようになったら、キャリーを部屋の別の場所に移してみましょう。猫さんが入っていない状態で別のところに動かしてみてください。そこで再びトレーニングです。そこでも同じように入ることができるでしょうか。

これまでがキャリーに入ることの練習になります。で、次は出る練習です。

④キャリーに入ったらちょっと扉を閉めてみます。急に閉めるとびっくりしてしまいますから、やさしく声をかけながら行います。そして扉を開けて出てきたところでおやつを与えます。リラックスして入る、出る、を繰りかえさせます。

さて、ここまでできるようになったら今度は移動の練習です。

⑤家の中で、キャリーを別の場所に動かします。手持ちのハンドルを持って動かすのではなく、キャリー全体を両手で包み、あなたの身体に密着させるように運んで下さい。箱を持ち上げ、動かす要領です。くれぐれもぶらぶら動かさないようにして下さい。

⑥それが成功したら次は車に載せる。エンジンをかける。短距離のドライブをする。などの順に、少しずつ慣らしてみてください。はじめはぎゃーぎゃー鳴くかも知れませんね。慣れです。がんばりましょう。

 

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このトレーニングの成功の秘訣についてお話しておきます。

①飼い主さんがリラックスして行って下さい。いらいらっとしてはいけません。大きい声を出してはいけません。また近くでうるさい音がしないように配慮して下さい。猫さんがキャリーに入ったとたんに、なにかびっくりするようなことが起こると恐怖心を与えてしまいます。

②すぐにできるようになるとは思わないでください。時間をかけてゆっくりと、です。急ぐのはいけません。子猫さんはキャリーを知らないのでわりとスムーズに行くでしょう。「キャリー=こわいこと」の記憶が出来上がっている成猫さんでは時間がかかると思います。あせらずがんばって下さい。

③「入った!」と途端に、ドアをばさっと閉めるのはやめて下さい。「出ますか?入ったままここに居ますか?」などとやさしく声をかけながら静かに扉を閉めるようにしてください。初めて扉を閉めるときは、締め切ったままにはせず、一呼吸したら扉を開けるようにしてやってください。

 

 

そして慣れたら「首輪+リード」または「胴輪+リード」でキャリーに入れるようになるとなお良いです。そしてリードの端をキャリーのもち手に結び付けてください。こうすると万が一のことがあっても猫さんをたやすく保護することができるからです。

 

それでは、キャリー大好き猫さんに、病院でお会いしましょう。

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テーマ : 動物病院
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