猫の常同行動

猫のストレス行動、3つ目は病的なまでに繰り返し同じ行動をすること(「常同行動」と呼ぶもの)です。これには、ひっきりなしに皮膚を舐め続け毛が抜けて肌がつるつるになるまであらわになってしまうことや、洋服(毛布)などをちゅうちゅう吸うこと、布やゴム類などを食べてしまうことなどが代表的なものです。心因性脱毛症(Psychogenic alopecia)、毛織物吸い(Wool sucking)、織物摂食行動(Fabric eating)といわれるものです。

 

好発品種としてはシャム猫、アジア系の品種と、その雑種に多いとされていますが、ウールサッキングでは幼少時に親猫から離された経験のある個体でよく見られますし、このほかの種類の猫で発生が少ないわけではありません。

平均年齢は2448ヶ月齢。若い猫に発生が集中しています。ストレスや葛藤、欲求不満のある飼育環境下で生じることが多いです。飼い主が意識してみることにより、行動がさらにエスカレートすることもあります。

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治療ですが、まずはノミアレルギーのような痒みを伴う皮膚疾患ではないかどうかを確かめる必要があります。医学的な問題であればまず、それを治療します。

またストレスや葛藤、欲求不満のがどこにあるのかを調べ、それを取り除くようにします。

飼育環境を改善します。猫のFive Freedoms 5種類のいやなことから開放させるように考えます。

Five Freedoms

 ①飢えと渇きからの自由

 ②不快環境からの自由

 ③痛み、怪我、病気からの自由

 ④生来的行動をとる自由

 ⑤恐怖と絶望からの自由

こうした環境系改善に加え、薬物療法も効果があります。セロトニンを増やす薬が有効です。ただし常同行動は治すことができますが、常同障害は治ることはありません。薬でそうした行動をコントロールしていくことになります。

 

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ある調査によると、飼い主さんが「困った」と感じる猫の行動のうちトップは猫の爪とぎ行動で、次いで隠れてでてこない、尿スプレー、同居猫との不仲でした。また原因は何故だと思いますか、という問いかけについて、猫の性格:31%、分からない:25%で、ストレスだろうと思っている飼い主さんは21%しかいませんでした。

この事実からしても、猫のこころを理解してもらえていない、というのが現実のようです。猫の問題行動の70%は2歳未満で発症しています。

 

もし、若い猫で、激しい爪とぎ行為や決められたトイレ以外の場所での排泄、攻撃的な行動、食べられないものを食べてしまう、皮膚を舐めてばかりいる、などの行動が見られたときは、「ストレスかもしれない」と思い出してもらえないでしょうか。そしてできるだけ早い段階で動物病院に相談に来ていただけたらと思います。

 

猫の問題行動に関するお話は今回で終了です。 
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