猫の問題行動を予防する

なかなか社会化のむずかしい猫ですが、仔猫のときから上手に飼育していただくと、犬のように(犬に近い水準で)芸事もできる(すわれ、まて、手を出して、などの命令に従順に行動する)ようになります。人間との共同生活に順応させるということです。一部の猫好きさんには「それは邪道だ」「猫は自由気ままだからこそ猫なのだ」というお叱りを受けそうですが、こんな猫も増えつつあります。屋内飼育で人との共有時間が増えてきたことで犬化したんが出現しているのかもしれません。

 

それでも、猫には本来の猫さんとしての習性がありますし、これが損なわれると猫の精神衛生上よろしくないですし、また問題行動をおこすきっかけにもなります。

そこで、新しく猫を飼育することになったらばお願いしたいことがあります。問題行動を予防することが出来ることがらです。

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①お腹が空いた、喉が渇く、という状況に置かないでください。

食べたい時に食べられる。飲みたい時に水が飲めるようにしてください。ことに猫さんは流れる水が大好き。お水の与え方を工夫していただけるともっといいな、と思います。

②不快な環境に置かないでください。

 暑い、寒い、むしむしする、きついにおいがする、不潔、というのは避けてください。生活する場所だけでなく、トイレをきれいにしておくこと、予備のトイレを作っていただくこともお願いします。

③痛みや怪我、病気の時は速やかにこれを開放できるようにしてあげてください。

 からだの痛みは動物病院の受診で開放することができます。それでも、病院に連れて行くことができなければ開放されません。キャリートレーニングがとても役に立ちます。

④生来的行動をとる自由を与えてください。

 猫が本来持っているハンティング本能をはじめとした運動や、木登り、ひなたぼっこなど、屋外の自由行動です。これらとまったく同じことができなくてもいいのです。それでも屋内でできるだけ似た行動が取れるように工夫してあげてください。爪とぎができるところは数箇所、そして遊びもいろいろバラエティ豊かにしてもらえるといいと思います。野生動物も動物園にいれば展示動物になります。檻の中だけにいる動物とふるさとの環境に似た施設を作ってもらって狭いながらもその中を自由にできるようにしてもらっている動物のほうが生き生きしているのはご存知ですね。

⑤恐怖や絶望から開放してやってください。

 猫のこころの痛みを気づいてあげられるのは一緒に生活している飼い主さんです。猫さんのおかしいな、のサインに早く気づいてやり、解決に持っていってください。そして次はそうならないように予防方法を工夫してあげてください。面白がって恐怖に陥れるような遊びは絶対にしないでください。こころを傷つける行為をしてはいけません。

⑥キャリーやクレートに慣れさせましょう。

猫さんを連れて動く時、新しい環境に住み替えする時、安心できる場所があるのは良いことです。日ごろからキャリーやクレートに入るよう、訓練しておくことが大事です。

⑦どこを触っても嫌がらないようにタッチングと拘束に慣れさせてあげましょう。

 これはトレーニングで何とかなるものです。動物病院の診察が唯一人に触られるものであるのならば、これは恐怖です。しかしお家でタッチングに慣れていれば、触る人が変わるだけで猫さんにとって苦痛ではなくなるのです。触診は痛いことをするわけではないのです。

⑧定期的に爪切りをするようにしましょう。

 これも慣れです。小さい時から訓練しておくと、いやなものではなくなります。仔猫さんのときから「ソフトポウ」という爪サックを付けるのもおすすめです。カラフルで可愛らしいものが市販されています。小さい時からソフトポウをはめておくと爪が出せなくても違和感がないようです。また、パスツレラの予防にもなります。

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生きていく上での根源的な問題を除いては、そのほかのことは慣れてしまえばストレスとは感じないものです。人と猫が共同生活をしていくのに、私たちが猫を気遣ってやらなければいけない問題がありますし、猫にも人との生活に合わせていただかないと不都合なことがあります。人と猫が気持ちよく共同生活をする上での決まりごとをつくり、実行していくといいと思います。人には情報もあるし、言葉というコミュニケーションツールもあるのに、猫と人との間のコミュニケーションツールはわずかしかありません。しかも猫は順応能力が低く、それまでの生活パターンに固執しがちな動物です。それで小さなうちからこのような環境に慣れてもらう、という考えです。

 

今日のお話はこれでおしまいです。

    
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テーマ : 動物病院
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