食物繊維のおはなし2

今回は、特定保健用食品(トクホ)としてもその機能が認められている「難消化性デキストリン」を例にして、その体内での働きと、どんな病気に向いているのかについてお話ししようと思います。

 

前にも、肥満症や関節症のために体重コントロールを目的とした処方食のご紹介としてこちらにもさらっと書きました。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-674.html

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食事から摂取された炭水化物はブドウ糖に分解されて小腸から吸収された後、肝臓へ送られます。難消化性デキストリンは、小腸での糖の吸収スピードを遅くし、食後血糖の急激な上昇を抑えます。この作用は糖尿病の犬や猫に好都合な作用です。

 

それから脂肪の吸収も遅らせることができます。食後の中性脂肪の上昇を緩やかにするのです。これは高脂血症のある犬に好都合です。健康診断でTCHOTGの高い犬は、同時にALTの上昇を伴わないALP上昇や高いGGT、という結果であることが多いのですが、(このあたりの詳しいことは、別のところで書いています。)こうした脂肪吸収を遅らせる効果は、血統的に高脂血症を起こしやすいミニチュアシュナウザーやシェルティーにも向いていると思います。

 

内臓脂肪を低減させる作用は、たくさんの量を摂取しないと得られないかもしれませんが、そうした効果もあるという研究結果が出されています。肥満症の犬猫の脂肪量を減少させるには、難消化性デキストリンを摂取するだけでなく、きっちり計算して総合的な摂取カロリーを減らさなければいけませんが、肥満傾向の犬には耳触りのいい作用ですね。

 

さて、整腸作用です。難消化性デキストリンは水分を含み膨張するため、便の柔らかさを保ち、便量を増やし、排便しやすくする作用があります。もちろん腸内細菌に対して、善玉菌を増やすなど、腸内の環境を改善させる作用もあります。これは便秘がちな巨大結腸症の猫はもちろんですが、高齢で排便サイクルが崩れてきた犬にも、またGALTシステムを活性化させ免疫のバランスを整えたいアトピー疾患の犬猫にも良いと思います。

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かつては「便量を増やすだけ」「粗繊維が多いエサは安物」「消化性に富む良いフードを食べさせるとうんこの量が減る」などと言われていましたが、便量が増えることは悪いことではありません。攻撃の的になっている食物繊維を擁護したところで、お話を終わります。

  
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